○前田(榮)
委員 御熱意のほどはよくわかるのでありますが、ただ熱意ある言葉だけで
道路はできるものではないのでありまして、もし国家財政が許さないならやむを得ないじゃないかということでこの問題を過ごすことになりますと、たとえば
昭和三十二
年度の
道路予算が五百億円余だといたしますなら、こういう傾向でいきますと十カ年計画どろではない。前の馬場
建設大臣が計画された十カ年計画の
工事量を行うのには二十四、五カ年もかかるということになりまして、これは何といたしましても今日の日本として放擲することのできない問題であることは申すまでもないのでございます。
従ってこの問題はどこに暗礁があったかと申しますと、私の推測する
ところによると、ガソリン税の増徴を大幅に見込んで、キロリットル当り一万円の増税を行おうという計画があったことは、すでに新聞にも公表されておる問題なのでありますが、そこに一つの
政府の錯覚があったと思うのであります。私も
道路改修費にガソリン税を使用することについて目をつけて参った者でございますけれども、少くともガソリン税を増徴するのには、
道路をよくしてやるということが前提にならなければならないのであって、ガソリン税を出して、それで
道路をよくしてやって、そのりっぱな
道路を自動車が走る。
運輸業者がガソリンの方で利益を得るなんていうようなことでは承知できないのは当然なのであって、業者が全面的に強硬なる
反対運動となって現われたのも当然なことだと思うのであります。そこでやはり
政府は一般財源から
道路整備費というものを大幅に出さない限りは、ガソリン税の増徴等も円満に行われない結果になるのであります。本年のごとき二百億円の
道路整備費の増額は、大部分はガソリン税の増額に待っておる現状でありますが、それでは今後も
道路整備費の増額を飛躍的に行うのはなかなか困難だと思うのであります。そこで
建設大臣に非常な御決意を願って、閣内で健闘してもらわないとこのことは実行できない、
建設大臣の政治力をここでうんと働かしてもらわなければならない問題だと思うのでありますが、まずその問題は
建設大臣の誠意に御依頼を申し上げることといたしまして、日本の
道路行政を将来いかにすべきであるかという構想、これは国民が
建設大臣に対して大きい期待を持っておる問題だと思う。前の
建設大臣は十カ年計画で行うという計画で進めて参りましたけども、ガソリン税キロリットル一万円取れない場合には、これが十二カ年計画になるか十三カ年計画になるからからないからどうしてもそういう構想を進めたいという熱意があったように私は承わっているのであります。現
建設大臣はこの
道路整備の構想を、ただ経済企画庁で立案しようがそんなことはどうでもよろしいのでございますが、それを待つということではなしに、むしろ積極的にあなた方の腹の中で一つ立案をしてもらいたいと思うのでありますが、これに対する一つの
道路行政の構想というものをお聞かせ願えるならば大へん仕合せだと思います。