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1957-05-28 第26回国会 衆議院 議院運営委員会 第48号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年五月二十八日(火曜日)     午後三時三十六分開議  出席委員    委員長 保利  茂君    理事 福永 健司君 理事 山中 貞則君    理事 池田 禎治君 理事 野原  覺君       内田 常雄君    岡崎 英城君       鹿野 彦吉君    倉石 忠雄君       古川 丈吉君    山本 友一君       栗原 俊夫君    吉川 兼光君  委員外出席者         議     長 益谷 秀次君         副  議  長 杉山元治郎君         事 務 総 長 鈴木 隆夫君     ————————————— 本日の会議に付した案件  虚礼等廃止に関する件  議員海外派遣に関する件     —————————————
  2. 保利茂

    保利委員長 それでは会議を開きます。  前会御協議を願いました属中見舞等に対する申し合せ案な事務業局で立案いたしましたから、事務総長から御説明申し上げます。
  3. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 一応読んでみます。    申合せ   本院議員は、昭和二十九年以来虚礼廃止申合せをなし、これを実行してきたのであるが、今年の中元暑中にあたつても、国民生活改善向上のため例年虚礼廃止精神を体し、議院運営委員会の決議をもつて、左の申合せを行い、議員本来の使命に専心せんことを期するものである。   一、印刷物等による個々の暑中見舞及び印刷によるその返礼または新聞、雑誌上の暑中見舞の広告はこれを廃止すること。   二、議員であるがための寄附及び冠婚葬祭に対する虚礼は一切これを行わないこと。   三、本申合せは厳にこれを励行することとし、申合せに反した場合は、議院運営委員会において調査の上適当な措置を講ずること。 この第三の項目は、先般もう少しこの励行の方法、これに反した場合のと一とについて、何か適当なことを考えるようにというお申し合せでございましたので、一応こういうふうに考えてみたのですけれども、いかがでございましょうか。
  4. 保利茂

    保利委員長 よろしゅうございますか。——先ほどの理事会では、この申し合せにいたそうということに話し合いいたしましたわけでございます。
  5. 山中貞則

    山中委員 これは前文に、「これを実行してきたのであるが、」と書いてありまして、みんなが実行してきたように受け取れるおけなんですが、実際はなかなか実行されていない。しかし実行しておる者と実行していない者と、どっちが多いかといえば、実行しておる者が大体八割から九割あるとわれわれも思っておりますけれども前文にそういうことを書いておって、実行してきて、最後に今度は実行しない場合、「申合せに反した場合は、」とあるが、これはやはり「実行に努力してきたが」くらいにしておかぬと、筋が通らないと思う。実行していない人のことが非需に問題になる。だから私個人の意見としては、「適当な措置を講ずること。」としてありますけれども、これも何か新聞に氏名を発表するなり、そういう具体的な方法を一つはっきりしておいてもらわぬと、統制経済をくぐって、やみ屋がもうかるという名表現が当てはまることになりかねないと思いますので、そこらのところは相当強い言葉がないものですか。
  6. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 努力してきたというのは、ちょっと……。
  7. 野原覺

    野原委員 山中君の発言はもっともな点があるわけです。完全に励行されてきたとは思われない。やはり問題があったのだ。個人的にもいろいろ指摘されてきております。従って、この申し合せの文章に権威を持たせる意味からも、これはやはり率旗に過去の非は非として認めなければならぬので、私はここで修正案を出したいと思います。「虚礼廃止申合せをなしてきたのであるが、」というふうにして、これは完全に実行していませんから、「これを実行し」というのは省いてもらいたい。そうして一番最後の「議院運営委員会において調査の上適当な措置を講ずること。」、これはお互い議運委員ですから、やはり適当な措置を講ずる。この文章は、弾力性のある文章ですから、このままにしておいて、やはり私どもが適当な措置を講じなければならぬと思う。だから、最後文章はこのままでいいのですが、最初の「これを実行し」というのを削除する、このことを提案しておきます。
  8. 福永健司

    福永(健)委員 そういうことになると、「今年の中元暑中にあたつても、」とあるのは、これはその表現がうまくない。今年は特に従来以上に励行するんだというようなことを、強調するような書き方の表現の方がいいと思うのですがね。
  9. 山中貞則

    山中委員 それはとにかく一番最後の「適当な措置」、これを一体どういうふうにするかということだけで、すべての文章もきまるでしょう。善処しますなんというので、善処されたためしはないのですからね。
  10. 福永健司

    福永(健)委員 山中君指摘の点は、文章はどう変えても、実際にどうするかということで、きまるのだから、まずこの文章をきめて、山中発言趣旨は、「適当な措置」とは相当厳重に処置することであるということを、お互い了承し合っていけばよろしいと思うのです。これは従来と同じような印象より、今年はちっときびしいぞという印象を与える文章の方がいいと思うのですがね。
  11. 山中貞則

    山中委員 今、そういうきびしい印象を与えるようにということですけれども最初は非常にきびしかったのですね。これはもう済んだことだから、名前をあげることをお許し願うとして、同僚身分であった山本正一君が、本委員会に呼び出されて違反を指摘された。そのために、そのつながりのあった、時の総理大臣との関係ももちろんあったでありましょうが、特殊性があったとしても、山本君は議員を辞任された。これは辞表を出せとは委員会では言わなかったとしても、議員にとっては、基本的な身分を喪失せしめたのですから、非常に重大な処罰をやったと私は思うのですよ。そのあと見ておるところ、ずいぶん違反者が出て、しかも証拠物件がここに持ち出されたにもかかわらず、これを不問に付して、すでに約二年くらいたっておる。だからその間、中元等を出すということなら、もうすでに四、五回不問に付されておるわけです。今回は特別にこういう厳重な措置をやるぞというふうな文章に見えても、なあに出し得だぞというような風潮は、とうとうとして一般議員をおおっております。うっかりすると、議運の中に名前の連なっておる者さえも、やっていないとは断言できないような風潮が実際にあるのです。そうすると、今年だけきびしくといっても、どっかにやはりきびしくやるということをはっきり入れておかなければならぬ。きびしくやればやるほど、違反した者がもうかるんじゃないかな。
  12. 福永健司

    福永(健)委員 山中君の言われたのは、違反者のあった場合にどういうふうにするかということなんだが、むしろ違反者がないようにするのが第一なんで、あとからつかまえて、どうこうということよりも、ほんとうに今年はそういうことがないようにという意味からいうと、私もこれを読んで気がついたのだが、「例年虚礼廃止精神を体し、」では、全くこれはいかぬのだ。例年とは少し違って、本年特に厳重にというその趣旨さえわかれば、あとは聡明な事務総長にその趣旨で書いていただけばよろしいから、今各位の発言のあった点を留意していただげばいいと思う。
  13. 池田禎治

    池田(禎)委員 僕は文章のあやのことでなく、山中君の心配しておる「適当な措置」ということは、全くその通りです。従って、これは例年の例からいえば、議長名前をもって議員に送付される。これは違反者を作ることをもってよしとしないので、人でも違反者を出さないようにするのが、われわれとしては親切でなければならぬから、この申し合せを議長名前で発送した場合に、受領したかどうかという回答を求めなければならぬ。私はそういうものは知らなかった、こういう者が出てきたときに、知らずといえども違反の責めを免れることはできない、やはりそういうところから、お互い同僚議員ということからいえば、違反が発見されても、つい不問に付したりするような情状の形が出るから、こういう申し合せを受領したということになれば、この事態を知らざるということではない。適当な措置を講ずるということを明かにしておる以上、適当な措置を講ぜられても、なおかつ自分はあえて違反する。これはいたし方がない。従って、これは当然受領したかいなかの回答を求めるなり、ないしは発送したということ、受領したということを十分判明せしめる方法を講じたらいかがかと私は思うのです。
  14. 福永健司

    福永(健)委員 池田君の発言された返事をとるというと、これは返事をよこさない者があっても困るからどうかね。委員長、ちょっと懇談にしてもらつて……。
  15. 保利茂

    保利委員長 ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止
  16. 保利茂

    保利委員長 速記を始めて下さい。  それでは、皆さんの御意見を十分考えていただいて、文案を事務総長におまかせすることにいたします。
  17. 保利茂

    保利委員長 なお事務総長から御報告することがございます。
  18. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 一昨日、久野忠治さんより議長あて辞任届が参りました。その理由は、今般一身上都合により議員を辞任いたしたくお届けいたします、という趣旨のものでございますので、これにつきまして議長は直ちにその慰留方を勧告いたしております。右御報告申し上げます。
  19. 池田禎治

    池田(禎)委員 事務総長にちょっとお尋ねいたします。今のところ一身上都合ということは、いかようなことを意味しておるかということは、まだわかっておりませんか。
  20. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 わかっておりません。
  21. 野原覺

    野原委員 一身上都合議員が辞任する場合、議長は必ず慰留を出すということになるのかならぬのか、それはどういうことなんですか。
  22. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 それは議員身分というものは慎重に取り扱うべきものでありますから、一応議長といたしましては、その留任方を勧告いたし、議運に一応諮問するのが筋であります。そういう意味で慎重に取り扱ったのであります。
  23. 福永健司

    福永(健)委員 本件についてただいま議長のおとりになった御措置は、この際、この段階においては、私は適切であろうと思うわけでありまして、さらにその後違った事態等が生じた場合に、場合によっては議運に御諮閲等があろうかと思いますので、その節あらためてお尋ねすることは、お尋ねするのがよかろうと思います。
  24. 野原覺

    野原委員 ちょっと疑問に思っておる点が、二、三あるのです。それは議長慰留をするということは、議長事情を知っておるから慰留されたのではないかといろ疑問があるわけです。それは議員皆さんにもあろうと思う。事情が、その議員が辞職するに足らない事情だ、辞職するにはなお不十分だ、そういう判断をされたから慰留をされたのか、それとも、一応形式的に、議員身分は重大だから、出されてきたものは十ぱ一からげで、たとえば僕が一身上部合で出しても、僕に対しても慰留してくれる、こういうような形式的な立場をとっていらっしゃるのかどうか、これはどうなんですか。
  25. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 議長としては議員身分を慎重に扱うのがあれですから、一応議長としては、再考余地があるのかないのかということを問い合せて、そうして再考余地がないという場合には、なお議長としては専断でなしに、皆さんにお諮りすべきではないか、こう考えます。
  26. 保利茂

    保利委員長 それでは、そういうことで、議長のとられた措置は了承いたすことにいたします。
  27. 保利茂

    保利委員長 なお、議員海外派遣の件でございますが、予算委員会より二名、法務委員会より委員三名、専門員一名の派遣要請が出ております。事務総長より御説明申し上げます。
  28. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 予算委員会からは、世界主要各国予算制度調査、特に国際収支予算との関連、及び地方財政国家財政との関連について調査いたしたいということでございます。なお法務委員会よりは、最高裁判所機構改革に関する法律案審査のために、外国制度並びに運営実情等調査いたしたいという申し出でございます。
  29. 保利茂

    保利委員長 両件はきわめて重要な目的を持って要請されておるわけでございますが、しかしながら予算関係もありますから、予算限度においてこの外国派遣ができれば、これを認めるということでお取扱いをいたしてよろしゅうございましょうか。
  30. 福永健司

    福永(健)委員 この両件とも、ただいま事務総長が報告されたように、簡。単に題名等でおっしゃったそれだけでは、ちょっと誤解を生ずるおそれもあるのじゃないかというような気もいたすわけでございます。ついております文書を、時間の関係で全部は読まれなかったのでありますけれども、それらを拝見し、また当該委員会責任者と折衝して、詳細にわれわれが聴取いたしました結果、さらに先刻の理事会でいろいろ協議の結果でございますので、その結果を一々速記録にとどめるまでもないのでありますが、そうした経過を経て、結論的には、委員長のおっしゃる予算限度ということでございまたけれども、残り少い予算の中でという表現にしていただきまして、まあ幾分かのものは、ほかのことにも、場合によっては予算も残しておかなければならぬというような考慮もあり得ると思いますから、そうしたことを理事会でいろいろ話し合いました趣旨によりまして、私どもはこの二つの要請を認めたいと存じます。
  31. 保利茂

    保利委員長 福永君の御発言通りでよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 保利茂

    保利委員長 それでは、そういうふうに決定いたします。
  33. 保利茂

    保利委員長 なお、私は来月三日から国会派遣海外に出る予定にいたしておりますので、はなはだ申しわけございませんけれども、旅行中の委員長代理福永さんにやっていただきまして、砦様の御協力をお願いいたしたいと思いますから、よろしくお願いを申し上げます。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 鈴木隆夫

    鈴木事務総長 ちょっとお願いがあるのですが、参議院の方では、列国議会同盟の人選が決定いたしましたので、団長だのいろいろな関係もありますから、衆議院の方もなるべく御人選お願いいたしたいと思います。それから東南アジアの方も、いろいろなプログラムの作成等むございまして、作成上因っておりますので、すみやかに御報告いただきたいということをお願い申し上げておきます。
  35. 保利茂

    保利委員長 それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十九分散会      ————◇—————