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吉田(賢)
委員 年に一割の純利益を上げるというのは、これは商行為じゃないですか。営利を目的とする事業ならば、年間一割の純利益を上げることは相当かもわかりません。けれ
どもそうじゃないのであります。ことにあなたの方の決算報告によりますと、二億何千万円か利益を上げておる。そういうことになりますると世間が言うごとくに、
鉄道弘済会というものは七割は営利事業の団体である、こういうふうに世間は言うのですよ。よろしゅうございますね。ことに今日全国的に
鉄道は
赤字だというので値上げしようという。そうして旅客はだんだん負担の増額に脅かされておるのであります。あなたの方は全国の
国鉄の主要なプラットホームなどは、ほとんどこういう販売業務でお使いになることができるらしい。等々思い合せますると、やはり営利的傾向に相当強く行っておられるのじゃないかということを疑わざるを得ない。もし弘済会が営利を主にするような存在ならば、これはやめてもらいたい。もし一般の人のために社会事業的な仕事をなさるなら、これは厚生省がやります、また世間がそれをやります。われわれは
国鉄がりっぱな
経営ができることと、財政が健全になることと、国民のサービスが完全にできることと、そして
国鉄の輸送のあらゆる機関がよりよくなることをほんとうに望むのであります。少しでもダニのように食いついているものがあれば、それを排除しなければならぬと思う。弘済会のふれ出しはもっぱら寄付行為で公益事業団体だということになっておるが、事実におきましては営利
会社と同じような考え方が潜在しておったら大へんであります。でありますから、あなたもきょうは弘済会の
代表として来られた以上は、一割純益を上げたいというそんなばかなことをお考えになることはどうかしていますよ。これも
赤字ですからせめてとんとんにしたいというならわかりますけれ
ども、決算書によれば二億以上黒字じゃありませんか。二億以上の黒字を出しておられるあなたの方でありますので、もうけるためにやっておるのではなかろうかと世間が疑うのも無理からぬことだと思う。ですからもうけるためにやるという頭をもって、所もあろうに東京駅の隣り、運輸省のまん前で堂々と第三者に場所を転貸しして、
国鉄の
固定資産管理規程に違反してやっていかれるというようなことでは、弘済会の存在は何もないということになるのであります。だから何も知らぬ国民は、弘済会というものは利益を営む団体かしらと思いますよ。あなたはどうか知りませんけれ
ども、われわれが地方へ旅行いたしましても、駅売りはあなたの方の責任だとは申しませんけれ
ども、われわれはこの
委員会におきまして、実はしばしば列車食堂を非難したのですよ。最近日本食堂も相当改善したように聞いております。また改善の経過の報告もされておる。しかしながら駅売りというものは、たとえば卑近な話ですけれ
ども、われわれの地方の百姓は牛乳一合を五円で売るのですよ。いいですか、牛乳は五円でしか買ってくれないのですよ。苦心惨たんしてしぼって五円でしか買ってくれない。しかしながら
国鉄の駅で牛乳を飲んでごらんなさい、十円で飲めるところがありますか。言いかえすと十割口銭を取っておる。私は最近飲んでおりませんけれ
ども、おそらく去年は二十五円くらい取ったと思う。もっともそれはからビンがついておる。しかしからビンはみんなさらっていきますよ。ポケットに入れて持って帰る人は一人もありませんよ。何でそんなむだなことをお客さんに負担せしめるんであろうかとわれわれは苦々しく思っております。結局これは独占事業ですよ。私が牛乳屋を率いて百姓の牛乳を売ろうと思っても許さないんですよ。許さないというところに社会の
実情があるのであります。言いかえますると、一つの独占的な企業をやっているんですよ。
一体何のサービスでありますか。百姓は五円で売るのに、弘済会に直接かどうか私ははっきりわかりませんが、ともかく駅売り牛乳を買ってごらんなさい。牛乳を買って元値が五円だと思いましたらぞっとしますよ、暴利を取っておるのに。こんなむちゃくちゃなことで国民のサービスなんて大きなことは言えませんよ。少くとも国民のサービスに協力することが弘済会の
立場でなければならぬと思う。もっともらしいことが書いてある。定款にある趣旨を読んでごらんなさい、いかにも気の毒な人に対して精魂を打ち込んでサービスするようなことが書いてある。これが事業の全生命でなければならない。
人間の生き血をしぼるようなことは、ほんとうのあなた方の
立場から見れば絶対にすることができないのです。ところが、今のは小さな例ですけれ
ども、運輸省の前で年一割の純益を得ることが当然のようにお答えになっておる。そんなことは商事
会社ですよ。だからこのこまかいことが、やはり全体を律するところの、全体を推測するところの有力なる根拠になるわけです。これは国民の声ですよ。ここは国民の声だと思って聞いておいてもらいたい。ようございますね。はっきりしなさい。こういう
土地の貸借なんかの問題は、何ぼ
投資してあるから利益を得なければならないとか、こまごまと電気料が要るとか
固定資産の償却をしなければならないとかで電電公社から坪二万円を取っておると言っておるが、そもそも電電公社とは
一体何ですか、同じ国家の公共団体ですよ。そんなものが貸りたければ直接貸せばいい。何もあなたの方で又貸しして、いろんなことを計算すべき筋合いのものではありません。もっとすっきりと筋を通していただかなければなりません。こんなことでごたごたやっておるから、全国的に弘済会の中に入っておる不動産の貸借の問題が片づかないのですよ。私は二、三年前に三宮の
高架下に行ってびっくりしたのですが、一月に一万円払っております。そして
一体弘済会は
国鉄に何ぼ払っておるかというようなことを直接何人かの人から訴えられたのです。その後どう改善されておるか、それは正確な報告はとっておりませんけれ
ども、いずれにしてもあなたの方はずいぶん古いことをおっしゃっておるのだが、こういうような
実情にあるとき、弘済会としてはもっとぴしゃりと、正しいことをすっきりやってもらわなければ困りますよ。運輸省の前で、
国鉄のまん前でこういう事実がさらけ出されておるということは、みっともないとはお思いになりませんですか。申しわけないとはお思いになりませんですか。これはあべこべに弁解すべき筋合いではなくて、率先垂範模範的にこんなものは解決しなさい。ただし、これはどういう方法がいいかということは、それぞれお考えがあろうと思います。現に隣りの神田の店舗の問題では、元の係長が引っぱられておるのですよ。十何人も引っぱられて
調べられておることがここでも明らかになっておる。そういうふうに
固定資産の貸借をめぐりまして、あるいは暴利を壟断したり、あるいは犯罪がかもされたり、暴力が起ったり、いろいろとやっておりますことは、私よりもあなた方は百も
承知なんだ。われわれしろうとがあなたの方にこんな説教をするのは失礼ですが、ほんとうばそうなんですよ。これは素朴な国民の声として聞いてもらいたい。だから呉服橋寄り等々の問題は、なんやかんやと弁解がましいことはおっしゃらずに、かりそめにも弘済会を率いて今後弘済会をほんとうに維持していかれようとされるならば、一刀両断に処置しなさい。もしこういうことを処置しないで、依然として年間純益一割を取らなければならないというのでは、われわれは弘済会をつぶしますよ。こんなものはない方がいいと言いますよ。国民のためです。ようございますか。だからその頭で一つ考えてもらいたい。どうでございますか。