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吉田(賢)
委員 今伝えられるところによりますと、やはり全購連から金品を受けた人が数十名ある、あるいは五十名と言われあるいは八十名と言われあるいは百名と言われているのであります。そのかぎを握っている一番中核のものはどこか、これは捜査当局です。そこでその捜査当局がそれを握っておられて、それが明らかに犯罪にならぬというような場合でも、なおかつ捜査の秘密に立てこもってこれを全然公表しない。しかし検察庁もしくは警察においてはこれを実際につかんでおられる、こういうことが事実であるとするならばこれは非常な迷惑なんです。それはあなたの方で秘密にしておられることが何らその人らの利益にならぬのであります。そういうことにも
実情はなっております。これは
立場を変えたらすぐわかります。こういう
立場もありますので、この点については今あなたの
お話の一端にもありますが、重ねて
一つ法務省といたしまして御協議願いたいのであります。そうして何らそれが犯罪とならぬようなものまで、あるかのごとき印象を
国民に与えるということは、あなたが捜査の権限を持っている、つまりその事実をつかんでおります中核の機関の責任者として私は穏やかならぬと思うのであります。やはりそういうものは
国民のためにも本人のためにも解明するという、反面に協力義務があると私は思う。捜査の権限がなかったならばそんなものをつかむ機会がないのです。捜査の権限があるから被疑者を調べる。被疑者を調べて、何かの機会にそういうことを言った、その言ったことをふところに持っている、それを持っているものは捜査機関だけなのであります。その捜査機関だけが、何ら犯罪にならぬようなものでもこれを秘密だと言って握っている場合は、これは当該のその人、及び
国民が知りたいことを知らさないことになる。捜査の権限の特別の地位から得たそういう事実、聞いたその事実を
国民に明らかにすることによって
国民は利益を得るのだけれども、あえてそれをしない。そういうようなことは、その特権から得た地位を——積極的に乱用ではありませんけれども、その地位から得たある事実を
国民に解明するという文明的な態度において、大いに欠けているものがあると思う。やはり今日の憲法の精神から見ましても、基本的人権を擁護するということは、積極的な行為によって擁護するだけでなしに、あらゆる機会において、いろいろな手段、積極、消極の手段で擁護に協力するのが捜査機関として特に必要な責務でないかと実は考えますけれども、この点についてはぜひ
一つ御協議願いたいと思う。そうしてある
程度まで
国会が済むまでに法務省といたしまして明らかにしてもらいたい、こう思うのであります。これはやはり警察当局におきましてもその点はもう一ぺん考え直してもらたい。なま殺しのような状態でいくことはよくないと思うのです。ほんとうに握っているのはあなた方だけですよ。そうでございましょう。握っておって言わない。言うことによって解明される、
国民はそれを待っておる、本人もかえって不名誉がなくなる、こういうことになるのだけれども、それに協力しない。一体公務上得た秘密というものは、また今まで御指導になった法条というものは、そこまで
国民へ協力を要請しているのだろうかと思うのだが、私はそんなものじゃないと思いますので、その点はもう一ぺん相談して下さい。
それからもう
一つ伺っておきますが、今、淡谷
委員から申しました点にちなむのでありますけれども、当
委員会におきましても、たとえば今起訴されております海内という農林省の役人、これに対する贈賄の点でありますが、これもすでに一、二ここでも明らかに述べておるのがあるわけです。そこである書物によりますと、明らかに海内藤作に対して輸入商社からの金品を贈ったことも記載されておるのであります。この書物はすでに警察及び検察庁はお持ちになっておるかと思います。これはわれわれの手にまで入るくらいでありますから、広く行われておると思いますが、著者は久保等山之輔、発行は三十一年七月三十日、名前は「膿相河野一郎を暴く」というのです。こういう五十ページに足らないような小さなものでありますけれども、まことに重要な事実が記載されておる。しかもこの事実のうち、直接犯罪性がないような事項については、これは過日の当
委員会において政府当局の答弁は大体これを肯定しております。一々ここであなたに申し上げませんが、大体肯定しておる。そこで、ここで直接触れておらぬことは、やはり河野農相に対する東京食品からの七千万円の贈り金であるとか、伊藤忠からの六千万円の贈り金であるとか、日綿からの九千万円の贈り金であるとか、そうい点が具体的にここではまだ触れておりません。しかしこれの前後の事情、
経過というものは、ここに書いてあるのと符節を合わすような答弁が政府から出るのです。これは農林省とか通産省、みなそうなんです。みんな符節を合わすように、こまかいところに至るまで——ことに昨日細田
委員の
質問でありましたか、
山田委員の
質問でありましたか、日綿実業の専務に、
昭和三十年十月一日農林省の分室において、あなたは呼ばれて、このカリ輸入の協議会結成について政府がある事項、基本
方針を指示して協議したときに、参加されたか、そのときの模様はどうかという
質問に対して言ったことが、ぴしゃっと書いてあるのです。そうゆうこともあるのでありますから、一体こういうようなものは、あなたの方はお調べになっておるのでしょうか。警察の方にも
報告があるのかないのか、これはお二人御承知でございますか。
中川さんからお答えして下さい。