○
足鹿委員 大臣も御多忙のようでありますから、もう一点
大臣に
お尋ねをしておきたいのでありますが、先ほど申しました百四十六条の発動の問題であります。先のことを仮定して
態度をきめることはできないという御答弁でありまして、これは一応ごもっともだろうと思うのです。しかしこの問題は一別にそうこんがらかった問題ではなくして、ここに問題があるということは天下公知の事実でありまして、現に地方のいろいろな人あるいは言論機関等において、百四十六条の発動を見るかもしらぬということが言いふらされておるのです。すなわち高等裁判所に対して国の意思を忠実に行わしめることの裁判を請求している、その
手続をとって最後には都道府
県知事の罷免権まで発展をするのではないかというので、地方の
新聞は連日にわたって初号活字等で全紙面を費してこの問題を報道いたしておるのでありまして、これは仮定とはいうものの目睫に迫った現実の問題なのであります。いやしくも地方
住民の総意によって当選をした知事あるいは一県の知事に対してこの地方自治法百四十六条の適用というがごときことは、これは全くフアッショ政治にひとしいことでありまして、そういうことになりますならばやみであります。政府の意思に従わない者はすべてこういう措置に出てくるのだというふうな印象を受けるのでありまして、私どもは最も遺憾なことであろうと思う。そういうことがやられれば、これは最終の段階で砂川の二の舞あるいはそれ以上の事態が起きないとも保障しがたい非常に緊迫した事情でございます。従って、
建設省の
態度が結局最終的にはこの問題を決定するかぎになるのではないか、そういうふうに私は思うのであります。地方の
態度としては、
県知事は両県の知事とも
反対であります。島根県の知事も
鳥取県の知事も
反対でありますから、この
反対の
態度は私は変らないと思う。そうした場合には、
防衛庁が何らかの意思を実行しようと思うならば、何らかの手段をもって
建設省との間に
協議が行われることが、私は明らかであろうと思う。その際の
南條さんの腹を、この際もし伺うことができるならば、聞かしておいてほしい。その決意のほどを私は聞いておるのであります。これは申し上一げても始まりませんが、先日の地方紙一の報挙るところによ呈すと、案一省からあるいは通産省から、
米子市あるいはその他安来市、
境港市等に国の
調査員が派遣をされまして、産業立地政策について工業用水の
調査等、いろいろ御
調査の係員がお見えになったことを、市長は私どもに話しております。そういたしまして、一
建設省としては、地方産業都市圏の一つの構想に基いて、
境港、
米子、安来の地区を将来都市の過大化を防止し、新しい産業地図を作っていく立場から、通産省と
建設省との間にあって、すでに
調査にまで入っておられる。そこへその
計画の中心点に大きな
ジェット基地の
滑走路がつき、その隣には二百四十
町歩の
通信施設ができるということになりますと、これはもう工業
地帯どころか、全く軍事都市として出発することになるのであります。従ってごの平和な産業都市圏の構想というものは、私は事実上くずれるのではないかと思う。
建設省としては、あくまでも省独自の立場に立って地方産業の都市圏を実施し、産業の適正配置を行い、そして都市の過大化を一面において防止する、こういう
計画を持たれることが私は当然だと思うのです。そういたしますと、一面においてこういうものがその
計画の中心に出てくるということは、建設政策と正面から衝突する結果に私はなるのではないかと思うのです。そういう点も考えまして、おそらく
建設省としては軽々にこれに対する
態度はきめられないものである、かように私は好意的に見ておるのでございますが、その点について
大臣におかせられては、そうした地方産業都市圏の構想等との
関係において、こういった施設が方々にできても、産業都市圏の構想は構想として進めていかれるのであるか、その辺の御所信を一つ承わっておきたいのです。