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1957-05-08 第26回国会 衆議院 決算委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月八日(水曜日)    午後一時四十八分開議  出席委員    委員長 青野 武一君    理事 奥村又十郎君 理事 關谷 勝利君    理事 床次 徳二君 理事 本名  武君    理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君       臼井 莊一君    櫻内 義雄君       淡谷 悠藏君    神近 市子君       細田 綱吉君    山田 長司君  出席政府委員         農林事務官         (大臣官房経理         厚生課長)   川戸 孟紀君         農林事務官         (農林経済局参         事官)     森  茂雄君         農林事務官         (振興局長)  大坪 藤市君         食糧庁長官   小倉 武一君  委員外出席者         通商産業事務官         (通商局次長) 樋詰 誠明君         会計検査院事務         官       中川  薫君         (第四局長)         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 五月七日  委員淡谷悠藏君及び山田長司辞任につき、そ  の補欠として安平鹿一君及び上林與市郎君が議  長の指名委員に選任された。 同月八日  委員上林與市郎君、田中織之進君及び安平鹿一  君辞任につき、その補欠として山田長司君、神  近市子君及び淡谷悠藏君が議長指名委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  証人出頭要求に関する件  歳入歳出実況に関する件(全国購買農業協同  組合連合会に対する補助金等会計経理に関す  る問題)     —————————————
  2. 青野武一

    青野委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出実況に関する件(全国購買農業協同組合連合会に対する補助金等会計経理に関する問題)につきまして、前会に引き続き調査を進めます。  その前にお諮りすることがあります。すなわち、本件につきまして、さらに調査のため、来たる十三日午前十時に、東京食品株式会社取締役多重兵君、伊藤忠商事株式会社社長小菅宇一郎君、日綿実業株式会社専務取締役石橋鎮雄君、片倉肥料株式会社社長鷲見保佑君、日東物産商事株式会社社長小西長治郎君、光興業株式会社社長渡瀬完三君、以上六名の諸君を証人として出頭を求めたいと思いますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 青野武一

    青野委員長 御異議なしと認めます。よって、規則五十三条により、議長を経由して出頭を求めることといたします。     —————————————
  4. 青野武一

    青野委員長 発言の申し出がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 食糧庁当局砂糖輸入を中心として少し事情を伺ってみたいのであります。  第一に、ここ一両年来、二十九、三十、三十一年と一応限定いたしまして、砂糖輸入状況及び需給状況、その概要を一つ説明願いたいと思います。これは事務当局から適当に説明を願えばよろしいと思います。
  6. 小倉武一

    小倉政府委員 砂糖輸入需給についての概略でございますが、二十九年度の輸入実績は百一万三千七百七十七トン、約百一万四千トンと相なっておりますが、三十年度は百七万トンであります。三十一年度は百二十万二千トンということになっております。需給の方でございますが、外貨事情等もございまして、消費見込量をそのまま輸入するというわけには従来はいかなかったわけでございますが、外貨事情の好転とともに、昨今は国内消費見込みを推算いたしまして、それに見合らものを輸入いたすようにいたしております。三十一年度で申しますと、それが百十四万トンというふうに相なったのでありますが、輸入実績、それから砂糖の市況というものを見まして、その後相当量を追加いたしておりまして、百三十七万トンの輸入計画を立てて、それを実施して参っております。三十二年度、本年度でございますが、外貨予算上は前年度と同じよらな方針で百十五万ないし百二十万の計画を立てて参っております。大体それに見合うものが国内消費量というふうに考えておるのであります。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なおそのうち全購連輸入割当を受けました数量を、二十九ないし三十一年度逐次御説明願いたい。
  8. 小倉武一

    小倉政府委員 全購連に向けました粗糖といたしましては、二十九年度に五千八百トン、それから三十年度に二千三百七十トン、三十一年度は二千四百五十五トンということになっております。なおこれは役所の方で割り当てたというふうに申し上げては正鵠を得ていないのでございまして、いわば自力で入手したといったような表現が適当かと思いますが、そういうのが以上申し上げましたほかに二十九年度に二千三百六十三トンございます。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとあとの御説明の二十九年度の二千三百五十三トン、これは割当にあらずして自力入手ですか、それはどういう趣旨なんでございますか。
  10. 小倉武一

    小倉政府委員 実は全購連等に対する割当といたしましては、割当の基本から申しますと精糖会社、そういうメーカーに対する割当分と、インポーター輸入商社に対する割当分両方ございまして、全購連につきます割当と申しておりますのは、商社割当の一部に実は相なっておるのであります。全購連は御承知のように砂糖購買事業をいたしておりますので、砂糖を取り扱っておるのでありますが、自分取引関係商社を通じて粗糖を入手した、こういうふうなものであります。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この年間需給計画農林大臣が策定なさることになるのでありますか。それから砂糖現実輸入割当も同様でありますか。
  12. 小倉武一

    小倉政府委員 砂糖需給計画と申しましては語弊があるかと思いますが、実質的にはお説のように需給計画というものを一応立てるわけでございます。これは農林省が立てます。それに基きまして要輸入量輸入する必要のある分量が出て参りますから、これは農林省通産省協議いたしまして、外貨割当上どれくらいのものを予算として組むかということは、農林省意見を聴取して通権者がきめる。もっともこれの最終的決定閣僚審議会外貨予算決定になるときに同時に決定になるわけでございますが、実質上の手続的なことを申し上げますればさようなことであります。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで現実精糖業者への割当、それから輸入商社への割当その他全購連のごとき実需者への割当、この砂糖そのものの量の割当は、農林大臣もしくは食糧庁長官でおやりになるわけなんですか。
  14. 小倉武一

    小倉政府委員 割当の方法といたしまして、砂糖につきましては、商社に対する割当メーカーに対する割当とありまして、最近ではメーカーに対する割当が八割、それから商社に対する割当が二割ということになっております。メーカーに対する割当につきましては農林省が案を作りましてそれを通産省に提示をする、いわば発注限度づきの外貨割当をそれによって受ける、こういうことに相なっております。  それからただいまお話の全購連等につきましては、商社割当のうち一部分につきまして、通常ならば商社はどこへ売ってもよろしいわけでございますけれども、全購連等に対しましてこの程度売ってくれといった、いわば行政上の措置といたしまして、そちらに粗糖が入手できるように措置をいたしておるのであります。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私には少し理解しにくいのでありますが、この砂糖輸入量割当はどこへ何パーセントとか、どの方面、業者商社等々にどのくらい割り当てるということは、別に法律根拠でやるのではなしに、行政上の措置としておやりになっている、こういうふうに理解していいのでしょうね。
  16. 小倉武一

    小倉政府委員 外貨割当自体はもちろん法律に基いてやるわけですが、御承知のように商社割当メーカー割当はどうする、またメーカー割当についてはどういう基準でどう割り当てるかということが行政措置でございます。
  17. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで需要者とおっしゃいました今の精糖業者というのは、全国に何社あるのですか。個人を入れましてどのくらいの数に上るのですか。
  18. 小倉武一

    小倉政府委員 いわゆる精糖業者と申しますものは、二十七社ございます。なおそのほかに再精糖と申しますものがございますが、この再精糖をするものは百二、三十社に上ろうかと存じます。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで精糖業者を、つまりそのメーカー需要者とおっしゃるのですね。あなたの資料は出ておるのですが、資料の上だけではちょっとわからぬので伺っておきます。
  20. 小倉武一

    小倉政府委員 先ほど申しましたように、割当自体につきまして商社割当メーカー割当両方ございます。メーカーというのは今お尋ねになりました精糖業者でございます。なおそのほかに砂糖につきまして需要者と申しますか、実需団体と称しておるのがあるわけです。これはただいまお尋ねメーカーとは違いまして、砂糖原料として菓子を製造するとか、カン詰を作るとか、あるいは砂糖消費者配給する消費組合的なもの、そういったものがございますが、私どもといたしまして、これは別に世間一般に通用する言葉ではございませんけれども割当の場合には、メーカーに対する割当メーカー割当と称しておりまして、他の場合には、あるいはそれを実需者割当と、他の状態の場合にはこうも称しておると思います。メーカー割当あるいは実需者割当一般にいわれているものでありますが、そのメーカー割当以外に実際に砂糖を使う、こういう業体がございます。そういうものにごく一部でございますが、消費者割当の中からいわば広い意味での割当をしている、こういうことであります。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 本月六日付食糧庁提出砂糖に関する資料第十二枚目によりますと、「粗糖外貨資金割当には需要者割当輸入商社割当とがあって」こういう区別の仕方がありますので、この需要者というのはさきにおっしゃった十八社、九社及び再精糖会社ですか、組合というのですか、百二十ないし百三十もこれに該当するのじゃないのですか。これも需要者割当と書いてありますが、どうなんですか。
  22. 小倉武一

    小倉政府委員 申し方が悪くて恐縮でございましたが、ここで需要者割当と申しておりますのは、私が先ほど申しましたメーカー割当のことでございます。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでメーカー割当が八割というのは、これはいつも八割に限定しておるのですか、その点はどうなんですか。
  24. 小倉武一

    小倉政府委員 別に八割ということに確固不動の原則があるわけではございませんが、年間輸入量外貨予算の中で本年たとえば百十五万トンというふうにきまりますれば、その八割ということであります。
  25. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その百万トンの八割、百十五万トンの八割、八割をメーカー割当てをするという根拠は一体何ですか。
  26. 小倉武一

    小倉政府委員 この輸入する砂糖粗糖でございますので、ほとんどそのままそれは精製されまして、普通の精製法として消費者の方あるいは加工の方に向けられるということに相なっておりますので、粗糖で申しますと直接の需要者というのはメーカーということに相なるのであります。そこでお尋ねのようにそういうメーカーに割り当てるのがよろしいか、あるいは一般貿易業務を営んでいる輸入商社に割り当てるがよろしいかということについては、これは政府部内でもあるいは政府部外におきましても、いろいろ御議論意見のあるところであります。私どもとしましては、メーカー割当というものも、ある程度多い方が砂糖供給安定という点から見まして望ましいのではないかという考えに立っておりますが、しかし別な観点で、通商政策というような観点にお立ちになりますと、むしろインポーター割当を多くして、それによって貿易全体を振興させた方がよろしい、こういう御議論も成り立ちますし、また現に通産省通商関係立場に立っている方々は、商社割当をふやすということをかねてから主張されておるような次第であります。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この際私は通商関係立場から質疑するというわけではなく、全くの白紙であります。どの割合にいずれをすることが妥当であるかということは、あらかじめ意見は全くないのであります。ただいつも八割、百万トン入っても百十万トン入っても八割というそのきめ方が何に由来しているのだろうということがわからぬので伺うのでありますが、別に確固とした根拠があるかのような、ないかのようなことでありますので、何か筋が通っておるのではないか、こう思ったので聞いたわけなんですが、それはたとえば需給計画というか、需要供給ないしは外貨予算編成等と、毎年の内外各般事情にかんがみてきめるというのではなしに、あらかじめメーカー割当八割ということになっておるらしいのだが、どうもそれがよくわからぬのですが、何かもう少し具体的根拠がないのでしょうか。根拠がないのなら、あるいは九割にするのが妥当かもわからないし、七割にするのが妥当かもわからないし、内外各般の情勢にかんがみて、年々検討するということもあるいはよいのかもわからぬしと思ったりするのですが、何か固定した、不動のような比率がきめられているような印象を受けますので、これは一体どういうものだろうか、こう思うのですが、いかがですか。
  28. 小倉武一

    小倉政府委員 お尋ねのように需要者割当消費者割当比率をどうするのがよろしいかということにつきましては、御承知通り根拠というようなものはございません。ただ一般的に——はなはだ抽象的になりましてお答えにならぬかとも思うのでありますけれども外貨事情が非常にきゅうくつでありまして、ものの供給なりその他にできるだけ寄与するということである場合には、メーカー割当の方がよろしいのではないか、それから他方また逆に貿易をだんだんと拡大し、また通商をできるだけ自由にしていく、これも望ましい方向ということでありますので、外貨関係ができるだけゆとりができ、通商をできるだけ自由にしていくという観点に立てば、消費者割当をできるだけ多くしていく、こういうことに相なろうかと思うのであります。  そこで一応経過的に申しますと八割、二割がここ二、三年続いておりますけれども、実は毎年、あるいは上半期、下半期と言ってもいいかと思いますが、その割合をどうするかということについては、主として農林、通産両当局協議した上できまることであります。三十二年度についてそれをどうするかということはまだ決定をしておりません。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その問題はやはり問題と思うのですが、それはちょっと別にいたしまして、そこでたとえば全購連などは、ここの十二枚目に書いてあるものによれば実需者と書いてある。この実需者というのが商社割当の中において、そういう形で区分されるようになっておるらしいんですね。実需者というのはこれは一体そもそも何なんです。それでまた商社の中へ含まれるというのは一体どういうことを意味するのか。商社というのは今の御説明によると輸入商社ですね。輸入商社の中に実需者が入る。実需者というのは需要者メーカーとは違うんだ。どうもその辺の区別標準は一体何を区別しておられるのかはっきりしないのでありますが、そもそも一体実需者というのはどういうものを実需者にしておるのであるか。その辺何かの標準があるのかないのか。たとえば太郎兵衛という人が毎日砂糖を食っております。太郎兵衛が百人寄った一つ団体実需者でありますから、砂糖輸入配給割当をしてもらいたいといったら割当をするのかどうか。一体何を実需者といっておるのか。その辺は実際はどういうことになっており、何を標準でこういう区別をされ、ないしは商社の中へこういう実需者が入れてあるのか。この辺は観念的にも実際的にもどういうふうに整理されておるのであろうか、一つはっきりしてもらいたいと思います。
  30. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のように用語が必ずしも適切ではないかとも思いますが、言葉といたしましてはこの精糖業者等はこれはメーカーという言葉で表わすことといたしまして、そういうメーカー輸入商社、この両方割当がいくわけでございます。そのほかになお今お尋ねの問題があるわけでございますが、御指摘の資料実需者、こう書いてある分でございます。これはどういう観点からか〜申しますと、まず一つ個々消費者はもちろん考えておらない。これまで考えられなかったわけでございますが、相当程度規模組織を持っておる、砂糖原料に使う加工業者菓子とかカン詰とかあるいは果汁、そういったもの、それから二にはやはり相当大きな規模組織を持つ消費組合、生活協同組合あるいは購売組合、こういったものをここでは実需者というふうに申しておるわけであります。  そこで先ほどのメーカー割当消費者割当との関係でございます。メーカー自分粗糖精糖するわけでございまするから、輸入をされた粗糖自分工場加工されることは申すまでもございませんけれども消費者割当の分は、これは本来どこに売ってもいいわけでございます。どこの砂糖工場に売ってもよろしい、あるいは砂糖工場以外でも理屈の上ではいいわけでございます。ところが砂糖供給がこれまで必ずしも潤沢でなかったことは御承知通りでございます。そうしますと消費者割当は本来売り先は自由であるはずでございますが、結局砂糖加工業者である精糖業者にしか流れない。一般砂糖を直接加工原料として使っている団体あるいは消費組合等が、それでは高い砂糖しか入手できないではないか、こういう御議論他方生じて参ったわけでございます。そこで一ぺん精糖業者を通さないで、商社輸入したものを直接そういう実需者団体に回すということが一部考えられはしないかということで始まったのが、お尋ね実需者割当、こういうことであります。
  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと商社割当というものといわゆる実需者割当というものとは、本質は違うわけですね。商社みずからは消費しないのですね。今おっしゃるように、売り先は自由である。そこで加工業者ですか、精糖業者ですか、そういった工場へ売る。菓子工場とかカン詰工場とか、あるいは購買組合とか生協、そういったものはみずから使う。ちょっと本質が違いますね。商社はあくまでもやはりこれを取引して商業行為をするというのでありますが、これが商社の中へ入るというのはどういうことなんでしょうか。少し考え方の整理がされておらぬように思いますが、そういうことは非常に重大なことではないと思いますけれども、私ども砂糖問題を考える上におきましてどうもこういう辺の区分がはっきりしておりませんので伺うのでありますが、そんならそれで、今お述べになったようなことであるならあるで、商社と厳然と区別して、そうしてみずからこれを消費する消費者として、はっきりと一つ掲げていただいたらどうなのか。そうしてこれをみずから消費しない輸入商社の中へ入れてしまう、そういう必要は全然ないだろうと思う。別の理由と別の目的、別の事情から区分されて割当されたものと理解するのですが、それをどうしておやりにならないのですか。
  32. 小倉武一

    小倉政府委員 そういうことももちろん考えられると思います。私どものやっておりますのは、いわば便宜的な手段にすぎはしないかという反省は、これまで私どもといたしましてもいたしておるのであります。商社割当の中でやる事由としましては、特別にございませんけれども他方割当自体メーカー割当消費者割当だけでございますので、メーカーといたしましては自分のところに割り当てられた粗糖は自己の会社工場で使う、消費者割当につきましては、本来売り先は自由でありまするけれども、そのごく一部分につきまして役所の方が売り先について指定をすると申しますか、依頼をするという格好でやっておるのが実情でございます。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでたとえば実需者割当と称するものは、今おっしゃったように農林省でおきめになるのではなくして、やはり通産省とも御協議の上できめるというのが手続上の実情なんですか。
  34. 小倉武一

    小倉政府委員 粗糖割当全体につきまして、たとえば需要者メーカー割当商社割当、その全体の比率、それから個々メーカーに対する割当量等につきましては、基本問題は通産省協議をしてきめ、その範囲内で個々メーカーにどういうふうに割り当てるかということにつきましては、農林省で案を具しまして通産省依頼をする。それからいわゆる実需者団体割当というものにつきましても、ほぼ類似の手続でやっておるのであります。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、お菓子屋工場に、カン詰工場に割り当ててやる、購買組合に割り当ててやる、生協に割り当ててやる、たとえばしるこ屋も残っておるし、その他砂糖を消費する団体は多数残っておるし、それからまたあなたの説によれば、相当規模組織があればいいかのようなんだが、どこかこういうものの目安があるのですか。これなら割り当ててやる、これなら割り当ててやらない、あるいは申し出たら割り当てる、申し出ない者は割り当ててやらない、一定量のもの、画一的なものに割り当ててやる、そういう適格性の有無はどこかで審査するとかなんとか、何かのものさしがそこにあるのですか。
  36. 小倉武一

    小倉政府委員 格別きちんとしたものさしといったようなものはございません。私当初始めたときにどういうことで選定したかよく存じませんけれども、先ほど申し上げましたような組織規模とか、かかえている組合員の数でありますとか、そういったことが一応基準になったかと思います。当初は、実は始めるときにはそういう選定のおおよその趣旨もなかったものですから、非常にたくさんの要望があったと思うのでありますけれども、だんだん一回、二回、三回と度数をたび重ねてくるたびに、その団体自身の御要望とかいったようなことも十分取り入れておりますので、今のところの関係範囲というものはほぼきまったようなことになっておりますけれども、と申して新しい需要者を全然シャット・アウトするというつもりもございません。なお制度につきまして、このやり力につきましてもいろいろ御批判をいただく向きもございますので、団体選定等についても、今後できるだけ留意いたしまして公正にしていきたいと思います。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、これはたとえば婦人の団体などがこれを申し出すると、一応は検討するのですか。あるいはお菓子屋カン詰屋配給をして割り当ててやって、しるこ屋に割り当ててやらないということでは、これは知らぬからいいですよ。私どももわからぬです。一般国民は知っておるかどうかそれは存じませんけれども、知ったら、これが何らかの便益がある、利益があるということであれば、それは相当みなそれぞれと希望するだろうと思うのだが、希望があれば、農林省としましては、やはり今お述べのように、確たるものさし基準がないとすれば、前例もあることだから審議する、こういうことにせざるを得ないかと思うが、その点はどうなんですか。
  38. 小倉武一

    小倉政府委員 その点でございますが、これはお話通り、御希望がございますれば、従来の対象となっている団体振り合い等も見まして、もちろん審査と申しますか御要望に応じてお話し合いをしなければならぬ性質のものであるというふうに存じます。しかしこの制度自体の持っているいき方についても、なお全体としても検討を要する点があろうかということも、他方考えております。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでこの八割がメーカー、一割が輸入商社と今の実需者と称する者ということですが、輸入商実需者比率はどのくらいですか。
  40. 小倉武一

    小倉政府委員 お尋ねは、商社割当の中で実需者にいっているのがどのくらいの割当かということかと考えますが、商社割当の中のほぼ一割見当であります。それから全体の二%程度であります。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、の数字をながめてみれば、メーカーには全体の八〇%、輸入商社が全体の一八%、そして今の全購連とかあるいはカン詰屋とか生協とかそういう実需者は全体の二%、こういう比率というふうに理解できますが、それでいいですね。
  42. 小倉武一

    小倉政府委員 そういう見当であります。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでこれはたとえば上精白といたしました場合に、今日現在、もしくは二十九、三十、三十一年もわかればなおいいのですが、メーカーとしては、斤当り及びトン当りどれくらいの加工費あるいは営業費が要るのでございますか。要するに私は原価計算がどうなっておるかということを知りたいのでありまして、それを伺っておるのであります。
  44. 小倉武一

    小倉政府委員 斤当りの加工費は、精細なことはむずかしいかと思いますが、おおよそ申しますと、十円あるいは十一円程度のように見ております。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、加工賃が十円から十一円くらいで、そこであなたの方の本年二月十日付の資料によれば、国内価格の推移の欄に、上白といたしまして、三十一年の十二月現在では定期は一斤当り五十円二十八銭、卸売が七十八円十七銭、小売が八十一円二十四銭、こういうことになっておるようでありますけれども、おしなべてこういう場合の利益といいますか、これはどれくらいに押えておられるのですか。
  46. 小倉武一

    小倉政府委員 最近どれくらいの利益があるかということにつきましては、実はなかなかむずかしい点がございまして、今お話の市価は五十円、最近は五十三、四円に上っておるのが多いと思いますが、これに消費税が二十八円入っておるわけでございます。従いまして、八十円近くから八十何円というのが卸の価格に相なろうかと存じます。現在の国際比較でございますが、これがトンになりまするけれども、百六十五ドル程度だと思います。斤にして今の消費税込みの価格にしますると、八十五円見当に相なるのであります。従いまして、現在の原料そのものが入ってきて現在の市場価格ということであれば、どうも利益がなさそうに思います。ただ、現在市販されておる粗糖原料の価格は、必ずしも現在の国際相場で入っておるわけではございませんから、相当安いものも入っておりますから、その割合、いつごろのものをどれくらいとっておるかということによって違って参ると思うのでありますが、私どもの推算で、この三十二年度の四月以降の話になりますが、これも大よその推算でございますから、おしかりを受けるかもしれませんけれども、採算価格はほぼ八十円程度ではなかろうか、こういうように今考えております。現在の市価は八十円をちょっと越しておりますから、その辺で最近の事情は御推察いただけると思います。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ところが、あなたの資料によれば、三十一年の平均は百六ドルです。そうなっております。三十年の平均は百四ドル、二十九年の平均は九十三ドル、二十八年の平均は百四ドル、二十七年の平均は百三十二ドル、こういうことになっておりますので、これは運賃等の関係かと思いますが、三十一年の平均が百ドルとなっておりまするので、今百六十ドルとおっしゃいましたかね、大へんな違いだろうと思いまするが、百ドルといたしました場合、つまり三十一年の平均ですから、これは会計年度だと思いますが、三十一年の会計年度百六ドルとかりにすると、だいぶ採算の関係は変ってくる、原価計算の内容は変ってくると思うのですが、百六十ドルで一斤八十円につくというのであれば、原価がその五割安ということにでもなれば、もしくは三割安ということにでもなれば、一そう低くなるような計算と思いますが、その点はいかがですか。
  48. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のように、私が申しましたのは、一種の仮定でありまして、現在の国際価格との比較で申し上げたのでございます。同じように加工を見ますると、百ドルを、三十一年では上期は百二、三ドルでございますか。それから下期になりますると、ちょっと上って参っておりますが、その点は非常に違っております。  もう一つ国内価格も現在では三十一年度の特に上期はそうでございますが、現在よりは八、九円安いというような事情でございまして、それにしましても差益は三十一年特に下期におきましては原糖は安かったことでございますから、国際価格は当時上りましたけれども、原糖自体は安かったのでありますので、相当差益があったろうということはさようだろうと存じます。
  49. 神近市子

    ○神近委員 関連して。原糖の原価はどのくらいになっておりますか。それが一点。それからあなたは精白費が大体十円から十一円とおっしゃったようですけれども、これは非常に高く見積ってあるのではないですか。私どもがほかの方面でちょっと聞いたところでは、それはメーカーがなかなか発表しないので、なかなかつかむのがむずかしいということはわかりますけれども、五円から八円というようなところをちょっと教えて下さった方があったのですけれども、あなたの十円から十一円という根拠はどういうところから出てきておるのですか。斤当りでいいです。
  50. 小倉武一

    小倉政府委員 まず原料の価格についてのお尋ねがございましたが、斤当りを出していないのでございますが、これは三十一年度の平均百六、七ドルというところで申しますると、斤当り三十八円から三十九円見当であろうと思います。しかしそれはCIF価格でございますので、工場までいくには運輸諸掛りがかかるわけでございます。  それから加工賃のことでございますが、これは先ほどお断わりしましたように、私どもの見方が正鵠を得ているかどうかという御批判を受けなくちゃならぬ点だと思います。十円あるいは十一円程度ではないかというふうに申し上げましたのは、実はだいぶ古くなるのでありまして、三十年に砂糖の差益徴収の法案を用意しまして国会に提案したことがございます。そのときは十一円四十八銭ということで、加工賃——利潤も入りますけれども、通常の利潤も含んで十一円余りということに踏んでおったこともありまして、最近少し下っておるだろうというふうな見当も入れまして、十一円から十円ならんというふうに申し上げたのでございます。
  51. 神近市子

    ○神近委員 それはちょっと私は納得ができないように思いますから、もう少しよく調べていただきたいと思います。私ども消費者側ですから、非常に婦人たちは関心を持っていて、どうしてこんなに高い砂糖をなめなくちゃならないかという疑いを持っております。それから私は今の原糖の値段も非常に高いと思います。それは私ども、二十九年ジャワあたりの砂糖は、十七円から十八円くらいだというふうに聞いていたんですが、どこでそんなに高くなったのか、あるいはジャワが非常に安いということは、そのときも教わったんですけれども、なかなか高いところから輸入なさるのが、日本の政府はお好きであるようにうわさされていたこともあったんですけれども、どこから輸入して、それからどこの値段が世界的に統一されているのか、その違いというか、それから原糖の入っている先をちょっと伺っておきたい。
  52. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のように、砂糖は国際商品と申しながら、地方によって相当の値開きがございます。もちろん一番大きな輸出国はキューバでありますので、キューバ、従ってまたニューヨークの砂糖の定期市場の価格が、国際価格のいわば指標になっているというふうに言えるかと思います。砂糖現実輸入先といたしましては、年によっても相当違いますが、今のキューバのほかに台湾、あるいはインドネシア、あるいはフィリピン、その他相当の数かございますが、一つは台湾糖につきましては、協定の関係、全体の貿易計画関係もございますし、またフィリピン、インドネシア糖についても、通商上の関係もございまして、価格についても相当立ち入った交渉を実はやっております。日本に近いせいでもって運賃の差がもちろんございますから、キューバが安くても、CIFとしますればまた別でございます。船賃等の有利さを利用して、日本に近い方は割と高い、こういったような実情でありますが、私どもとしては、できるだけキューバの市価を基礎にして、船賃等を考慮して、政府の折衝といったような場合には、妥当な価格にするように努めておるような次第でありますけれども、いろいろ御意見を拝聴しまして、なお今後是正に努めたいと存じます。
  53. 神近市子

    ○神近委員 キューバ、台湾、インドネシア、フィリピンというこの原糖の値段の差額は、大体どのくらい違っているか、運賃を含めての値段でけっこう、でございます。
  54. 小倉武一

    小倉政府委員 三十一年度の上期について申しますと、キューバは百四ドル、それから台湾は百七ドル、CIFでもってきめておるような事例もございます。
  55. 神近市子

    ○神近委員 あなたの言われたのは十一円と、二十八円の消費税と関税と合せた額でございましょう。採算価格というのをさっきお出しになったんですけれども、それは昭和三十二年四月以降で約八十円とおっしゃったですか。
  56. 小倉武一

    小倉政府委員 これも全体でいろいろ差がございまして、ただいまのところの推算ということで、いわば参考としてお聞き取り願いたいのでありますが、原糖の価格をCIF百三十四ドルという前提を置きますと、製品の斤当りの価格は八十円程度というふうに申し上げたのであります。
  57. 神近市子

    ○神近委員 砂糖は一斤八十四円とか、一時は九十円になったこともありましたけれども、そうするとメーカーの利潤は十円から十一円の中に入っておりますか。そのほかに小売はまた一割なり二割なりの手数料が必要ですが、それは別としても、一体その中のメーカーの利潤はどのくらいと考えておりますか。
  58. 小倉武一

    小倉政府委員 八十円と申し上げましたのは、精糖業者のいわば採算価格でありまして、そこに精糖業者の利潤的なものが入っておるわけでございますが、それに各段階の配給機関のいわばマージンが入って、お説のような小売価格に相なっておるわけであります。もっとも現在メーカーの出し値自体も必ずしも八十円ではありません。八十円をちょっと上回っておるような実情であります。
  59. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと今の点をもう少しはっきりしておきたいと思うのですが、百三十四ドルという計算は、きょうの輸入価格である、CIF価格である。そこでこれを三十一年平均の百ドルとした場合には、ざっと斤約二十二円になるのじゃないかと思うのです。そうすると関税と消費税を加えまして、関税が八円四十銭、消費税が二十八円とすると合計五十八円四十銭、これに十円の加工賃を入れるとかりに計算いたしまして六十八円四十銭、これに若干金利、倉敷なども要るかと思いますが、こういう計算になりますと、これは概して考えたときに、相当な利潤があるように思うのです。斤当り少くとも十数円の利潤になるように思うのですが、この点はいかがでございましょうか。あなたの方もこの点に対する計算の仕方は、メーカー立場もあるから無理かもしらぬけれども、やはりこれは砂糖行政をおやりになる上におきまして、米に次ぐ国民の重要なる消費物資でありますし、また大きな外貨を使っておるのですから、やはりその点はしっかりとおつかみになっているはずでありますので、あけすけとその点はおっしゃってもらいたいのです。概して斤当りどのくらいの利益をとっておると見たらいいのでしょうか。
  60. 小倉武一

    小倉政府委員 実は残念ながらちゃんとした採算というものは私どもつかんでおりませんので、概略のことということで御了解を願いたいのでありますが、時期によって——今のお話の点は、ことに去年からことしにかけまして国際価格が非常に変動を来たしておりますので、いつの時期を選んで調べるかということは非常にむずかしいと思いますが、おしなべて申しますと、昨年の上半期は御承知のように国内相場は文字通り安定をし、また幾分低目であったときも多かったのでございますので、そう特別のいわゆる差益的なものはなかったのではないか。もちろん絶無ではなかった、ある程度あったかと思いますが、そう顕著に差益的なものはなかったのではないかというように見当をつけております。下期になりまして、御承知のように国際価格が上る。しかしすでにメーカーが手当をしているものは必ずしもそうでないということもありまして、下期には数円の差益があったのではないか。御承知のように十円という説もございますが、十円が正しいかどうか、私は必ずしもわかりませんが、相当の差益があったということは考えられると思います。それから本年になりましては、そろそろ安いものもだんだんと使い果してしまう。まだ若干あるかと思いますが、使い果すということになりまして、本年の四、五月ごろあるいは六月にかけましての採算は大体どうなるかということは、先ほど八十円ということで御説明したところで御推察を願いたい、かように存じます。
  61. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっとわかったようでわからぬのだが、通産局の次長に聞きますが、メーカーの利潤、どのくらいの利益を得ておるかということの計算をあなたの方で立てておられると思うが、二十九年、三十年、三十一年、現在の概略の最高、最低でもいいのですが、それはどのくらいの利益を得ているとおつかみになっておるのか、一つはっきりしてもらいたい。
  62. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 今の御質問をもう一度確認させていただきたいのでございますが、二十九、三十、三十一の三年間に、大体砂糖業界としてどのくらいの利潤が上ったか、そういうことでございますか。
  63. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうじゃなしに、具体的に斤当り何ほどの利益を得ておるか。その利益を得ているのはメーカーを言うのか、卸を言うのか、区別して言っていただいてもよろしゅうございます。大体の輸入原価は農林省資料によって明らかなんです。税金はもちろん明らかであります。それで加工賃等におきましても、これも常識で判断はできますし、また今の御説明もありましたので、これらをあれこれと加算することは可能であります。こういうことをいたしましたときの斤当りの利益は何ほど得ておるか、こういうことなんです。
  64. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 今ここですぐ何年の何月ごろは幾らの利益があったということはわかりませんが、二十九年、三十年、三十一年の市況相場と、それから先ほど食糧庁の、長官からも申し上げたと思いますが、当時われわれは砂糖から差益を取りたいということで計算いたしました地域別の原価と考えられるものの差額ということであれば、できるだけ早く調べてお答え明したい思います。
  65. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは三十年度におきましては法律案を出すというような段階まていったことでもありますので、その前提になっております利益をどこがどれほどとったかということは、十八社のおもなものでもよろしいし、何らか概略の説明は、農林省においても通産省においても即刻答弁できると私は思うのですがね。何も何月にどの会社が幾らもうけたかを説明して下さいというのじゃないのでございまして、国民の知りたいところは、斤当り輸入原価、各般の諸掛り等々を積算して、何ほどの利益をどの段階で得ているかということを知りたいのですから、それだけでいいのですよ。それで詳しいことはあなたの方でお調べになって、資料としてあとで出して下さい。それはそうとしてこの際の質問の順序としてその辺は少し明確にしておきたいのですが、それも言えませんか、どうでしょう。
  66. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 三十年に砂糖の差益を徴収したいということを国会にお願いいたしましにときには、大体八十四万トンの砂糖から六十三億円の利益を政府に納めていただくということで計算いたしたわけてございます。
  67. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その八十四万トンから六十三億円というのは、利益を全部取り上げるというのじゃなしに、やはり商事会社だから、それぞれ利益は保留もしくに配当その他処分をせねばならぬだろうと思うのだが、そうするとどのくらいの利益の何%が六十三億円になるのか、それはどうです。大体でよろしゅうございます。
  68. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 大体精製の利潤を十一円四十八銭というふうに見まして、地域ごとに砂糖の値段が違っておりますので、それぞれ地域によりまして、一例を申し上げますとインドネシアは百十一ドル、スターリングによるドル糖が九十五ドルということで輸入のCIFの単価を算出いたしまして、それに輸人税、諸掛り、消費税を入れまして、それに今申し上げました製糖の利潤を十一円四十八銭見て、たとえばインドネシア、台湾糖は七十二円五十三銭が原価であり、スターリングによるドル糖は六十八円七銭が原価である、そういうふうに、地域ごとに大体差益がどのくらい出るだろうかという根拠になる計算をしたわけであります。
  69. 神近市子

    ○神近委員 さっき長官は消費税が二十八円とおっしゃったのですね。それで間税が八円四十銭でございますね。輸入税が幾らになりますか、それをちょっと伺いたい。
  70. 小倉武一

    小倉政府委員 関税は当時と現在と少し変っておりまして、当時は従価二割ということであったのでありますが、その後改正になりまして従量税になりまして、トン二万四千円、斤に直しまして八円四十銭ということになっております。
  71. 神近市子

    ○神近委員 私、消費税を伺ったのです。
  72. 小倉武一

    小倉政府委員 消費税は三十八円でございます。
  73. 青野武一

    青野委員長 ちょっと委員長から希望しておきますが、今吉田委員からも資料の要求がありましたが、二十九年、三十年、三十一年−三十二年度の場合は除きまして現在の価格消費税、加工賃、原価そういったものの資料一つ委員長あてに、委員二十五名として三十部ばかり至急一つ委員会に提出をしていただきたい。というのは、私は年間百五十万トンほど輸入しておりました当時、大体輸入砂糖の原価が十六円三十銭、消費税その他諸掛りが二十六円五十銭、一斤について八円の加工賃、合計五十円八十銭になる、利益が二十九円二十銭、市中の百匁の砂糖が五十円、一斤が百六十匁だから八十円、従って輸入砂糖のトン数と比較すると、大体精糖会社、小売、卸で一年間どれくらいの利潤を上げているというようなことを資料にして、一年間ほど持って回ったことがある。この数字は出るのです。ですから食糖庁長官の御答弁の中にあったようなことでなしに、もう少し正確に総合的に統計がとれるはずですから、なるべく早い機会に資料を、吉田委員の要求の通り委員長あてまで出していただきたいということを希望しておきます。
  74. 神近市子

    ○神近委員 全購連割当相当たくさんある。二十九年は割当を二回に分けてとおっしゃったので八千五十三万トンある。全購連は一体精糖会社を経営していることになるのですか。それが一点。  それから、私ども民間でよく聞きますことは、農林省実需者割当というのは相当に情実があって、何か金がほしい場合に割当をお願いする。相手は精糖機能を必ずしも持っていない。それに割当を下さる。そうするとその割当をそっくりそのままメーカーなり製菓会社なりそのほかの機構に売るのであります。そういうふうにして何がしかの金をもらうというようになっておるようですけれども、この事実は農林省では御存じになって割り当てておいでになるのですか。それともその割当さえやれば、あとはどういうふうにそれを始末しようが別に監督はなさらないということになっておるのでしょうか。
  75. 小倉武一

    小倉政府委員 全購連お話のように精糖設備は持っておりません。粗糖精糖会社に委託しまして、精糖をいたしました上で配給をするということに相なっております。なおその他の団体についても、もちろん粗糖そのまま使うものも中にはございますが、多くは精糖しましてそれを使うという建前になっております。お話のようにその間そういう委託契約をしないで、粗糖をそのまま横流しすると申しますか、そういようなことも私どもも聞いております。できるだけ注意はいたして、おるわけでありますが、完璧を期し得なかったのが過去の実情でございます。
  76. 神近市子

    ○神近委員 この実需者割当がどういうことから始まったかという動機は長官もよくわからないとおっしゃった。そうなると、これは私どもごくしろうとの考え方ですぐそういうことが考えられるのですが、割当をやれば、現金はやらなくても何がしかの利潤を得ることになるのですから、金のかわりに割当をやるというようなことに考えられてもやむを得ないと思いますけれども、この点いかがですか。
  77. 小倉武一

    小倉政府委員 先ほどの申し上げようが悪かったかと思いますが、そういう趣旨でやっておるのではないのであります。もちろん当初からもおそらくそういう趣向ではなくて、始めたときが先ほど申し上げたかと思いますが二十九年でありました。当時非常に砂糖の価格が高くなりまして、その問題についていろいろと施策が考えられなければならなかったような時代でありました。その間一部加工業者あるいは一口で申しまして実需者団体と申しておりますが、そういう方面に直接輸入された粗糖が参りますようにすることが糖価を少し牽制する材料にでもなるのじゃないかというふうなことが発足した動機だろうと思います。その後大体そういうことで粗糖輸入量が必ずしも潤沢でありませんでしたから、どうしても国際価格と国内価格とにある程度の差が出て参ります。そういう事態に対処いたしまして直接砂糖消費者実需者団体に一部でもお分けをして、そういうような難局を多少でも緩和したい、こういうのが当初から今日に至るまでの推移であるというように考えております。
  78. 神近市子

    ○神近委員 それは私はずいぶんおかしなこじつけだと思います。それは全部メーカーにやって、メーカーに対する監督をもっときびしくなさって、そうしてやるよりも、私は効果の点でどうかと思うのですよ。砂糖の価格を抑制するという意味で割り当てたのだろうということですが、これは全購連がちゃんと精糖機能を持っていればそういうことになると思うのです。そうしてまたそれは、たとえば農民に供与する、あるいは畜産の飼料の一部にするというような意味ならば私よくわかるのですが、施設がなくて、委託してそれをするか、あるいは今まで多くは売り渡しの形で精糖会社に渡されていたように私は聞いておりますが、どうもその点で、悪く考えれば全購連に対するおつき合いがあって、そういうふうなことになったのか。あるいは全購連が非常に赤字で苦しんでおるので、それに対する救済という意味でそういうことになったのか、その辺はおわかりでないでしょうか。
  79. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のようなことは、これは御推察でございますから私的確に申し上げられないかもしれませんが、全購連に対していわゆる実需者割当をやっておりましたのは、全購連の赤字なり何なりの関係においてやっておったのではないというようにかたく信じておりますし、またその通りに違いないというように存じます。また全体といたしまして全購連のほかに他の消費協同組合的なものも入っておりますし、また数から言えば加工業者等も当初からありまして、特に全購連のためにどうしたというようなことは、これは私どもとしてはちょっと考えられない筋ではないかと思います。
  80. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 通商局次長にさっき伺ったのは、八十四万トンに対する六十三億円の差益吸い上げとおっしゃったのについて、六十三億円は差益の全額ではありますまい。これは利益の一部だろう。さすれば差益の総額は幾らか、この点を伺ったのであります。おわかりなら今すぐお答え願いたい。わからなければこの次資料でいいのでありますが、六十三億は大体何%、五〇に該当するか七〇に該当するのか、それともずっと低いのか、その辺を聞きたかったのであります。
  81. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 先ほど申し上げましたように、それぞれの地域からのCIF価格というものに輸入税、関税、消費税あるいは精製の経費に、大体二割程度の配当ができるということを見込みまして、それに十一円四十八銭というものが入っておるわけでありますが、それと予想される価格との差というものは、これは過当利益というふうに判断いたしまして、過当利益は全部国に出していただく、そういうことであります。
  82. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、今の御説明加工賃の中に二割の配当利益が入っておる、こういう趣旨なんですね。そういたしますとメーカーの減価償却費なんかは相当引かれておると思いますが、その辺はどうなんですか。
  83. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 私もその砂糖法案を出しましたときのいきさつを直接には存じないのでございますが、聞きましたところによりますと、一応十一円四十八銭といういわゆる精製費というものが適正かどうかということについては、これはいろいろ議論もあったやに聞いておるのでございますが、とにかく一々中に入って——それぞれ工場等によりましてもコストも違いましょうし、あまり正確なことは役所としてわからないということで、大体減価償却その他につきまして精糖工業会の方から一応資料を出していただいて、そしてその中には一応二割程度の配当をいたしますということを織り込んだ上で、大体十一円四十八銭になるのでありますが、当然この十一円四十八銭の中にさらに内訳その他等あると思いますが、ここにあいにく資料を持ってきておりませんので……。
  84. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと大体砂糖資本というのはどのくらいあるわけですか。二割の基準になります十割はどのくらいですか。
  85. 小倉武一

    小倉政府委員 先ほど申しました会社の中で、いわば大きな会社だけになりますが、十八社でありますが、四十四億八千万円というのが資本金でございます。
  86. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その辺は、そういう数字だけ表面的には聞いておりましても、利益の内容がどうも出てこないのでありますが、もう少し中身を御説明願うような答弁をしてもらいたいと思います。ぜひそれはもっと資料で明らかにして下さい。  次に伺いますが、神近委員の御質問に関連してくるわけでありますが、たとえば、この全購連にしましても、農家、つまり最終の消費者である農家のために相当何かの便益があるというので割り当てたものだと思うのですが、その農家が全購連から配給を受ける価格は斤当りどのくらいになっておるのか、全購連から受けるものと近所の砂糖屋で買うのと幾らか安いか、何か便益があるだろうと思うのですが、その辺はどういうふうに政府としてはつかんでおるのか。
  87. 小倉武一

    小倉政府委員 全購連がどのくらいの価格で売っておるか、的確な資料をここに持っておりませんが、原則といたしまして購買事業の一環といたしましてそのときどきの市価で売却しておるというふうになっておると思います。特に割り当てた砂糖だから市価よりは安く売っておるということはないと思います。ただ全体として砂糖での取扱いの利益が上りますから、それを別な格好で下級機関に還元しておるという格好であります。
  88. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 末端の消費者には市価で配給しておる。そうすると全購連自体が利益を得たもの、こういうふうに思いますが、どのくらいの利益を得たというふうにお考えになっておるか。これはあなたの方では、二十九年に五千八百トン割り当て、三十年に二千三百七十トン、三十一年に二千四百五十五トン、ほかに自力によって二千三百五十三トンを二十九年に受け取っておるということにかんがみまして、どういうふうに経理されて、どのくらい利益を得ているということは当然つかんでおらなきゃならぬと思いますが、全購連がどのくらいの利益を得ておるというふうにあなたの方ではつかんでおいでになるのですか。
  89. 小倉武一

    小倉政府委員 純粋の利益ということはちょっとむずかしいかと思います。いわゆる利益がどの程度かというふうな感じを申し上げますと、先ほど申し上げましたような実需者割当に基く利益は、推算でございますが一億内外じゃないかというふうに考えます。
  90. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一億というのはどの年度に一億でありますか。いずれも数額は相当違っておりますが、二十九年、三十年、三十一年、こういうふうに分けて御説明願ったらどうですか。総計一億というのであれば、内訳はどうなっておりますか。
  91. 小倉武一

    小倉政府委員 総計ございます。
  92. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三年間突っ込みで一億円くらい利益を得ているだろう。それは差益は斤どのくらいになるのですか。もう一ぺん逆算すればどういうふうになりますかね。この辺はあなたの方の砂糖行政の上で大事な一つのポイントのように思うのですがね。一斤どのくらいになるのですか。
  93. 小倉武一

    小倉政府委員 これは御承知通り加工業者と違いますので、先ほどの比較とは変って参るかと思いますが、当時の市価と比べましての比較ということになるかと思いますが、これも年によって、時によって相当違うように考えます。一番多いのは二十九年、量も多かったのでありますが、量じゃなくて差額自体が二十九年に一番多くて、斤当り五、六円だったのではないか。それから量が減りますけれども、三十年度においての一部は八、九円あったのではないか。それからものによりましては若干市価より逆に上回って、いわゆる差益金がないような部分もあろうかと思います。最近は、三十一年度の分でございますが、差額は一、二円程度じゃなかったかというふうに思います。
  94. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、それで利益一億円という計算が概算出るのでございますか。
  95. 小倉武一

    小倉政府委員 大体一億見当になろうか、精細な計算をいたしておりませんが、さように存じます。
  96. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三年間通計して一億円も全購連に利益がある、こういうあなたの推算なんだが、二十九年には五千八百トンと二千三百五十三トンを実際に割当を受けておる。三十年になるとずっと落ちて三分の一の二千三百七十トン、また三十一年には二千四百五十五トン、こういうふうに減っておるのでありますが、このように利益があれば、むしろもっとふやしていくのがほんとうじゃないかと思うんだが、そういうこともしないで減らしたというのは一体何に原因するのですか。
  97. 小倉武一

    小倉政府委員 特に減らした事情について私お答えする知識が実はないのでございますが、最初のときは、役所団体別に幾らだという方式ではなくて、いわゆる実需者団体インポーターとの間において、むしろ個々に話し合いをしてきまったというような実情と聞いております。二回目以降は団体別にある程度役所の方が割り当てたような実質を備えておったように聞いております。現在までさように実は聞いておりまして、最近はほぼ過去のいわゆる実績みたいなものができておりますので、それを大よその基準にしてやっておるのであります。
  98. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三年間の通計を見て、過去の実績といえば、最初は実際に入手したのは七千八百トンにもなるわけでありますし、実績に徴せば、やはり四千とか五千とかなければ実績によっておらぬと思うのであります。それは一体どういう次第なのであろうか。これを裏からひっくり返して考えてみると、こういう割当というものは、あなたの方も、全体のものさしもないごとくに、そのときどきで、思いつきで割当てたんじゃないだろうか。思いつきで割り当てるというようなことであれば、やはりそこにいろいろな事情が伏在するのではないだろうか、こういうふうにさえ考えるのであります。もし実需者である百姓のためになるべく砂糖を割り当ててやりたいというのが行政一つの考え方であるとすれば、やはり七千八百トンも二十九年度消費しておるならば、翌年は何ほどにすべきや、翌々年は何ほどにすべきやということは、数字のこんな大きな変動というものはちょっと考えられぬのであります。輸入の数量というものもそんなに大きな開きはないのでありますから、その辺が何かしらぬ砂糖行政の、特にあなたの方の割当計画というものは無方針、無計画じゃないのかというような感がせざるを得ないのであります。百姓のためになる、あるいは消費者のためにという立場からするならば、もっと消費者のためになるような数字が継続しなければいくまいと思うのであります。それともやはりそこに何かつかいものでもよけいないときは割り当てないというのであるならば、これはまことに困った次第であります。やはりこういう問題は、もっと知らぬ者が突然聞いても、このように大きな数字の変動が不可解だということは、どうしたことかと思うのであります。  第一実需者というものは、どこを探してみても、何の基準輸入商社区別されるのやらさっぱりわからぬし、また団体といえども、あの団体にいってこの団体にいかないというし、百姓といえども百姓全体のためというのであるならば、全体の二割も配給してやるのがほんとうじゃないかと思うのです。何も政府が、六十八億円も差益を持っておるから吸い上げてやろうという法律を作ることの心配をせぬでもいいと思うのです。そういうことを考えると、何かしらそこに首尾一貫しないものがあるのであります。あなたの今の説によれば、過去の実績に徴してというのだけれども実績に徴したあとが何もありはしないのです。だから今のお説はまことにあなた自身として自信も何にもない御答弁——これはあなたがやったことではないから、しょうがなしに、過去のことの弁解もできぬし、まあ適当におっしゃっておることかと思うのですが、実に妙な、格好も悪いし、また筋も通りませんよ。こういうところに何か問題があるのではないかと思うのです。どうしてこういう数字に大きな変動が生ずるだろうか、百姓は何も変ってはいません。三分の一外国へ移民したというのでも何でもないのですよ。むしろ漸増するというのがほんとうじゃないだろうか。それとも百姓は豊作でふところがいいから少し削ってやろう、こんな考え方ではなかろうと思うのです。どうもこの辺が、全購連に対する考え方が首尾一貫しておらぬということで私は納得しにくいのです。どうお考えになりますか。
  99. 小倉武一

    小倉政府委員 まことにごもっともでございまして、私どもといたしましてなぜ減ったのか、実は的確にお答えすることを用意してないのがはなはだ残念でございますが、当時砂糖輸入方式、それから今の輸入益というような問題に関連いたしまして、二十九年はいろいろ紆余曲折を経た次第でございます。それからまた今の需要者割当実需者団体に対する割当も最初に行われたというふうなことがございまして、私ども的確に当時のことをよく承知いたしておりませんが、その後よく検討いたしまして、だんだん今日の形になってきたのでありまして、そこで急激に変動した理由といたしまして考えられますことは、一つは先ほどもちょっと申し上げましたが、自力と申しますか、そういうことで、役所が特に他の団体と同じように割り当てたというもののほかに、取得したものもあったのであります。そういうことでふえた分もありますし、最初のことでございますので、その辺は必ずしも的確にいかなかった点もあろうかと思いますが、何分当時の資料に基いてのものがございませんので、はなはだ恐縮でございますが、的確に御納得のいくようなお答えをしにくいのであります。
  100. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうもはっきりしませんが、まことに残念です。自力で二千三百五十三トンを得たというのはどこから取ったのですか。政府が割り当てるというふうに、せっかく通産省とあなたの方と原案を一致して御相談になって割り当てる。外貨割当についてもなかなかむずかしい手続がある。自力で一体どこから取ってくるのですか。一体そういう方法があるのですか。それは何です。
  101. 小倉武一

    小倉政府委員 もちろんこれは商社割当の中からくるわけでございますので、インポーターとの話上合いで砂糖を取得するということはあり得ることでございます。実際問題として普通のものが相当数を入手することがなかなか困難であることは当初申し上げましたけれども、全購連はいかにも砂糖を取り扱っておりますので、そういう関係であろうかというふうに存じます。
  102. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると輸入商社と話し合って、輸入商社割当を受けているものを幾らか自分の方にもらう。一体これは外国の砂糖でありますから、輸入をするときには外貨割当が伴うのでございましょう。そしてその外貨は為替銀行ですか何かで決済をする、そういう事情が伴わなければならぬと思うのだが、一体この砂糖割当を受けることは即外貨割当が裏づけになるのじゃないのですか。これはどの地域にいたしましても、キューバの砂糖でも台湾の砂糖でも、その他スターリング地域の砂糖にいたしましても、どうなんですか、外貨割当が裏に伴ってくるのじゃないですか。
  103. 小倉武一

    小倉政府委員 むろん外貨割当を伴いますけれども、全購連が入手する場合には、全購連外貨割当があるわけではございません。外貨割当はあくまで商社割当がありまして、商社輸入する、その輸入した砂糖国内に販売する場合に全購連が取得する。これは他の実需者団体に対する割当も同様でございますが、直接外貨を割り当てるという意味の外貨割当ではございません。
  104. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、すでに輸入商社外貨割当を受けて、そして内地へ輸入をした暁にその原糖を全購連へ売る、こういうことなんですか。
  105. 小倉武一

    小倉政府委員 そういう筋道でございます。
  106. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、もっと突き詰めて極端な言い方をするならば、そういう場合ならば、何も特にあちらこちらに割り当てなくてもいいような感じもするのです。一本の商社が受けて、そして買って、それぞれ適正な利潤でさえ売ればいいのじゃないかということも考えられるのです。一たん商社外貨割当を受けて、そして同列の他位にある全購連にまた売るというのは、これは全体の秩序も少し混乱するような感じがしますが、それはどうなんですか。
  107. 小倉武一

    小倉政府委員 これは商取引の機構の問題になるか思いますが、もちろんインポーターと同時に国内の卸業を兼ねておるものも多いかと思いますけれども、全購連も他の卸機構なみにいえば一種の元卸でございます。元卸は、輸入品でございますれば輸入商社から買って商売をする、こういうのが通例の場合ございますので、そういう例に準じて考えれば、特にそんなに一段階多いというわけでもないかと存じます。全購連自体が輸入商になりまして輸入するということも、もちろん考えられぬこともないかと思いますけれども、そういうことをやっておりませんし、そういう具合になろうかと思います。
  108. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もしこの二千三百五十トンの砂糖インポーター割当をせずに全購連に割り当ててやれば、一つの口銭はそれだけ免れることにもなり、それだけ消費者の百姓も幾らか、買値は助からないまでも、全購連に利益があれば払い戻しを誠実にやったならば、それだけの利益を得るのでありますから、何を好んでそういうようなことをする必要があるのか。そういうようなことをするならば、その商社には来年からはそれだけ減らすというふうに割当をして、それぞれの需要者メーカーあるいは輸入商社あるいはその他の実需者に適当に割当をしていくというようにして、終局は国民の消費経済に利益になるような点、これが一つの重大な点だろうと私は思うのだが、それをこういうふうに回りくどいことをやるために一つのふくれたところができて、利潤がよけい取られるということになる。そういうようなことは厳重に追及するのがほんとうじゃないかと思うのだが、そんなことまでも指導追及するということは農林省はしないのですか。
  109. 小倉武一

    小倉政府委員 これは私からお答えするのは必ずしも適当でないかもしれませんが、お話のように直接需要者が原材料を輸入をして、それで輸入に関する諸掛りの一部でも圧縮できればそれだけプラスになるという全体の問題とも相通ずると思いますが、しかしそこにはなお通商関係から貿易商礼を育成していくという問題もからみまして、だれにでも輸入外貨割当を認めるというわけにもいかぬような要請も他方あろうかと思いますけれども、御説のようなこともこれは理論上考えられないこともないかと思います。
  110. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはまことに苦しいので御答弁にならぬ。通産省は今の現象はどういうふうにお考えになるか。
  111. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 いわゆる精糖業者といったような粗糖を材料として精製するというところに大部分を割り当てるわけでございますが、これが果して今立っている基準、いわゆる溶糖実績であるとかあるいは設備能力であるとか、これだけでは必ずしもそれが経済の流通上百パーセントと称していいものかどうかという点にも問題がございます。むしろ国内で自由処分、自由購売といったような自然の経済法則で取引されるという部分があって、初めて人為的な割当というものの欠陥も是正されるのではないかということから、大体二割程度商社に配分いたしまして、それはどこに処分してもいいという格好になっているわけでございます。
  112. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういうことを聞いておるのではない。そういう点から問題は進んで、自由処分はかりにいいといたしましても、商社工場を持っておらないわけなんです。だからメーカーに託さなければ精製できぬわけです。しかるに工場を持たぬ商社と同列におる全購連に、商社への割当率二割のうちの二%を割り当てるのでありますから、全購連商社のものを買ってそしてまたメーカーに渡さなくてはならぬ。そういうようなことはよけいなことではないか。そんなことは、少し規制をしたり注意をしたり指導したりあるいは検討するということが私は砂糖行政じゃないかと思う。何のために割当しているのです。あなたの言うように自由経済の原則によってというような、そんな抽象論ではなしに、具体的にちっとでも介入するものを簡単にするということの方がいいのじゃないですか。さらにもう一つ言うならば、これを例をとっていえば、その商社が甲なる工場を持たぬものに売る、それがまた乙に売る、丙に売るということで、幾らかずつ利益が重なっていくということがかりにあるとするならば、これは要らざることですよ。そんなことをするような商社に対しましてはやはりもっと厳重な監督とか指導がなければならぬと私は思うのです。そういうことを全然放置するということはちょっと私はふに落ちません。
  113. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 先ほども申し上げましたように、一応実需者と申しますか、いわゆる精糖業者の方に現在の割当基準で割り当てるということが百点であるとは考えないために、一部自由購買、自由処分ということをやっておるわけでありますが、この実需者の問題につきましては、これはわれわれの方は一応商社に割り当てるということをやっているわけでありまして、商社に一応割り当てていく。さっきの商社がどこの団体にどういうふうにやっているかというようなことにつきましては、一応通産省の方としては、大体こういうふうにやったというような御連絡等はいただいておりますが、とにかくどうしても一般精糖業者に直接やるということのほかに、あるいはカン詰の製造業者、あるいはびん詰の製造業者といったようなところで粗糖のままで使うということで十分だと考える向きもあるので、そういうところにはできるだけ安く砂糖をやりたいから、それについては商社の方からある程度こういう実需者に分けてやりたいのだ、そういうふうに聞いております。
  114. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはあなたの答弁と食糧庁長官の答弁とは矛盾するのです。食糧庁長官は原案を食糧庁において作って、そうしてあなたの方と相談をして割当をするということになっておる、こういう御説明です。あなたの御答弁によると八割をメーカーに、二割を輸入商社に、そのうちで勝手にさらに二%を全購連その他へ割り当てるがあとで報告を受ける。そうじゃないのです。そうじゃなしに、そういうことは原案を作って、あなたの方と相談するとおっしゃっている。またそういう割当をするという以上は、それは何もこそこそとやって、あとで報告を受ける筋じゃなかろうと思う。あなたの方がほんとうであれば、農林省通産省の意向を無視して勝手にやっている。食糧庁長官の御答弁がその通りであるとするならば、あなたの答弁と全く矛盾すると思うのです。そうじゃないですか。あなたは商社に割り当てる、商社に割り当てる中から農林省が勝手に全購連やら、加工業者やら、菓子屋やら、それからカン詰屋やらに割り当てておる。あとで報告を受ける、そういうことじゃないのです。御説明はそうじゃなしに、やはり相当重要な実需者の一環としてこれは扱っておる。であればこそ、それならば婦人会とか町内会が申請したらどうなさるのだということまで言っておるのです。具体的にそれは検討する価値がある問題である。基準がはっきりしておらぬ。ものさしがはっきりしないから、団体をどう扱うかということはこれはなお検討を要する、これはよくわかります。だからあなたのおっしゃるのと全く違うのです。政府の答弁は全く統一されておらぬ。事実を二つに言う、矛盾した御答弁をされておる。
  115. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 通産省といたしましては、実需者割りの総額については御連絡をいただいております。大体一万トンあるいは一万五千トン程度実需者の方にやりたいから、そういう御連絡はいただいておりますが、その配分をどういうふうにするかということにつきましては、これは私の方といたしましては、国内の食糧流通行政を所管しておられます農林省の方で、そのときの必要に応じて、一万五千トンという総額、あるいは一万トンという総額を、どこの団体にどう分けるかということをお立てにたっておられますので、個々団体割当というようなことにつきましては、われわれの方はあずかり知らないというのが実情ございます。
  116. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうじゃなしに、あなたの方の通産局の内部に砂糖割当につきましては、これは外貨割当になるのか知らぬが、やはり農林省に身分のある人が行って、事務をとっておるのではないですか。それは実情はよくわからぬというのじゃなしに、そうじゃなしに、やはりそこは計画も、それから立案も実行も、全部あなたの方と農林省は一本にやって、かつ連帯の責任でこれらの業務を行なっておるのがほんとうじゃないですか。そんなばかなことはありませんよ。
  117. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 今私が申し上げましたのはその通りなんでございまして、一応総額についての御連絡ということは、これは確かにいただいております。しかし中につきましてはこれは毎回毎回どこにどうだということなしに、われわれの方といたしましては一応商社に割り当てて、割当を受けた商社実需者団体と個別に契約して、それをとっていかれるということであります。
  118. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはまことにそんなあやふやなことじゃちょっと困る。困るのでありますが、きょうはまだほかに御質問の委員もありますから、もう一点だけにとどめておきますが、この実需者というのはどういうものであるか。たとえばそれの菓子屋にしてもカン詰屋にしても一体どういう集団になっておるのか、その辺についてもう少しいわゆる実需者の内容を一つ詳しい資料にして出していただきたい。これは食糧庁長官に御依頼申し上げておきます。  それから商社というのはどのくらいありますか。あまり小さいのは必要ありませんが、そこをあなたの御判断によって適当と思われる商社と、その割当の内容、これを一つ資料にして出していただきたい。古いのは要りませんけれども、やはり二十九、三十、三十一年を特にお願い申し上げておきます。それは一つ資料として出していただきたい。
  119. 青野武一

    青野委員長 坂本泰良君。
  120. 坂本泰良

    ○坂本委員 私はどうも答弁がわからないから、あるいは確認の意味になるかもわかりませんが、二点についてお聞きをいたします。第一は、二十九年から全購連割当するようになっているということでありますが、全購連割当するに至ったのは、どういう事情でそういうふうになったか、その点をお聞きいたしたい。
  121. 小倉武一

    小倉政府委員 これは特に全購連に割り当てた理由ということで申し上げにくいと思います。先ほどもちょっと申し上げましたが、相当大きな組織を持つ消費者協同組合一つとして取り上げておるということであります。
  122. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうしますと、全購連は消費協同組合だ、その消費者全国の農民だ、そういうような前提によって砂糖割当をする、こういうことになった、こういうわけですか。
  123. 小倉武一

    小倉政府委員 割当と申しましても、先ほどもいろいろ御議論がございますようにありまするが、非常に広くいいましてそういうことであります。
  124. 坂本泰良

    ○坂本委員 そこでお聞きしたいのですが、全購連砂糖機構は持たない。そこで先ほど長官の御説明によると、粗糖精糖会社に委託して、そうしてそれを使う、こういうわけですね。果してそういうふうにして割当を受けたものを粗糖として引き取って、そうして精糖会社に委託して、そうしてその精製品を全部日本の農民にこれを分けていたかどうか、その点についてはっきりわかっておるかどうか。
  125. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のように商社から買いまして、そうしてそれを精糖業者に委託精糖いたしまして、それを経済連、単協等を通じて農家に配給しているという事実には万々間違いなかろうと存じております。
  126. 坂本泰良

    ○坂本委員 その点は農林省として責任を持って、果してそういうふうにしておるかどうかということを調査されたことがありますか。
  127. 小倉武一

    小倉政府委員 実は先ほど他の委員からもそういう問題について御発言、御質問ございましたのですが、一部どうも横流しをしておるのじゃないかという風評がございます。しかし全購連についてはそういう風評もございませんし、私ども調査した限りにおいてもそういう事実はつかんでおりません。
  128. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうすると調査することはされましたか。これは二十九年以来砂糖の横流しということは公知の事実だったのです。何回ぐらい調査して、どういう方法で調査してその横流しの事実がないという確認をされましたか。
  129. 小倉武一

    小倉政府委員 直接私どもが監査的なことをやって確認したという次第ではございません。私どもは全購連の本省の職員について聞き取るという程度でございますが、なお経済局の方の監査は行なっておりますが、そういう監査の面においても横流ししたという事実は指摘されていないのであります。
  130. 坂本泰良

    ○坂本委員 私は二十九年の割当が済んで今度三十年の割当をする場合は少くとも、いろいろ先ほどからお話がありましたが、二十九年のいろいろな実績その他を基礎にして三十年の割当の数量とか、するかしないかということがきまる。そうしますと三十年にさらにやる場合と、三十一年にやる場合と、三十二年にやる場合と、三回はあるわけなんですね。この場合において数量の差異がはなはだしいのですが、その横流しをしているかしていないかということは、単に全購連の職員に聞いて、そういうことはしておりませんと言うただけで全部信用して、そうして翌年度の割当をきめられたかどうか。
  131. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のような実地についての検査ということはやっておりません。
  132. 坂本泰良

    ○坂本委員 通産省にお聞きしたいのですが、こういう割当砂糖は、貿易商を育成するために、買易商を通じて国内割当をするというふうにさっき聞いたと思うのですが、この場合貿易商のいわゆるマージンですね。これはどのくらいになるのですか。
  133. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 正確でないかもわかりませんが、大体二、三%程度のマージンをとっておるというふうに解釈いたしております。
  134. 坂本泰良

    ○坂本委員 それからこれは農林省の方と思うのですが、砂糖加工賃を計算する場合に、二割の配当を考えて十一円四十八銭ですか、こうなっておるというふうに聞いたわけですが、この二割ということが加工賃を計算する場合に正当であるというふうに考えられたのは、何か根拠があるのかどうか。
  135. 小倉武一

    小倉政府委員 私当時の実情を実はよく承知しておりませんので、的確にお答えしにくいのですが、利潤を見ます場合に、原価計算等をやります場合に、一割五分ないし二割程度を見るのは通例ではないかと存じております。
  136. 坂本泰良

    ○坂本委員 通例というのは何を標準にして通例と言われますか。
  137. 小倉武一

    小倉政府委員 これは一般の金利でございますとか、一般の配当の利回り率でございますとか、あるいは資本を調達する場合にどの程度でなければできないかとか、そういった諸般の経済事情かあると思いますが、何しろ利潤でございますので、的確にこうでなくちゃならぬということは、これはなかなかむずかしいかと存じます。
  138. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうしますと、これは四十四億、約五十億のものに対して二割というと相当の額になるわけですが、さらにお聞きしたいのは、加工賃には二割の配当を入れて加工賃をきめる。そのほかに消費者に販売する場合に利益を見るか、見ないか。見るなら幾らぐらいを見ておるか。
  139. 小倉武一

    小倉政府委員 これはメーカーの販売価格でございますので、メーカーの利潤としは先ほどの二割、これだけしか見ておりません。自後の配給団体のマージンはまた別でございますけれども……。
  140. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうしますと、結局農家にいく価格というのは、税金は別ですが、粗糖の価格とそれからこの加工賃と、それから今度は府県の連合会とかなんとかの手数料ですか、これを合せたのが消費者の価格、こういうふうに見ていいわけですか。
  141. 小倉武一

    小倉政府委員 手数料というのを広く解釈すればさようでございます。運賃とか多少の金利等もあると思いますが、そういうものを含めての販売業者のマージン、手数料を加算すれば原価としての精製糖の価格が出てくるかと思う次第であります。
  142. 坂本泰良

    ○坂本委員 そうしますと、大体二十九年は幾らぐらい、三十年は幾らぐらい——二十九年は二度割当になっておると思いますから、二十九年の二度の価格は幾らぐらい、三十年、三十一年、三十二年は幾らになっておるか。そこでわかっておるなら開かしてもらいたい。わからなかったらあとで資料で出してもらいたい。
  143. 小倉武一

    小倉政府委員 これは推算すればできないこともないと思いますが、手元にございませんので、先ほど吉田委員資料の要求もございましたので、あわせて作成したいと存じます。
  144. 山田長司

    山田委員 先ほど通産省の方のお話を伺っておりますと、砂糖割当については全然関知していないような御発言のようですが、通産省砂糖割当についてはどのような立場関係なさるのですか。もう一ぺん伺いたい。
  145. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 大体輸入発表等は全部私の方で受け持ってやっておりますの  で、商社に二割、それからメーカーに八割というものを割り当てる。メーカーの際には大体溶糖実績あるいは設備能力というものの比でこの八割を各社で分け、インポーターの場合には大体輸入実績というもので分けるということをいたしておるわけでございまして、通産省は今関知しないというお話がございましたが、それは、ここで今御議論になっておりますいわゆる実需者割というものにつきましては、これはわれわれの希望を率直に言わしていただければ、むしろはっきり農林省で内示書でも出していただきたいというふうに考えておるわけでございますが、いろいろそのときそのときの一万五千トンあるいは一万トンという総量をお伺いしますときに、まだその内容がはっきり固まっておらないといったような段階で総量の御要求をいただいておりますために、とにかくこれだけあれば一応実需者関係はやれるのだということで、総量の御相談だけいただいておるわけでございます。それを一万トンあるいは一万五千トンをどこにどう分けるかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、一応インポーター輸入しました中から、大体実需者団体インポーターが話し合いをして取っていかれる、こういうことになっておるということであります。
  146. 山田長司

    山田委員 そうすると、実需者割当及び貿易商社割当というようなものについては、全部農林省関係しておることになるわけなんですか。
  147. 小倉武一

    小倉政府委員 先ほどの私の申し上げ方が足りなかったかと思うのでありますが、全体の話になると思うのですけれども砂糖につきましては、外貨割当全体をどうするという問題がまずございますが、これはもちろん実質的に農林省案を作りまして、通産省あるいは大蔵省と御相談いたしますが、そうしてきまりますと、商社割当メーカー割当をどうするかということについては、これまた通産省お話し合いをするわけでございます。その中のメーカー割当部分につきましては、主として農林省が立案いたしまして、メーカーに発注限度の内示書を出すということになっております。メーカーはそれをもらって、関係商社を通じて外貨割当を受ける。それから今の実需者割当の問題は、先ほどもお話がございましたように、形は商社割当の中でやっておるのであります。その場合商社は、どのメーカーに売るか、あるいはどういう方面に売るかということは、輸入したものについて自由でございますが、特定の団体について、農林省として、こういう団体に売ってくれ、こういう依頼といいますか、割当といいますか、そういうことをいたすのであります。その場合に、先ほど樋詰次長からお話がありましたように、それをどの程度の量にするかということは、全体の割当比率関係しますから、特に通産省にも御相談いたしておりますが、個々団体についてどうするということは、私ども農林省部内での検討で実はやっておるというような次第であります。
  148. 山田長司

    山田委員 どうも砂糖の世界は、しろうとのせいでよくわからないのですが、そうしますと、たとえば差益金という問題でかつて論議があった当時などの外貨割当については、砂糖関係外貨としての割当はどんなふうに割当をなされておったのですか。
  149. 小倉武一

    小倉政府委員 当時の基本的な考え方は今と特別に変っておったわけではありません。ただ非常に違っておりました点は、外貨事情が窮屈で、国内価格と国際価格との開きがございまして、外貨割当の反射的な利益が生じてくる。そこでそれを一定の基準を作りまして政府に納めていただくということにしたらどうかというのが、差益吸収の法律であったわけであります。
  150. 山田長司

    山田委員 砂糖の差益金取扱い手続というものを見て、どうも私にはふに落ちないので伺うわけですが、当時インポーターに四億三千八百九十九万、それから精糖工業会に二十一億二千七百九十万、再精糖関係者に五千五十四万、精糖協会に三千三百十七万幾らという工合に、政府に三十億の献金を命じましたね。三大臣の名前で——当時の大臣は通産が石橋、大蔵が一萬田、農林が河野、こういう人たちの名前で三十億の献金を命じましたが、一体任意団体に対してそんなことが法律によらずしてできるものなんですか。どうも私にはこれはふに落ちないのですが、どうですか。
  151. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 主十億献金を命じたというお話でございますが、われわれの方といたしましては、国会に六十三億の差益吸収を含む法案を提出したといった経緯もございまして、非常に巨額の利益、過剰利益というようなものが砂糖業界にある、これは事実だろう、そういうことから、一応この法案の精神にかんがみまして、そういう反射的な利益を私するというのも、業界としてもむしろ面はゆいというようなことから、これはわれわれといたしましては、自発的な業界からの寄付をお受けした、そういう形で処理いたしております。献金を命じたのではなくして、砂糖業界の方から自発的に寄付の申し出があった、そういうことでございます。
  152. 山田長司

    山田委員 献金を申し出てきたというふうな意味のことをあなたは言っておりますが、三十年十月四日付の通産大臣、大蔵大臣、農林大臣の、砂糖の差益金処理についてという指令が日本精糖工業会長にあてていっている書類を見ましても、決してそれは献金申し出というような形にはとれぬと思うのです。さらに今度は反対に、日本精糖工業会長の藤山勝彦という人から通産大臣にあてた念書を見ましても、確約いたしますなんという、おどかされて書いている念書としか私たちには考えられない。おそらく通産省にこの念書の控えもあるだろうと思うのですけれども、一体こんな念書まで取って差益金を取り上げなければならない事態というものは、どうして通産省砂糖行政の中にあり得るのですか。どうしても私には三十億の献金については献金させたとしか考えられないのですが、どうなんですか。
  153. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 ただいまの念書につきましても、一応自発的に業界からそういう念書を出していただくのだということから始まったものでございまして、しかも大体三十年の秋ごろに考えておりましたよりも、三十年の募れにはだいぶ糖価が下っているというようなことから、むしろ当時三十年の秋ごろに考えておりました金額というものは、その後の糖価の値下りによって非常に小さくなったわけでございます。そこで結局一番最後は、大づかみに業界からそれじゃ三十億出しましょうということで、政府の方は三十億いただいた、そういうことには間違いございません。
  154. 山田長司

    山田委員 三十億という金額の査定は、それじゃどこに根拠があるのですか。
  155. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 これは寄付をいただいたわけでございますから、根拠というものはございません。
  156. 山田長司

    山田委員 そうすると、自発的に寄付を申し出たようにあなた方は言われるわけですね。
  157. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 その通りでございます。
  158. 山田長司

    山田委員 業界の人たちに言わせると、ほとんど通産省におどかされたのだ、河野や一萬田、それから石橋におどかされたので、とにかく出した、こういうことを言っていますが、あなた方は反射的な利益による寄付金だというふうな意味に解釈していると思うんですけれども、なぜこれだけの利益があったならば、もっと砂糖の値段を当時ならば下げられたのにもかかわらず、国民生活の上に下げた形で別な方面に出なかったのです。
  159. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 自発的寄付という点は、これは間違いないわけでございますが、われわれの方といたしましても、できるだけ国民に安い砂糖供給したいということから、この砂糖法案が一応流れまして、反射的な利益というものを国の方に適法に吸収することができない。たまたまこういう三十億という自発的な寄付の申し出があったので、三十年はそれでケリはつけましたが、三十一年度からは非常にたっぷり砂糖を入れて、とにかく安くさせようということに最善の努力をして参ったつもりでございまして、現に三十一年に入りましてからは、糖価は、関税の引き上げがありましたにもかかわらず、前年に比べまして大体十円近く安くなるというような格好で、大体国民生活の御要望に沿い得たのではないか、そういうふうに確信いたしております。
  160. 山田長司

    山田委員 それでは割当金額の各四つの団体から差益金の納入をさせた場合におけるその金額の中には、全購連は入っていますか。
  161. 小倉武一

    小倉政府委員 この団体には入っていないと存じます。
  162. 山田長司

    山田委員 どうしてその中に入っていないのです。
  163. 小倉武一

    小倉政府委員 この前もお話をいたしましたように、全購連に直接割り当てておるわけではございませんので、全購連商社から入手しているわけでございますので、差益という問題は商社の問題として取り上げられておるというふうに了解をいたしております。
  164. 山田長司

    山田委員 それでは伺いますが、全購連配給している商社はどこなんです。あなた方は知らぬというかもしれぬが、そんなことじゃどうも理解できないのです、どこの商社が全購連配給する分として余分にもらっているのですか。
  165. 小倉武一

    小倉政府委員 ちょっと今手元に商社の名前を控えたものがございませんが、これはわかるはずでございますので、早い機会に調べまして、お返事を申し上げます。
  166. 山田長司

    山田委員 一社から出ているものか、あるいは二、三社から全購連に割り当てて出しているものか、そういう点はどうです。
  167. 小倉武一

    小倉政府委員 これは一社じゃなくて、数社というふうに存じます。
  168. 山田長司

    山田委員 さらに関連して、三十億の献金の中に入ると思うんですが、バナナ業者及び海外貿易振興会というふうなものからも出ていると思われますが、これらについてはやはり金額が出ていますか。
  169. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 三十億というのは、これは俗に三十億と言われておるのでございますが、今お話ございましたように、バナナの輸入利益というものも含めて全体で三十億ということであります。
  170. 山田長司

    山田委員 次官通牒でどうも私には三十億の献金を業者に命じた——あなた方は自発的だと言うけれども、好きこのんでこんな大金を業者がやたらに寄付するとは考えられぬと思うのです。これは必ず政府からこれらについての圧力がかけられたと思うのです。斤当りについて十円の砂糖の値引きをしたというようなことを言われておりますが、あなた方の知ってるように再精糖の工業会の中から、この前やはり警視庁の捜査二課で厄介になった事件があって、関係者が自殺してそれがうやむやに葬られてしまっているのですが、それも今度の事件と同じようなケースだと私は思うのです。一体三十億の献金という問題は、どういう経緯で——その金額をかりに寄付を申し出たんでもいいのですが、三十億の金額についての申し出をしてきた、ただ申し出をしてきたから通産省で勝手にその金を受け取りましょうという形で受け取っているはずはないと思う。どうなんです。
  171. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 砂糖の差益回収法案が流れましたあとに、ただ反射的利益も取れないからというので放置するよりも、むしろそういう差益はできるだけ国家にでも出していただく力がいいんじゃないかという趣旨で、そういう自発的な念書をお出しいただいて割り当てるということに夏にしたわけでございます。その後、そういうことでいきますと、大体十八億円程度の計算に相なるわけでございますが、それに対しまして業界の方から一応総額で三十億をお出ししましょうというお申し出があった、そういうことでございます。
  172. 山田長司

    山田委員 そうしますと、業界の方から三十億という限度を申し出、その金額の中に全購連に割り当てた会社数社の人たちもやはり申し出をしていることになるわけでしょうけれども、その分の砂糖の価格という問題については変化はなかったのですか。
  173. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 輸入するインポーターからこの差益は自発的に寄付していただいたという格好になっておりますので、その輸入商社から出ている先は一応同じということになりますので、特に全購連関係を、差益を寄付したために砂糖を高く上げた、そこだけ高くなったということはないはずでございます。
  174. 細田綱吉

    ○細田委員 関連。先ほどインポーターの利潤は二、三%と推定している、メーカーの配当は二割と推定していろいろ計算している、こういう御答弁でしたが、聞いてみると、砂糖の精製というのは歩どまりがあるそうですね。そのほかに糖密その他の副産物が出る。これはお考えになっての計算ですか。その点を伺います。
  175. 小倉武一

    小倉政府委員 お話のように歩どまりの点、それから副産物の点を考慮してのことでございます。
  176. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 関連して通商局に聞きますが、今の自発的寄付と称する三十億円、これはなんですか、寄付した商社の法人税も支払って純粋の利益になった、法人税等の税金の処置の済んだものなんですか。税金関係はどういうふうに処理されておるのですか。三十億円というものは寄付したがゆえに免税でもしたというふうになっておるのではないのですか。
  177. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 これは普通の寄付金として処理されましたために、政府に寄付したということのために減税とか免税とかいうような特別の措置は講じておりません。
  178. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 もう一点。あなたの方は所管庁でないから、これは国税庁に聞かなければわからないけれども何か通産大臣、大蔵大臣、農林大臣で通諜というのですか、そういったものを出したというような趣旨山田委員からもちょっと述べておられましたが、何か文書を自発的寄付の申し出以前に政府として大臣名で出したのですか。口頭でもよろしい……。
  179. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 三大臣名で、いわば文書でということはなかったと思っておりますが、先ほど申しましたように、自発的に念書を出していただこうじゃないかといったようなことを内部で、次官会議、さらに閣議の了解というふうになっておりますので、当然その趣旨は、こういうふうに自発的に念書を出していただけないかということは、口頭では十分に連絡してございます。
  180. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私の聞くのは、全く寄付者の意思表示があってから後に、政府が意思表示をしたのか、寄付者の意思表示を促す決意をする何らかの意思表示を政府がしたのか、それを聞いておるのです。
  181. 山田長司

    山田委員 ただいまの吉田さんの御質問に関連して一言申し上げますが、業界では半年もこのことについて異論があって、それで通産省にワクの制限まで受けるからこれはどうしてもやらなければならぬだろうというので、仕方なしにきまっておるのですよ。その点はどうなんです。
  182. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 業界でどう申しておるかは存じませんが、少くともわれわれの方には、自発的に三十億出しますということで、それを一般会計に入れておるということでございます。  それから吉田先生の御質問でございますが、一応砂糖の差益の吸収法案が流れましたあとに、反射的利益というふうなものはむしろ私すべきではないのじゃないか、だから砂糖輸入で非常にもうけられるというような方については、自発的に一つ寄付するといったような念書を出していただこうということは、政府として方針を決定いたしましたので、その旨業界の方にも連絡して、あとからいろいろたちまして、なかなかそういう方式では大した金額にもならない——十八億円程度というふうに推定されたわけでございますが、それに対しまして三十年の二月か三月だったと思いますが、全体で三十億円とにかく寄付しましょうというお申し出をいただいて、それをお受けしたということであります。
  183. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、念書を出してもらおうじゃないかということを次官会議で、閣議了解も得た。そうするとそれを自発的に寄付をしてくれるならば次の割当等についてもあなたの方では従前通りにこれを扱う、政府としてはこういう方針をもって臨んだのじゃないのですか。たとえば前段に反射的利益だから——反射的利益というのはどういう意味かよくわかりませんけれども、反射的に出た利益か、わいてきた利益か何か知らぬが、ともかく買い付けて、そして手続をして精製してそれぞれ売りつけたのだから、こういう経済行為、商行為、産業行為は一連普通やはりあったと思う。しかしそれも反射的利益だからというので、富くじにでも当った利益と同じように考えるのかもしれませんが、そういうものを政府でとっちまわなくちゃいかぬ、吸い上げなくてはならない、その吸い上げる法律ができなかったのだから、そいつを出してもらいたい、そのかわりに前年と同じような趣旨割当もやろう、外貨割当もしよう、特に価格調整等の法律措置はしない、つまり何らの新しい措置はしないから、結局従前通りにするというのですか。御質問の趣旨が、少し述べ方がくどくなったのでおわかりにならぬかと思うが、政府では反射的利益だからそんなものを持たしておくことはよくないので、法律によってこれを徴集しなければならぬ。こういう法律を作ろうとしたけれども、立法化しなかった。そこでこれを打たしておくことが不当であると申しまするか、出してくれ、任意に出しましょう、そのかわりに新しいそういう法律は作らずに、前年と同じようにやはり八割の割当もしよう、外貨割当もやろう、こういうように扱ってやることにしたわけなんですか。その点を聞いておる。
  184. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 従来通り割り当ててやろうというのではありませんで、できるだけ数量をふやして安くするということで、こういう利益の発生しないようにしようということで、三十一年からはうんと安くなるように数量をふやしたということでございます。  それから私は、その当時の砂糖法案のときに直接関係しておりませんので知りませんが、今聞いてみますと、砂糖法案が流れましたその直後に、精糖工業会の方から、法案は流れた、しかし自分らの方から適当な額の寄付はいたしますという申し出を先にいただいておるわけでございます。
  185. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、あなたの方では数量を増加して、それで法律を作ると同じというか、若干結果は違いますが、法律を作る場合は六十数億円が国の歳入になる、輸入数量を増加して価格を下げるという場合は、税金等の歳入はふえるのではなしに、何ほどか市価が低くなって国民の消費生活の上に潤いができるだろう、論理上こういうことだろうと思いますが、そこで数量をふやして、輸入して、税金をとるという法律は作らない、だからこれに応じて、それでは寄付をしなさい、それは任意な寄付でと、こういうことにどうも私は聞えるのです。これはあなたに問答するのはちょっと筋が違うかと思いますが、これは一体通産省の所管なのか。この問題は農林大臣ですか、通産大臣ですか、食糧庁長官、どっちですか。答弁をいただく前に、この点をちょっと確かめておきたいと思うが、今の寄付を受けるというようなことはどちらですか。
  186. 小倉武一

    小倉政府委員 これは農林、通産、大蔵三省が法案のときから関係しておりまして、農林省は主としての担当面が砂糖法案のときには価格の面、差益の方は結局これは産投の特別会計へそれぞれ入ることになっておりましたから、その関係においては主として大蔵省、それから外貨割当に伴うことによって生ずることでありますので、そういう外貨割当関係、それからまた差益の吸収といった面もあると思いますが、それは通産省関係、三省が関係していたものであります。
  187. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでこの委員会として聞かなければならぬことは、この問題は二つあると思うのだが、一つ業者としては三十億円出したならば、来年はそれに見合うところの利益の吸い上げ法案が出されない。法律を出さないから無条件で寄付した。法案を出さないからという場合には、考え方によれば、これは一つの条件があると思うのです。だから業者は翌年は吸い上げ法案が作られないという条件を期待して三十億円を寄付した。そういうようなことは自発、任意、無条件、国家への寄付という法律上の性質は失ってくるんじゃないだろうか。一極の条件を内容とする、利益の期待を内容とするようなそういう寄付を受けるということは、これは財政、会計法的な精神から見て私はいかがか、こういうのであります。こういうのでありますので、これはやはり寄付を受けるという場合に——特にこの問題はその年の国会の終りに、不成立の前後ずいぶん混乱をいたしましていろいろな風説が流布されました。こういう経過にかんがみまして、業者団体の翌年度以降の利益を期待することを一つの条件内容として、自発的と称する寄付の意思決定をしたということになっておれば、これはやはり無条件の寄付というふうには考えられませんので、国家の歳入の上からまことに妥当でないというふうに考えられるのであります。詳しいことは存じませんけれども、今の問答から一応結論づけてそういうふうに考えられるのです。  もう一つは反射利益といって、国家が法律でとってしまえ、強制的に吸い上げろ、こういうような強圧を加えようとするような利益は、持つことを許さない利益なんです。つまり、暴利取締令が今あるのかどうか存じておりませんけれども、暴利は許さないという法律があったわけなんです。そういう点から見ると、これは暴利に該当するんじゃないだろうか。だから国家は法律によって強制的に取り上げてしまう。もしそうでないとするならば、たとえば映画俳優か一巻の映画に出て、数百万円の報酬をもらっても、税金さえ何割か払えば別に法律上問題にはならぬというのと同じように、百億円ももうけようと、三日時代が十年続こうと、ちっとも法律上はかまわぬじゃないかということも言い得るのであります。そういうようなことを思いますと、やはり特に砂糖メーカーが八割という割当を受けておる利益の膨大なものを獲得する立場にかんがみて、そこに何か割り切れぬものが残るというふうに印象を受けるのであります。  こういうような二つの点から、やはりこういう問題については事態を明確にして、前後の経緯を明らかにし、筋を通しておかなければならぬ、こう考えるのであります。これは通商局の次長も当時担当しておらず、また事務当局としての御答弁にはふさわしくない問題と思いますので、これは三省共管の責任の事項でありますから、どなたかが大臣として適当な御答弁があってしかるべきだと思うのであります。これはなるべくきちっとしておきたいと思いますので、通産大臣、大蔵大臣、農林大臣いずれかが、適当にこの委員会でこの趣旨関係等明らかにするようにしていただきたい。次長今どうお考えになっておりますか。
  188. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 今の御質問は、差益の吸収法案は今後出さないからといったような条件づきでこの寄付を申し出られたのではないかという御趣旨ではないかと思いますが、少くとも私が関知いたしておる範囲におきましては、そういう条件といったものは絶対なかった、こういうふうに承知いたしております。果してする方でどういうふうに思ったかということは別でございます。政府としては何ら条件はなかったわけであります。
  189. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 わかります、表向きの条件が書いてありませんから。しかし前後の事情から考えますと、そのときに残っておったというよりも、翌年法律にならぬだろうということの方が、そういう寄付の意思決定をする重要な動機になっておったのではないか、寄付者の方ではそういう大きな利益を期待して意思決定をしたのではないか、そういうことは前後の事情から見て客観的にどうもお互いにそう判断し得る状況に置かれておったんじゃないだろうか、そう思います。文章の上ではどうもありませんけれども、そういうふうになりますと、これは取扱い上一応そういうことはすっきりしておかなければならぬという意味において私は申し上げております。何ら条件がなかったとおっしゃるのは、それはあなたの今のお立場からよくわかりますけれども、事実の経過はやはり一種の条件がついたので相手は寄付したんだというふうにどうも判断し得るように思うのであります。そういう私の意見も加わりながら質問したわけであります。
  190. 山田長司

    山田委員 もう一つお聞きしましょう。反射利益金というのは六十数億円と言われているんです。その中の三十億出したというのですが、あとの三十億くらいはどうしているんですか。
  191. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 先ほど申し上げましたように、三十年の秋ころから砂糖価格が非常に安くなりまして、われわれが計算しましたような方法でいくと六十何億というものにはとてもならなかったのではないか、こう思っております。
  192. 山田長司

    山田委員 ニューヨークの国際市場の表を見ますと、三十年度は下ったというけれども、ずっと平均の状態を三十一年の十月二十八日まで続けているじゃないですか。
  193. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 私が申しましたのは、国内の糖価でございます。これはニューヨーク相場はほとんど動かない、しかし国内糖価が三十年の七月、八月ころは七十七円、八十円、八十四円というふうでありましたが、十一月に六十九円、十二月に七十四円、一月七十三円というふうに国内糖価は大幅な下落をしておるわけであります。
  194. 山田長司

    山田委員 大幅な開きというけれども、これは年数を見て二十六年、七年、あるいは最近の状態などから比較すれば大したことではない。それは私は三十億幾らの金の問題について隠蔽させるという考え方でしかないと思うのです。それは寄付だから申し受けたというようなことを言っておるが、実際は通産省で差益金に関する公文書まで作って出しておきながら、ただ単に寄付というだけだというようなことは考えられないわけです。  そこで、もう一つ聞きますが、この三十億の金を方々の銀行から集めるときも、その三十億についての利息は、相当な金額になっておると思うのです。三十億以上になっておると思うのです。その利息は一体どうしたのです。
  195. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 これはトータルで三十億という金にしていただいたのでございまして、どこかに預けておいて利子がどうこうということは、ちょっと私ここでつまびらかにいたしておりません。
  196. 山田長司

    山田委員 利息については政府の指示に従うということになっているのですよ。預託金の利子の処理については政府の指示に従うということになっているので、利息はちゃんとついてなければならぬ。それで、金額は各業者に全部割当されて三十億になっているのですから、その三十億の預金している期間中の利息というものはなければならぬはずですよ。その利息は政府の指示に従うというのですから、その利息についてどうしたかということを聞いているのです。それが入っていないなんというはずはないですよ。
  197. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 一定の計算方法で一応積み立てていただいたというもののほかに、別途寄付金も合せて全体で三十億をいただいたのでございまして、一応一定の差益金取扱い手続というものに従って預託したという利子というもの、これは当然その利子も加算して、なお三十億との不足分を別途寄付金としてお出しいただいたので、合計三十億という寄付をいただいた、こういうことでございます。
  198. 山田長司

    山田委員 それはあなたは無責任な答弁の仕方ですよ。なぜそうかというと、インポーターに寄付させた金額が四億三千八百九十九万九千三百七十七円、こういうふうな工合に、最後の端数まできちっと出ていて、それで三十億になっているのです。各工業会及び再精糖の工業協同組合及び精糖協会及び海外貿易振興会という形に寄付させている金額だけで、端数まで入れて三十億になっているのです。だから、そのあとの預金している金についての利息は出てこなければならぬですよ。どうなんです。
  199. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 今のお話は利子も入れた納入告知書に書かれました金額でございますので、利子も含んで一応これだけ金がそれぞれの機関に積み立てられた。その後全体で三十億というものを寄付をしようという申し出がございましたので、その差額は別途任意寄付ということで出していただいた、こういう格好でございます。
  200. 山田長司

    山田委員 割り当てされた数量についてこういう寄付金を強制されたのだということを言っているのですから、この資料を一応出していただきたいと思います。
  201. 坂本泰良

    ○坂本委員 今の資料について一言……。昭和三十年の十月、日はわからぬですが、日本精糖工業会会長藤川勝彦から通産大臣殿あての書面、念書、それから三十年十月四日の通産、大蔵、農林大臣から日本精糖工業会長あての書面、これの写しがあるはずですから、これを出してもらいたい。それから三十億と言われるが、今山田委員が言われたように、各業者からの内訳があると思う。その点の明細を出してもらいたい。
  202. 樋詰誠明

    ○樋詰説明員 至急資料を提出いたします。それから山田先生の資料は、通牒の写し、商社別の金額といったようなものでいいのでございますか。
  203. 山田長司

    山田委員 それでいいのです。
  204. 青野武一

    青野委員長 では山田委員及び坂本委員から当局に御要求になりました資料は、正確にして、なるべく早く、委員長の手元まで御提出を願っておきます。  本日のところはこの程度をもって散会いたします。次会は明九日午前十時より理事会を開きます。なお引き続き十時十分より福岡県公金不正流用問題で証人を喚向しておることは御承知通りであります。三十四回目の決算委員会を開会いたすことにいたします。    午後四時四十六分散会