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坂本委員 ただいまの問題ですが、四月二日の議事録です。田中国務大臣はこう言っておられます。「二十八日に御質疑のありました
福岡県庁に起った会計の経理に関する
事件でありますが、その後電話をもって
事件の概要を知ろうとしたのでありますが、どうも電話をもってしては完全に参りませんので、
福岡県
東京事務所の所長を呼びまして
意見を聴取いたしましたが、これも事柄が明瞭となりません。よってその翌々日の三十日の朝の第一便の飛行機で
山本調査官を派遣いたしまして、慎重に
調査をなさしめております。ところが大へん
調査が困難でありまするのは、御
承知の
通りすでに検察庁の手によって
調査の
対象となるべき
文書の大部分が押収されておるという現状に置かれておりまして、
調査は容易でないのであります。しかしながらいろいろ不眠不休の
調査を遂げまして得たる
調査の概要を昨日の夜の飛行便で、支書を
福岡より発送したということの電話が昨夜あったわけであります。本日はもう午後早々にはどんなにおそくともその
文書が到着するものと見て、荷主
政府委員室から
自治庁の本庁に問い合せをして待っておるという現状でございます。今のところまだ入手をいたしませんが、午後にはおそくとも入手ができる見通しでございます。なおその間において、
文書は
文書といたしまして、
口頭で電話をもって問い合せ
調査をいたしましたのは、ここにおります
小林財政部長でございますから、そのいきさつは
財政部長からあらためて御
報告をいたします。と言って、飛行便は午後に着くということを田中
長官が開会の冒頭に言っておられるのです。これを全部読む必要もありませんが、その後われわれはずいぶん待ちまして、午後の二時ごろには本庁にはまだ来ていないかというので、
調査課長がわざわざここを退席したのです。そうしてその日はとうとう何の返答もなくて流会に終ったわけです。今聞きますと、
山本調査官はそんなことは知らぬし、送ったこともないというのですが、さらに次官の今の御
答弁を聞きますと、
あとで、すぐ帰るから、持って帰るというふうにどうもあいまいなんですね。これはその次の
委員会におきましても、田中
長官の失言問題もありました。また
山本調査官は欠席届を出して出てこない。呼びにやるといって、自動車で呼びにいって午後は来ると言って、とうとうその日も来なかったでしょう。だから私は大臣の出席を求めてそのいきさつをここで聞かなくてはやれぬと言ったけれども、
政務次官の人格を私は尊重いたしまして、そのときはその場で過したことは、次官も御存じと思うのです。すべてがこういう調子だと思うのです。
山本調査官は何の
調査に行ったのです。少くとも当の責任者の
知事に会って、その行方が大体わかっておるのに、そして何も
質問もしていない。出した金が、帰ったからいいじゃないか、それじゃどろぼうしても見つからなければそのままうまいことをしておって、警察官にとっつかまってから、いやこれは返します、どろぼうした品物を返したからといって裁判所が無罪にしますか。断じて無罪にしませんよ。それと同じです。だから、やはり
自治庁が
——昔のように監督権はないにしても、やはり
指導、監督上の問題があるわけです。
山本調査官はその重大な
調査員でしょう。その重大な
任務を帯びて行きながら、そういうこともちっとも知らない。何のために飛行機賃に莫大な金を出して
調査に行った必要がありますか。帰ってきても
病気だと称して出てもこない。今出てきて、
書類を送ったこともないと言う。はっきりしたじゃありませんか。もう少しまじめに、ほんとうに
国会の審査に基いてやってもらいたい、われわれは憎まれ口を個人的に聞きたくないのです。しかしながら国民大衆を代表しておるのです。一億円の金の行方について
財政上どうなっておるか、そういうことがないようにしなければならぬ。あった場合はやむを得ないじゃありませんか。それを
自治庁が
福岡県の県
知事の弁護人みたいなことを言う必要はないと思うのです。公平無私に
調査して、初めて私は
自治庁の使命があると思うのです。そういう意味で、この
調査にはやはり協力していただきたいと思うのです。