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1957-03-08 第26回国会 衆議院 決算委員会 第13号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和三十二年三月八日(金曜日)    午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 青野 武一君    理事 關谷 勝利君 理事 山本 猛夫君    理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君       臼井 莊一君    床次 徳二君       松岡 松平君    淡谷 悠藏君       井谷 正吉君    小川 豊明君       片島  港君    山田 長司君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      權田 良彦君  委員外出席者         会計検査院事務         官         (第五局長)  上村 照昌君         日本国有鉄道総         裁       十河 信二君         日本国有鉄道副         総裁      小倉 俊夫君         日本国有鉄道常         務理事     小林 重国君         日本国有鉄道常         務理事     吾孫子 豊君         日本国有鉄道常         務理事     石井 昭正君         日本国有鉄道参         与         (施設局長)  今井 四郎君         日本国有鉄道参         与         (管財部長)  中路 誠三君         参  考  人         (元株式会社東         京デパート代表         取締役)    足集利源治君         参  考  人         (元東京鉄道管         理局長)    潮江 尚正君         参  考  人         (元東京鉄道管         理局長)    白木 竜男君         参  考  人         (日本交通公社         会長)     新井 堯爾君         参  考  人         (鉄道弘済会理         事)      滝  清彦君         参  考  人         (日本交通公社         専務理事)   三原 種雄君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 三月八日  委員神近市子君辞任につき、その補欠として井  谷正吉君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  政府関係機関収支日本国有鉄道経理)に  関する件     —————————————
  2. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 ただいまから今期第二十六回通常国会における第十三回目の決算委員会を開会いたします。  政府関係機関収支日本国有鉄道経理)に関する件につきまして調査を進めます。  本日は右の件につきまして参考人より実情を聴取することといたしますが、その前にお諮りすることがあります。昨日御決定いただきました参考人日本交通公社理事津田弘孝君についてでありますが、諸般の事情によりまして来られませんので、そのかわりとして、同社専務理事三原種雄君をあらためて参考人として御決定いただき、実情を聴取することといたしたいと存じますが、これに御異議ありませんかか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 御異議なしと認めてさよう決定いたしました。
  4. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 それではただいまより参考人各位より実情を聴取することといたしますが、その前に参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用中のところを御出席下さいまして、まことにありがとうございました。当委員会におきましては、目下日本国有鉄道経理について調査を続けておるのでありまして、国鉄資産管理運用の問題、特に高架下国鉄用地貸付について究明中でありますが、この国鉄用地貸付につきましては、公正に運用さるべきものが、調査によりますれば、幾多の転貸等の事実が現われて参っているのでありまして、さきに鉄友会京浜百貨店の当事者を参考人として御出頭を願い、いろいろ実情を承わったのでありますが、今回さらに鉄友会と元来京デパートとの関係、また鉄友会ガード下使用承認を与えました当時の東鉄関係者、また鉄友会及び京浜百貨店構内公衆営業承認を与えた当時の東鉄関係者より種々実情を承わりたいと存ずるのであります。また、その他交通公社鉄道弘済会関係につきましてもいろいろ伺いたいと存ずるのであります。  なお当委員会としては、国鉄経理を粛正し、少くとも国鉄資産管理運用については公正を期せしめたいと考えているのでありまして、各位におかれましても、当委員会の意のあるところをおくみとりいただきまして、本件調査に御協力を願いたいと存ずるのであります。  それでは委員各位よりの質疑応答の形式で実情を聴取することといたします。質疑に対する答弁は、必ず委員長の許可を求めて後に御発言することを申し添えておきます。  それでは発言の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
  5. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それでは元東鉄管理局長潮江さんにお伺いいたします。問題は、新橋駅の高架下鉄友会使用土地、従って鉄友会東京デパート鉄友会京浜百貨店との関係をめぐりましてあなたに伺うのであります。  国鉄提出資料によりますと、昭和三十年十一月二日付で、あなたは東鉄管理局長として、鉄友会代表相良取締役、それから京浜百貨店代表取締役保前精一両君に対しまして、構内営業使用承認書というものを発行しておられるのであります。相当著名になりました案件でありますから、これは御記憶ありましょうね。
  6. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 あまり細部にわたっての記憶は、御質問を受けてでないと、何とも申し上げかねますが、大体大筋のところは御答弁できるんじゃないかと思っております。
  7. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そこで承認書を交付せられた当時、このデパート経営はどういう状態にあったかということを御承知でありますか。
  8. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 この京浜デパート鉄友会両者に対する構内公衆営業承認書を出しましたのは、十一月二日であります。あまり詳しいことは存しませんが、この承認書を出す前の鉄友会直営当時の経営状態というのは、非常に赤字状態であったということは、当時関係者から聞きまして承知いたしております。
  9. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 鉄友会経営東京デパート経営が相当赤字状態である、とりわけ東京デパートは莫大な負債を背負い込んで、多大な金額不渡手形を出して、倒産状態にあった、こういうことも御承知ですか。
  10. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 不渡り云々まではそのとき私知っておりましたかどうか、今ちょっと正確に申し上げかねるのですが、あるいはその後聞いたのかもしれませんのですが、現在におきましては、この承認の当時——前でありますか、直後でありますか、ちょっと記憶がはっきりいたしませんが、今御指摘のような状況であったということを承知いたしておりました。
  11. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そこで鉄友会経営がうまくいかず、東京デパートが倒産する、そのあとを受けて今度京浜デパート経営する、こういうことになったようでもありますが、これは一体実態はだれが経営するのですか。鉄友会が経常するのですか、あるいは京浜デパート経営するのか、それとも、東京デパート京浜デパートの名によって経営するのか、そこはどうなっておるのですか。
  12. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 私その当時聞きましたところでは、京浜デパートが今後の経営をやっていくのだというふうに聞いております。従ってデパート経営というものは京浜デパートが全面的に経営していくのだというふうに当時聞いたと記憶いたしております。
  13. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうするとその前の新東京デパートですか、それは一体だれが経営したのですか。経営実態はだれですか。
  14. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 私十分にお答えできなくて申しわけないのでございますが、東京デパート経営いたしておりました当時のことを実はあまりよく知りませんで、と申しますことは、この京浜デパートに対して承認いたしましたのは私東鉄局長に就任いたしまして間のないころでございましたので、その前の状況につきましては実はあまり詳しい実態を知らないのでございます。
  15. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 けれどもやはり重要な固定資産管理でありますから、相当お調べになったと思うのですが、鉄友会が相当金額建設をしておったというようなことはお調べになりましたか。
  16. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 その点は承知いたしております。
  17. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますとその建設費内容は具体的に検討なさったのですか。
  18. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 建設費内容まで私直接は検討いたしておりません。
  19. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 京浜デパートから鉄友会が莫大な敷金を取ったことはお調べになりましたか。
  20. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 承知いたしております。
  21. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 金額はどのくらいと御記憶ですか。
  22. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 私あるいはちょっと記憶が間違っておるかもしれませんが、今記憶いたしておりますのでは四千方円程度ではなかったかと、あるいは記憶間違いかもしれませんが記憶いたしております。
  23. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 京浜デパート代表者の御説明によれば四千五百五十万円ということになっておりますが、それでございましょうね。
  24. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 私大ざっぱに四千万円程度記憶を申し上げたのでありますが、今お話の四千五百五十万円が正当と存じます。
  25. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そこで何ですか、京浜デパートが四千五百五十万円も鉄友会敷金を払う。鉄友会経営がうまくいかない、そのあと東京デパート経営する、東京デパートも莫大な損をして倒産する、四千五百万円かの金が授受される、こういうような状態になったときには、あなたの方ではもっと関係を簡単明瞭にして使用者を決定するということが筋ではなかったかと思うが、その点に対する御所見はいかがですか。
  26. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 実は先ほど申し上げましたように、私東鉄局長に就任いたしまして直後の問題でございますが、当時これにつきまして報告を受けまして、大体京浜デパート鉄友会との間に十一月二日承認いたしましたような内容でもって話が進行して参ったというふうなことで、両者の間でそういうふうな形で契約ができておりまして、それに基く出願が参りましたので、当時その両者出願によりましてこれを許可したわけでございます。その後いろいろと私どもこのデパート実態につきまして検討いたしました結果、こうした形は必ずしも好ましくないというふうな見解を持つようになりまして、その改憲をはからなければならぬというふうなことで、関係者いろいろと相談して参ったような実情でございます。私昨年の六月にまた東鉄局長から転出いたしましたので、その後の事情は詳しく申し上げられないのでございます。
  27. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 足集利参考人にお伺いしますが、あなたは元東京デパート代表取締役として、この今問題になっておりまする京浜百貨店の前身の百貨店経営を今の新橋京浜百貨店の場所でお営みになったことは間違いございませんか。
  28. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 間違いありません。
  29. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そこであなたはこの東京デパート新橋で御経営になりまして相当な御損害があった、赤字があったというふうに聞いておるのでありますが、これは失礼ですけれども不渡りその他赤字どのくらいでお店をお締めになることになったのですか。
  30. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 不渡りがあのときうろうろ残っておりまして、はっきり数字がわからないのですけれども、一億三千八百万円くらいじゃないかと思うのです。
  31. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたの方は鉄友会敷金とかあるいは保証金とかはお渡しになりましたか。
  32. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 敷金は逐次お払いさしていただいていたのです。
  33. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 総額幾らで、いつ完了しましたか。
  34. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは日は……。
  35. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 鉄友会にお払いになった金額総額何ぼですか。
  36. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 約四千方円くらいかと思います。しっかり今記憶しておりませんが……。
  37. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 四千方円敷金をお払いになりまして、家賃は何ぼお払いになりましたか。
  38. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 五十五万円かと思います。
  39. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それは月ですか、年ですか。
  40. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 月です。
  41. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたの方のお借りになったというのは一体何をお借りになったのですか。五十五万円の家賃をお払いになって何をお借りになったのですか。
  42. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 足集利参考人に御注意しますが、吉田委員があなたに御質問になったら、その答弁をする前にお立ちになって委員長と一度おっしゃられて、そして私があなたの名前を申し上げて発言をする、これが決算委員会の運営の骨子になっておりますから……。足集利参考人
  43. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 家賃は売り場の使用家賃としてお払いさしていただきました。
  44. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたに伺いますのは、何をお借りになっておりましたか、こういうことを聞いておるのであります。
  45. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 何をお借りになったか——家質ですね。
  46. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうですか。そうするとあなたの方は、東京デパートは、鉄友会との間に契約書の差し入れ、取りかわし、そういうことをなさいましたか。
  47. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 取りかわしですね。契約ですね。さしていただきました。
  48. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 期限はいつからいつまでですか。
  49. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それはちょっと記憶ないのですが。
  50. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 何年くらいの契約ですか。
  51. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それが記憶ないのです。
  52. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 しかし四千万円の敷金をお払いになるくらいだから、三月や半年や一年ではあなたの方も商売人ですから、それでは採算が立ちにくいように私は感じますが、やはり相当期限を切ってもらわればならぬ。あなたも個人じゃないのですし、株式会社代表ですから、株主にも報告しなければならぬ。三月や半年でたたんじゃしょうがないでしょう。相当期限もお切りになったと思いますが、何かそこは取りきめて、大体の時間の長さをきめないといくまいと思いますが、それはどうですか。
  53. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 これはちょっと……。
  54. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 大体いつまでお使いになる御予定でしたか。
  55. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 いつごろという予定はなし、私は永久というつもりで……。
  56. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたは東京デパート社長をしておられましたね。
  57. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 はあ、そうです。
  58. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 社長さんとして鉄友会のどなたと主として御交渉になられましたか。借り受けの交渉を……。
  59. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは大石さんと益子さんです。
  60. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 結局あなたの方はどれほどの期間を使っておやめになりましたか。
  61. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 どれくらい使ってきたかとおっしゃるのですね。
  62. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうです。
  63. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 約三年と一月ですね。
  64. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 最後はいつごろでありましたか。
  65. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 京浜デパートと切りかえのときまでですね。いや、鉄友会と切りかえのときです。鉄友会が直営しましたね。あのときまでです。
  66. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、国鉄の提出しました資料によりますと、昭和三十年の四月に鉄友会が直営することになって、名前を新東京デパートということにした、こういう文書が出ておりますが、大体そのころなんですね。
  67. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 まあ、そのころかと思います。
  68. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ちょっとその前に潮江さんに伺いますが、潮江さんが就任当時前であれば前任者白木さんに——どちらでもおわかりの方に御答弁願います。当時三十三年の四月ごろには、京浜デパートはこの土地使用する関係は発生しておりましたか。それとも交渉しておりましたか。その点いかがです。
  69. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 今御質問の三十年四月当時のことは、何も御答弁できないのでございます。存じません。
  70. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、足集利さんに伺いますが、四千万円の保証金をあなたは返してもらいましたか。
  71. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは返していただいておりません。
  72. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 四千万円の敷金を払って、三年間使って、家賃を毎月五十五万円も払って、それで返してもらえぬとはちょっとふに落ちませんが、請求しないのですか。
  73. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは東京デパートの全財産鉄友会直営の新東京デパートに全部譲り渡して、あとの清算を鉄友会にお願いしたことになっているのです。什器、備品全部です。
  74. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの御説明東京デパートが一億三千万円の負債をしょい込んで、事実上倒産するに至った。そこで東京デパート百貨店経営財産を譲り渡して、鉄友会あと整理をしてもらった、その通りですか。
  75. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そうです。
  76. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの方は、東京デパート立場からすれば、鉄友会に四千万円返してもらわなければならぬ権利がある。もう一つは、あなたの方は、何ぼかあった財産鉄友会に譲り渡したが、財産が百万円か一億か知りませんが、これも東京デパート立場からすれば、鉄友会に対して債権ですね。
  77. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そうです。
  78. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そこで鉄友会は一億三千万円というあなたの借金を肩がわりしてくれた、そういう意味なんですか、そうしないと話のつじつまが合わない。筋が通ってこない。四千万円の返還請求権があるのですね。何ほどかの財産を譲り渡した代金をもらわなければならぬ。一億三千万円の借金がありますね。それを解決してもらうということであれば、一億三千万円の負債鉄友会に肩がわりしてもらったということに理屈はなるのですか。
  79. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 足集利参考人にお願いしますが、何べん言っても、決算委員会参考人として呼んで、あなたみたいに委員長と言って発言を求められない人はおらぬのです。注意して、説明が終ったら一応着席していただきたい。なれないから無理はないと思いますが、あまりに何回も重ねられますから……。
  80. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、今の御説明によりますと、整理を頼んだ、どうもはっきりいたしません。整理を頼まれたという人は債権を取り立てて債務を支払う、それが整理でありますが、どうもそうじゃなしに、あなたの持っておる権利義務一切を鉄友会に譲り渡してしまったというのがわれわれの常識でありますが、そこまでせんさくはいたしません。そうしますと鉄友会は四千万円の敷金を返しておらず、たくさんな、何ほどか知らぬが百貨店財産を譲り受けて、一億三千万円のあなたの負債整理——一体一億三千万円の負債整理完了しておりましたか。言いかえますと一億三千万円の債権者はそれまでそれぞれと整理終了したのでしょうか。その点をちょっと念のために聞いておきます。
  81. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 つまり整理中とおっしゃるのですか、整理できたかとおっしゃるのですか。
  82. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 整理中であるのか、整理完了しましたのかいずれでありますかと伺っておるのであります。
  83. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 今日現在ですな。
  84. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 さようでございます。
  85. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 現在はもうほとんど完了しまして、第四回目のこの六月の末に払う分が残っているように私は思うのですが……。
  86. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、鉄友会というのはそういう整理を引き受ける会社じゃないでしょうね。そういうものじゃないだろうと思いますが、どうもそこははっきりいたしませんが、その点はいずれでもいいといたしまして、そこで白木さんに伺いますが。あなたは三十年のそれまでしか御関係になっておりませんが、三十年十一月以後潮江さんにおかわりになっておるのですが、一体鉄友会と称するものは、あなたの局が使用承認をなすった当時、これはすでに高架下建設物を設置いたしておりましたのですか。その後設置したのですか。及びその設置はどれほどの金額のものを作ったというふうに御記憶になっておりますか。
  87. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 私が在職中に鉄友会の話を記憶しておりますのは、新橋のあの土橋口混雑緩和、そういう面からあそこに鉄友会の出資で高架下使用をするということで、そのときに関係の部下から青写真で通路を二本にするとか三本にするとかいうような説明を聞きまして、当時輸送難で非常に困っておりますときで、鉄道の予算もあまりありませんで、そういう混雑緩和というようなことまでとても国鉄の費用が回らない。従ってそういうことができればけっこうなことじゃないかというふうに思っておった次第でございます。また当時、ちょうど私赴任しましたときに鉄道組織が変りまして、そのために組織変更による一般業務が非常に膨張いたしまして、そういったことをあまり詳しく知っておりませんでしたし、それからいつごろ工事にかかったか、私ちょっと記憶がないのです。また御質問の、どういうものができたかということも、私当時の責任者であるのですから、いわゆるくわ入れだとか開業祝ということで招待されておったのじゃないかと思うのですけれども、考えてみますと、どうも私そういった記憶がないのでございます。
  88. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 昭和二十六年四月十二日付であなたは東鉄管理局長として、株式会社鉄友会社長益子に対して使用承認書を交付しておられるのであります。これは例文であるか知りませんが、かなり厳重な規定をしておられるのであります。そこであなたに伺いたい点は、あなたは鉄友会の実体をよく把握しておられたかどうかという点であります。鉄友会のあそこの建設物に対する投下資本内容を見ますと、建物を三千五百万円で建てたというようなことを言っているのです。その他いろいろな施設を合せまして五千五百万円の資金を投じたというふうに言っておるのであります。そこで私ども現場を見て参りまして、あえて疑うわけでありませんけれども、天井を突けば破れるような感じを受ける、建築物らしいものはどこにも見当りません、高架下の太い柱を取り巻いている一インチくらいの厚さのもの、あるいは下に敷いてあるもの等々で、一体五千万円もどこへ投じたんだろう、ちょっとわれわれしろうとながらおかしく感ずるのです。そこで鉄友会正体というもの、財産関係あるいは投資関係、あるいは五千万円も投じたというようなのはほんとうかうそか、そんなことをお調べになったかどうかということを私は知りたい。なぜこんなことを聞くかと申しますと、この鉄友会はただいまお聞き及びの通り東京デパートから四千万円も敷金を取っておる、京浜デパートから四千五百万円の敷金を取っておる、八千五百万円からの敷金を取っておる、二度取っておるのです。鉄友会東京デパートへたくさんの売り掛けをして貸付があったというふうにもどうも想像されない。ただ部外のたくさんの人が被害表になって、たくさんの債権者ができて、その整理を引き受けて、財産まで受け取っておる、こういう事情になっているので、鉄友会正体をつかんでおかなければいかぬのじゃないだろうかというふうに思いますので、伺っておるのであります。これはやはりあなたの方の固定財産管理をなさる上におきましては、使用人の財産状態、そこへ投資した投資実情投資金額、またそれを借りておる次の人間、実際に使用しておる人間との関係というものを一応は調査しておかなければならぬ。この調査をせず部下まかせにして、めくら判をしていくということでしたら、とても固定資産管理は適正にできないと思いますので、それで伺っているのです。
  89. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 ただいまのお話、当時高架下をたしか一千万円で益子さんがやられるということを伺っておりましたが、今お話のような、ほかの会社から金が入っており、東京デパートでしたか、そういう方からも金が入ったということも私知りませんし、またその次の京浜デパートでしたか、その辺のことになると、何も私わからないのじゃないかと思いますが、私は先ほど申し上げましたように、新築した建物そのものも実は見ておらぬのでありまして……。
  90. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 新築の実情も直接知らない、敷金を四千万円も受け取ったことも知らない、こういうことは私はよくないと思います。やはり四千万円、五千万円の金が授受されたというときには、そのくらいのことをお知りにならなければ私はいかがかと思います。  そこでこれは潮江さんに伺いますが、一体鉄友会がみずから使用人であり、あなたの方も鉄友会使用承認書を付与している。それを第三者である東京デパート使用しておる、続いて京浜デパート使用する、こういうふうに転貸しを認めるというようなことは筋じゃないと思います。使用承認書の条件の第二条に明らかに違反しておる。こういうことはできないと思いますが、この点についてどういう御見解ですか。
  91. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 この十一月二日の構内公衆営業使用承認書というものにつきましては、鉄友会から京浜百貨店へ賃貸を認めたものだというふうに私は解釈いたしております。その法律的な解釈になりますと、私専門でございませんので、本社の方から専門の方が出ておられますので、その方へお聞き願いたいと思いますが、このときの解釈といたしましては、賃貸だということで私解釈いたしております。
  92. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 使用名義が鉄友会である、実使用者京浜百貨店である。その前は東京デパートだ。しかも東京デパートは一億数千万円の負債を背負い込んで倒産したのである。その倒産のあとを受けて、どんな堅実な有力な百貨店か知りませんが、京浜百貨店が現われた。こういうようなときに、依然としてわけのわからぬ——わけのわからぬと言ったら失礼ですけれども、ともかくとかく正体明らかでないような疑いのある鉄友会、その鉄友会名前をそのままにしておいて、また京浜百貨店使用承認といいますか、構内営業を許す。これは営業承認書ですか、営業使用承認し、転貸を認める。こういうこと自体、固定資産管理の原則をあなた自身が破壊してしまっているようにも感ずるのであります。法律上の解釈いかんは、あなたの方は直接本社の方におまかせというようなお考えかもしれませんけれども、こういうことを認めること自体が——認めるなら認めるで、前にどういう経過があったのか。前の経過は破産倒産会社で、一億三千万の債務ならば、いずれ都民に相当債権者があっただろうと思いますが、そういう関係も考慮するならば、やはりこれは適当に処理すべきであったのではないか。もっとも国鉄の二千数百億円も水揚げするような大きな世帯から見れば、そんな針の穴で見るような小さい新橋の場所ぐらいは取るに足らぬというふうなお考えであれば、これはまた論外でありますが、かりにも国鉄の資産として管理する以上は、その辺のところはもっと筋を通しておかなければいかなかったというふうに思うのですが、どうも何もかもめくら判を押されたと非難されても、私は当らずといえども遠からずという感じがいたすのでございます。あなたも今日は特別に機構改革の結果、監察委員会委員ですか、つまり全体に目を光らしていなさる重要な役目につかれておいでの方でございますが、これはまことに困ったことですね、いかがですか。
  93. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 先ほど申し上げましたように、この十一月の二日の書面につきましては、私正当な処置であるというふうに、この処置自身は今も信じております。
  94. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 私はここはやはり多少のあやまちぐらいあったらお認めになる方がいいと思うのです。それをあなたはどこまでも正当だというふうにつっぱっていきなさるが、それならば少し分析して問答をしてみますが、少くともこれは昭和二十六年の四月十二日付、東施用二十六、第一二四号の二、これによって白木局長が発行しておる使用承認の条件に違反しておる。なぜそれならば前の承認条件を変更するとかなんとかの手続に出ないのです。それは、あるいは効力がなくなってしまっているという御見解かもしれぬ。けれども固定資産管理令等によりましても、やはり東鉄局長が出すこの種の文書というものは相当重要なものでなければならぬ。少くとも転貸しを認めるということは、明らかに異例の異例だろうと思う。こういうときはやっぱり原則規定に対する何らかの変更を加えるとかどうにかしなければいくまいと思うのです。けれどもあなたには何らの過失がないということであれば、それは一応承わっておきますけれども、どうなんです。
  95. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 先ほど申し上げました答弁であるいは誤解があったかとも思いまするが、私はこれで要するに違法でないということを申し上げたのでありまして、今お話のありましたように、こういうふうなケースというのは、これが原則でないということは承知いたしております。従いまして、一般的にこれが普通の姿であるとは思っておりませんが、この場合の契約におきましては、一応こういうふうな承認によりますのも、一般的の普通の姿ではありませんけれども国鉄におきまする規定上は違法ではないというふうなつもりで申し上げたわけであります。なお先ほどの御見解に対して御答弁申し上げますが、先ほども申し上げましたように、私これを承認いたしました当時は東鉄に参りまして間のないころでございまして、従ってある程度は報告を受けまして存じてはおりましたけれども、その後いろいろと勉強いたしましたこと等あわせ考えますと、承認いたしました当時の私の認識というものは決して十分であったとは思っておりません。従いましてこれを承認いたしましてから、いろいろと鉄友会なり京浜デパートの運営なりを見て参りまして、結局この状態でずっと続けて参りますということは決して好ましいことではないというふうな見解を抱くようになりました。その後小倉副総裁が参られましてこの問題についていろいろお話しいたしましたとき、同じような御見解で、これはもっとすっきりした形に改めるべきであるというふうに私ども感じまして、その後努力して参ったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、私昨年の六月に本社の方に転出いたしまして、その後小倉副総裁が中心になられましていろいろと先ほど申し上げましたような姿に改善努力相なっておるように承わっておったのでございます。最近承わりますると、大体私の考えておりましたような線で近々に改善ができるというふうなお話を承わりまして、それがほんとうに望ましい姿であると今も思っております。
  96. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 私の見解に対するあなたの見解とか、そんなことでなしに、私は事実を指摘しておるのであります。第一東京デパート使用させたのはどういうわけなのか、こういうことなのです。東京デパート使用を認めたのはどういうわけか、知らなかったとは言わせません。そういうことは言わせません。東京デパートが明らかに大きな負債を皆負い込んで四千万円の敷金も払ったというような、そういう事実もあるのに、それもわしは知りません。そこであと京浜百貨店がきた。それは異例ではあるけれども、当時としては法律に違反しておらぬというようなお考え方、そういうお考え方でなしに、たとえば、法規に違反しないのならば脱法的なことでもやるのだということであればこれはまた別です。そんなことをなさると固定資産というものに、アリが砂糖にたかるがごとくにいろいろな脱法的な手段が講じられてくるのであります。そこがいろいろな問題の起る一つの温床であると私ども考えておるのです。  そこで問題は、鉄友会、続いて東京デパート、続いてまた京浜百貨店、こういうふうに転々といたしまして、鉄友会がいずれからも四千万円以上の敷金をとっておる。今何をやっているかわからぬような鉄友会、そういうものを依然として使用名義人として存続せしめておるというようなこと自体に、私はやはり少くとも相当考慮してもらわねばならぬ余地があったのではないだろうかと、幾ら控え目に見てもそれだけは言えるのです。もっと突き詰めて端的に申し上げましたならば、大きな怠慢です。鉄友会正体をはっきり知らないで——そもそも一億三千万円の人の借金整理する、そんな会社であるということは、鉄友会の営業目的には何も書いてありません、そんな整理会社のような三百代言みたいなことをやるのが商売だということに、鉄友会の定款ないしは営業目的には出ておりません。そういうことも思いますので、鉄友会東京デパート関係東京デパートからまた移って京浜百貨店になったような関係、それをそのままのんでいかれて、そうして依然として鉄友会使用名義がそのまま存続していったというところに、この問題の非常に不可解な面がある。そこでまた社会は疑惑を持つのです。鉄友会代表者はことごとく旧国鉄の相当な地位にあった人である。そうなってくるのですよ。社会はあなたらのようにそんなにこまかく考えておらない。簡単ですよ。国鉄の元幹部であった人が鉄友会代表者になっておるので、そこでなかなか十分にそれを処理できないのだろうと見るのです。そういうことも一つ御記憶願いたいのです。実はきょうもちょっと言ったのですが、この問題があって以来、いろいろ投書があったり、人が訪問したりするのです。ずいぶんたくさんな人も泣いているのです。三万、五万と金をとられ、借りてやるから金を出せ、課長に命をやらなければならぬ、一ぱい飲ませなければならないから金が要るのだといって、三万とられ、五万とられ、あげくの果てにはそれはだめになりましたといわれて、訴えていくところもない、そういう手紙がたくさん来ておりますよ。お見せしてもよろしい。そういうようにもっとしゃんとしておらなかったために、泣いている被害者がたくさん出てくるのが今日の実情であります。そういうこともあれこれ考えていただいて、いたずらに責任のがれのような言葉を弄することは、私ども愉快ではありません。やはり今日は、多少そういう手違いなどあったり、認識の不十分な点、調査疎漏の点等があったりいたしましたならば、十分にあなたの方では御反省を願うのが私は筋じゃないかと思うのです。当りまえのことをやって、法律に違反しておらないのだということは、あなた方は言う立場ではありませんよ。ことにあなたの今のお立場にかんがみて、私はその感を深くします。副総裁どうお考えになるのですか。
  97. 小倉説明員(小倉俊夫)

    ○小倉説明員 この件につきましては、前回も申し上げましたことですが、ガード下の工作物を他へ貸したということにつきましては、それは又貸しでないという議論がございまして、大審院の判決でもそういうものがあるように承知いたしております。それで、当時そういうことが国鉄の通説のようになっておりましたので、それに従いまして事務を処断したということにつきましては、私どもうなずける点があると考えます。ただし、この前申し上げましたように、そういうことを承認なくしていたしますと、又貸しというものを押えることが不可能になって参りますので、私としてはそういうような通説があるやいなや、判例があるやいなやを問わず、今後としましては、承認なくして貸したということにつきましては、全部又貸しで処理して参りたい、かように思っておりますので、今後は十分注意いたしますが、当時にはそういう解釈のなきにしもあらずということで御諒恕願いたい、かように考えておる次第でございます。
  98. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 今の国鉄の考え方には、少しすっきりしないものがありますけれども、一応承わっておきましょう。  足集利さん、ちょっとあなたに伺うのを忘れておりましたが、鉄友会というのは何をする会社なんです。あなたの自分の金ではない、東京デパートの株主の金ですね、それを四千万円もお預けになって、そこで一億三千万円の借金整理してもらう。この鉄友会というのは、一体何をする会社というふうにあなたはお考えになっているのですか。
  99. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 私が大石さんから承わったのではガード下にコンコースを作って、それを利用して売り場を作る、本体は不動産会社であって、コンコースそのままでほうっておくのはもったいないから、売り場にさしてもらう、利用させてもらうということの会社だということを承わっておりました。
  100. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 不動産会社ということは、どうも営業目的の届には出ておらぬ。そこで、あなたの方の一億三千万円も、これはまことに困ったことですが、もし整理ができなくて負債が残ることになったら、これも自他ともに困ったことでありまするが、この鉄友会はそんなに資力があるのでございますか。鉄友会自身が資力なしで困っているということを実はほかで聞くのであります。鉄友会は相当資力を持っている会社なんですか。
  101. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 資力があるかないかということも、最初のことですから、設立のときには知らなかったわけです。ただ、こういう会社であるから株を持たないかと言われたので、持ったわけであります。
  102. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 足集利さん御自身は、今度は京浜百貨店の株主でもおありですか。
  103. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 全然ありません。
  104. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 結局鉄友会は解散したのですか、解散しないのですか。
  105. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 現在はどうか知りません。そのままやっていると思いますが、私あまり知らないのです。今の……。
  106. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 株主名簿を見ると、あなたは大株主になっているのです。あなたは旧株を一万株も持っておられる。一万株の大株主ですと、百円払い込みとして百万円もあなたの資産がおありでおりますが、そこで、今度京浜デパートヘ百円株一万株を四倍半の四百五十万円で肩がわりしてもらったと聞くのであります。これはあまり関係しないようにおっしゃるのだが、その辺は、一万株の大株主として、やはり株の肩がわりをした代金でもおもらいになるのか、あるいは京浜から資産でも譲ってもらうのか、それはどういう結末がつくのでしょうか。
  107. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それば金によって肩がわりしていただくわけです。
  108. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 金によって肩がわりするとおっしゃると、四倍半金をおもらいになるわけですか。
  109. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは鉄友会の方からすべてやってもらっておりますので……。
  110. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうすると、結局鉄友会の持ち株はなくなって、四・五倍をあなたが金で受け取るということになると、百万円とすると四百五十方円の金を受け取るのですが、あなたもどんな大金持か知らぬが、四百五十万円は一応大金だと思うのです。それはいつごろお受け取りになる予定ですか。
  111. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 今ちょっとせきをしていられて聞きにくかったのですが……。
  112. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 お尋ねしましたのは、百円株を四脚五十方円鉄友会京浜デパートへ肩がわりしてもらう。あなたは現金が入るとお述べになりましたから、しからば百万円のあなたの株の価値は、四百五十万円になって返ってくるということになれば、現金をいつお受け取りになる御予定か、こう聞いておるわけです。
  113. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは考えておりません。
  114. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 実際金を受け取るあてもなしに、ほんとうはそんな契約もはっきりしておらぬし、鉄友会が株を京浜デパートへ四・五倍で肩がわりしてもらうということもほんとうじゃないのではないのですか。そこまで疑うと悪いかもしれませんが、いかがですか。
  115. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 ちょっと委員長、わかりませんが……。
  116. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 百円株を今度四百五十円で買い上げてもらう。百円株にして百万円だから、四百五十万円になる、これは鉄衣会から足集利さんが受け坂られるということであるが、それは現金で鉄友会からもらうのですか、そういううまい話はどうも信じられないが、ほんとうですかという質問です。
  117. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そこはまだほんとかうそか……。
  118. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたは一万株の大株主であって、それがほんとかうそかわからぬというと、そういうことも……。
  119. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 ほんとやと思います。
  120. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 実は鉄友会が百円ずつお払い込みになったのですか、そうではなくて、一株百円ずつ払い込まないで会社を設立することもありますので、みんな払い込んだんじゃないのがほんとうじゃないか、こうも考えられるのですが、その点はどうですか。
  121. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 鉄友会払い込むのですか、京浜デパートが。
  122. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 大石与市郎さん以下、たくさんの株主の方がおありでしょう。それが実際に払い込まれたのかどうか、これを聞いている。
  123. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 私の持株は実際に払い込みました。
  124. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ほかの人はどうですか。
  125. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは私は知りません。
  126. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それはまことにけっこうなことでありまして、大株主がほかの大株主の方の払い込みの有無を御承知でなかったということは、その程度に伺っておきましょう。  話一をちょっと転じまして、当局としては、このような鉄友会でありますならば、やはりもっと鉄友会自身の正体財産状況等々を明らかにいたしまして、使用名義をどうするというようなことも検討すべきであったというふうに今日においては考えられるのですが、どういう御感想でありますか。
  127. 潮江参考人(潮江尚正)

    潮江参考人 今お話のように現在考えておりますし、当時といたしましても、できれば一挙にそういうような形にするのが望ましかったというふうに存じます。
  128. 片島委員(片島港)

    ○片島委員 関連して。足集利さんに伺いますが、鉄友会とあなたの方とは最初のころ一番関係が深かったわけです。そこでいろいろとこの問題については当局も調べていますし、決算委員会調べているわけですが、あなたの方は経営局も赤字が出て非常に振わなかった、それにはいろいろ事情もありましょうが、またその一部には鉄友会の幹部の方々に、これは向うから強要せられたのか、あるいはあなたの方で自発的にされたのか知らないが、いろいろとごちそうなどした、またさらにこの前の参議院選挙のときなど政治資金という形で——名目はどうであったか知らないが、そういう関係者にお命を出されたというようなことが、実はいろいろ調査の上で出てきているのですが、この事実はいかがでございますか。
  129. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 その当時は、私は大阪の方にデパートを作りましたので、ほとんど大阪の方におりました。そしてその当時あまり無理なからだの使い方をしましたので、病気をいたしまして、一月ほどは会社へも出られず、出血したものですから、安静にしておりまして、選挙のときも何も知らなかったのであります。それから二ヵ月後に東京へ来まして、長谷川専務から五方か十万円ほど差し上げたということは耳にはさんでおります。
  130. 片島委員(片島港)

    ○片島委員 あなたは病気で休んでおられたが、専務の方がかわってあるいは供応などもずいぶんやられた。また五方か十方円か知らないが、とにかくそういう金を選挙のときに差し上げておいた、こういう報告をあなたは受けられたわけですか。
  131. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そういう料理屋政策などの費用とかいうことは、そのときにも一切しておらぬということは聞いております。
  132. 片島委員(片島港)

    ○片島委員 選挙の際のことについては……。
  133. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 選挙のはさいぜん覆いました五方か幾ら、まあ何やかで十万円ほど出たでしょうねということを聞いたのですが、そうかということで、耳にはさんだだけです。
  134. 片島委員(片島港)

    ○片島委員 それをあなたには全然お話がなく、東京デパートの専務の方が五万か十万か知らぬが、——あなたは一万株持っておっても、あまりとんちゃくのないようなお話ですから、五万や十万はどうでも一いいかもしれませんけれども、しかしやはりお金ですから、それをあなたに相談しないで選挙の資金として出したということをあとで聞かれたわけですね。
  135. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 選挙の資金か何かは知りませんのです。ただ三浦さんに渡したという報告を聞いたのです。
  136. 片島委員(片島港)

    ○片島委員 五万とか十万とかを、三浦さんという名前が出たのですが、私は名前まで言うつもりはなかったのですが、金を渡したということばあなたもお認めになっておられるわけですが、そういう少額の金だったのですか。その点はあなたはよく突きとめて聞かれなかったのですか。
  137. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは私も病気上りで、こちらへ来まして、もうふらふらしておりましたので、ああそうかと言って、そう場面まで見たりするひまもなし、ただ報告を耳にはさんだだけのことです。
  138. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 ちょっと委員長から失礼ですが、一間だけ御質問申し上げたいと思いますが、足集利さんのそのデパートは、二十九年の八月三十一日までは株主の配当をしておる。これは事実ですね。株主に配当しておいて、約十五日後の九月十五、六日ごろからいろいろな商人に対して約手を振り出して、当時の金で二億四千万円という現金をあなたはお持ちになっておったはずです。二億四千万円をお持ちになって大阪に支店を出したり、現金で商人に金を払わずに約手でこれを支払っていかれた。十五日前までは株主に配当しておいて、十五日後にはそういうことをして、現金取り込み詐欺ではないかといって、三白人ばかりの債権者が大騒になったことを私は知っているのです。そういう事実はありますか。
  139. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そんな事実はないです。
  140. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 事実はないと言っても証明があるのです。訴訟になった内容証明ですよ。訴訟になった証拠書類ですよ。あなたの方の書類は全部私たちの方で調べてあるのです。ないことはない、公文書であるのです。十五日以後に約手で支払って、最後には二億四千万円という膨大な——債権者三百三名に損害をかけて、そうして京浜デパートが二割は出すということにして京浜デパートが肩がわりして出した。そして一億数千万円、二億円に近いものを切り捨てられて、当時の債権者は路頭に迷われておる。いわゆる帝人ですが面二十万円やられておる、あるいは五十方円やられておるということで、ごくおとなしい人たちは現在京浜デパートに店を出しておられるじゃありませんか。あなたは何億という現金をふところに入れて大阪に行かれた。そうして約手支払いをし、最後のどたんばではたった十五日の開きでもって約手でやっておる。そのうち二割だけは京浜デパートが肩がわりしたが、八割は切り捨てられた。どうしてこういうことをなされたのですか。そういう状態ではないのです。あなたのところに現金は何億とあるはずです。そのうちの何百万円か何千万円かがだれかに行ったでしょう。五方や十万ではないのです。あなたの方のことは何でも調べてあるのですよ。決算委員会はとぼけたような顔をしていいかげんな答弁をするようなところではないのです。一兆円からの国民の血税を集めて、政府の関係機関が国家発展のために使いおる。そういう国鉄ガード下の問題にからんでおるからわれわれは究明しておる。公別正大に使われておるか不当に使われておるか、ガード下を利用して不当な利益を占めておるということは——国有、国営地は国民のものである。それをあなたたちは極力いろいろの人たちと連絡をとって不当な利益を占めて、あまり悪どいですよ。品物を売ってその現金は持っておって、そうして十五日後には配当はしないで商売人には約手を払っている。そうしてそのときに病気したとおっしゃるけれども、そのときにはうなるほど金をお持ちになっておる。そのまま二億四千万円の二割を肩がわりして、八割は切り捨てた。その金は一体どこへ持っていったのですか、そこを御答弁願いたい。ここが急所ですよ。生きた証人は何ぼでも私は握っているのです。京浜デパートの中に店を出しておる諸君も知っておるのですよ。われわれはそらとぼけて質問しておるのではない。現実に資料を握っておるのです。御答弁して下さい。
  141. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 私どもはそんな人にやったりするような金は一銭も持ってなかったのです。
  142. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 昭和二十九年九月十六日、委託販売業者とあなたの名前でもって書類が出ておる。八割を切り捨てられた諸君はいまだ路頭に迷って窮しておる。あなたのふところには現金が入っておるはずです。
  143. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 入っていないです。
  144. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 どうして八割を切り捨てなければならないのですか。いわゆる大阪のあなたの支店が倒産したという名目のもとにその現金が一体どこにいったのかわからないというのが一億数千万円あるんですよ。
  145. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 大阪の方はやはり赤字々々続きでありまして、それでこちらの金を融通いたしまして、それでなくなったわけであります。そんな人さんに渡すような金は一銭も使っておりません。これははっきり言うておきます。
  146. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 今委員長質問されたことに関連するのですが、東京のそういう商人から集められた金は大体幾らですか。
  147. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 どういう金を集めたというのですか。
  148. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 あなたは東京デパート社長ですね。そこで東京デパートに集まった金を大阪に……。
  149. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 集まった金というのは何の集まった金ですか。
  150. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 商人から……。
  151. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 商人から集めることはできないですよ。
  152. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そうすると全然集めていないのか。
  153. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そんなものは集めていない。
  154. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そうしますと、お聞きいたしますが、東京デパートの受け払い代金は、どういうふうにしてそういう金ができたわけですか。
  155. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 その点は、前からの売り上げは約手を切っておった。日が来ますと、そのときに現在の売り上げで約手を次へ次へと落しておったのです。何もそんなに急に金を握るということはできないのですから、前から約手を発行しておったのをその日の売り上げによって追い繰ってやっておったのだから、毎日きゅうきゅうで銀行の残がわずかしがなくて、それで銀行もだんだん融通しなくなって、ああいう場所では裏づけがないということで手を離されたわけです。
  156. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 それでは委員長から質問いたしますが、順繰り順繰りに約手を出しておったとおっしゃるが、十五日前には株主に利益配当をしておいて十五日後には約手を出した。願繰り順繰りとは認められないのですがね。
  157. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 株主配当というものは東京デパートは一回もしておらないのです。
  158. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 株主配当をしておるということは訴訟の書類の内容にあるのですよ。
  159. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 一回もしておりません。調べてもらったらわかりますよ。そんな配当のある会社ではないですから一回もしておりません。東京デパートの株主には一回も配当はしておりません。毎日の売り上げで約手を追い回していくのが精一ぱいの仕事でした。だからそんな余裕の金というものは絶対にない。人さんに渡すはずがないです。出せと言われても、その日につぶれてしまいますから。ですからその日の売り上げで落していったのです。前からずっと開店当時の約手を発行しております、六十日ごとに約手を響いております、それを毎日落しておるのですから、決してそんな人さんに莫大なお金を渡したりはしておりません。はっきり言うておきます。
  160. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 もう一言お尋ねしますが、昭和二十九年十一月二十二日当時——鉄友会というのは一つの株式会社です。東京デパート株式会社でしょう。そうするとこれはそれぞれ一つの会社であって、人格は異なっておるが、あなたはその鉄友会代表者になっておりますね。そうして破産、倒産問題が起ると、あなたは株式会社東京デパート代表になっておる。そうして鉄友会の大石、相良といった。収縮役は、今度は東京デパート取締役になっている。役員をすべて振りかわりしている。問題が起るたびに、責任をのがれて、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして、月給の二重取りをやっている。現在でも、国鉄木社には四十五万円出して、そうして鉄友会は一ヵ月に百八十万円のビンはねをやっておる。又貸し料をとっておる。いろいろ口実はありましょうが、昔の熊坂長範でも、石川五右衛門でも、ここまであくどいことはやらないと私どもは公平に考えて思うのです。そういうことを平然とやっている。しかもあなたは田村町に足集利百貨店というものを持っておりますが、ほんとうに現在百貨店をやっているのですか。
  161. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それは再建委員会できめたんです。このままで東京デパートをここに置いておくと、新来京デパートと混乱して、書類上非常に工合が悪いから、別に弁護士の整理委員の事務所へ移した方がいいだろうと言うて——私はそのときおりませんでした。それで鉄友会の直営案になったときに、同時に弁護士の事務所へ事務所として移したということを聞いております。それは専務が全部私の代理であとに残ってやっていただいたんです。だが決して二坪ほどの事務所に百貨店というようなものはできそうなこともなし、またそこに移さぬことには書類上どうすることもできないから、書類上そういうふうに名前を全然変えて処理をしたんだということを専務から聞いております。
  162. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 新井交通公社会長にお尋ねいたします。あなたの公社は何を目的にした公社ですか。
  163. 新井参考人(新井堯爾)

    ○新井参考人 交通公社は外客誘致、旅客案内というようなことです。それから子会社でいろいろなことをやっているのがあります。たとえば交通事業株式会社です。
  164. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 子会社はやはり法人格から見れば第三者でありますので、それはまた別個の同価です。あなたの方御自身といたしましては、財団法人日本交通公社の寄付行為第三条に、「本法人ハ前条ノ目的ヲ達成スル為次ノ事業ヲ行フ1内外旅客ノ案内斡旋2外客誘致宣伝及旅行文化二関スル事業3前各号ノ外本法人ノ目的ヲ達スル為必要ト認ムル事業」とあります。前条というのは第二条で、「木法人ハ旅客交通ノ健全ナル発達ヲ期シ国情文化ノ紹介及外客誘置ヲ為スヲ以テ目的トス」ということですが、これは間違いありませんか。
  165. 新井参考人(新井堯爾)

    ○新井参考人 その通りです。
  166. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたの方は営利会社でないということは間違いありませんね。
  167. 新井参考人(新井堯爾)

    ○新井参考人 財団法人です。
  168. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたの方は、営利を目的とする事業をやることは、この寄附行為でできるのですか、できないのですか。
  169. 新井参考人(新井堯爾)

    ○新井参考人 いろいろなことをやっておりますが、営利を目的として何にもやっておりません。
  170. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それなら伺いますが、有楽町の駅の付近で、あの辺屈指の場所、目抜きの場所におきまして、面積は八百五十四平米、坪に直して二百五十八坪三、これだけを国鉄から承認を得て使っておる事実はありませんか。
  171. 新井参考人(新井堯爾)

    ○新井参考人 その通りです。
  172. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ところでこの土地を、あるいは洋品の商店、あるいは囲碁の会所、あるいは写真、映画の事業、あるいは観光の荷物の扱い、こういった仕事をやっておる場所に使用しておる事実はあるのですか。
  173. 新井参考人(新井堯爾)

    ○新井参考人 ありますが、内容のこかいことは、私は実際は実務に全然今タッチしていないので、ちょうど専務理事が来ておりますから、それから聞いていただきたいと思います。私は会長といいますけれども、評議員会長なんです。役員を作る評議員会の会長で、事務はほとんどとっておりませんから、間違うといけませんから専務理事におまかせいたします。
  174. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それではその点は交通公社専務理事三原君に伺います。
  175. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ただいま御質問になりましたことについては、私からお答えいたします。有楽町の……。
  176. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ちょっと待って下さい。今新井会長は所用のためと言って帰ってしまうのだが、あなたは実際答弁できますか、できませんか、それをはっきりしておいて下さい。
  177. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 新井さんの代理といたしまして御答弁いたします。
  178. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ではただいまの質問に対して御答弁下さい。
  179. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 私たちの事業の一環といたしまして、有楽町のガード下に二面何坪、先ほどお話のありましたような所要坪数を、二十三年に事務所並びに店舗川として国鉄から借りておるのであります。そのうち大部分は事務所に使用しておりますが、ただいま御質問のありましたような荷物の取扱い事業、写真の事業、あるいは分譲いたしました交通事業社というような会社が、それぞれの目的で使用しております。  なお洋品店のお話がございましたが、これは二十三年に、うちの案内所を開設する目的をもりて、あの辺一帯の管理許可を得たのであります。当時その一曲に近藤氏というのが広告の権利を持っておられましたが、現在の洋品を扱っておりますあれは、近藤氏が補償の代償として視位置に営業所をいただいたわけであります。その後、先般来いろいろお話がありましたように、交通公社か当時付帯事業としてやっておりましたようなことを、再建工作としまして交通事業社というものに切りかえたのであります。二十六年の八月に通事業社を設立いたしまして、通事業社が従来交通公社の行なっておりました付帯事業の全部を引き受ける。従いまして今の本来の目的でありまする以外の事業につきましては、たとえば今のみやげ品の販売ということを従来やっておりましたが、それも交通業業社が引き受ける。従いまして今のガード下関係のその面で使っておりまする事務所以外の使用面積につきましても、交通事業社に移動をした、こういう関係になっております。
  180. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 交通無業社というのは商法上の商事会社ですか。
  181. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 二十六年の八月に設立いたしました株式会社でございます。
  182. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 株式会社の交通事業社と公益法人の日本交通公社とは人格引違い、従って業務目的も違う。一切の行為のあらゆる規制を受ける法律上の根拠もいろいろと違ってくる、こういうことは申し上げるまでもないのであります。そこで交通事業社に引き受けさす付帯事業——交通事業社というのは商法上の営利社団法人である。従って人格は明らかに違うことになるんだが、株式会社交通業社と日本交通公社との契約関係はどのようになっていますか。
  183. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 従来交通公社がいわゆる広告その他の付帯輪業をやっておりました、その関係を全部交通事業社に引き受けさせました。交通事業社と交通公社との関係は完全なる子会社関係になっております。
  184. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 子会社とか親会社とか、そういう社会の常識を聞いておるのじゃないのであります。私は具体的に今国鉄土地使用承認を受けて使っておる二御族十八坪の土地について聞いておるのであります。あなたの方と第三者である株式会社交通事業社とはどういう契約をしておるのか。従って何の目的で何坪を幾らの貸料その他の対価をとってどういう期限契約したか、それを聞いておるのです。
  185. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 交通来集社と交通公社との関係におきましては完全なる別個の法人格を持っておりますので、それぞれ契約を結びまして、従来交通公社が付帯事業として使っておりました面積、たとえば囲碁クラブ関係、それから今の近藤氏の関係、いずれも交通事業社が、あるいは囲碁クラブのごときは直営しております。近藤氏のごときは交通事業社との関係における貸借になっております。交通事業社と公社との関係におきましては別個の法人でありますから、完全な賃貸契約を結んでやっておるわけであります。
  186. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたも交通公社代表して答弁するのだから、やっぱりもっと整理をして答弁して下さい。どういう契約をしておるのかということを聞いているのですよ。  それなら一つずつ聞きますが、何坪を貸しているのですか。
  187. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 囲碁クラブの関係におきましては約三十四坪であります。
  188. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それならば交通公社は、この今指摘いたしました土地のうち囲碁クラブ以外の関係が、交通事業社に貸しておる内容としてあるのですか。
  189. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ただいま申し上げようと思ったんですが、近藤産業関係に十坪余りであります。交通事業社との関係におきましてはこの二ヵ所であります。
  190. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 近藤産業というのは法人ですか、個人ですか、具体的に何という名義です。
  191. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 近藤産業の関係におきましては、交通事業社と近藤氏が契約を結んでおりますが、近藤産業株式会社と私は聞いておりますだけで、はっきりした近藤氏の会社名前承知しておりません。
  192. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうすると近藤産業株式会社に十坪の土地を貸して、それに対する対価は幾らになっておるのか、いわゆる囲碁クラブの場所は何坪で、これに対する対価は幾らになっておるのか、ここにおいて区別しておるのかいなや、全体としてほかの分と一括して契約をしておるというのであるならば、この部分については幾らに該当すると、いうのか、その資料つまり対価の内容、数字を聞きます。
  193. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 囲碁クラブの関係におきましては、交通事業社から公社が年額二十三万四千円をもらっております。そうしましてこの二十三方四千円といいますのは、交通公社国鉄に用地使用料といたしましてそのまま納入をいたしておるわけであります。近藤産業関係の十坪あまり土地につきましては交通事業社から交通公社が八万五千円余りをもらっております。同じ金額交通公社国鉄に用地使用料として納入しております。
  194. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 近藤産業株式会社はみずから使っておるのか他人に使用せしめておるのか、具体的な使用状況はどうなんです。
  195. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 この問題につきましては交通事業社と近藤産業との契約におきまして、私が間接に承知をしたところでありまするが、近藤氏があそこに最初喫茶店を開いておったように記憶しております。しかしあの辺に喫茶店がたくさん乱立されまして、収益が上らないというようなことから、業務内容を変更いたしまして、近藤産業が、名前は忘れましたが、ある衣料品の製造販売をする、こういうことで、近藤氏から衣料品店の経営を委託するというような契約を結んでおるように聞いております。
  196. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 こっちから教えてあげるが、竹沢という人じゃないですか。
  197. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 竹という字を覚えておりましたが、竹沢という人であると存じます。
  198. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 竹沢は衣料品店を経営して三百万円を権利金として支出しているという事実はいかがなんです。
  199. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 先ほども申し上げましたように、竹沢氏と近藤氏の契約がどうなっておるか。その間にどういう金銭の取引が行われたかといいますことは、交通公社としては何ら承知しておりません。
  200. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 竹沢の衣料品店は月額三方五千円の資料を払っておるという事実はいかがです。
  201. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 その点につきましても明確な数字を記憶しておりませんが、初めに交通公社が移譲をいたしましたときにその当時のことを聞いたのでありまするが、最低年額一万五千円を交通事業社に納める、こういう契約があったように思うのであります。しかしその後若干の使用料の値上りというようなものがありまして、一ヵ月二十万円そこそこを交通事業社に納めておるのではないかというように聞いております。
  202. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたの方は国鉄の旅行案内のあっせんとか、外客の誘致宣伝、旅行文化に関する事業、こういうことはやれるのでありますけれども国鉄土地借りて、これを商事会社に貸し付けて、商事会社が又貸しして、その又貸しから莫大な権利金を取り、高い賃料を取っておる。そういうことは交通公社としては第一できないのじゃないですか。交通公社は、営利商事法人である株式会社日本交通事業社というものとの間に、自分の偏りておる土地を転貸しするということはできないのじゃないですか。交通公社、どうなんです。
  203. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 先ほど申し上げましたように、起りが、もともと交通公社が行なっておりました事業の一部を別会社を興しまして経営させた。従いましていわば親子の間のような子会社関係である、多少のそういう関係もありまして、それにいわば又貸しといいますか、それに使わせておるということなのであります。これは当時はやむを得なかったかもわかりませんが、私としましてはお説のように、これははっきり交通事業社の名前借りるべきものだと思っております、そういうように早く手続を変更したい、した方がいい、かように思っております。
  204. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 もし子会社を作って、子会社だからそれが何をやってもかまわぬという考え方があるとするならば、交通公社というものがいろんな恩恵を受けて、公益を目的とした特殊な存在であるにかかわらず、やたらにあちらこちらと商事会社を作って、その商事会社によって国鉄の利益を壟断する、こういうことが可能なんであります。あなたは交通公社立場というものを、交通公社が国民の期待を受けておるということ、国鉄においてどういう大きな力を持っておるかということ、国鉄に対する協力団体として最も重要な立場にあるということを御承知だろうと思うのです。だから最後には、今後の考え方なんかも若干お述べになっておりましたけれども、ともかく営利を行うことができないという以上は、商事会社に又貸しするということはけしからぬ話なんです。また囲碁クラブの事業が、どういう経緯があったにしろ、臨港クラブなんかに貸すということは、これまたあなたの方としては全くらち外に行ったことと申さねばならぬのであります。ことに現在使っておる人間が三百万円の金を権利料に払っておることを知らぬというのは、もってのほかであります。それならば、もっと極端に言ったならばこの土地をだれが使ってもあなたの方は目をつぶっておってもいいということになるのですが、大へんですよ。そんなことをしているから、国鉄固定資産管理ができない。第四者、第五者、わけがわからなくなっているのです。一体だれからもらったらいいのです。この次に近藤がまた権利を転売して、今度は五百万円取る、八百万円取るということになる。これも可能なんであります、そういうことをやられたらたまらぬですよ。ようございますか。あなたも今ここでだんだんとほかの覇例もお聞きになっておるのですが、交通公社ともあろうものが、何で東京の目抜きの場所でこんなにむちゃなことを見のがしておるか。断固としてあなた自身の責任で処理をさせなければならぬ立場にあるのじゃないかと思うのですよ。それを、金を取っていることも知らないし、喫茶店がはやらぬから洋品店をやらしたというような式では、マージャンをやろうとパチンコをやろうと、そんなことは知ったことじゃないんだ、ただ国鉄に対してきまった使用料を払っておればいいということでは、そういう交通公社土地を使われたら国鉄はたまりませんよ。一体交通公社は何の存在なんですか。そういうようなことを大きな顔をしてできる公社じゃないと思うのです。あなたもきょうは公社を代表しておる。新井会長が帰ってしまったので実に残念なんですが、もっとはっきりしてもらわなければ困ると思うのでございます。この問題はこれだけではない。この点についてあなたはどのように考えておられるか。知らぬで済まされるのですか。喫茶店が洋品店に変って、幾らの権利料を取られて、月々何ぼ取られているか知らぬということで、一体済まされるのですか。どうです、三原さん。
  205. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ただいまお説のありましたように、交通公社としてはそういう営利事業をやるべきものではないと思います。ただ起りが、最初に申し上げましたように、交通公社の付帯事業の一環としてみやげ品の販売その他を行なっておりましたその一部を、交通事業社に委譲いたしまして、事業社がその後の管理を引き受けておるのであります。しかし先ほど申し上げましたように、私どもとしましてはお説のように、公社としましては旅客の案内あっせんに専念すべきだと思います。そういう趣旨から事業社に付帯事業を分離したのであります。その後の事業社とその経営を受け持っておる業者との関係が、いまだに続いておるということは、はなはだ残念なことだと私も思っております。
  206. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 会計検査院の方にお伺いしますが、過般来交通公社土地使用の件が問題になっておるのであります。お調べになっておりましたならば、今指摘しました個所の使用名義人、交通公社土地がどういう状態使用されているかについての御説明を願いたいと思います。
  207. 上村会計検査院説明員(上村照昌)

    ○上村会計検査院説明員 使用されております状況は、現在お話があったような形で使用されておるわけでございますが、私の方で実情を聴取しましたところ、全部について現状がどうなっておるか、あるいは権利関係、あるいは使用料がどういうふうになっておるかということを調べることは実はできなかったわけでございます。ただいまお話のございます交通事業社が、近藤産業ですか、それに貸されて、それが竹沢という方が現在借りておられて、洋品店をやっておられる。竹沢さんのところでお伺いしたところでは、権利金の内容その他よくわかりませんけれどもお話では、三百万円ほど権利金を出して、月々家賃を近藤さんの方に三万五千円払っておる、こういうふうなことを聞いたわけでありまして、国鉄財産管理の現状からいたしまして、はなはだ遺憾である、何とかしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
  208. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 さらに国鉄資料によれば、入居者エキスプレス、それから入居者写真映画社、それから入居者電電公社、これの関係はどういうことになりましょうか。
  209. 上村会計検査院説明員(上村照昌)

    ○上村会計検査院説明員 ただいま御指摘の分につきましては、その人たちが使っておるというふうな状況になっております。
  210. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それでは交通公社に伺いますが、あなたの方は交通公社みずからが直接使っておる面積は何坪でありますか。
  211. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 明確な坪数を忘れましたが、大体二百坪ぐらいと思います。それは全国的でありますか、有楽町だけでありますか。
  212. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ただいま指摘しましたのは有楽町だけであります。
  213. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 有楽町関係だけで交通公社が事業用として使っておりまする坪数は、これも明確な数字では記憶しておりませんが、二百坪そこそこと思います。
  214. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 自余の分は、どういう割合でどこへ使わしているということになるのですか。さっきの交通事業社の分は聞きましたが、その他の分の問題はどうなっておるのですか。
  215. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 私がただいま申し上げましたのは、私たちが本来事務所に使っております坪数を申し上げたのでありますが、御質問によります使用坪数、いわゆる事業以外の、子会社のエキスプレスその他で使っております坪数についての御質問と了解して御返事申し上げます……。
  216. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 お尋ねする趣旨は、子会社であろうと兄弟会社であろうと、それはよろしい。そういうことはここでは問題にしないのです。株式会社、営利会社であるならば、これはやはり明らかに法人格が違うのであります。そして経済の内容がどうなっておりましても、これは存じませんので、ともかく交通公社にあらざるものが使用しておるはずであります。ジャパン・エキスプレスにしましても、その他にしましても、たとえば電電公社それから写真映画社等いろいろあるじゃありませんか。それをみなおっしゃって下さい。
  217. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 お答えをいたします。私たちの本来の事務所以外に使用しております坪数は、写真映画社に十三坪余り、それからエキスプレス、これは荷物の取扱いをしておりますが、エキスプレスに十坪、それから先ほど申し上げました交通事業社に三十一坪、それから今のワイシャツ屋といいますか、洋品店に十坪余りであります。それから電電公社に二十四坪、大体そういうようなことであります。
  218. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、これだけで八十坪以上になりますが、さっきの二百五十八坪借りておるということになれば、数字が合ってきませんが、どうですか。あなたの方が直接使っているのはずっと減るじゃありませんか。
  219. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 先ほど、使っておりますのは二百坪そこそこと申し上げましたが明確なところは、御指摘の通り百七十坪足らずであります。
  220. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 これらの会社とか公社へあなたの方は貸しておるんだが、貸しておりますについて、やはり資料等を取っておると思うんだが、取っておるのですか。
  221. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 御指摘の通り、それぞれ取っております。
  222. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そこで一々を解剖することは差し控えますけれども、要するところ、自分で使わないで人に使わすようなときに、なぜ一体これを国鉄にお返しにならなかったか。国鉄に返すのが筋じゃないですか。第三者に転貸しするということは、これはできないのが建前じゃないでしょうか。第三者に転貸しするということは、自由にやっていいのでしょうか。黙認すればいいということになるのだろうか。これはあなたが個人ならば、私は言いませんよ。個人ならこうきつくは申しません。交通公社なるがゆえに申し上げたいのです。交通公社といえば、もっと厳格に処置をしてもらいたいのです。ならす者がそこらへ入り込んで不法占拠しているものなら、これは何とも言いはしませんよ。けれどもいやしくも、交通公社国鉄関係あとでもお尋ねしますが、これは重大な関係があるのだから申し上げているので、そんな第三者にあなたの方は平気でお貸しになるのですか。電電公社なら電電公社に借りてもらえばいいじゃないですか、エキスプレスならエキスプレスに別に借りてもらえばいいじゃないですか。これが建前じゃありませんか。
  223. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ただいま御指摘になりましたように、私もその通りに考えております。ただ現在の状況におきまして、写真映画社、あるいはエキスプレス、交通事業社、いれも昔交通公社が自分の事業の一環一として付帯事業をやっておりました当時のなごりが続いておるとでも申しましょうか。写真映画社は交通公社の写真部を独立させて一つの財団法人にした、こういう経過を持っておるのであります。従いまして、そういうようななごりから現在子会社に貸しておる。また電電公社のごときも、これは非常に場所のいいところであります。交通公社の事務州の電話だけでは、入ってくるお客さんのサービスになりませんので、サービスを考えまして、ここを貸した。こういうような動機で現在の状況になっておるのでありますが、趣旨といたしましてはお話のように、まさに直接に国鉄契約を結ぶべきもの、かように考えております。法人格が違います以上、漸次そういうふうに切りかえていきたいと、私も先ほど申し上げましたように思っておる次第であります。
  224. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 漸次切りかえるとか切りかえないとか、そんな、あなたの方の権限でも何でもないです。これは大体できないことをやってるんじゃないですか。電電公社から一体一坪断り幾らの地代を取ってるんですか。国鉄に一坪なんぼ払ってるんですか。——あなたおわかりにならなければ、国鉄の方に伺います。電電公社から一坪当り幾らの家賃もしくは賃料を交通公社は取って、また国鉄交通公社から一坪当り幾ら賃料を取っておりますか。
  225. 中路説明員(中路誠三)

    ○中路説明員 昨日資料を提出申し上げましたように、私の方は二百五十八坪に対しまして使用料は年額二百万円出させておりますが、その内容におきます電電公社につきましては、使用坪二十四坪に対しまして、交通公社説明によれば、年額百十一万六千円、そういう工合になっておるのでございます。
  226. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 二百五十八坪に対して年額二百万円を国鉄交通公社から取っておる。そうしますと、一坪当り幾らになるんですか。
  227. 中路説明員(中路誠三)

    ○中路説明員 坪当り約八千円でございます。
  228. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 電電公社から交通公社が受け取っておるのは、坪当り幾らですか。
  229. 中路説明員(中路誠三)

    ○中路説明員 電電公社から交通公社がもらっておるものは、年額坪当り四万五千円程度であります。
  230. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 交通公社に伺います。あなたの方は国鉄から坪断り年額八千円で借りて、電電公社から四万五千円も取るというのはどういうわけですか。どういう理由でそうたくさん取るんですか。
  231. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 私の方といたしましては、電電公社の場合は非常に有利な位置を占めておりますので、一坪四万五千円と査定したのであります。その他に坪当り八千円のところも、あるいは八千円以下のところもございます。総体といたしまして二百何坪使用に対して、それぞれの場所による坪数をかけまして、総体が二百何万円かになる、これをそのまま国鉄に納入しておる状況であります。
  232. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 しかし具体的な使用状況を見れば、十坪で月額三万五千円も支払っているものもある。あなたの方は平均して坪八千円で借りておられるが、よいところは坪四万五千円も取っておるけれども、安いところは八千円を切れるところもあるという。切れるといったところが、国鉄委員会に提出した資料によれば、幾ら切れましても囲碁クラブの個所は七千五百四十円になっておる、洋品店の個所は七千八百九十円になっておる、こういう数字になってほとんど違いがない。そういたしますと電電公社から四万五千円も取っているということであれば、全体といたしまして、あなたの方は年額総計二百万円ではなくて、実は二百九十一万円をこえるのではないかと思うんだが、この数字は国鉄に聞きましょう。これはいかがですか。国鉄交通公社から取っているのが年間二百万円、交通公社が他人から受け取っておるものが年間二百九十一万円、ただしその末端にいくと、先に申したように中間のものに月三万五千円も取られているものがあるが、これは一応別にいたしましても、ともかく今のような数字になるのではないのですか。
  233. 中路説明員(中路誠三)

    ○中路説明員 まさにその通りでございまして、二百九十一万何がしということになります。
  234. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 三原さんに聞きますが、今お聞き及びの管財部長も明確に申します通りあなたの方から二百万円しか取っておらぬ、あなたの方は二百九十一万円取っておるということであれば、それは日当りがいいか悪いか知りませんが、ともかく五割もよけいに取っているんじゃないですか。これはどうなんですか。これはあなたの方の説明では説明にならぬですよ。
  235. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 電電公社に関します限りは、二十六年三月に東京都の適正価格でありましたものをその後二、三回値上げをいたしました。さらに先般付近の相場から電電公社が調査をいたしまして、この家賃が適当であるというのできめたのであります。従いまして国鉄に納入する金額とうちが取っております金額とに若干誤差があるようでございますが、これは御指摘のようにいわば通り抜け勘定といたしまして国鉄に納めるべき家賃だと思います。
  236. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 誤差でも何でもありませんよ。あなたの方は営利会社でもなし、公益法人であるにかかわらず、しかも国家の同じ公共企業体としての電電公社に使わす場合においても、こんなに膨大に、八千円で借りたものを四万六千円も取るというような計算の立て方をなさる。これでは営利会社と何の変りもありませんよ。交通公社は営利会社じゃないということを新井会長ははっきり言っているんですよ。誤差でも何でもありません。鑑定してもらって評価がえして値上げしてというのであるならば、もっと高い評価をすればあなたの方は十万円取るかもしれない。権利料を取っておるものがあるなら、取らなければ損だといって取るかもしれぬ。交通公社というのは一体そんな性格のものですか。交通公社は営利を営んではいかぬという原則に立っておることばお認めになるのですか、お認めにならぬのですか。
  237. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 交通公社は純粋の営利事業を営むべきものではないと思っております。ただ事業に付帯する関連のある事業はやってよろしい、こういうことになっております。
  238. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 付帯事業でも何でもありませんよ、あなたの方が面接使わねばならぬ土地ですよ。固定資産管理規程によっても国鉄の方針についてみても、使用承認の条件についてもおそらくこの点は明記してあると思う。あなたの方は第三者へ転貸ししたり権利譲渡をしたらいかぬのですよ、率先してそういうことは垂範しなければいかぬ立場です。営利会社ではないのですよ。にもかかわらず付帯審業だから取ってもいい、取り徳だという考え方が横行したら——そういう考え方であるならばこんな交通公社なんかの存在は必要じゃありません。  もっと別の角度から聞きます。これらの問題について、これは明らかに方針にも規定にも違反しておると思われますが、これはやはりすっきりと国鉄へお返ししてあなたの方で直接使うところだけ使って、取り徳みたいなそんなややこしい利益の営み方は解消して、そしてあなたの方の本来の仕事に立ち直る、こういう方針を立てる意思はありませんか。答弁ができなければ相談してもいい、国会でこういう質問があったということをもとにして、それぞれ幹部と御相談になったらいいと思いますが、あなた方が率先してこんなややこしい第三者との関係をみな整理してしまわなければいかぬと思うのです。子会社であるとか因縁であるとか、なごりであるとか——なごりが多いからこんなあやまちがあったのですよ、なごりがあるとか因縁情実ばかりにとらわれておったならば、国鉄は寄ってたかって資産を食いつぶされていくのです。これが今の世の中の常識なんですよ。常識にあなたはこたえてもらわなければいかぬのです。事もあろうに交通公社ともあろうものが、電電公社を相手にしてこんな取り徳をしていることはむちゃな話です。一切これらは解消してすみやかに国鉄の基本であるところの固定資産管理規程なりあるいは承認の条件なりを厳正に——そういうことに省みて適当に処理する腹が一体ありますかどうか、答えて下さい。
  239. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 その点につきまして私、先ほど申したと思っているのでありますが、交通公社はどこまでも本来の事業である旅客の案内、あっせんに専業すべきだと思います。従いましてお話のように早くこういう関係は脱却をいたしまして、すっきりしたものに直すべきだと思っております。そのつもりをしております。
  240. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 今のに関連して一、二お聞きしますが、二面九十一万一千六百円取っておられて二百万を国鉄へ納めておられるのですね。九十一万一千六百円というのは交通公社の利得ということになると考えられますが、その通りですか。
  241. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ただいま御指摘になりました数字はその通りでありまして、電電公社に関します限り(「電電公社ではない」と呼ぶ者あり)そのうちの数字の違いは主として電電公社の数字の違いであります。その他のものはそれぞれ家賃をいただいたものがそのまま国鉄に納入されております。これは先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、一番角町のいい場所を占めております電電公社と相談しまして、入ってくるお客への電話サービスというようなことからうちが取ったのであります。従いましてその費用の一部は、設備費用というような観点からいたしましてうちが取ったわけであります。しかしこれはいつまでも家賃として取るべきものではないということは、先ほども私が申し上げた通りであります。
  242. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 どうも回りくどいことを言われるから……。二百万円しか国鉄へ納めていないから、九十一万一千六百円というものは交通公社の所得になっているのかどうかということを私は聞いているのです。それはその通りだと今説明があったのですね。
  243. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 その通りであります。
  244. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 それでお聞きしますが、こういうのをあわせて大体日本交通公社は全国にあると思うのですが、どのくらいこういう利益をとっておられるのですか。大体でいいのです。
  245. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 うちが借りておりますのは事業用として借りておりますので、利益はありません。
  246. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そうしますと、あとで間違っては困りますから念を押しておきますが、交通公社は、こういう電電公社みたいに利益を得て又貸しをしておる——これは法律上の又貸しの点は別にしまして、とにかく交通公社が使わなければならぬものを、自分が使わずにほかに使わせて、いわゆるさやの利益を取っておるのは、この電電公社のほかにはないとあなたは明言できますか。
  247. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ほかにないと思っております。
  248. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 それではこの点だけに限定しますが、この点について計算書はどうなっておるのです。それから納税関係などはどうしておられますか。
  249. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 その点の明確な数字は私承知しておりませんが、交通公社の雑収入ということになっております。
  250. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 交通公社の仕事の性質は先ほど何って大体わかりましたけれども、定期券や急行券、寝台券、指定席券難でマージンを得ておると思うのですが、国庫補助は一体幾らあるのです。
  251. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 国庫からの補助金というものはいただいておりません。代売の手数料をいただいておるわけであります。
  252. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 大体今の坂本委員質問に関連して私は伺っているわけなんですが、表面に出ていない旅館のあっせんですね、これが相当のリベートが交通公社に戻っているはずですが、これらの収入はどういうふうな方法で処理されておりますか。
  253. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 旅館関係の収入は、うちで旅館に関しますクーポンを切るわけであります。その場合にクーポンの手数料として、その旅館の収入の五分と思いましたが、ちょうだいしております。
  254. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 その年間の収益は大体どのくらいになっていますか。
  255. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 旅館関係を問わずクーポン関係の収入が大体三十億であります。
  256. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 クーポンの三十億に、今の無断で貸している建物の収益、それから定期券や特急券や寝台券等売り上げの総額、これを全部ひっくるめてどのくらいになりますか。
  257. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 先ほど三十億と申し上げましたのは、私ちょっと間違えました。取扱いの額が三十億でございます。全体の収入におきましては約十一億くらいあります。
  258. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 ちょっと要領を得ないが、今の三十億の内訳を言って下さい。
  259. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 主として旅館関係の分であります。
  260. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 それでは次に足集利源治さんに伺いたいのですが、あなたが東京デパート社長をしておるころだと思うのですが、中小企業家から納品された昭和二十九年の十月、十一月ごろ——先ほどだれか質問されておったと思うのですが、その際の負債が二億四千万になっておって、そのうちの二割は京浜百貨店で肩がわりをされて、あとの八割が債権として残って、今日そのままになっておるという状態に置かれておりますので、あなたとしてはこの処理をしなければならぬわけだったと思うのですが、鉄友会から反対があったというのは、一体どういう理由で反対があったのか、一つ詳細に説明していただきたい。
  261. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 鉄友会の反対とは、何が反対という意味ですか。
  262. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 鉄友会債権を引き継いでいることについて……。
  263. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 債権は、再建委員会というものを作って、鉄友会との間に、負債の、あなた、今二億何ぼやとおっしゃったが、一億三千八百万円に対する負債はどの程度で済ませるかということを折衝されたわけですね。それで東京デパート財産鉄友会が全部引き受けて、そうして二割八分でしんぼうしようということに決定して、それで皆さんが納得できて承認して、一ぺんに払えないから四回に分けて払うという契約が双方に結ばれたと私っは思います。
  264. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 二割八分で返済方法が落着したという話ですが、一体、四回というのはいつからいつまでの間四回なんです。
  265. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 引き継ぎと同時に一回と、それから半期ごとにそのあと三回ですね、どういう数字で割ったか私は存じませんが、払いをするようにきまったということを承わっております。大手筋はもう一回でみな済んだそうです。また商取引としてずっと継続してやっておられる方は、四回で納得されたということになっているそうであります。
  266. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 継続しなかった人はどんな支払いなんです。
  267. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 継続しない人はもう一ぺんに払われたわけです。それで二割八分というのは、不渡り手形を出してから再建委員の手で七ヵ月経営されておったのです。その間に利益を上げ、また在庫品を金にかえて、それを債権者の皆さんに分配されて、それで二割八分になっておると私は思います。その辺は、再建委員の皆さんが二十人から毎日来られてされたことですから、私はタッチすることができませんので、ちょっと耳にはさんでいるだけを、今あなたにこの席上でお話しするだけでございます。
  268. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 それでは委員長から、足集利参考人にちょっとお伺いします。大体二億四千万円のあなたの負債を、二割京浜デパートが肩がわりしてこれを支払う、そうしてあとの残額八割程度のものが、債権者が三再三名と私は記憶しておるのですが、それらの諸君が東京デパートのあなた方と相談した結果、債権整理する委員会が中に入って話がついたということは、八割切り捨てられたらわれわれはあすから食っていけない、そこで東京デパートが営業しておった新橋の一局架下でわれわれも営業さしてくれ、あなた方はよろしいと承諾を与えた、それを何の権利があってか、鉄友会が反対したためにその話がつぶれてしまった。それで結局みなが路頭に迷うて八割切り捨てられたために非常な打撃を受けたというのですが、鉄友会はそういうことをしたことはありますか。
  269. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 不渡り手形を出したのは九月十三日なんです。それと同時に再建協力委員会というのが二十人ばかりでできたのです。その力が非常にあっせんして、現在の小売業者の世話役会ができまして、それとまた再建協力委員会とが折衝しまして、このままでしばらく委託販売でやっていこうという七、五日ごとに売り上げを再建協力委員会がその委託業者に払っておったのです。それから委託経営になったのです。五日ごとに正金を払っていくということでもう七ヵ月やっておられたのです。そうしますと、経営する実際の責任者というものがないわけですね。ただ寄り合いでやっているというだけで、これではいつまでたってもだめなもんですから、だれか責任を持った人にやってもらおうということで、あらゆる人が来られたのです。それでいろいろ折衝した結果、みなそれがだめなんです。それでもうどうにもこうにもしようがないということに結論はなりまして、それなら鉄友会にまかせてもらえば何とか責任を持ってやるからという話し合いができたそうです。それで再建協力委員会大会を開いたわけです。それで全部寄っていただいて、実は今日まで七ヵ月いろいろ折衝して、世話委員会やら再建協力委員会やら、毎日委員さんがひまを費して、費用を使って、こういうことをしておってはどっちも損だから、委託店もまあいつまでもこんなふうにしておってもほかの方の進出ができないから、何とかいい方法をとろうという相談ができまして、それで、話が長くなりますので略しますが、大会で請求をしたわけです。そうして鉄友会に一任するか、もうこのままでやめるかどうするということを——ここで、こっちにも呉れとかいう経営者が出ておったのですが、三つの案が出まして、どれにするかみなで指名せよということで、投票した結果、鉄友会にまかせれば家賃も要らないし、——これも大きな金額になりますから、鉄友会にまかすということで、東京デパートの全財産鉄友会が全部皆負って、債権者に払ってやればいいという案が結論になったわけなんです。それで鉄友会で、新東京デパート鉄友会直営という看板を上げたわけです。そういうようなわけで半年やっておりました。それで夏枯れが来まして、また大手筋が全部結束いたしまして、大手筋は全部現金でくれ、そんな月賦というようなことはまどろっこしいからというので、店を差し押えられたわけです。それで鉄友会も突然のことですから路頭に迷いまして、京浜の方にお願いして、京浜との貸借ができたわけでありまして、その辺は私は知らないのです。また聞きで、聞いた話だもんですから、どういうように間違っておるかわかりませんが、鉄友会直営経営になってからは私は出られませんし、またずっと前から職務も退いておりましたし、籍があってもただ名前だけの籍で、給料をもらうた覚えもなし、またそういう名刺を作った覚えもなし、ただそういうように名前だけを貸すというようなことで、評定委員承認しておられたように私は思います。
  270. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 足集利参考人に、山田委員質問に関連しておりますので、実は急所と思うところを御質問したのですが、御答弁がありません。よけいなことは言われるが、肝心な質問に対しては御答弁がなかったのですが、再建協力委員会から債権者各位にあてた写しを私は持っておりますが、委員会の諸君が非常な努力のもとに東京デパート側と話をつけて、今の新橋高架下であなた方が商売をしているところで、それぞれ債権者の諸君、経済的打撃を受けた人たちが商売をさせてもらいたいと言って、よろしいと承諾したけれども——これは委員会の書類ですが、委員会側の督促にもかかわらず、意外にも鉄友会側より契約に応ずべき回答がなく、そうして結局は鉄友会の横やりで、この犠牲者の諸君たちはあそこで商売ができなく、結局二億四千万円の債務の二割はもらったけれども、八割は切り捨てられた。先ほども申しましたが、あなたのところでは、大阪で新しい東京デパートというものをお作りになるときには、これらの商人から品物を納めさせて売った現金数億円をもって御商売を始めたはずなんで、その金ば依然としてどこかにあるはずなんです。それが参議院の選挙費用としてどの程度みつがれたものか、どういうことになったか、鉄友会東京デパートの幹部の諸君が箱根の雲助のように分配されたか、とにかく金はあるはずです。これは下水の中に捨てるような性質のものではありませんから、あるはずです。そういうことで、なぜ鉄友会がここで反対しなければならなかったか、また、鉄友会がどうして反対したか、反対したことは事実ですかという、こういう質問を私はしているのです。鉄友会が反対をしました、そのためにあそこで京浜デパートが肩がわりにやってきて営業をしているのです。こういうように答えは明確なんです。大体一口でできるはずです。回りくどいことは私の方が詳しく知っている。どうしてあくどいことをやったかということについては、私が検事ならばいきなり引っぱるのですが、その内容は私の方が詳しく知っているのです。だから、そういう点について私の質問の重点に触れた答弁をしてもらいたい。
  271. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 東京デパートとしましては、委託店に、おやりになるならばやりなさいと言ったのです。委託店、つまり現在の商人ですね、これに、そうやるならばやってもいいでしょうと言うたのです。そうしたら再建協力委員会の方で、やりましょうといって一応七ヵ月やられたわけです。だけれどもうまくいかない。五日ごとに支払いをしてもらっておっても栄えていかない。これではかえって再建協力委員会の方で負担が多くなっていくというので、もめてきたわけです。それならばあほらしいから僕はあしたから商売をやらないとかいう人も出てきた。それで大会を開いて選挙した結果、そういうふうに鉄友会の案に持っていかれたわけです。何も、私が反対したのでもないし、鉄友会が反対したのでも何でもないのです。鉄友会の方へ依頼すればそんなに家賃も要らないし、だいぶその勘定が助かるということになり、また鉄友会もそれを承認されたわけです。それで、さいぜん委員長も言われましたが、そんな余裕の金があったはずがないのです。銀行方面もすべて聞いていただいたらわかるのですが、毎日々々約手に追われて、きょうは十万円だとか、あすは二十万円というように工面して借りてきて約手を落すというような月日が毎日続いておったのですから、そういうふところに入れたとか、選挙費に使ったとか、そんなことは絶対にありませんから、私はここではっきり断言しておきます。
  272. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 では選挙費に使ったことはないというが、先ほどのどなたかの委員の御質問には五方であったかあるいは十万であったか、私にかわって相良という代表取締役が、何とかいう参議院の候補者に選挙費用の一部としてやったということをあなたはおっしゃられておる。今はそういうことはないというのですが、どっちがほんとうですか。
  273. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それだけは私は聞いておりましたから、さい前申し上げたのです。それ以外には絶対にあるはずがないのですから、毎日金に追われて銀行に頼みに行き、そっちに行き、こっちに行きして、毎日そういう日を送っておったのですから、そんな余裕の金があったはずがないのですから、そのさい前の長谷川専務が私の留守の間に代理で三浦さんにお渡ししたということは耳に確かにはさんでおります。
  274. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 では、結局あなた方の東京デパートは、そういったような債権者の一部の諸君に店を出させることは、話し合いで片がついたが、鉄友会が反対したためにそういう意見が実現しなかった、鉄友会は決して妨害したことはない、ということですか。
  275. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 そうです。絶対に妨害してはないのです。はっきり言うておきます。
  276. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 それはあなたの御答弁いかんにかかわらず調べればわかるわけです。
  277. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 白木参考人に一、二点お聞きしたいのですが、昭和二十六、七年当時鉄友会にあそこの場所を貸される際に、あそこは大体中央口階段を設置して、そうして階段から出入り——両側にありますから、それについてそこに店を出させる、大体そういうような約束ではなかったかと思いますが、その点いかがでございましょう。
  278. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 ただいまの中央口、私の赴任したときの説明では、中央口の云々は聞いたように思います。私の赴任当時は何か設計が変ったように思っておるのですが、それ以前のことは私知りません。
  279. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 白木さんは、鉄道管理局長はいつからいつまでおやりになりましたか。
  280. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 私は昭和二十五年八月から翌年の六月一ぱいだったと思います。
  281. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そうではなくて二十七年じゃないですか。
  282. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 桜木町事件が二十六年四月ですから……。桜木町事件で引責しましたから……。
  283. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 二十六年の何用までですか。
  284. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 六月一ぱいだと思います。
  285. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そこでお伺いしますが、昭和二十四年九月当時は、新橋駅の混雑緩和のために、あそこの場所に中央口設置計画を立てていたんじゃなかったんですか、その点を承わりたい。
  286. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 昭和二十四年は私の赴任前でございますね。
  287. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 それじゃ聞き直しましょう。  昭和二十四年九月当時、新橋駅の混雑緩和のために、あの鉄友会使用している場所に中央口の設置計画を立てていて、あなたが赴任されて事務引き継ぎではそういう点を引き継がれたかどうか、その点をお伺いします。
  288. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 当時非常に国鉄の機構が改正されまして、局が管理局になり、運輸事務所がなくなるというようなことで、国鉄としていわゆる混乱の時期にありましたので、赴任後部下の方から工事の青写真などの説明な受けたことは記憶がございますが、その設計変更がたしか電車ホームの分離というような問題で……。
  289. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 変更の点はあとで聞きます。あなたの引き継ぎの当時のことを聞いているのです。
  290. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 赴任した当時この問題を単独に引き継いだ記憶はございません。
  291. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 いや、私がお聞きするのは、引き継ぎの際に、昭和二十四年九月に新橋駅の混雑の緩和のために、そこに中央口を設置するという計画があったことを引き継がれたかどうか、それをお聞きするわけです。
  292. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 私の在官当時にこの工事認可をいたしたわけでございますが、その前のときに中央口ができる予定が、その後設計で必要なくなった。電車ホームの分離の関係だったと思いますが、その辺部下からそういう説明を聞いただけで、引き継ぎというお言葉がどういう意味か私はわかりませんけれども、工事の青写真の説明のときにそういうことを聞いたような気持がいたします。
  293. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 ちょっとこの質問外になるかもしらぬのですが、国鉄では局長がかわる場合に事務引き継ぎをやるんですね。そういう場合はやはりこの中央口を作るか作らぬかということは重要な問題であると思うのですが、こういうようなことについて、目録その他を作って前任者から後任者に事務引き継ぎが行われる。私はそういうふうに思うのですが、そういう点もなかったのですか、あったけれども、あなたはわからなかったというのですか、その点どうでしょう。
  294. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 鉄道局長の引き継ぎのときに、この程度のものは載らないのじゃないかと存じます。
  295. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 それではその後二十六年の四月に中央口及び階段の必要はなくなったが、駅の表裏の通路は依然として必要であるので、それを設置された、その点は御記憶ありますか。
  296. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 先ほど申しましたように、混雑緩和のために工事認可といいますか、用地使用許可というときにコンコースを表から裏まで通す。従って当時非常に混雑しておりましたその問題も解決するし、あの地方といたしましても非常に繁華街で、駅が分断しているのが、通り抜けができるようになるということを、関係の部下から説明されておったろうという記憶はございます。
  297. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そこでそういう状況のもとに、昭和二十六年四月十二日に株式会社鉄友会局長との間に鉄道高架線供下使用承認書、こういうのが取りかわされておるのですか、これはこの通りでございますな。
  298. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 こういう高架の使用書というのは大体形がきまっておって、逆に言えば、その契約というものはわれわれ局長なんかが見ても事務的に非常にぴっしゃりしております。たとえば当局が必要があってさらに工事をする場合には、相手は自費をもってこれを撤去云々というような国鉄独特な形がございますので、特別なことのない限り、私ども運転屋で輸送のことばかりやっていたせいか、書面のそういうこまかいことまでは記憶がございません。
  299. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 しかしやはり局長がこういう承認書を作成する以上は、もちろん普通の家屋の賃貸借の場合なんかと違いますから、今おっしゃった国鉄の型というものはあるだろうと思います。そうすると鉄友会使用させてもらう方では、その型を十分承知の上で使用することになるし、局の方では、それを実行するかたい約束と見通しのもとに承認書がかわされると思うのですが、その点いかがでございますか。
  300. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 その通りであります。
  301. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そうして二十六年四月十二日にこの承認書がかわされておるのですが、まあ局長が判を押されるでしょうが、実際にその折衝に当るのはどこでやるのですか。
  302. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 当時は管理施設部であったかと存じますが、施設部の用地課ではなかったかと存じます。
  303. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 そうしますと、大体施設の用地課長が局長にかわってこういう交渉をやるわけですね。
  304. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 お言葉の通りです。
  305. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 現在問題になっております鉄友会は、交通緩和のために幅五メートル、二カ所の通路をあけるということになっておるのをあけずに、ああいうりっぱなデパートを作ってやっておるところに問題があるし、そうしてそういうことをやって百八十万もとって、国鉄にはわずか四十五万円しか納めていない。そうしてその百三十五万円という中間の利益を、何ら労力やその他も用いずにとっておるところに問題があるわけであります。だから、こういうことをやらせずに国鉄が直接これをやったならば、ここに相当莫大な収入があるわけなんです。これはテスト・ケースですが、全国に高架下使用の問題がありまして、われわれは三百六十億の運賃値上げよりも、この方をもっと整理して、この運用によってやったならば、運賃の値上げをせぬでもよかったのじゃないかということでやっておるわけです。あなたは二年くらい局長をやっておられたのですが、こういうような承認をする場合に、局長として、果して交通緩和ができておるか、また不正に不当に使用しておるのじゃないか、そういうようなことについて関心を持って見回って注意されたことがあり、またいろいろそういうことについて指導されたことが在任中あるかどうか、その点お聞きしたい。
  306. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 おしかりを受けてまことに申しわけないのでございますが、私赴任当時ちょうど電車輸送も、客車も貨車もすべて逼迫し、たまたま機構改正でもって新橋、上野、八王子という管理部が廃止されまして、指令電話などその他一切の施設もできない、またたまたま戦後臨時建築しました応急建物がちょうど年限が米まして、雨が漏り風が吹き込むというような、国鉄施設の荒廃がやって参りまして、いわゆる輸送難、それに伴う施設の難、こういうことに忙殺されておりまして、残念ながらこういう高架下使用の取締りというようなことに手が回らず、電車の故障とか客車の故障、そういうことに重点を置いておりまして、こういう点には今お話しのように手が回りませんでした。何とも申しわけありません。
  307. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 手が回らなかったというあなたの弁解を聞いておるわけではないのです。少くとも管理局長としてその責任の地位におった以上は、手が回らなければ施設部の用地課長その他にこれはやらせて——局長の責任でやらせておられると思うのですが、手が回らなかったから直接はやらなかったけれども、この鉄道の高架線の下を使用させるのには、これは一つの公共物ですから、国鉄の便益のためにしなければならぬ、こういう大目的はよく自身思っておられて、そして部下にやらせたのですか。部下にほったらかしにやらせたというわけですか、それはいかかですか。
  308. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 ある組織の長である以上、綱紀の粛正あるいは業務の合理化という二との指導その他の注意をいたすことは、もちろん長としてはやったつもりでありますが、個々のこういう事務につきましては、個々の問題についての指導をしなかった、こういう意味でございます。
  309. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 指導をしなかったけれども組織施設部の用地課というのが責任を持ってやっておるわけですね。従って部下たちはやはり国鉄の指導に基いて国鉄の有利のためにやったと思うのですが、その点はいかがでしょう。
  310. 白木参考人(白木竜男)

    白木参考人 施設部の責任者及びそのの組織機構は、お説の通り責任を感じ、良心を持ってやったと信じております。
  311. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 終りました。
  312. 青野委員長(青野武一)

  313. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 交通公社関係で一点残っておりますので聞いておきます。交通公社昭和三十一年度末現在の決算報告によりますると、その収入といたしまして国鉄の手数料五億六千八百余万円となっております。これは最近の代売り手数料の改善によりまして、当月分を十二日、二十二日、月末に国鉄に支払う。団体券は三%、その他一般の乗車券は五%というのが、代売り手数料と国鉄への支払いの約束らしいのですが、これに間違いないですか。
  314. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 ただいまお話しになりました通りであります。
  315. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 交通会社国鉄の切符等を売りますときに、掛売りというようなものはあるのですか。手形売りとか掛売りというものがあるのか、全部現金収入なのか、それはどうですか。
  316. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 現金収入を原則としております。ただ会社その他から通勤定期券その他を一括して購入するのを扱う場合があります。そういう場合に一部掛売りになる場合もあるのでありますが、全部現金収入を原則としてやっております。
  317. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 一部掛売りは全体のおよそ何パーセントに該当しますか。
  318. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 掛売りを承認しておるわけではありませんので、やむを得ない場合に行いまするものでありますから、パーセンテージははっきりと記憶しておりませんが、そんなに大きいものでないと思っております。ごくわずかですが……。
  319. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 一%になりますか、それ以下ですか。
  320. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 大体一、二%程度だと思います。
  321. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 どうもはっきりしませんが、しかしその程度といたしまして、そうすると、大体現金収入らしいのだが、現金を収入しますると、当月売りのものが十二日、二十二日、月末と三回に支払いになっておる。その中間は銀行預金でもするのですか、それはどういうことになりますか。
  322. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 それぞれの案内所で扱いました金額をその地方々々の銀行に預金をしておりまして、十二日に東京に引き揚げるわけであります。
  323. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 これは年間大体同じような数字が出るだろうと思いまするので、その間の収入現金は、あなたの方で事業の投資、つまり出版事業あり、ホテル事業あり、博物館事業もあるらしいのですが、こういうことにもなっておりまするが、部外に対する投資、そういうことに利用することはあるのですか、ないのですか。ありとすれば、一体どれくらいなんですか。それはどうなんですか。
  324. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 固定資産に対しまして、今投資とでも申しますか、固定しておりまするのが五億くらいであります。その固定資産の内訳は、建物が一番大きなものであります。その他関係会社に対する有価証券の投資、あるいは権利金、工具器具類というようなものがおもなる項目になっております。総額で五億くらいと思います。
  325. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 今の関係会社投資という点で、私はまだその点は十分に研究しておりませんが、一つは、やはり幾たびか変遷を経た代売り手数料問題、当初は占領軍によって廃止を要求せられて廃止になり、さらにその後復活し、(昭和二十六年には三%になり、昭和二十八年度は五%とまた復活しておる。それからまた支払いにつきましても一、二ヵ月分の延伸を認めておったようでありますけれども、その後幾たびか変更して現在に至ったというのが、国鉄の報告になっております。そういう観点から見まして、国鉄立場からして、一体他の公社など財団法人に代売りさすのが有利なのかいなや、根本的にはこういうこともやはり問題があると思うのです。極端に申しますならば、直接国鉄が年間五億六千八百万円交通公社に手数料を払っておる。これがかりに三%とするならば、お客さんに三%負けてやったらどうだろうか、そのことも考えられる。あるいはこの手数料を決定した以上は、すなわち、市内に国鉄みずからが案内所を経営する場合の諸経費を勘案したり、外国の代表的な実例を参考にしたということになっておりますけれども、やはり国鉄立場から最も有利な、最も能率的にして活発な各般のサービス援助事業というものが私は要求せられると思う。そういう場合に、五億六千万円を年々交通公社に支払っておるというのはどういうわけであるか。こういうことは従来の古い慣習などにこだわっておればともかくといたしまして、全く白紙に帰ったならば、再検討の余地があるのでないかとさえ考えられるのです。今はそこまで議論をしませんが、こういう角度に立ってみましたならば、国鉄の財政を堅実にするという意味におきまして、むだを省くということが原則的に要求される。しからば交通公社におきましても、できるだけ国鉄のためにやるならば、国鉄に奉仕するということでなければならぬと思う。ところが関係会社投資をしておる。関係会社ばなるほど交通公社の利益を増進するために、その事業目的を達成するためにできておるものと思いますけれども、いずれにしましても、関係会社は営利会社であって、事業目的は定款を変更すれば何でもできるのでありますから、そういうふうになりますと、国鉄の手数料、現金収入を得た交通公社が営利の事業に投資するということを認めるということになるのじゃないか。厳密に関係会社が何の仕事をやっておるのかということを一々検討していく必要があるけれども、総じて申しますならば、やはりそういう面についても再検討の余地があるのじゃないか、こうも思われます。これにつきましても私はきょうは資料を持っておりませんから、多く論議するつもりはありませんが、ちょっと見たところによりましても、やはり現金の保管の期間が相当長いことと、それから現金所得で他の企業体へ投資しておるというような面が、検討の余地がないであろうかということが考えられる。今日東京の有楽町における交通公社土地使用状況は、電電公社にさえ莫大な中間手数料をとって貸しつけるようなやり方をしておるのであって、根本思想として流れておるものは、利益があるならばできるだけとったらいいということを否定しておらぬらしい。そうすると、国鉄が損をしても、自分だけは少しでも利益を得た方がいいということに発展するのじゃないかと思われる。これにつきまして一応国鉄当局から御意見を伺っておきたい。もっともこの点はあなたの方としても重大なことでありますから、何もそう最終的に確固とした御意見を求めなくてもよろしいのです。突然と出した質問ですから、御感想だけ伺ったらいいのですが、ただ私は一つの問題があるような気がいたしますから、伺いたい。簡単でよろしゅうございます。
  326. 石井説明員(石井昭正)

    ○石井説明員 ただいまの御質問まことにごもっともでございます。私どもといたしましては、お説のように交通公社が購買手数料を禁止されましたときに、いろいろの事業に投資をいたしまして欠損が出たということで、その後再建に向っていろいろの計画を立てさせてやっておるわけでございます。その内容は、たしか二十九年でありますか、更改いたしました契約をごらん願えばわかると思うのでありますが、それ以後は現在、先ほど三原参考人が申し上げましたのは、それ以前に起っておりました投資でございます。それ以後は、私どもとしては公社の経理を監督いたしまして、投資をする際に一々私ども承認を得るということにいたしまして、投資額というものは全然なかったことはないと思いますが、筋の通った投資以外は抑えております。そういうふうに指導して、なるべく早く公社の財政の欠損を埋めさしてりっぱな経営をさせるようにいたしたいと思っております。
  327. 山田委員(山田長司)

    ○山田委員 参考に関連して伺っておきますが、二十九年以前のできごとです。雑誌社へ数億円の投資をした事件がございますが、あの問題の結論はどうなんですか。
  328. 三原参考人(三原種雄)

    三原参考人 雑誌社への投資問題は、たしかロマンス社への投資だと解釈いたします。当時一徳円あまり投資をもっておりましたが、ロマンス社が全然立ち行かなくなりまして、当然不良と認めまして、昨年度の決算におきまして、これを不良償却いたしました。一億二千万円の雑誌社への投資を落したわけであります。不良償却をいたしました。一億二千万円の投資を落したのであります。
  329. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 三十年度の決算を見るというと、八千九百万円が不足になっております。赤字になっております。赤字の原因は何かわかりませんけれども赤字になるような状態であっては、この赤字はどこかで補てんしなければならぬ。そうすると、無理な収入を計画するのではないか、こういうことも考えられる。これも一面の観察にすぎませんので、いろいろな資料に基かぬと十分な論議ができぬからやめますけれども、どっちにしても年々赤字が継続しておるのです。そうすると、ほかへまた投資しなくても、間接に利益をはかることになるのじゃないか、こういうことも思われまするので、これを十分に警戒してもらいたいと思います。
  330. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 足集利参考人にお聞きしたいのですが、先般いろいろ御説明の際に、二十九年九月当時二億数千万円の手形の不渡りその他があったわけなんですね。それは積り積ってそうなったと思うのですが、大体いつごろからのものであって、一般商人が商品を納めたその代金の支払いの債務かどうか、その点をお開きしたいと思います。
  331. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それはみな商品の買い入れ支払い金額で、次から次へと開店以来からそれだけ追い繰っていったわけです。二億なんぼとおっしゃるけれども、数字がそれだけないのです。
  332. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 時間がありませんから、よけいなことを言わずに聞く点だけ答えて下さい。  そうしますと、会社の設立は二十六年の一月なんですね。二十六年の一月から三カ年の間に積り積って商品買い入れの支払い金がそうなったということになるのですが、大体は二十九年度ごろじゃないのですか、その点いかがです。
  333. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 開店以来積り積って押していったわけですね。次々と古いやつは解消されていき、また新しいやつが大きくなっていくというわけです。
  334. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 二億数千万円だと、莫大な金で、商品買い入れの支払い金なんですね。そこで東京デパートとしては、二億数万円の商品を買い入れて、それを販売して利益が上っておると思うのですが、それを支払わないということになれば、その二億円内外の金というものは、あなたが大阪の方に事業を計画されて、そちらの方に投資されたからそういうふうになった、先ほどからの御答弁を聞くとこういうふうに聞えるのですが、その金額の点ははっきりしないでしょうが、二億円も支払いが残ったというのは、やはり大阪の方に投資をされたので残った、こういうふうになるのですか。
  335. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 それだけの金額は、事実ないのです。それだけ数字はないのです。一億三千八百万円ほどになるのですから、それは開店当時からの支払い金額が膨張してきたわけなんですね。急にそれだけの約手を書いたのではないのです。次々と約手を大きくして、支払い金額を大きくしていって、それだけの金額に膨張したわけです。売り上げも大きくなっている。
  336. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 それば一ぺんじゃないでしょう。積り積るけれども、高利貸しから金を借りて金利がつくわけじゃないのですから、やはり商品を買い入れて、買い入れたその商品は若干の利益を得て販売されておるわけです。ここに一億三千八百万円という金が、あなたのおっしゃったように不渡りになったというのは、何らかその金は営業用以外に使われていなければ、こういう穴ができるわけはないわけです。その一億三千八百万円というのは、大阪の方の事業にも使われたろうが、三浦義男氏その他の方々にもやったから、こういう金になるのじゃないか。さらに国鉄関係者その他にも、この中から金が出ているのじゃないですか。その点率直に聞きたい。
  337. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 結論は、こういうことを水かけ論でここで言うたって、証拠がないとだめなんですから、再建委員会にも東京デパート設立以来の帳簿を全部調べて下さい、私は決してそういう不正な金を横流しをしたりした覚えはなんいだから、どうぞ安心するように調べて下さいと言うて頼んだのです。そのときに調べられて、何ら別に不思議な点がなかったということになって、再建委員会の方で承認を得ているはずなんです。ここで水かけ論で、使っただろう、どこか横流ししただろうというて責められたところで、口でうまく答弁した方がいいのか、それは私にはわかりませんから、どうぞその点は、帳簿は確かに大事に残してありますし、再建委員会の方でも調べ、また他の方面からも再々調べていただいたことがあるのですから、どうぞ口での答弁よりは、事実を帳簿で調べてもらったらいいんですから。
  338. 坂本委員(坂本泰良)

    ○坂本委員 あなたが水かけ論にしてごまかそうという御答弁のようにも、私には聞えるのです。だからこの点はもう少し調査をいたしまして、具体的に聞くことにいたします。われわれは大きい疑問を持っております。水かけ論だと自分からおっしゃって、水かけ論にしてごまかそうとしてもなかなかそういかぬと思いますから、それだけ念のため申し上げて、さらにこれを聞くことにいたしたいと思います。
  339. 淡谷委員(淡谷悠藏)

    ○淡谷委員 足集利参考人にほんとうの意味でちょっとお聞きしたいのですが、あなたは何億という金を扱った方ですから、こんなことを聞いてはいけないかもしれませんけれども鉄友会に対してあなたは二万七十六円借金をしておる、ごく小さい金です。それからさらに貸付金が四十五万円あなたには残っておる。それは鉄友会財産目録に載っております。あなたには鼻くそ同然の金でございましょうから問題にならないでしょうけれども、これは一体どういう性格の金ですか。
  340. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 その四十五万円は、丸紅という問屋がありますね、そこの個人保証をしておったのです。それは結局支払い金が百万円ちょっと出ておったのです。それで鉄友会の方で債権者全部に二割八分払った、その残りの何ぼか数字が出ますね。そのうちの残は個人保証をしておるから払えという命令がきたのです。それで丸紅に折衝した結果。一年間月賦で四十五万円に支払いが決定したわけです。それで毎月三万八千円ですか、鉄友会が払ってくれた。その払ってくれるというのは、私も今こういう立場で生活に困っておるのだから、代理として払ってやる、そのかわりに裏づけを何かよこせという話になりまして、それなら裏づけは私の家を担保に入れて、それで幾分かの利子を払うから払ってもらいたいと言うて嘆願したわけです。それで家の権利書と証文とを入れたわけです。二万何ぼとおっしゃったのは、その毎月入れるまでに二月か三月証文でやったことがあるのです。抵当物件の手続を大阪でとるのに二月ほどかかったと思うのです。それでその何が残っておると思います。
  341. 淡谷委員(淡谷悠藏)

    ○淡谷委員 そこで鉄友会の決算書がここにあるのですが、この決算書によれば、財産目録としてあなたから受け取る分が二万七十六円と四十五万円記載されておる。この説明は聞きました。ところが鉄友会負債の分として未払い金の科目の中に、旧デパートに対する未払い分として九百九十九万四千五百三十七円というものが入っておる。今鉄友会の幹部は十二万円も俸給を取っておるのです。三浦義男さんは参議院議員をしながら六万円もらって、ほかに退職金を八十五万円もらっている。それをあなたのような東京デパートの功労者が二万七十六円や四十五万円というあなたから見れば零細な金を借金に残して、これはあなたにしても相当影響があるだろうと思う。九百九十九万四千五百三十七円という莫大な金が未払い金で全然支払われていないのはどういう意味ですか。
  342. 足集利参考人(足集利源治)

    足集利参考人 九百九十九万円の未払い金がある——それは今初めて聞いたのです。
  343. 淡谷委員(淡谷悠藏)

    ○淡谷委員 わかりました。けっこうです。
  344. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 足集利参考人に対して、各委員諸君御質問はありませんか。——足集利参考人は非常に重要な用件を控えておるそうでございますので、先に質問をお許ししたのですが、なければ御退場願って差しつかえありません。なお足集利参考人はまだ幾多の疑惑が残っておりますので、また一ぺん決算委員会にお呼びするようになるかもわかりませんから、そのときは一つ万障繰り合して御出席を願いたいことを、委員長から希望しておきます。御苦労でした。  委員各位にちょっとお諮りいたしますが、白木参考人は全林野の調停委員会に出席せねばならぬと言っておられますが、御質問はありませんか。——ではどうぞ御自由に御退場願います。御苦労でした。
  345. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 弘済会当局に伺います。鉄道弘済会は何をおもな事業として設立せられておる財団法人でありますか。
  346. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 鉄道弘済会は昭和七年に設立されたのでございますが、当初の目的は、国有鉄道——当時の鉄道省でございますが、国有鉄道の職員が、平均一日に一人公傷でなくなるという数字が出ましたし、また足をなくし、手をなくすという職員も数多く出ておりますし、また五十五歳で停年退職いたしましても、子供の教育関係等も片づかぬというような職員も数多くございますので、一応そういった方々の退職後の生活をできるだけ御援助申し上げるようにというような、主といたしまして国有鉄道の職員の社会事業というような点を主眼にして発足いたしております。それにあわせまして旅客サービスヘの協力という点でございます。   〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
  347. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ただいま伺えば、多数の鉄道職員の身体障害者に対する各般の施設、援助、サービス、指導等、なお国鉄事業に対する御協力のことも伺いました。そこで問題になりますのは、国鉄所有の土地とか建物を一手に借りて他人に又貸しするというようなことは、お仕事から相当らちがはずれているように考えられるのですが、その考え方はいかがでしょうか。
  348. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 たとえば高架下の設備などの点をお指しになっておるのではないかと存じますが、私ども本来の仕事として国鉄から拝借いたしておりますものと、それから、拝借しておりまして一部を他の方々に仕事を御委託しているというような形式をとっておる部分がございます。
  349. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 端的に申しましたならば、鉄道高架下並びに帯内もしくは付属の土地鉄道弘済会が国鉄から使用承認を受けて、それを事実上第三者に使用せしめて相当な使用料をとっておる、こういう事実が指摘されております。具体的にあげますと、場所は東京駅の呉服橋寄り高架下二−十四号、第一有楽町高架下、第三有楽町高架下、第二御徒町高架下、こういうふうに東京駅付近だけでも指摘をされておるのです。またわれわれが先年来大阪あるいは神戸、三宮等の現実を現認して参った事実等によりましても、幾多のこのような土地を弘済会が国鉄からお借りになっている。直接みずから使うことなしに、他人をして使用せしめるという事実はおおうことはできないと思います。そこで一般的な問題はともかくとして、東京の場合においても、今の呉服橋等の実情から見ても、他人に委託して使わしておるというような簡単な関係でないように思われるのです。あなたも当委員会の審議の状況をお聞き及びの通り、われわれはずっと過去にさかのぼって追及していくというつもりは持っておりません。現状をいかにしてすみやかに改善するかということに大体しぼっておるのであります。そういう意味において、過去のできごとをあまり弁明することはなさらずに、率直に事実をお述べ下さって、よく目的に沿うようにお互いに討議してみたいという趣旨であります。今申しましたような場所において、あなたの方が国鉄から相当量の土地借りておる事実、もっと具体的に申しますならば、呉服橋寄りの分は三百七十一平米、第一有楽町高架下は三百三十二平米、第三有楽町高架下は五・七平米、第二御徒町は三百二十八平米余りであります。これはいかがですか。
  350. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 ただいま御指摘いただきました場所と数字とはその通りでございまして、私どもの方が国鉄さんから拝借いたしております。その中の一番多うございます呉服橋寄りの東京駅の部分でございますが、十五こま分を拝借いたして、二こま分を私どもが直接使っているわけでありまして、十三こま分については名義人は約二十人ほどになりますが、貸しております。これはくどくどしく言わないようにということでありましたが、ただいま入っております人たちとの間の長い関連がありまして、ただいま入っております方々をどう更正させるか、ここから出してしまってはこれらの方々がお困りになるだろうというような事情から、私どもの方でこれらの設備を一切いたしまして、これらの方々にいろいろな種類のお仕事をここでやっていただいているということでございまして、賃貸的には一こま一月二万円ということにいたしております。それからいろいろ御商売をなさっていられる方に対しましては、御商売の種類、見積り等を一応予定いたしまして、その月の売上げ高に対しまして大体一割程度のものをこちらへ納めていただくというような形にいたしまして、使用料的なものをちょうだいいたしております。
  351. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 この中には国際電電あり、東京鉄道荷物株式会社、温泉旅館案内所、新日本観光株式会社ありというふうで、必ずしも今お説の更生さすというような対象にはどうも当らぬものも相当あるわけでありますから、あなたが今お述べになったように、単純にして適切な、つまり本来のお仕事に沿うような趣旨のものばかりではなしに、幾多の要素が加わっていろいろの人に使わしているということが明らかなのでありますが、私が今指摘しましたのは、国鉄から当委員会に出した資料に基くのであります。この点そういうふうにお認めになりませんか。
  352. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 ただいま御例示になりました四カ所でございますが、呉服橋寄りの国際電信電話株式会社と新日本観光株式会社は、店舗と申しますよりは事務、あるいは旅客の取扱い、案内所というような性格のものをお入れいたしております。こういうところに対しては売上げのどうこうということよりも、主としてそれに投じました私どもの方の設備の費用、またこれを管理する費用から積算いたしまして、大体国際電信電話株式会社でございますと、月二万円の家賃をいただいているという格好でございます。
  353. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 そうしますと、あなたの方はここに入れているような人は、つまり国鉄の職員であったような人で、身体障害者をここへ収容して場所を使わし、地代をとり、営業をさすという趣旨だということでありますか。
  354. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 原則的にはそういうことなのでございますが、その場合国鉄からお借りいたしました歴史にさかのぼらなければならぬのでございますが、当時終戦直後、このところは倉庫とのれんをかけてやっております一ぱい飲み屋というような状態でございまして、国鉄も、火気その他の取締り上何かこれを整理しなければならぬ。また東京駅への大事な通路になりますので、ここをもう少し浄化しなければならぬというようなことから出発いたしまして、弘済会がお借りして、ここで直営の仕事をいたすということで拝借いたしたのでございますが、その後八重洲口ヘの中央通路が表口と通じまして、こういう商売の土地といたしましては、その後はその土地はさびれてしまいましたのでございます。そこでやり方を変えまして、私どもの方で一切の内装設備等までいたしまして、それに対して適切な家賃、あるいはお仕事をなさるなら、妥当な売上高の一割程度の費用をこちらへいただくということにいたしまして、一つはあの場所の清掃整理、また八難洲口開通後のさびれました状態の建て直しというような趣旨でいたしました例外的な仕事でございまして、御指示の弘済会の目的の原則という方面にははずれた仕事でございます。御趣旨の通りでございます。
  355. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 当初の使用承認の条件といたしまして、このように第三者の生活の救済のような趣旨で使わすというようなことが使用条件になっておりますか。
  356. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 ただいま申し上げましたように、国鉄との関係におきまする御承認の趣旨は、弘済会がここにおいて店舗を設営する、こういう契約になっております。
  357. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 直接店舗を経営するのなら、直接店舗を経営することに端的におやりになることもいいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  358. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 ちょうど国鉄の構内でございませんで、高架下でありまするから、私どもの方といたしまして、直接の仕事につきまして、ここを整理いたしますと申し上げましたのは、先ほどのような趣旨でございまして、それから変りまして、ただいまのような設備一切を私どもの方でいたしまして、以前ここでお仕事をしておった方で、なおここに踏みとどまって生計の道を切り開いていきたいという方に協力の態度を示しておる、こういうふうなわけです。
  359. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 あなたの方は営業を営まないという原則があるかと思いますが、その点いかがでしょう。つまり、金をもうけなければ社会保障的な事業もやれないということかもしれませんけれども、あくまでもやはり弘済会というものは、営利を目的とする商法上の商事会社的な法人でないように思いますが、もちろん重点はそこにあるということは当初の御説明にありまするが、その点を貫くということは、弘済会としまして非常に大事だと思うのだが、ともすると営利中心の商事会社に劣らぬような、なかなか活発な行動をなさるようでありますが、その辺はそうお感じになっておりませんか。
  360. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 弘済会の目的は御指示の通りでございまして、性格も公益法人でございますし、また経済上の私どもの方の目的といたしましても、国鉄の職域の社会事業を主にいたしまして、さらに一般社会事業にも二十四年度以降進展したというような情勢にありますので、会全体の収支、あるいは会全体の経理の目的という点は、こういう点におきまして、いわゆる収益事業の代表的な売店の業務から得ました利益金というものは、あげて事業の強化と社会福祉方面への使途に充当するという方針でおりまして、・公益事業本来の性格から申しまして、株式会社等と違いまして、個人への、あるいは株主への利益の配当というようなことはないわけでございます。
  361. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 鉄道公社の前の物件につきまして、たとえば呉服橋寄りの高架下の物件につきまして、どのくらいの資本を投じていわゆる造作をなさったのですか。
  362. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 ただいままでで六百四十五万円ほど設備費にかけております。
  363. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 ところが、あなたの方は六百四十五万円を投じておる。そして国鉄から月額五方七千二百円で借りて、そしてこれによりますと、坪当り六万円をとって、その上で利益の配当として二十二万五千円ずつ毎月収益をあげておられる。これによると保証金百十六万円ということになっております。これは権利金をとられているという人もあるのでありますが、これは国鉄の方で権利金でないというような資料が出ておりますので、一応そこまで論議することは差し控えておきます。しかし、いずれにいたしましても、六百万の資本を投じて毎月二十二万五千円ということであれば、これは利益が年額にいたしましたならば二百五十万円ということになるわけですね。商事会社でないあなたの方が、六百四十万円の資金を投じて二百五十万円の利益を上げるということは、一体どういうわけか。しかもその相手になっておる人は、あなたの方は、救済してやっている人々であるという御説明です。また弘済会の目的及び事業を見ましても、あなたの方の財団は、国府鉄道の公傷の退職者及び永年勤続者、退職者の家族、遺族、殉職者の遺族、その他生活困窮者、これらに対して救済及び必要とする救済施設、こういうことをすることが主たる事業というふうに書いてあるわけであります。あなたの御説明も大体そういうことなのです。ところが、事実はこれに反して、六百万円の資本を投じて二百五十万円も年々利益を上げていくということは、ちょっと普通なまやさしい商事会社ではできないことであります。どんなに減価償却をしているのか知りませんけれども、少し取り過ぎじゃないか。どうも首尾矛盾撞着するんじゃないかと思うのですが、それはどうなりますか。   〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕
  364. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 ただいま御指摘の点でございまするが、たとえば、国際電信電話株式会社でございますが、これに八・七坪お貸しいたしまして、月額二万円の家賃をいただいておるのでありますが、この例について申し上げてみますると、ちょうど施設費が四十二万五千円ほどかかっておりまして、これを十年償却といたしまして四万一千円ほどを経費に見る、火災保険料の二千百四十円、それから固定資産税で千分の十四とられまして、これが五千四百二十円、管理費が投下資本の三%といたしまして一万二千七百五十円、それから補修の関係を全部中に入っている方にしていただきませんで、私の方で一切いたしておりますから、これが五%と見まして、月額にいたしまして千七古五十九円、それから水料が五百円、それから電気料が五百四十五円、それから一応投下資本に対しまして私どもの方でいただきます利益が、年一割と考えまして四万二千四百九十円を原価に見ております。こういうものを積算いたしますると、年額で二十四方七千円ほどになるのでありますが、これを月額にいたしまして二万六百円という原価計算が出て参りますので、これを二万円の家賃というようなことでいただいておる、こういうようなことであります。
  365. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 年に一割の純利益を上げるというのは、これは商行為じゃないですか。営利を目的とする事業ならば、年間一割の純利益を上げることは相当かもわかりません。けれどもそうじゃないのであります。ことにあなたの方の決算報告によりますと、二億何千万円か利益を上げておる。そういうことになりますると世間が言うごとくに、鉄道弘済会というものは七割は営利事業の団体である、こういうふうに世間は言うのですよ。よろしゅうございますね。ことに今日全国的に鉄道赤字だというので値上げしようという。そうして旅客はだんだん負担の増額に脅かされておるのであります。あなたの方は全国の国鉄の主要なプラットホームなどは、ほとんどこういう販売業務でお使いになることができるらしい。等々思い合せますると、やはり営利的傾向に相当強く行っておられるのじゃないかということを疑わざるを得ない。もし弘済会が営利を主にするような存在ならば、これはやめてもらいたい。もし一般の人のために社会事業的な仕事をなさるなら、これは厚生省がやります、また世間がそれをやります。われわれは国鉄がりっぱな経営ができることと、財政が健全になることと、国民のサービスが完全にできることと、そして国鉄の輸送のあらゆる機関がよりよくなることをほんとうに望むのであります。少しでもダニのように食いついているものがあれば、それを排除しなければならぬと思う。弘済会のふれ出しはもっぱら寄付行為で公益事業団体だということになっておるが、事実におきましては営利会社と同じような考え方が潜在しておったら大へんであります。でありますから、あなたもきょうは弘済会の代表として来られた以上は、一割純益を上げたいというそんなばかなことをお考えになることはどうかしていますよ。これも赤字ですからせめてとんとんにしたいというならわかりますけれども、決算書によれば二億以上黒字じゃありませんか。二億以上の黒字を出しておられるあなたの方でありますので、もうけるためにやっておるのではなかろうかと世間が疑うのも無理からぬことだと思う。ですからもうけるためにやるという頭をもって、所もあろうに東京駅の隣り、運輸省のまん前で堂々と第三者に場所を転貸しして、国鉄固定資産管理規程に違反してやっていかれるというようなことでは、弘済会の存在は何もないということになるのであります。だから何も知らぬ国民は、弘済会というものは利益を営む団体かしらと思いますよ。あなたはどうか知りませんけれども、われわれが地方へ旅行いたしましても、駅売りはあなたの方の責任だとは申しませんけれども、われわれはこの委員会におきまして、実はしばしば列車食堂を非難したのですよ。最近日本食堂も相当改善したように聞いております。また改善の経過の報告もされておる。しかしながら駅売りというものは、たとえば卑近な話ですけれども、われわれの地方の百姓は牛乳一合を五円で売るのですよ。いいですか、牛乳は五円でしか買ってくれないのですよ。苦心惨たんしてしぼって五円でしか買ってくれない。しかしながら国鉄の駅で牛乳を飲んでごらんなさい、十円で飲めるところがありますか。言いかえすと十割口銭を取っておる。私は最近飲んでおりませんけれども、おそらく去年は二十五円くらい取ったと思う。もっともそれはからビンがついておる。しかしからビンはみんなさらっていきますよ。ポケットに入れて持って帰る人は一人もありませんよ。何でそんなむだなことをお客さんに負担せしめるんであろうかとわれわれは苦々しく思っております。結局これは独占事業ですよ。私が牛乳屋を率いて百姓の牛乳を売ろうと思っても許さないんですよ。許さないというところに社会の実情があるのであります。言いかえますると、一つの独占的な企業をやっているんですよ。一体何のサービスでありますか。百姓は五円で売るのに、弘済会に直接かどうか私ははっきりわかりませんが、ともかく駅売り牛乳を買ってごらんなさい。牛乳を買って元値が五円だと思いましたらぞっとしますよ、暴利を取っておるのに。こんなむちゃくちゃなことで国民のサービスなんて大きなことは言えませんよ。少くとも国民のサービスに協力することが弘済会の立場でなければならぬと思う。もっともらしいことが書いてある。定款にある趣旨を読んでごらんなさい、いかにも気の毒な人に対して精魂を打ち込んでサービスするようなことが書いてある。これが事業の全生命でなければならない。人間の生き血をしぼるようなことは、ほんとうのあなた方の立場から見れば絶対にすることができないのです。ところが、今のは小さな例ですけれども、運輸省の前で年一割の純益を得ることが当然のようにお答えになっておる。そんなことは商事会社ですよ。だからこのこまかいことが、やはり全体を律するところの、全体を推測するところの有力なる根拠になるわけです。これは国民の声ですよ。ここは国民の声だと思って聞いておいてもらいたい。ようございますね。はっきりしなさい。こういう土地の貸借なんかの問題は、何ぼ投資してあるから利益を得なければならないとか、こまごまと電気料が要るとか固定資産の償却をしなければならないとかで電電公社から坪二万円を取っておると言っておるが、そもそも電電公社とは一体何ですか、同じ国家の公共団体ですよ。そんなものが貸りたければ直接貸せばいい。何もあなたの方で又貸しして、いろんなことを計算すべき筋合いのものではありません。もっとすっきりと筋を通していただかなければなりません。こんなことでごたごたやっておるから、全国的に弘済会の中に入っておる不動産の貸借の問題が片づかないのですよ。私は二、三年前に三宮の高架下に行ってびっくりしたのですが、一月に一万円払っております。そして一体弘済会は国鉄に何ぼ払っておるかというようなことを直接何人かの人から訴えられたのです。その後どう改善されておるか、それは正確な報告はとっておりませんけれども、いずれにしてもあなたの方はずいぶん古いことをおっしゃっておるのだが、こういうような実情にあるとき、弘済会としてはもっとぴしゃりと、正しいことをすっきりやってもらわなければ困りますよ。運輸省の前で、国鉄のまん前でこういう事実がさらけ出されておるということは、みっともないとはお思いになりませんですか。申しわけないとはお思いになりませんですか。これはあべこべに弁解すべき筋合いではなくて、率先垂範模範的にこんなものは解決しなさい。ただし、これはどういう方法がいいかということは、それぞれお考えがあろうと思います。現に隣りの神田の店舗の問題では、元の係長が引っぱられておるのですよ。十何人も引っぱられて調べられておることがここでも明らかになっておる。そういうふうに固定資産の貸借をめぐりまして、あるいは暴利を壟断したり、あるいは犯罪がかもされたり、暴力が起ったり、いろいろとやっておりますことは、私よりもあなた方は百も承知なんだ。われわれしろうとがあなたの方にこんな説教をするのは失礼ですが、ほんとうばそうなんですよ。これは素朴な国民の声として聞いてもらいたい。だから呉服橋寄り等々の問題は、なんやかんやと弁解がましいことはおっしゃらずに、かりそめにも弘済会を率いて今後弘済会をほんとうに維持していかれようとされるならば、一刀両断に処置しなさい。もしこういうことを処置しないで、依然として年間純益一割を取らなければならないというのでは、われわれは弘済会をつぶしますよ。こんなものはない方がいいと言いますよ。国民のためです。ようございますか。だからその頭で一つ考えてもらいたい。どうでございますか。
  366. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 だんだんいろいろ御意見のございました点につきましては、十分私どもの方といたしましては善処いたして参りたい、注意いたして参りたいと思います。
  367. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 それで今日はあなたの方の会長も何か御病気のようでございます。実は私今日時間がありましたら、あなたの方で一時間くらい時間をいただいて、十分に討議的に御質問したいと思っておりました。しかし時間の関係もありますのであまり申しませんけれども、やはりこういう片言隻語をも、これはいいかげんにお考え下さらずに、持って帰って幹部で御相談してもらわなければいけません。そうして適当な機会にこの委員会へ報告して下さい。よろしゅうございますね。そうして幹部の方々は弘済会が国鉄のあり方とにらみ合してきわめて重大な段階に立っておるものというふうにお考えを願いたいのであります。今のような状態で進んでいかれましたら、これは年々この委員会におきましても議論は沸騰してくると思います。これは率直に申し上げておきますから、そのおつもりで、一つぜひとも十分御協議あって、何らかの御意見がまとまれば、文書でよろしいから、委員長名義で当委員会へ報告して下さい。その点どうです。
  368. 滝参考人(滝清彦)

    ○滝参考人 私どもの方も御趣旨を伺いました点は、帰りまして十分検討いたしまして御返事申し上げるようにいたしたいと思います。  なおついでに申し上げますが、ただいま例が電電公社の例になりましたものですから一割の利益ということが入ったのでありますが、たとえば傷痍軍人会の方でありますが、これなどはむしろ私どもの方の原価計算からは、こういう御事業には御協力申し上げるという意味で赤字の半額を負担いたしておるというような例もありまして、性格によりましてはいろいろ変えております。
  369. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 それでは以上をもちまして、滝参考人に対する質疑は別にいたしまして、参考人各位に対しまする質疑は一応終了することにいたします。参考人各位には長時間御苦労様でした。御退席になられてけっこうです。  次に床次委員より本件に関しまして発言を求められておりますので、この際これを許します。床本徳二君。
  370. 床次委員(床次徳二)

    ○床次委員 この際各委員代表いたしまして決議案を提案いたしたいと存じます。御賛成願いたいと思います。  まず決議案を朗読いたします。   日本国有鉄道固定財産管理運用に関する決議案  日本国有鉄道固定財産管理運用に関しては、当委員会はさきに鉄道会館問題審議の際、当局に対してこれが是正改善を促したが、なお遺憾な事例が跡を絶たず、特に東京その他大都市内の高架下使用については、転貸、不法使用等に関し粛正を要すべきもの多々あり、よってこの際、当委員会は、かさねて政府並びに日本国有鉄道当局に対し、さらに固定財産管理運用に万全を期するため  (一) 関係法規を整備し、法規解釈の統一をはかるとともに、強力なる機関を設置する等、すみやかに適切なる措置を講じ  (二) 部外団体、国鉄出身者その他一般の借受者の不当使用のある場合はこれを根絶し  (三) 転貸、権利譲渡その他不法使用等を排除して適正なる使用料を徴収し  (四) 貸付条件違背の事実に対しては、貸付の解除又は取消等断乎たる処置をとり  (五) 今後不正不当の貸付をなしたる関係者に対してその責任の所在を明らかにすべきこと  を強く要望する。  右決議する。   昭和三十二年三月八日  ただいま朗読いたしましたことによりまして趣旨はおわかりをいただきたいと思うのであります。すでに数日来この問題に関しましては政府委員委員の間に質疑応答あり、なお多数の参考人等を呼びましてそれぞれ事実を調査いたしました結果、その結論といたしまして、すでに当委員会におきまして過般法意を喚起してあったのでありますが、あらためて政府並びに国鉄当局に対しまして、具体的に事項を列挙いたしまして注意を喚起し、今後かかる事項の行われないごとく、固定財産管理運用の適正を期したいと考えておる次第でございます。何分委員会諸君の満場の御賛成を仰ぐ次第であります。
  371. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 ただいま床次委員より日本国有鉄道固定財産管理運用に関する件につきまして、これを本委員会の決議にすべしとの動議が提出せられました。本件につきまして討論の通告がありますのでこれを許します。淡谷悠藏君。
  372. 淡谷委員(淡谷悠藏)

    ○淡谷委員 私はこの決議案に対して心から賛成の意を表します。当委員会において審議を進めれば進めるほどまさに泥沼のような紊乱の事実がこの国有鉄道固定財産管理をめぐって出て参ります。特にここに述べられてありますガード下使用につきましては、鉄道の退職者が在職中の縁故を利用いたしまして、むしろこの利権を独断し、それからだんだん波及しまして自分自身もどうにも手が出ず、国鉄当局もこれを裁断するにほとんどその道を失うといったような憂うべき傾向をなしております。外郭団体に対しましては、さらにまたわれわれあらためて審議をすることになっておりますが、この固定財産管理使用に関するだけでも、これは運輸大臣並びに国鉄総裁にこの際決死的なお覚悟を私は要諦したい。先般の審議におきましても、もしこれを徹底的に究明するならば、下山総裁の二の舞のような事件が出るかもしれないと当委員会で述べられておる。それほどに今までの失態というものは根が深く入っておると思います。この際これを芟除しなければ、まさに全国にわたって国有鉄道が行政紊乱と綱紀紊乱のモデル・ケースになるような憂うべき事態になると思うのであります、どうかこの際断固たる態度をもってあくまでもこの事実を究明し、厳重なる処断をされんことをつけ加えまして私は賛成いたします。  なおこれは従来の決議案のごとくただ一片の決議案としてお見捨てなく、当委員会の趣旨を十分体せられまして、ぜひともこの実行を期されるように強く要望して私の賛成演説といたします。
  373. 青野委員長(青野武一)

  374. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    吉田(賢)委員 私は淡谷委員の今の御発言並びに床次委員の趣旨弁明に対しまして全面的に賛成するものであります。  ただ当局に向って私自身の希望を申しますならば、この決議を実施する上におきまして、一つの重大な問題があるのであります。それは何かといいますと、過去におきましても、たとえば鉄道会館問題のときにわれわれは相当強硬な決議をしたのであります。ところがその決議のあとでできましたのはやはり一種の委員会でありました。この委員会国鉄当局、電電公社あるいはその他の公共企業体の方が寄ってお開きになっておりましたけれども、今後この決議の趣旨を実行されるためには、ありきたりの委員会というようなものを作るだけではだめだと私は見ております。たとえば経営調査会あるいは公述人を集める公聴会等々を通してみても、従来のやり方というものは、やはりいつも同じような顔ぶれが出ること、たとえば学識経験者といえども、一人が五つも六つも引き受けて顔をお出しになっておる。何をしゃべっておられるか読んでみると、あまり研究もしておられないで、ただ名前だけ並べておるという人がずいぶんあるわけでございます。私はこういうことがあってはもうだめだと思っております。今淡谷君が決死的な決意を持って臨んでくれというのはそこなんですよ。ですからたとえて申せばイギリスの鉄道制度なんかによって見ましても、イギリスの公共企業体の一つのあり方としましての特徴は、利益代表が相当発言の機会があるというふうに聞いております。私は必ずしもお客さんがどうというのではありませんけれども、まあ例をとって申し上げましたならば、全国の婦人、おかみさんのような人も何か国鉄のこういう管理について意見も出し得る機会もあるべきだと思うのです、それからまたかりにそういう委員会をお作りになるにしましても、ほんとうに解決するという立場に立って遠慮なしに人を選ばなければいかぬと思うのです。もしこれがありきたりの委員会で、責任転嫁をしてしまうようなことがありましたならば、私どもは決議の趣旨を尊重しない当局として糾弾しますよ。それを一つ覚悟してもらいたいと思うのです。これは満場一致通ることは間違いありませんのですから、国会の総意としてぜひともそういう点は一つ十分にお考えを願わなければいかぬ、こう思っておりますので、一言つけ加えました次第であります。
  375. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 それでは採決をいたします。日本国有鉄道固定財産管理運用に関する件につきまして、床次委員提出の動議のごとく、これを本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  376. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 起立総員。よって床次委員提出の動議のごとく決しました。  なお、本決議につきましては、運輸大臣及び国鉄総裁に参考のため送付することといたしたいと存じまするので、委員各位の御了承を願います。  この際、運輸大臣並びに国鉄総裁より発言を求められておりますので、これに対し順次これを許します。宮澤運輸大臣。
  377. 宮澤国務大臣(宮澤胤勇)

    ○宮澤国務大臣 ただいまの御決議、ことに具体的に項をあげられての御決議の意を十分に体します。今後日本国有鉄道固定資産管理、運用に関しましては、国鉄をしてその厳正を期さしめるとともに、政府といたしましても適切な措置を講じたいと考えております。ことにただいまの御趣旨を十分体しまして、私どもも今これに対して具体的ないろいろな方法を考えつつありますが、特に今の当委員会の御決議十分に体しまして、今後具体的にこれを進めて、一つ御趣旨に沿いたいと思っております。
  378. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 十河国鉄総裁。
  379. 十河説明員(十河信二)

    ○十河説明員 国鉄財産管理につきましていろいろと不都合な事例がありましたことは、私といたしましてまことに遺憾にたえない次第であります。本日の御決議の趣旨を体しまして、極力法規、機構を整備いたしまして、皆さんの御期待に沿うようにいたしたいと覚悟いたしております。  なお高架下管理の適正化に関する措置といたしまして  一、三月中に部外学識経験者、民意を代表する諸団体の役員及び関係官公庁職員をもって構成する特別委員会を設置し、高架下管理の適正化に関する基本方針を樹立する。  二、東京都区内の土地建物高架下管理の現場執行業務の強化をはかるため、三月十五日をもって東京鉄道管理局に管財区を設置する。  三、現在の不法占拠、転貸関係については関係官公署の協力を求め、行政権の発動、訴訟等の手段により積極的解決を推進する。  四、国鉄の固定財産貸付に関する法律関係を明確にするため、さらにその整備等を検討する。  以上の趣旨によりまして、皆さんの御決議の趣旨を体して極力整備いたしたいと覚悟いたしております。
  380. 青野委員長(青野武一)

    青野委員長 次会は来週の火曜日、十二日に予定しておりまするが、なお詳しいことは公報をもってお手記にお伝え申し上げます。  本日は長時間御苦労さまでした。  この程度で散会をいたします。    午後二時四十七分散会