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今澄委員 私は少くとも社会党の議員が
新聞紙上に名前が出て、わずかばかりの陣中見舞やドルの餞別で、いかにも全購連肥料汚職の主流をなしておるかのごとき印象を与えることは、どうも残念です。だからこの機会にもう一歩あなたに教えておくが、警視庁はもっと事件の本筋を調べて、とんでもない末節の方をあまり主流であるかのごとく勘違いをしないようにしてもらいたい。その第一は、東京食品においては、東京食品の政治献金的な金銭の取扱い、そういうものの責任を持っておるのは、取締役にして肥料部長本多重兵という人がおります。この人がこれらの総責任者で全部の指揮をいたしまして、その下に肥料部員の落合正夫という人がいて、これが走り使いをいたしまして、その間の奔走をいたしておると私どもの情報ではキャッチしておるのであるが、警視庁はこの問題について十分御
調査をされて、事件の核心についてももう少しあれされたらどうか。伊藤忠については、社長の小菅宇一郎、専務の井院長三郎という人が、外国部長の宮内俊之という人を交えて、すべてこれらの問題については協議をいたされて、その間の走り使いは油糧
課長の岩出守武という人が連絡に当って、こういった政治問題の推進一をいたしておると伝えられておるから、これも私はあなたに申し上げて、警視庁はもっと事件の本筋にメスを加えて検討したらどうかと思う。なお日綿実業については、東京駐在の担当常務石橋鎮雄という人がいる。それが日綿実業のこういった肥料の輸入その他政治
関係の担当者である。その石橋常務がすべての責任を負うて担当されておった。それで従来東独のカリの輸入については、日綿実業が東独の一手販売の向うの元締めと独占契約をして、それで日綿実業か東独の肥料については一手で入れるということになっておった。それを河野さんが農林大臣になってから、東京食品、これは大日本飼料を通じて河野さんと知り合いの会社であるが、東京食品と伊藤忠が中心となり、日綿実業をずんとけ落して、日綿実業は今日では幹事会社ではない。今度新しくできた
組合の幹事会社は東京食品、副幹事会社は伊藤忠なんで、従来これほど実績を持っておる日綿実業は監事会社にもなれないで、てんで打ちとられて、輸入量も減って非常な打撃を受けておるわけだ。こういうカリ輸入の行政上の大きな打撃を与えられたものと、大きな利益を得たものの上に、この海内という人が間に介在して収賄事件をなしておるということは、あなた自身がすでに
承知であろうと思うが、われわれはそう見ておるのです。だからあなたの方は、この海内という人の
調査については、
新聞に漏れて、それは社会党の人も自民党の人もあるいは名前が出るかもしれぬが、それは出てもいいが、肝心かなめの一番事件の中核をなす主流の情報は一つも流れないで、派生的なやみドルや餞別や陣中見舞などというようなものが、この事件の多きな核心であるかのような報道をされるに及んでは、私どもは黙っておれない。だからどうかこれらの点については、十分あなたの方では
調査をして、そうしてこの東独カリの割当量、それから今の
組合結成指導権の移り行き等の内紛、日綿実業と伊藤忠、東京食品との対立、並びにその背後にある内紛というものを皆さん方におかれては十分
調査した上で、そしてこれは全購連の疑獄からあなたの方はカリ肥料にも手をつけ、砂糖の方にも手をつけているという話だが、芝浦精糖も一ぺん帳面を押えて、どういう
関係で芝浦精糖が問題になったかという点もお調べを願わなければいかぬか、あまり戦線を広げてもいかぬから、私はこのカリの輸入問題だけについてあなたに私どもが聞いておる一つの情報をこの際申し上げて、事件の主流を核心はどこにあるかという点について、御
調査上の便宜をこの決算
委員会の席をかりて供与したい。
なお河野農林大臣が海内さんと一緒に旅行をしたときに、現地において日綿実業の割当を非常に苦しくし、東京食品と伊藤忠の便宜をはかるために打ち合せた人たちは、東海硫安の営業部長の越田覚造、
農林省の肥料課の海内、大日本飼料の河田という人、伊藤忠の油糧
課長の岩田守武という人、さっき申した東京食品の本多重兵氏等々が十分な連絡をとって、これらの問題について緊密に協議が行われておると私どもには考えられる。だから警視庁はこの全購連の汚職の本体はそういった全購連がやったいろいろのものもありましょうが、今言う海内という
課長補佐を通じて起っておりますこれらのカリ肥料の割当と、それに活動しておりますこれらの人々との関連を一つ十分御
調査願って、私はこういう問題を根本的な正しい立場から警視庁が取り上げて捜査をせられるということを要望して、御参考
資料として申し上げて、これで終ります。