○吉田(賢)
委員 あなたの方はそういういろんな計算を出すかしらぬが、現場を見れば、表はきれいに見せかけておりますけれ
ども、天井は突けばとんとんと音がするような脆弱なものである。いずれにいたしましても、あの場所自体の利用価値というものが中心にならなければならぬと思うのであります。どんなごたごたしたものがありましても大した値打はないと思うのです。それなら場所を持っている
国鉄に払うべきものが主で、あなたの方が中間利潤を取るのは従でなければならぬ。全く逆なんです。現に年間五百四十六万円で借りて
国鉄へ月四十五万円だけ支払って、
京浜デパートからは百八十万円取りておる。それがひどいじゃないかと言うんですよ。あなたらは一番
最初の交渉の際は
国鉄に協力するような顔をして、
益子参考人からもそういう御趣旨の答弁があったのですが、何ら
国鉄に協力する態度は見えません。
国鉄へはできるだけ安く値切り倒し、できるだけ高い値段で
商売人に貸し付けて、民衆の利便を妨害し、それも高い利潤を取っている。その利潤はお互いに高い報酬を支払って分配し合い、一億数千万円の負債を残して倒産するような
会社を作ってみたり、ともかくそのやっておることはどんなに弁解はあろうとも、どろぼうにも三分の理屈なんです。理屈というものはどうにでも立つのです。だけれ
ども、
国鉄にあのよいりっぱな土地で損害をかけて、大きな利潤を中間搾取でふところへ入れて、のれんもうせん、居眠りもうぜんと同じようにただ利益を得るだけというのでは、国家に対しても国民に対しても
国鉄に対しても済まぬという気持ぐらいはちっとはあってもよかろうと思う。あなたらは元
国鉄に勤めておった前歴がある。ことに経歴から見るならば、おそらくあなたらの在職中は小僧っ子のような人が今幹部になっておる。ことごとくあなた方の後輩なんだ。そしてあなたらは昼寝をしておっても月々数十万円の利潤がふところに入る。そういうことをあの重要な土地でやっているんですよ。しかも五千五百万円というような
資産表になっておる。
建物が三千五百七十万円というようなことが書いてある。どこにそんな
建物があるのです。私
ども、見せてもらったんだけれ
ども、どこで水増しされたのか知りません。だから私
どもは
建物についての精細な計算書を一ぺん出してみなさいと言うのです。あなたらが不当に
国鉄をだまして、と言うと悪いかもしれぬが、
国鉄へわずかな
賃料しか払わず、莫大な
賃料を第三者から取って、中間的な不当利潤を得ておったか得ていないかということを明らかにしたいのです。あなたの今の説明によると、そこに何らの陳謝の意向もないし、何ら恥ずるところもないようなむちやなことをやられるから、
固定資産がめちゃめちゃになってしまうのです。あなたらがもし
国鉄の事情を知らぬ人なら何も言いませんけれ
ども、前歴は幹部なんです。あなたらの後輩が今それぞれ軒部になっておる。だからここでこそそんなやわらかい言葉を使っておられるだろうけれ
ども、おそらく
国鉄の連中と交渉するときなんかは、あごであいさつしているのじゃありますまいかとさえ私は想像をたくましゅうします。そういうような心がけだから、こんなめちゃなことが起るんですよ。私
どもは裁判所じゃないんだから、何も一から十まで精細な事実をつかみ出し、判定をしようとするのじゃないのですけれ
ども、国民の常識、国民の感情がこれでは納得しないのです。それをあなたらに解明してもらいたい。弁解を求めようとするんだけれ
ども、どうもおっしゃるところはできるだけ合理的にものを言おうとするにすぎません。全然申しわけないという気持はないんだ。そんなむちゃなことはありますかな。現に
国鉄は四月一日からはこれを
京浜デパートに直接貸すならば年間千二百万円にせにゃいかぬ。つまり月に百万円を取らなければいかぬという
見解を持っておるのであります。それならば月百万円相当の客観価値があるとしなければならぬ。客観価値があるならば、多少でも
国鉄に協力してやるという気持があなたらにあるならば、月百万円をさっと出しなさい、遊んでおる人間に何万円の金をやったりしないで……。そんなことをするから
国鉄がみんな財産を食いつぶされてしまうのですよ。これが国民の常識ですよ。われわれは常識を代表してものを言っているのです。そのつもりで聞かなければいけませんよ。つべこべおっしゃったところでみんな穴だらけですよ。あんまりみっともないですよ。相当な社会的地位がおありの方が、どうしてそんなめちゃな態度をもって傲岸に押し切られようとなさるのですか。それを三井銀行に鑑定してもらいましたらば一億数千万円の保証金をとらなければならぬ。二百万円ぐらい
家賃取ってもよいなんて、一体何を言っているのですか。それはあそこの場所が、かの
新橋の駅で、織るがごとく人が行き来しておって、あなたも見てごらんなさい。よく売れておるでしょう。名店街に類するものができておるところでもお客さんが殺到していますよ。私
どもそれを見て思ったのですが、あんなりっぱな場所がありましたら、一坪でも持っておりましたならば、ほんとうに安楽に暮せるな
あと言ったのです。安楽に暮したい人がぎょうさんあるけれ
ども、あなたらがぬく手でやっているので、できない人がたくさんあるのですよ。そんなこともちっとは考えなさいよ。それでさえも相当な
賃料で貸しておるのであって、
国鉄に損害をかけておりませんなんという、そんなむちゃなことが言えますか。われわれ利害の
関係ない者こそ言えるのですよ。省みてちっとは恥じて下さいよ。ことに国会に席を列しておって、同じ責任の立場にあるような人が名を連ねているということは、われわれも残念にたえないのですよ。そんなことを思ったら、あなたらも少しぐらいは悔悟の色を見せなさいよ。それでなければみんな泥沼に一緒に入らなければなりませんよ。そんなことをしておったら、参議院の決算
委員長にも一ぺんここへ来てもらわなければならぬようなことになってしまうのですよ。恥じをみんなさらしてしまうのですよ。われわれもあなた方を説論する気持はありませんよ。こんなむちやなことはもっと後悔しなければならぬと思うのです。現在は五百四十万円であるけれ
ども、二十七年当時は年間六十九万円でありませんか。そういうことを思いましたら、あなた方の不当な中間利益の取り方は責められねばならぬと思うのです。
最初の問題は
益子さん、どうお思いなさる。