○
西村(力)
委員 戸叶さんからただいまいろいろ質問がございましたので、つけ加えて申し上げることはほとんどございませんが、
一つ知っていただきたいのは、向うに残留して中国人と国際結婚した御婦人の
方々は、全部が全部といってよいほど帰国を
希望していることです。これは当然のことであり、御理解をいただけるではないかと思うのです。しかも、みんながみんなというわけではなのですけれ
ども、やはり、現在は幸福であっても、その当時の心境やさまざまなことを
考えてみますと、戦争犠牲者であるということは間違いない。本
人たちも、当時のごとを回想して、そういう工合に
考えている。
政府の立場として、いろいろ
引き揚げの跡始末、戦争の跡始末、そういうことをやっていらっしゃるが、そういう残された人々の
希望をかなえてやることも大事な跡始末の
一つではないか、かように
考えるわけなんでございます。中国では、もちろん中国人と結婚した人の帰化を認めているようでありますが、国交の回復していない現在において、一時帰国の
希望も不可能になるではないか、こういう
考え方からむしろ帰化手続を意識的に遅延さしている、こういうのが実情なんであります。ただいま
戸叶さんから
お話がございましたが、こっちに来る場合の旅費や支度金まで
めんどうを見てやろうということを、昨年
地方議員団に話されたことも聞いておりますし、また、先般家族が面会に行ったときの手あつい取り扱いというようなことをいろいろ
考えてみますると、私たちは、やはり国民の一人として、同胞がそういう
希望を持っておるのに対して、
政府が強い決意でもってあたたかく迎えるように、実現方を熱望してやまないのであります。昨年来た人とその後残っている人の経済事情の問題になりますると、一般的に言って経済事情が低い
方々が残った。昨年は自費だというようなこともありましたので、
相当抑えられて
——そうでない無一文でおいでになったような方もあったようでございます。去年はそういう
関係から
希望を抑えたけれ
ども、やはり一時帰国したい
希望は抑えがたいというので、経済事情が低い人々でもぜひ一度は帰りたい、こういう熱望を持っておるのです。その点ぜひそういう決意をもって進んでいただきたいと思うのでありますが、ただいまの
次官の御
答弁によりますと、適宜な処置をなさるという
お話でございましたが、そのことは、日本に来たら、日本人だと思い、その人々に不満を持たせず、あるいは失望を与えないで、あたたかくお帰りを願うまで、
めんどうを見よう、そういう工合に
政府としては必ずやるという腹づもりである、かように了解してよろしゅうりございますか。