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吉田(賢)
委員 ところがそうではなしに、やはり今の時世ではなかなかできないことをおやりになるので、今度のような事件が起ってくるわけなのであります。そこで、これはずっと前からの
交渉の
経過あるいは
大臣の声明等々、いろいろな
経緯にかんがみまして、あなたの方でむしろ積極的にそうあるべきだというのが実を結んだので、やはり業者間の議論で自発的に結論が出たというよりも、あなたの方で原則を示して、方針を示して、その方針によってたとえば整理するという方針が打ち出されておったので、
向うに店のないようなものはのいてもらわなければいかぬということを、あなたの方で言っておったに違いないのであります。前回の
委員会における質疑応答を読んでみましても、やはりあなたが御
答弁になっておる趣旨は、支店がなかった、海外に店がなかったという一本であります。きょうも大体類似でありますが、これは便、不便の問題は業者の自主性にまかすべき限界が多いのでありましてあなたの方は、支店を持っておらぬ、人間が少い、資本が少い、多い、これは要するに選別の
基準というもので、選別の
基準は
政府の意思で、その
政府の意思が要するに除外してしまった。だから、
政府が支店も持っておらぬようなものはやめてもらわなければいかぬという一つの原則を示したから、それによって議論が沸騰するのはやむを得ないですよ。
通産省は二千五百トンの実績があるものを認めたいという方針をいっているじゃありませんか。どうして一体そういうことを尊重しないのか。一年に何回運んでくるのか知りませんけれ
ども、常時持っていき、常時とってくるのではないのです。かえってそうではなしに、裏には見返り品を
向うに運んでいく膨大な利益がついておるということも見のがしがたい一つの要因ではありませんか。そういうことも要因になっておるのではないでしょうか。そういうところへ
政府が一つの方針を示す、
向うに支店のない、店のないものは整理してしまった方がいいというような方針を示しますから、それは渡りに船ですよ。そこへ集中していきますよ。そういうことは一体行き過ぎじゃないだろうかと私は思うのです。そこまでいくのは行き過ぎじゃないだろうか。十分に議論するということであるならば、店がないものはのけというのではなしに、店がない場合に、何か手がないか、お前さんの方は毎年
年間八千トンも入れよる、それをのけてしまうのは気の毒だから、何か手がないかどうか、それがあたたかい
政府ですよ。前後の
経過を見るとこのやり方はちっともあたたかみがないのです。あなたを責めるのではないのですよ。
大臣が来ないからしようがない。また
大臣も、私の就任前ということになってしまう。だからあなたを責めるのは筋じゃないのだけれ
ども、ものの道理は同じことですよ。もしあなたが
立場をかえてその地位になってごらんなさい。毎年八千トンの
輸入というのは大へんですよ。ことにその三社は
向うに店がないのです。支店がないのです。
東独といったら共産圏の国でしょう。その国に入って
年間八千トンの
カリを
日本に運んでくるという努力は、並々ならぬものだろうと思う。それをぼやっと、喜んで返上します、そんなものは
日本じゅうに
商社としてありませんよ。あなた御自身がその
立場になってみなさい。あなた御自身がその
立場になりましたら、ほんとうに悲憤やる方なく、憤死しますよ。暴政をのろいますよ。もしその地位にある社長が国会に席がありましたら、国会で爆弾的な議論になりますよ。そういうものは何もなかったに違いない。また商売人は弱いものですよ。今おっしゃるように、いろいろな
立場で制肘を受けるような弱い
立場にあるから、そういった人々は涙をのんだかもしれぬ。おそらくあなたも感をひとしゅうするだろうと思う。きょうはあなたは冷静にものを言われていいのです。いたずらに過去を弁解する必要はないのです。いけないのならいけないと堂々と言ったらいいと思う。それがほんとうの
日本の役人ですよ。河野さんといえ
どもだれといえ
ども、あなたは不覊独立の
立場できょうははっきりと言うていただいたらいいと思う。私はどう考えてもこの
経過にかんがみて納付できませんよ。一万トン近いものを入れよったものを首切ってしまって喜んで、主として
国内の
販売業者でありました。そんなことを言われたら、気の小さい人だったらほんとうに憤死しますよ。首をつりますよ。私は小さい
貿易業者の苦しい
立場なんかを現実に知っておるものもたくさんあります。
貿易業者が物を入れて、物を出す苦心はなかなか大へんなものです。大へんなもので、ことに共産圏の国から入れてくるというのは、やはり相当の努力があったろうと私は思う。それを八つのうち三つ切ってしまう。その三つを、大きなところは切ってしまって、小さいのは残しておる。たとえば
東京食品は三千二百トンや三千六百トンじゃないですか。二十八年、九年は。そうですよ。片一方は二十八年は六千トン以上、二十九年は八千トン以上なんだ。それが三十年になると一躍して
東京食品は一万トンをこえておる。こういうことになるのでありますから、こういうことを見ましたら、この数字の並んでおりますことが事実を雄弁に証明しておると私は思います。これは非常な行き過ぎじゃなかったかと思うのです。
農林省の
肥料行政の相当な行き過ぎがあったのではないかと思う。これは海内君がやったのか、それともあなたの方の前の農林
大臣がやったのかそれは知りません。知りませんけれ
ども、いずれにしても得たり賢しで、ある業者に利益を与え、ある業者の利益を奪う、そうしてこういうゆがめられた結果になる。そしていわく、相手が一本だからこちらも一本の態勢を整えなければいかぬ、ごもっともなようで、裏を引っくり返しますと実にこれは見るにたえぬ、私はこう思います。あなたは自分がやったことじゃないのだから、一々実際記録でも読んで
答弁せなければならぬ苦しい
立場はわかりますが、あなたがほんとうに業者の
立場であるか私の
立場であってごらんなさい、感じをひとしゅうしますよ。私はこれらの業者にだれも聞いておりませんけれ
ども、純粋に考えまして私はこれが当っておると思うのです。ことに
日綿実業にしましても、
日綿実業のその後の実績はどっと減っておりますね。
日綿実業もこれは一手
販売権をとって、総
代理店の権利をとって、そして三十年から三十一年で漸減していっておりますね。三十一年になりますと二万三千トン、多いときは七万トンから入れておりました。そうして
東京食品が一万トンをこえておる、
岩井産業は一万トンをこえておる、こういうことになっておるのであります。こういう点から見まして、相当なこれは行き過ぎじゃないかと思うのです。まあ私の意見ですけれ
どもあなたはどう思いますか。