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瀬戸山委員 簡単に済ませるから、もうちょっと待ってもらいたい。
自治庁長官はきわめてそつのない、うっかりまるめ込まれるような御
説明で、まことに恐縮に存じます。道としてはいいことであるから、この際はとにかく将来は
考えよう、研究したい、大へんけっこうであります。ただこれはあとで御訂正をなされたと申しますと失礼でございますが。補足されましたからそれを承認をいたしますが、固有の
事務ではないから云々というお話であります。
災害のときには
地方公共団体の長あるいは議会というものは全
責任を持って
災害の
復興住宅の対策に当るのでありますからそれは
地方公共団体の長の
責任であり、また議会の
責任であります。だからそういうものは固有の
事務ではないから国家がやるべきだというような、そういう
地方公共団体の長がおらぬことは、
大臣も十分御存じのはずであります。従って今
地方財政の非常に困窮の時代であるから、さらに新たな
負担をかけることは非常に困る。それでも一応了承いたしますが、しかしこれは
地方公共団体に対して
負担をさせようという
考え方ではないのであります。御承知のように、この問題になっておりますのは、金を貸す
手続を簡略化するためです。しかしながら金を貸すのであってくれるのではありませんから、実際
地方の実情を一番手っとり早く把握できる、しかもこういう緊急
災害の場合でありますから、
手続がどうだとか、調査がどうだとか、大体少くとも六ヵ月かからなければ
金融公庫の金で家を
建てるというわけにいかないので、少くともそれを一ヵ月か二ヵ月でやる
方法を
考えようじゃないかというのがこの
趣旨であります。そういたしますれば、どこのだれべえはどういう
状態だ、どこのだれべえはどのくらい信用のある者だということは、市
町村当局というものは常にわかっておるのです。そういう人たちに対して、これはこういう特別な
金融公庫の金を貸してやるのである、それについて私の方ではそれだけの証明をいたします、あるいは保証をいたすということにすれば、
金融公庫がどうだこうだといわぬでも、安心をして貸せる。従ってその
住民に割合早く自分の住まいができるという道を開こうというのでありますから、
地方公共団体が
負担を増額するものであるとか、あるいは固有の
事務じゃないという説——これはあとで補足されましたからいいのでありますけれども、そういう
考え方でなく、あれほど苦しい選挙をして、
地方住民のために粉骨砕身して進みますといういわば当事者なんですから、そのくらいの愛情をもって政治をしてもらうのは当然のことであります。私は
事務当局にはもう聞く必要はないから聞かないのでありますけれども、こういう問題は、お互いに政治家として政策を
考える者がそういう大方針を
考えなければ、——失礼でありますけれども
事務当局は、そんなめんどうくさいことは
地方公共団体が困る、何もやらない方が一番いいのである、何もやらなければ
責任がないし、めんどうくさくない、そういうことを
考えておるのでは、ほんとうに愛情のある政治というものは
国民のうちに及ばない。そのくらいのめんどうと申しますか、
努力をして、初めて
国民が安住の道を得るのだから、そういう
制度はやはり
大臣同士で話し合いをしてもらって、こういう企画をしなさいと命じていただきたいと思う。もし
地方財政が困るのでありますれば、これは全額を保証するというのではありません。あるいは場合によっては三分の一でもよろしいでございましょう。もし真にこういう特別な愛情のある
方法をして、しかも大した金じやありません、最高二十五万円くらいの予定をしておりますが、それくらいの金を誠意をもって払えぬような者は、国家が助けてやるべきだ、最初から高利貸しのような気持で、返せないようなときのことを
考えておったのでは、こういう
制度自体が要らぬことであります。それは自分のことは自分ですればよろしいのでありますから、台風にかかったとか、あるいは火事にあったという場合に、ただお気の毒でありましたと見舞状を出しておけばいいのでありますが、政治家としてはそういうことは
考えてはならないと私は思う。もし真に一生懸命
努力をして、この借入金を返さなくちゃならない、それでも諸般の事情あるいは世の中のいろいろな事情がありますから、誠意はあるけれどもどうしても払えない場合、市
町村がある
程度この保証の
責任を負わなくちゃならぬ。
地方公共団体が
責任を負わなくちゃならない
財政負担がある。そういうときには御承知の
通り、今でも各団体の
財政の
負担は、あとで国家が
補償をして、国全体の力で弱体の
地方公共団体を助けておるのですから、それくらいのことは将来
考えてよろしいと私は思う。それを先におもんぱかって、実際たびたび申し上げて失礼でありますけれども、苦しんでおる。しかも
災害のときの九坪か十坪の小さな家を
建てることにさえも、愛情を施せないというような政治は、私は
賛成しかねる。将来
考えていただくということでありますけれども、将来
考えなくたって、今日ただいま
大臣はそういう
考えになっていただきたい。もう一度、
一つそういう突き進んだことについて、
事務当局でなく、いわゆるほんとうに
国民をかわいがろうという政治をする
大臣としてのお気持を聞いておきます。