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1957-08-10 第26回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年八月十日(土曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 菅野和太郎君    理事 齋藤 憲三君 理事 中曽根康弘君    理事 前田 正男君 理事 岡  良一君    理事 志村 茂治君       秋田 大助君    稲葉  修君       宇田 耕一君    小平 久雄君       保科善四郎君    岡本 隆一君       佐々木良作君    田中 武夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣 正力松太郎君  委員外出席者         科学技術政務次         官       吉田 萬次君         科学技術庁次長 篠原  登君         総理府事務官         (科学技術庁官         房長)     原田  久君         総理府事務官         (科学技術庁企         画調整局長)  鈴江 康平君         総理府事務官         (科学技術庁原         子力局長)   佐々木義武君         総理府技官         (科学技術庁原         子力次長)   法貴 四郎君         総理府技官         (科学技術庁資         源局長)    藤村 重任君         総理府技官         (科学技術庁調         査普及局長)  三輪 大作君     ————————————— 五月十九日  委員塚原俊郎辞任につき、その補欠として木  崎茂男君が議長指名委員に選任された。 七月二十三日  委員小笠公韶君辞任につき、その補欠として秋  田大助君が議長指名委員に選任された。 八月十日  委員木崎茂男君及び椎名悦三郎辞任につき、  その補欠として稲葉修君及び宇田耕一君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員稲葉修辞任につき、その補欠として木崎  茂男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 五月十八日  一、原力委員会設置法の一部げを改正する法律   案(岡良一君外八名提出、衆法第四七号)  二、科学技術振興対策に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  科学技術振興対策に関する件(原子力行政一  般)     —————————————
  2. 菅野和太郎

    菅野委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件につきまして、調査を進めます。  本日はまず先般原子力委員長に再び就任せられました正力国務大臣並びに新たに就任せられた吉田政務次官より、それぞれ御就任あいさつ並びに科学技術振興の方策、特に原子力行政に関する所信を承わり、しかる後に委員諸君質疑に移りたいと思いますので、さよう御了承を願います。  それでは、正力国務大臣
  3. 正力松太郎

    正力国務大臣 大へんおくれて相済みません。  このたび、はからずも、再び原子力を担当する大臣になり、また皆様にお目にかかる機会を得たことを、衷心喜んでおります。何分よろしくお願いいたします。  就任早々でありますが、何か私から所見を述べろというお話がありましたので、今度、原子力委員会動力炉受け入れについてどういうふうな考えでおるか、どういうような方針でおるかということを簡単に申し上げたいと思います。  皆さんも御承知のように、今度、原子力委員会では、四十五年度までに至る原子力発電に関する計画を立てております。それはいずれ詳しく申し述べて、皆さんの御高見を承わるつもりでおりますが、とりあえず、今、非常に問題になっておる原子炉受け入れ問題に対して、皆さんもすでに御承知のことだけれども、事重大であるから、簡単に私から申し上げたいと思います。御承知のごとく、今度の受け入れ態勢の問題というのは、昨年イギリスヒントン卿日本へ来て、原子炉が、英国コールダーホールではもう経済ースに合うという段階まできたということがこのもととなのでありまして、ちょうどヒントン卿がそういうことを言うとる際に、アメリカ原子力調査団フォックス氏一行が日本へ来まして、ちょうど一諸であります。それで私はフォックス氏のために歓迎会をやっております。その席上で、たまたまイギリスヒントン卿日本へ来て、イギリスコールダーホールでは経済ースに合うというりっぱな確信を持っておるようだが、アメリカではどうか、こう私はフォックス氏に聞きましたところが、いやアメリカではとてもそんなところまでいっていない。しかし、それは宴会のティーパーティの席だから、それではあなたから詳しく聞きたい、御苦労だが、官邸に来てくれぬかということで、フォックス団長に言ったところが、それでは明朝行こうと言いまして、その翌朝官邸へやってきました。私は、フォックス氏が来るので、事重大であるから、専門学者に一人立ち会ってもらいました。フォックス氏も自分だけではいかぬと思って、たしか原子炉専門学者を一人連れて二人で来まして、そうしてまだアメリカでは原子炉経済ベースに合うという段取りにまで来ておらぬという話をしました。しからばイギリスはこう言っているが、それについてはどうかと聞くと、まだイギリスのことについては詳しいことは聞いていないから、何とも批評はできぬ、とにかくアメリカでは当分合わぬことは事実だ、こういう話をしました。それから、私はその話を聞きましたから、すぐヒントン卿に午後来てくれぬかということを言ったところが、ヒントン卿が夕方官邸へ来ました。官邸へ来ましたから、事重大であるから、私はやはり専門学者二人立ち会わせて、ヒントン卿の話を聞きました。そうしまするとヒントン卿は、るるイギリス経済ベースに合う話をしました。それで私はなおつけ加えて、君はきのう公開の席で経済ースに合うということを言うたけれども自分はなお担当大臣として責任ある君の答弁をほしいのだと言ったところが、ヒントン卿は、わかった、自分は全く責任を持って話をするが、詳しいことはこの席では言う時間もなし、できぬから、大体のことを言って、合うということを言いました。ただ、そのときに、しかし原子炉経済ベースに合うというのは小さな炉ではだめだ、この際思い切って大きなものを買わなければいかぬぞ。思い切ったというのはどういうのかというと、十万キロワットくらいでなければならない。十万キロワット値段も五十億もするのだ、これならばりっぱに合うのだ、こういう話をしました。そこで私は、いわゆるイギリスのナンバー・ワンというよりも、むしろ世界の原子力発電においては有名なこのヒントン卿が言うことは、責任あることだから、これは非常におもしろいことかと思った。そうして彼が百五十億で買えば合うのだから、よしイギリスで合うならば、イギリス日本は石炭に困っている国情が似ているから、念のためにこれは調査団を出さなければならぬけれども、間違いなしと思いましたが、なおヒントン卿にこう言いました。ほんとうイギリス経済ベースに合う、日本でも経済ベースに合うということが確かならば、あなたの言うことは間違いないと思うけれども、念のために日本から調査団を送る、調査団を送ってイギリスでも合う、日本でも合うということが確かならば、これは百五十億で買おう。私は買おうと言いましたが、しかし大臣だから、予算は国会の協賛を経なくちゃならぬから言うことはできぬけれども、これは民間が買う。経済ベースに合わぬから民間は買わぬので、御承知通りに、日本電力事情に非常に困っている。しかも上る一方の形跡にある。そうして停電もある。こういう際だから、経済ースに合うということが確かならば、民間がこぞって協力してくれるというふうに私は確信を持ちました。持ちましたから、まだ政府予算がきまらないにもかかわらず、君、それでは買おうと私は言いました。そうしたらヒントン卿は非常に驚きもし、喜びもしました。それでは調査団が来るのを待っておると言った。それから私は原子力委員会ヘ行って、その話をしました。ところが、その当時原子力委員会では、ちょうどアメリカから五十キロワットで八千万円のものを買おうということを言っておった。五十キロ、八千万円のものを買おうという際に、十万キロワット、百五十億という話だからみな驚きました。驚くと同時に、非常に疑いを打ちました。しかし、何しろ言う人がヒントン卿であるから、一つ調査団をやろうということになりまして、それから調査団の人選にかかりました。これは全く日本電力界のエキスパートを各方面から十人選びまして、そうしてやったのであります。それには石川一郎さんを団長にし、副団長には一本松博士を勧請しました。ところがこの一本松博士はなかなか承知しなかったのです。何となれば先生原子炉に関する限りはアメリカが発達しているという深い考えを持っておりますから、イギリスへ行こうということに賛成しなかった。けれども私は、そのアメリカ一辺倒であるだけに、こういう人を調査団に加えておくということは正確を得るのにいい、こう思いましたから、一本松さんにぜひ行ってもらわなくちゃならぬということで、先生にしいて行ってもらいましたが、一本松君は、イギリスへ行って見て驚いたようであります。今まで自分は、原子炉の問題はアメリカ一辺倒に思っていたが、イギリスに来てイギリスの進歩に驚いたというて、わざわざ私にロンドンから手紙をくれたような状態であります。その調査団が帰ってきますと、調査団十人の報告書は、十万キロワットのを一基買った方がよかろうということになってきたわけです。私が一基と言うたときに驚かれておったのが、私よりもっと大きく、二基ということになってきたわけです。それで民間じゃやろうという空気がずっと起ってきたのであります。しかし民間でも、何しろ民間が金を投ずるのだから、原子力委員会調査いたしましたが、民間でも一年がかりで十分調査いたしました。その結果、皆さんも御承知通りに、自由党の党議として今年の五月、それではこの際民間中心の会、会社を作って、そしてコールダーホールをもう一ぺん調査する調査団をやろうということを決めました。さらにこれを閣議報告しまして——岸総理のときでありますが、閣議では石田官房長官報告して、閣議も了承したという話であります。  そこで、ただ問題は、電発は、九電力でやるというけれども電発の方の見方としては、また経済ベースに合わぬように思える。経済ベースに合わぬように見えるから、こういうものは民間会社でやるよりも、むしろ電発が国家の資金をもってやろうというのが電発意見であります。それから私は、電発の総裁にも一、二度会いました。そして、調査団報告いろいろ話をしましてとにかくすでに九電力は決心しているし、また日本原子力研究所では、早く買ってくれ、そしてほんとう研究をしたいという研究所の熱心なる希望もあり、また電発会社も、九電力についていくと言われては工合が悪いけれども、この際みな一緒でやるということならば、一つ自分も加わりたいということで、そこで、電源開発では正力構想と言っているが、これは私に言わせると新構想でも何でもないので、一年前に民間がやると言っていた構想です。そういうようなことで電発も、いずれこれは大蔵省と通産省の了解は得ておくことは必要だが、電発ではそれに参加したい、こういう正式な文書をもって返事を持ってきました。それで、私に言わせると、これは新構想でも何でもないのですけれども、そういうことを言うものを、いかぬと言う必要もないと思って私も黙っておりました。ところが、新聞にでかでかと書いたから、原子力委員会で最後に決定してないことを閣議報告する必要もないと思ったが、新聞に出るものを一応閣議報告しようということで、私は閣議にそのことを出しました。そうすると、閣内では幾分急がぬでもいいじゃないか、もっと調査したらという議論もあったようでありますが、しかし閣議にかける前に、原子力委員会がなお念入りにやり、それから原子力委員会がなおそれより先に学会に相談したらいい。学会もこぞって一つこの際コールダーホール調査団をやって、よければ買おうということに——今までなかなか学会は外部から買うことに賛成しなかったのですが、あの賛成しなかった学会までも、それでは一つ賛成しようということになってきた。私もこれほどよくできたことはないと思ったようなわけであります。そうして委員会が今まで一年かかった調査——これは前の閣議了解宇田大臣がやったのです。また九電力をまとめたのも宇田大臣のときであります。ところが今、電発自分でやろうというのも、一緒にやろうということになれば、これこそ私は挙国一致になった、こう思いまして、非常に喜んだ。そうしますと、この閥社会党の方からも質問書が来まして百の答弁は必要がない、答弁は公式で聞くから質問井だけ提出するといって、質問書だけ出されて、そのまま帰られました。新聞紙上に僕がいかにも気炎を上げたようになっているのは違うのであって、向うは答弁は求めない、君の答弁は正式に聞くということであったのが真相です。それは社会党の方は答弁を求めぬというのです。答弁は正式のところで聞くということでしたが、その質問書の中を見ると、あるいは公社でやらなければいかぬとか、正力独走がいかぬとかいろ書いてありました。私は今度の問題に当っては決して独走はしていない。なんとなれば、ヒントン卿が来て、そういう決意をした。これなら民間がみな来るぞ、政府も金を出すだろうというので、ほんとに私が思うたのは、この日本電力に困っている事情で、いかに電力を緩和するかということ、皆さんも御承知通りに、電力停電をときどきやられる。やられるのはいいけれども値段まで上げようとする空気になってきておる。それだから、どうしても、ここに原子力というものによって電力が安く行くという見込みがあるならば、やるべきもの、こういう私は決心をしたのであります。そこで、原子力委員会もみな、その結果、よろしい、それじゃ一つこの際早く準備委員会を作って、会社を作って、そしてその会社から買いにやろうというのが原子力委員会決定であります。なお、原子力委員会決定書については、一つあと局長に読み上げさせますから、その原子力委員決定書をよく御討議を願いたいと思います。  要するに、こういう経過に原子力行政が来ておるということだけ、簡単に申し上げます。
  4. 菅野和太郎

  5. 吉田萬次

    吉田説明員 今回はからずも政務次官就任いたしました。御承知通り、私は野人でありまして、沐猴にして冠し、菲才その任でありませんが、各位の御協力によりまして、その任を全うしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  6. 菅野和太郎

    菅野委員長 以上をもちまして、所信の表明は終りました。  ついては、原子力行政一般につきまして、質疑を許します。質疑通告に従いまして、これを許可いたします。前田正男君。
  7. 前田正男

    前田(正)委員 ただいま正力大臣及び政務次官からごあいさつを受けましたが、われわれもできるだけ一つ政府当局が大いにこの方面の発展のために御努力されんことをぜひ期待しておることを申し上げたいと思います。  次に、今、原子力実用規模動力炉の問題について大臣から所信が述べられました。それについて、きょうは通告者も多いですから、ごく簡単に質問いたしたいと思いますけれども、まず第一の問題点は、そういう実用的な動力炉を受けるに必要なところの一般的情勢についての質問をいたしたいと思います。現在、実用的な規模動力炉コールダーホール・タイプの動力炉を急いで買う必要はないという意見もあるし、この際、将来の、四十五年に三百万キロワット原子力発電をしなければならぬという立場から、いろいろな点から急がなければならぬというような意見もあるのでありますが、大臣は、どういう理由で急いでこれを民間が買わなければならぬか、こういう点について御所信を伺いたいと思います。
  8. 正力松太郎

    正力国務大臣 ただいま前田委員からの御質問は、まことに私にしてはありがたい質問であります。世間も、どうして急ぐだろうかということについて、理由がまだわからぬ人もあるようでありますが、これは先ほどちょっと簡単に申し上げましたが、御承知通り日本電力状況が非常に悪い。しかも一面において毎年五力の需用が増加してきておる。今ですらもすでに停電があるような状態であるから、このままで行ったなら、むろん停電の回数は多くなる。それから停電のみならず、これはまた値上げになる。電力値上げということは、国民の生活に最も大きいものである。それであるから、ここに幸い原子力の今度の発電がコールターホールなのは——いま日本では火力の最新鋭の機械でも四円五十銭かかる。古いのになってくると、六円から六円五十銭かかる。こういうのがいま日本事情であります。ところが、コールダーホールの今までの原子力委員会調査によると、つまり調査団の行った報告なり、宇田国務大臣並びに佐々木局長の行った報告から見ますると、コールダーホールの十四万キロワットのを使うことにすれば、四円五十銭というのは四分配当をするとしてで、もしこれを配当をしないことにすれば三円八十銭でできる、こういう戒告であります。これがもしも事実とすれば、それこそ一刻も急がなくちゃならぬ。いま日本電力火力が六円、六円五十銭まで行っておる。最新鋭でも四円五十銭になる。四円五十銭でできるということが事実とすれば、一刻を争わなくちゃならぬということが一つと、いま一つは、その品物を持ってきて実際に当らしてこそ初めて研究修得ができるのであって、品物を持ってこないで、ただ研究ばかりしていたら、労力が多くして効果が少い。なるほどそんなら、技術者がほしければアメリカ海外へ留学させればいいじゃないかと言うかもしれませんが、これは留学させてもなかなか詳しく見せないものです。それだから、これはやはり日本の手で国産炉を作るのならば、この炉を早く買って、たくさんの技術者に習得させる、そうすれば日本原子炉発電の時期も早まる、また原子炉電力の危機を幾分なりとも救える、こういう考えで、一日も早くやりたいという考えでございますから、どうぞこの点を御了承願いたい。
  9. 前田正男

    前田(正)委員 正力大臣の御答弁で大体わかるのでありますけれども、要するに、一般に、原子炉の型というのはまだこれからいろいろと進歩する可能性もあるから、まだどういう型が有利であるということがはっきりしないときに、急いで買うのはおかしいじゃないかという議論もあるのです。今のお話のように、採算が合うならば、この際日本電力事情とか教育関係から可能性のあるものはすぐ買わなければならぬ、これは私ももっともだと思うのでありまして、現在火力発電等を相当外国から輸入しておりますけれども火力発電自身新鋭火力等の能力もしょっちゅう変っておるのでありまして、最近は土十五万キロまで輸入するが、一年前までは十何万キロのを輸入しておったということでありますから、必ずしも途中の段階において輸入したらいけないということではないのです。現に火力は途中の段階で輸入しておる。しかし、これが一応安定した状態であれば、その状態で急いで入れるということが日本電力事情のために必要である、こういうことだと思うのです。従って、型が未定であっても、安定した型であるならば、これを輸入していくのが日本電力事情の要望にこたえるものだと思うのであります。  そこで、採算に合うということを今盛んに言っておられるのですけれども、三円八十銭ですか、その基礎になるところをごく簡単に、あまりこまかいことはけっこうですから、何万キロで総額幾らで、日本幾らで買うとか、建設費幾らというアウトラインの数字だけを、局長から言っていただきたいと思います。
  10. 佐々木義武

    佐々木説明員 それでは私から採算の問題に関しまして、御報告申し上げます。私ども計算基礎にいたしましたのは十四万キロのコールダーホール改良型でございまして、熱出力は五十二万キロでございます。送電端電気出力が十四万キロ、熱効率は二七%でございます。そうして建設費計算して参りますと、全市で二百七億、キロワット建設コストが十四万八千になっております。その内訳はいろいろございますけれども、この中で特に問題となりますのは耐震費——地震に対する費用をどう見るかということでありますが、私どもはその地震対策に関しましては、特に発電部門は従来の発電の操作と同じでございますから、原子炉並びに熱交換器部門さえ見ればそれでけっこうではなかろうかというふうに考えまして、全所要資金の四〇%のさらに一〇%をこれに充ててございます。それから建設利息の問題でございますが、これに関しましても、従来から考えました通り利息をつけてあります。さらに予備費を十億とっておきまして、これによりまして、不時の場合あるいは思わざる費用がかかる場合にまかなってはどうだろうかという安全度をとっております。この十四万八千というキロワットコストは、実は英国の方で出しておりますのはこういうコストではないのでありまして、十二万五千から十三万五千というのが海外で建てた場合のデータ・ブックに載っております。ただその後英国の業者からの申し入れによりますと、十五万キロでありますれば十一万八千、二十五万キロであれば十一万というふうに非常に安いものを持ってきておりますので、その十二万五千の方を基礎数字に押えまして、そしてただいま申し上げました耐震費あるいは予備費等を加えまして、十四万八千に計算をしてみたわけでございます。それから初期の燃料装荷量でございますが、これは天然ウランが二百五十トン要りまして五十億、さらに年間の取りかえ量を少し余裕を見て五十トンと見まして十億、計二百六十七億——二百七十億ばかりが所要経費になっております。  次は発電コストの問題でございますが、これは金利が一番問題になるわけでございますけれども、一応の資本構成といたしましては、二百七十億の内訳を、百億は民間の各会社が出資し合う。メーカー並びに九電力電源開発、この人たちが出し合って百億を出資いたしまして、あとの九十億は外資にたよってはどうだろうか、残りの八十億は一応開銀から予定したらどうだろうか。これは主として利子計算からでありまして、市中の方は一応借り得るでございましょうが、開銀を予定しておるわけでございます。開銀外資利子は六・五%——外資の六・五%は少し高いのでありますが、こういうときにはなるべく安全計数をとった方がよろしくありますので、六・五%の外資にいたしまして、開銀も六・五%にして、そして保険料、これも問題になっておりますが、これは非常にアンノウン・ファクターでございますけれども、これも従来の火力に比較にならぬくらい一応大きく見てございます。  そういうもの全部、燃料費、直接費、間接費を合算いたしまして、そうして配当を四分にして、固定、法人税等もかかりますから、それを全部合せまして七・四%の利率を出資に対して考えてみますと、キロワット・アワー当り四円四十六銭という計算が出ます。同じようにいたしまして、もし配当を全然しない場合にはどうなるかということでございますが、配当をしないということはあり得ないわけでございますけれども、三円七十二銭という計算をしてございます。
  11. 前田正男

    前田(正)委員 その二百七億の建設費のうち、どのくらいを国内でやるのですか。
  12. 佐々木義武

    佐々木説明員 これは実際の建設費に対してのネゴシエーションをとらぬと明確に出ないわけでございますが、ただいま向うから——これは政府じゃございませんけれども、業界から申し出ておりますのは、六割くらいは日本国内で作るのじゃなかろうかというふうに申しております。
  13. 前田正男

    前田(正)委員 その点はこのくらいにして、次に大臣一般的な問題として、こういうふうな実用炉を作る以上は、当然一般協定を結ばなければならぬと思うのです。イギリスアメリカ燃料の必要があればカナダ、この一般協定を締結する可能性があるのですか。またいつごろそれを国会の承認を求める可能性があるのですか。それによって実際の炉を買える可能性があるかという問題になってくると思いますので、これについてはどう考えておりますか。
  14. 正力松太郎

    正力国務大臣 実は動力協定を結ぶことについて一番心配しておったのは、秘密条項でございます。秘密条項をアメリカイギリスが持っておるために、日本原子力の三原則には反するので なかなかむずかしいと思っておりましたところが、幸い昨年イギリスアメリカも秘密条項を除くということを言いましたから、非常に安心をしておりますのと、いま一つは、日本も国連に加盟いたしましたから、あの国連の条項内で結べば楽だという考えでおりますので、できるだけこれも早くきめて、国会の承認も国会を開き次第、一つ求めたいと思っております。
  15. 前田正男

    前田(正)委員 国会を開き次第というと、臨時国会をやるかもしれませんが、臨時国会では間に合わない、通常国会だと思います。それでは通常国会にそれが提案されるということにいたしまして、そういうふうな一般条件がそろうということになりますと、先ほど大臣お話の、この際実用的な規模のものを買うという問題が出てくると思うのですが、われわれの党におきましても、過日党議をきめて発表してあります通り政府といたしましては、従来の日本研究を推進して、日本で国産的な動力炉まで作っていくという立場から、政府出資のものは、原子力研究所におまして、従来の政府の方針に基いて、政府予算によってやっていかねばならぬ、そういう意味から、この際動力炉の試験炉は一つ政府の金で原子力研究所の方に買ってこようじゃないか、こういうふうにわれわれは考えておるのであります。実用規模の問題につきましては、何と申しましても、現在の日本の財政規模から見まして、政府予算等によってこれをやるということは、非常に困難であることは事実であります。従いまして、今のお話のように、これは急ぐものでありますれば、当然採算ースに合うものでありますから、民間方式でやるべきではないか、こういうことを決定いたしたのであります。先ほどその点につきましては、その趣旨に沿って大臣も御善処され、また原子力委員会決定された、こういうことでございますけれども、この問題については、われわれの方といたしましても、前の宇田大臣が外遊されるまでに意思統一をしておかなければ、少くとも担当大臣が外国へ行って、意思が乱れておっては困るということで、閣議でも了承されて、その線に沿って、また党の方も先にきめて、閣議で了承したわけですが、その線に沿うて大臣も外国を回っておられるわけであります。また、国会におきましても、その当時、予算委員会で、たしか岡委員だったと思いますけれども質問がありまして、総理大臣、大蔵大臣は、実用的なものは民間ースの方式でやるんだ、こういうふうなことを答弁しておられます。また今回のこの問題については、先ほど大臣の御説明にもありました通り民間はもちろん、学界もあげてこの方式に賛成である、こういうことであって、その結果によりまして原子力委員会決定したということでありますが、新聞その他によって見ると、どうも政府の内部の方で意見が不統一のように考えられるわけです。原子力委員会決定というものは、政府がこれを尊重することになっておる。また担当大臣初め、党、学界その他すべてこの線に沿っておるというのに、政府の内部で不統一ということでは困るわけでありますから、この点については、一つぜひ大臣としても御善処願わなければならぬと思います。原子力委員会決定というものは、政府はこれを尊重すべきであるということに対して、今度は国務大臣として、あくまで政府意見の統一をしていこう、それを尊重していこうということについて、どういうふうにお考えになっておるか、一つお伺いしたいと思います。
  16. 正力松太郎

    正力国務大臣 ただいまの御質問は、まことにごもっともな御質問でございまして、お話通りに、原子力委員会決定政府が尊重する、これはまた法律できめてあることであって、この原則が破れたら、もう原子力行政はだめです。それだから、私は閣内不統一も起らぬと思うております。また、それでなければ、国会のほとんど満場の承認を経た原子力委員会というものは、要らなくなってしまいます。だから私は閣内の不統一ということが世間にはいろいろ流布されておりますけれども、不統一は起らぬようになると自分では思っております。
  17. 前田正男

    前田(正)委員 それでは、一つ大臣の御善処を特にお願いいたします。われわれといたしましても、党の方針はきまっておるわけでありますから、党の方針と食い違ったようなことを政府でやられても困りますので、その点も特に念を押しておきたいと思うのであります。それからこの党の方針につきましては、最近のいろいろな新聞紙上の話等もございますので、さらに最近におきましても、われわれは政策審議会、及び党の委員会等においても再決定いたしまして、従来の方針は一つも変更する意思はございませんので、その点も申し添えておきます。一つ党の方針にあんまり反しないように、政府は進めていただきたいと思います。  そこで、大臣はこの方針に沿うておやりになるお考えのようでありますが、この新会社というものは不明瞭なところがまだあります。われわれは民間ースというような党の方針をきめたのでありますが、それに対しまして、具体的に、行政的に、どういうふうにお考えになっておるか、そのうちの重要な問題を二つ三つお聞きしたいと思うのであります。まず、この民間ースでおやりになるところの新会社というものは、商法によるところの会社としてお作りになるつもりであるかどうか、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  18. 正力松太郎

    正力国務大臣 今の点もだいぶ世上で問題になっておるようでありますが、これを民間ースでやる、商法に基いた会社にする、ただここで一つ考えなければならぬことは、原子力行政というものは非常に重大なことでありますから、その会社の役員については、公けに言うことではありませんけれども、私は一つ政府の同意を得るようにしたらよかろうという考えを持っております。別に干渉はいたしませんけれども、こういう重大な会社だから、それだけくらいの点はしなくちゃならぬかと思っております。
  19. 前田正男

    前田(正)委員 その点は、結局商法による会社だということになりますと、法制上の同意ということではないというふうに思いますが、そうでございますか。
  20. 正力松太郎

    正力国務大臣 この点はなおよく——どもとしてはそういう意味に解釈しております。
  21. 前田正男

    前田(正)委員 それでは商法による会社ということにいたしまして、その事実上の同意を得られるということでありましょうが、その次にはそれを作るためにこの際準備委員会を設けるということを経済閣僚会議できめられたようであります。この準備委員会というものは、閣僚というか政府の方で作るのですか。民間の商法による会社ならば、民間準備委員会でなければならぬ、いわゆる民間会社を作るための民間の設立準備委員会でなければならぬと思いますが、この点についてはどういう方式の準備委員会をお作りになるのか、その性格は、商法の会社を作るための設立準備委員会的な性格のものであるか、その点を一つ明らかにしていただきたい。
  22. 正力松太郎

    正力国務大臣 商法によると言うておりますから、むろんこの会社民間人を中心とした会社であります。ただ、先ほど申しておるように、法律上は同意でないが、同意を得ることにしておりますから、政府の人も少しばかりそれに参加してそうして完全なものを作りたい、こう思っております。むろん委員長民間から出す……。
  23. 前田正男

    前田(正)委員 要するに、民間準備委員会だということになるわけでありますが、そこでその次の問題点は、準備委員会のままにおいて海外調査に行って、そうして一般協定を締結してから新会社を発足したらいいという意見と、やはりこの際、海外に行くにしても、準備委員会から新会社という受け入れ態勢を明らかにして、それかりでないと一般協定の締結等も困難であるし、また海外にいろいろと調査に行くのにも不便である、こういうふう意見が二つ分れておるように思うのでありますが、大臣は、いわゆる準備委員会から新会社に発足さしてそれか海外に行くなり一般協定の交渉に入ろうというふうにお考えになっておるかどちらであるか、またその理由はういう理由でそういうふうにお考えなっておるのか、明らかにしていただきたい。
  24. 正力松太郎

    正力国務大臣 原子力委員会決定といたしまして、そういう会社を作って、それからイギリス調査団を出す。そういうことをなぜ申しますかというと、今、準備委員会から海外に出ますと、向うでは日本のやつらはこっちの技術を盗みにきたのではないか、そういうふうな考えを持つと思います。現に四、五日前の新聞に、イギリスから、ロンドン特電で、日本はなかなかずるい、調査々々というて、こっちの技術を盗みにきておるのだというふうなことをすでに言うておるくらいでありますから、準備委員会から行くと、またそういう非難を受けます。そうしますと、行っても向うの計画書とかそんなのも見せません。そうすると、準備委員会が行ってもほんとうのことがとれません。それだから、今度は会社を作ってから行くことにしたいというのが、原子力委員会一致の意見であります。
  25. 前田正男

    前田(正)委員 それではこの問題はその程度にいたしまして、先ほどちょっと触れました動力用の試験炉を日本原子力研究所に三十三年度から設けるべきである、暫定的にいわゆる実用規模のものを入れるが、その基本的な日本研究態勢の方針が乱れては因るという方針をわれわれ党の方でもきめておるわけです。これに対しまして、大臣は三十三年度の試験用動力炉についてはどうお考えになっているか、一つお聞かせ願いたいと思います。
  26. 正力松太郎

    正力国務大臣 先ほども申しあげました通りに、とりあえず英国コールダーホール型を経済的に合うなら買うということになっております。原子力委員会としては、四十五年までの基本方針をちゃんと立てております。そうして、何としても研究日本原子力研究所を中心とする。だからそれについてはどうしても試験炉を国家で買わなければならぬ、こういうふうに思っております。
  27. 前田正男

    前田(正)委員 それでは、最後にもう一点別の問題でありますが、この前から問題になっております原子力委員会を強化する、あるいは科学技術庁の行政関係を強化するという問題があると思います。まだ具体的な案はできてないかと思いますけれども、…十三年度には、その問題をある程度明確にせられる方針でおられるのであるかどうか、この点について御検討されて、今また研究中でもけっこうでありますが、検討して明確にする意思があるかどうかということだけを、一つ明らかにしていただきたいと思います。
  28. 正力松太郎

    正力国務大臣 原子力委員会を強化するという声もありまして、それがためにいろいろな事務局を設けようという案がありますが、これはよほど考えなくちゃならぬと思います。いたずらに事務局などを設けて、一方には原子力局というものがありますから、またここが対立になってはいけませんし、今日の原子力委員会は、相当に強固なものと私は思っております。
  29. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、岡良一君。
  30. 岡良一

    ○岡委員 正力松太郎氏が三代目の原子力委員長に返り咲かれまして、原子力発電急ぐべしというものものしい旗さしもので、しらがを染めて、といってもあなたはしらがはないのですが、御出発になったので、その意気は非常に盛んだと私は敬意を表するわけであります。ただしかし、先ほど来、原子力委員長としての、原子力発電を急ぐべきだという御説明を聞いておると、実は私は原子力委員長の御説明としては、本筋じゃないと思う。あなたは通産大臣のかわりのことを言っておる。エネルギーが不足だから急ぐべし、安いから入れるべし、これは電力会社の社長の言い分です。これは決して原子力委員長の言い分ではないと思う。私は何となく納得がいきかねるわけです。そこで、原子力発電については、実は宇田さんにいろいろ前回の国会で聞きました。しかし御答弁はどうもとんとんというところで、十分納得がいきかねたのでありますが、今度は一つはっきり原子力発電を本領としておられる委員長の責任のある御答弁を願いたいと思う。ただ時間は、これも委員長あなたがおそく来られて午後にかかるので、責任があるわけです。ほかにわが党でも熱意のある質問者がたくさんおられるので、委員長におかれても、時間の点は十分御考慮願いたいと思う。そこで、この五日に原子委員会が臨時の委員会を開かれまして、いろいろ御決定にもなり、声明も出された。これを今いただいたわけでありますが、これを見まして、私はいろいろ矛盾があると思うのです。たとえば、とにかく原子発電は急ぐべし、従って発電炉は一つ早く導入すべきだという御意向を貫かれて、おるわけですが、前段を見ましても、発電炉を国産化する計画は、長期的な開発方針との関連において今後検討する、長期的な開発計画が先にあって、そこで具体的にどういう型の発電炉を入れるかということか決定されるべきものだと思うが、今お聞きすれば、この決定を見ても、こういうことが書いてある。原子力発電動力炉については、調査団を出した二で、どういうものが適当であるか、いつ入れるか等はきめる、こういうふりにいっておられるかと思えば、正力委員長、原子力局長は、コールダーホール改良型だときめてしまっておられるじゃありませんか。こういうふうに、だれが独走しておるのか知らぬが、非常に独走しておる。それはそうとして、この声明なんかを見ると、海では原子力発電は実用の段階に達しておるという。一体どこが実用の段階に達しておるのか。発電所専用の原子炉というのはどこにあるのですか。ないじゃありませんか。実用の段階に達しておるかもしれないが、現に実用化これていない。そういう点でも少し突っ走り過ぎておると思うのです。そういうようなところから、一つ簡潔に委員長所信を承わりたいと思うのです。この原子力発電をやるというときに、長期基本計画が必要である。十一月十日でしたか、内定はしておる。しかし決定として何も公表されていない。この前私が聞いたときにも、内定はしておるけれども決定版ではないと言っておる。ところが、今度はエネルギーの需給の逼迫といううたい文句を振りかざしながら、結局原子力発電コールダーホール改良型にするという。そこで日本原子力委員会の仕事が何かということを、私は非常に疑問に思うのです。やはり長期な基本計画を立てて、その基本計画の一環として、いかなる型の動力炉が必要かということをきめる。それがどこの国にあるかなんというようなことで、そういうところで日本の立ちおくれを克服するという努力が何もない。ただエネルギーが足りないから入れなければならぬという、従来の日本が繰り返したサルの人まねを繰り返そうというようなことでは、原子力委員会の本筋の仕事として私は納得がいきかねるわけなんです。その点一体、改良型を入れると、日本原子力研究、開発が具体的に進むというような何か具体的な効果があるのでしょうか、これは委員長どういうことなんです。
  31. 正力松太郎

    正力国務大臣 今度コールダーホール型を輸入するにつきましても、もちろん長期計画は大体立てております。これを実際に具体化する面において多少の行き違いもあると思いますが、大体は立てておるのです。そして、今度コールダーホール型を入れるということは、先ほども申したように、これが経済的に合うのだというならば、しかも民間がやるということならば、これをまず入れて、よく日本研究の用にしたい。だから、われわれは、ただそろばんに合うから、電力が不足だからコールダーホール型を入れるという意味じゃないのです。それによって日本原子力研究の発展の用になる、しかもそれが広く技術者も養成するようになる、こういう考えであります。それで先ほども申したごとく、海外に今から人をやってもなかなか見せてもくれぬ。そんなことをしてはいかぬから、自分で実際のものを持ってきて、これを広く日本技術者に見せもし、研究もした方が、日本原子力発展の上に非常によい、こういう観点の上に立っておるのであります。  なお、電力の問題につきましては、なるほどこれは通産大臣のことで、原子力云々という話でありますが、私はこれをやるについても、通産大臣とは十分打ち合してあります。そうして、この私どもの案について通産大臣も同意しております。そういう意味でやっておりますから、決してただ独走しておるわけじゃありません。
  32. 岡良一

    ○岡委員 それでは佐々木君、基本計画というのはきまっておるのですか。あなたが内定されたというので決定版かと言ったら、まだそうじゃない、検討を要するという御返事があったのですが、決定しておるのですか。
  33. 佐々木義武

    佐々木説明員 基本計画は、ただいま岡先生からお話があったように、昨年度内定したものがありまして、その後エネルギーの問題あるいは海外の進歩の状況等を加味いたしまして、委員会といたしましては、研究態勢の整備と、発電態勢の整備の問題を二本の柱にしまして、ずいぶん研究したつもりでございます。まだ最終的に具体的な問題を決定発表という段階にまでは至っておりませんけれども、内部的にはずいぶん具体的に深めつつございます。
  34. 岡良一

    ○岡委員 それでは、基本計画との関連の問題はまたあとでお尋ねしますが、先ほど委員長もみずから強調された原子力基本法では、平和、自主、公開という三原則がある。それで、具体的に、発電炉を導入する場合に、この三原則はどういうふうに生かされておりますか。
  35. 正力松太郎

    正力国務大臣 今度炉を入れますけれども、三原則にはみな一つも反したことはしておりません。あれに従うて、自主、公開、平和、その原則はどこにもあれしております。
  36. 岡良一

    ○岡委員 それでは、今度コールダーホール改良型を入れる——文献で読んでみると、大体一カ年に百キロぐらいはプルトニウムが出るのです。原爆の材料ですね。これは一体どうするのですか。御説明が何もないのです。
  37. 正力松太郎

    正力国務大臣 それはむろん出ますけれども、決して軍事用には使っていかぬということにしております。
  38. 岡良一

    ○岡委員 どうして使わしめないのです。(笑声)
  39. 正力松太郎

    正力国務大臣 それは詳しい相談はしておるようですが、私はよく存じませんですから、佐々木君から……。
  40. 佐々木義武

    佐々木説明員 国内的には、この前の国会で御審議をいただきました原子炉の規制法に明示してあります通り、そういうものが出ましても、それは平和目的に限るということをはっきりいたしておりまして、それが満足されぬ限りは、こういう会社は許可しないことになっておりますから、十分その点は許可条件としても取り締れるかと思います。  それから英国——しばらくこちらで処理能力がないわけでございますから、もし五年後になっても日本で処理できないという際に、向うにむしろ返すという場合にはどうなるかという点でありますが、英国の条文では——まだこれからの交渉になりますけれども、明瞭にこれは平和目的に限るというふうにしておりますので、日本から返したプルトニウムそのものをもって軍事に利用するということはあり得ないというふうに考えております。
  41. 岡良一

    ○岡委員 われわれに示した条文にそういうことが書いてありますか。その内容を見せて下さい。
  42. 佐々木義武

    佐々木説明員 平和目的云々というふうに明示してございます。
  43. 岡良一

    ○岡委員 英国の提案したのは、私ども資料としてお宅の方からもらっているのを読んでみると、燃料の灰は引き取りたい、しかしまた日本の方で処理をする希望があれば援助する。平和とか戦争とか何にも書いてないじゃないですか。
  44. 佐々木義武

    佐々木説明員 その後いろいろ向うからも資料が参りまして、そういうものを見ますと、そういうふうになっております。この前英国に行った際にも、その点の念を押したのでありますが、その線ははっきりしているようでございます。
  45. 岡良一

    ○岡委員 アメリカイギリス動力炉の売り込みで、日本は今一番のお得意にきまっているから、あなたが行かれればそう言われるでしょう、お客さんだから。それは一つはっきり資料を出してもらいたい。  そのほか、原子力発電についてもいろいろな新会社ができるが、現在構想されているようなもので一体発電の民主的な運営がやれるか。これはあとにも申し上げますが、率直に言えば、日本の独占資本に国家資本が援助して、電力という公共事業を独占化するという方向に行くより仕方がないので、これでは民主的な運営とは言えないと思う。しかし、こういう問題は議論の問題だから申し上げません。  それで、公開と言われるけれども、しかし一体新会社動力炉の管理がまかされて、良心的な科学者が、ほんとうに自由に開放されて研究ができるかどうか。これは原子力だけでなくて、過去のいろいろな事例から見ても、私はとても望めないと思う。そこにむしろ科学者の悩みがあるんじゃないか。そういう点は、いずれもっと具体化したらいろいろお尋ねしたいと思う。  しかし、コールダーホール改良型に踏み切っておる。腹は踏み切っておるが、原子力委員会決定としては、とにかく調査団英国にもアメリカにも出してみるんだという、これは非常に政治的な含みのある表現で、それは商売にかけても、職業野球でもテレビでも大成功された正力委員長だから、私はこれでもいいと思う。そこで、先ほどコールダーホールの改良型を入れると、なかなか容易に探知できないようなものを日本へ持ってくることによって、学者がいろいろ研究できる機会があろうというふうに言われました。そこで具体的に、一体持ってくればそういう機会が与えられるでしょうか。自動車を持ってきて、ガソリンを買ってきて、操作、運転の技術に習熟するということであって、原子物理学というものが基礎的に発展をする余地があるでしょうか。これは原子力局長、回ってみられたのだから、大体わかっていると思うのですが、どうなんです。
  46. 佐々木義武

    佐々木説明員 私ども一番考えておりますのは、先ほど大臣からお話もありましたように、従来の調査団形式では、いわゆる精密設計あるいは材質等の細部にまで入った調査は不可能なようでございまして、その問題をこれ以上推し進めるという段階になりますと、これを自力で推し進める以外にないのであります。しかしながら、会社を作って、そこが実際に契約に入る段階になりますと、もちろんそういうものは全部わかるわけでございますから、今後どうしてもこの問題をいち早く進め、あるいは将来、より進んだものを受け取る態勢を国内的に整備するという意味合いからいたしましても、今日の段階からいたしますと、早く契約を結んで、実際の精密設計なり、あるいは建設なり運転なりの技術を習得するというのが一番望ましいのじゃなかろうかと思います。ただ実用炉でございますから、これを意識的にとめて、そうして内部がどうなっているかというようなことは、運転した後におきましては非常に損になるんじゃなかろうかと思います。従いまして、そういう点に関しましては、先ほど前川先生からもお話がありましたように、試験炉の力を並行して進めまして、そういう足らぬところはそちらから補っていくというふうに、運転、設計、建設——運転の技術を片方で習得しながら、片一方の方は研究所の方で試験炉を動かしながら、両々相待ってその後の国産に向うというのが一番いい線じゃなかろうかという考えであります。
  47. 岡良一

    ○岡委員 そうすれば、コールダーホール改良型という実用向きな発電炉を入れても、とにかく原子力発電といえば高温であり高圧である、あるいは放射能があるということで、特殊な材料が要ると私は思うのです。ジルコニウムなりベリリウムなりステンレスなり、純度の高いものが要ると思う。こういう研究はやれない、これは動力試験炉の方でやる、こういうことですか。
  48. 佐々木義武

    佐々木説明員 原料の再処理の問題とか、あるいは燃料の使い方の問題、あるいは放射線の障害防止の問題、あるいは計測器は御承知のようにみんな新しいものでありますが、こういったものの技術を習得するといった問題は、こういう問題に関連して多々ございます。従いまして、今から四年半の間、実際に建設されるまでにまだ時間がありますから、その際にこういう契約を結びますれば、十分にそれに対しての理解において、総合的な技術の交換もできましょうし、また四年間、原子力研究所でその問題を進めて参りますので、実際に入ったころには、十分わが方の手で動かせる。また実用炉の建設状況を各国を見て回ったわけですが、これはやはり実際にみずから手なづけてみませんと、たとえば三インチのベッセルを溶接するにいたしましても、その溶接に対しては全部X光線で溶接を検査していくというふうなところまで精密な検査を要する事業でございますので、単にこうであろう、理論的にこうだというだけではつかめないものが多々あるのでございますから、実用炉と申しましても、自動車を輸入するというのとはわけが違いまして、やはりその間、そういうものの修得を十分身につけるというのが、一つの大きい意味かと考えております。
  49. 岡良一

    ○岡委員 そうすれば、一般協定を結ぶとき、協定の正文に入らないかもしれないが、交換公文なり何なり、そういう点ははっきりだめ押しをしなければならぬと思うのですが、そういう御用意はあるのですか。
  50. 佐々木義武

    佐々木説明員 向うでは、一般協定の内容にはもちろんそういう意味を含んでおりますので、その点は協定交渉の際に十分念を押すべきだと思っております。
  51. 岡良一

    ○岡委員 それから試験炉を入れると言われますが、そして前田さんに対する御答弁でも入れたいということを言っておりますけれども、きょういただいたプリントを見ますと、三十三年度の予算要求に関する方針がある。その中では、動力試験炉については舶用実験炉とあわせて目下検討中だというのだが、入れるか入れないかわからぬのですか。予算要求するなら、来月の初めにしなければならぬのじゃないですか。原子力委員会はまだ結論を出していない、これは入れるか入れないかきわめて不確かなものだ、実用炉だけは入れるにきめたが、試験炉の方はこの次だという考えですか。
  52. 佐々木義武

    佐々木説明員 この問題は、運輸省の方で船舶原子炉に関しまして研究を進めたいという意向が非常にございます。同時にまた、船舶用試験炉と申しましても、同じ動力試験炉で研究ができるわけでございますので、日本の今の財政からにらみ合せて、研究所でも作り、運輸省でも作るという必要はなかろう、それよりはむしろ両方共同して使った方が国のために一番いいのじゃなかろうか。さてそうなりますと、その炉の形なりあるいは大きさなりがどういうものかという点になって参りませんと、予算というのにはなかなか乗りにくいのでありまして、大きければそれだけ予算がふとりますし、小さければそれだけ少いという関係にもなりますから、そういう点を運輸省並びに原子力研究所の方で十分出していただくことにして、ただいま研究中でございます。そういうものがはっきりいたしますれば、予算にまだ時間がございますから、来年度の予算に盛っていただきたいと考えております。
  53. 岡良一

    ○岡委員 私の聞いている問題は、原子力委員会としては、実用動力炉も発注する、しかし動力試験炉も入れる。こういう方針であれば、予算の制約等、そういう条件の中で技術的に何をするかは日本原子力研究所がやればいい。原子力委員会としては入れるという方針に確定をしているのかどうか、これを見ると非常にあいまいだからです。
  54. 佐々木義武

    佐々木説明員 予算に関する大綱、予算に関連する大綱というだけで、そのもの自体はまだ原子力委員会できめたものではございません。原子力委員会の方では、せっかくただいま各省の予算に関しまして、各省の振り割りが終り、それを査定中でございます。従いまして、その成果が出ますれば、この問題ははっきりすると思いますが、岡さんのおっしゃるような方向に向うものと私は信じております。
  55. 岡良一

    ○岡委員 委員長、どうですか、私は必ず入れるべきものだと思います。
  56. 正力松太郎

    正力国務大臣 私もお説の通りと思います。
  57. 岡良一

    ○岡委員 とにかくこれも独走してやって下さい。  それからもう一つ、金属材料とか設計とかの問題とは別に、一般の常識としてあの基本計画という内定されたものの中にも書いてあるのだが、国産増殖炉は日本としては当然な目標でなければならぬと思う。そうすると、いわゆる天然ウラン・黒鉛の原子炉とか、今アメリカから話題になっている加圧水型にしても、天然ウラン・黒鉛型なんというものは、二十年前フェルミが作った。御承知通り加圧水型にしても、原子炉としては初期のものだ。だから、英国では御承知通りブリーダーが作っているでしょう。実験段階では、増殖炉はどんどん進んでいる。そこで日本のようにウラン資源のないところは、やはりウラン二三八か、あるいはトリウムから新しい燃料としてプルトニウムあるいはウラン二三三が作られて、これが活用される、こういう姿の増殖炉、だから燃料サイクルが非常に重要な問題だと思う。今後この決定にもうたわれているように、動力炉の国産をはかりたいという意図がはっきりあるならば、燃料サイクルの問題は非常に重要だと思う。コールダーホール次長型を入れるということは、日本にとっては、増殖炉を作る、燃料サイクルの問題というものがほとんど考慮されないということになるのではないですか。
  58. 佐々木義武

    佐々木説明員 増殖炉の問題の重要性に関しては、ただいまお話通りかと思います。従いまして、私ども三十三年度度からその具体体な準備にかかるべきか、あるいはもう一年引き続いて調査研究研究所で進めて、その後になって簡単な小さい試験炉と申しますか、そういう一ものを作るべきかという一つの大きい問題点があったわけでございますけれども、ただいまの段階では、少くともプルトニウムその他の試験準備もなかなかできておらぬ現状でございますので、来年一ぱいはもう少し机上調査と毒しますか、そういうものを進めて後に、そういうものの問題に真剣にかかっていくのがほんとうではなかろうかというふうに弔えているのでございます。実は、私技術者ではございませんで、英国のZEUSでありますとか、簡単なものでございましたが、ああいったものを日本でも作ったらどうだろうという話をしたところが、ああいうものこそ自分の手で作っていかないとどうもならぬというお話でございまして、そのためにはもう少し研究を進めた上で出発したらいいのではなろうかというのだが、ただいまの考えでございます。
  59. 岡良一

    ○岡委員 それは佐々木局長の個人的なお考えですか。
  60. 佐々木義武

    佐々木説明員 委員会の見解もただいまのところはそういうふうな見解でございます。
  61. 岡良一

    ○岡委員 決定……。
  62. 佐々木義武

    佐々木説明員 決定というよりも、予算の策定でございますので、策定の過程におきます空気は、そういう空気ございます。
  63. 岡良一

    ○岡委員 私はまだ、コールダーホール改良型を入れるということが、日本原子力基礎的な分野の総合的な発展にどの程度寄与するかということは、どうも納得がいきかねる。プルトニウムの処理にしても、非常にあいまいである。これは原子力委員会委員長も明確に平和云々とか言っておられるのだから、委員会の議事録にどういうふうに議論され、どういうふうに決定されているか、議事録についてこの際御報告を願いたい。
  64. 佐々木義武

    佐々木説明員 プルトニウムの処理等に関しては、この前の国会で、たしか原子力促進の決議をしていただく際かと承知しておりますが、付帯決議がついてございますので、私どもも今度宇田大臣等が外国を回った際に、正式交渉をしたわけはないのでございますけれども意見交換をした際に、その準備といたしまして、国会で御審議をいただました主要点を整理いたしまして、そういう点をいろいろ英米とも意見交換の形で確かめたのでございます。その点に関しましては、先ほど申しましたように、こちらで国会の御決議をいただいた線に関しましては、向こうでも決して不同意ではないという意見が明瞭でございました。委員会といたしましても、英米両案もずいぶん長い間検討いたしまして、委員会としての意見は出ております。ただいまはもこの三月でございましたか、四月かの閣議了解の線に沿いまして、各省と私どもの方で検討を加えておる最中でございまして、ただいままで二回検討を進めております。
  65. 岡良一

    ○岡委員 そうすると、プルトニウムの処理は、これは先の長いことでもありますし、日本も国際原子力機関の理事国になることが確定したのです。従って、国際原子力機関もここ当分の間はそれほどの活動を期待できないと思うけれども、いずれは核燃料の配給くらいは、醵出を受けてやるのだから、その次には、おくれた国で出てきた燃えかすからプルトニウムの抽出できる危険なものは、原子力委員会あたりが管理するのが一番正しいと思う。だから、日本とすればそういう方向に、これは外交政策として、日本原子力機関における代表は、一生懸命がんばってもらわなければならぬと思う。それは私の希望的な見解だが、さてコールダーホール改良型を入れるといった場合に、それが日本のいわゆる原子力の技術的な向上に役立つという点につきまして、原子力委員会は具体的にどういう方針で役立てようとしておるかということを論議されたと思うのだが、これを議事録について一つ報告願いたい。
  66. 佐々木義武

    佐々木説明員 その点は先ほども答弁いたしたわけでございますが、先ほど申し上げた通りでございまして、片一方は原子力研究所が主体になって基礎的な研究あるいは応用的な分野の研究を進めながら、一方英国コールダーホール改良型を入れますと、それに伴って設計、建設、運営等の諸技術が身につきますから、さらにそれと実際の応用研究をいたしました研究所の成果とを結合させまして、そして将来の基礎を固めていく、こういう考え方でございます。
  67. 岡良一

    ○岡委員 座談的にいろいろ委員会で話をされても、やはりこういう問題は正規な議事録で慎重に取り上げられなければならぬと思うのです。そういう点で、先ほどからお尋ねしていても、結局佐々木君が一人悪者にならなければならぬことになって、正力さんは自分の都合の悪いことは知らぬ顔の半兵衛で黙っておられるのは、非常にけしからぬと思う。(笑声)それはそれとして、これは前田君も問題にしたけれども、新会社受け入れ態勢、これをもう少しはっきりさせたいと思う。さっきからヒントン卿を持ち出して、採算に合うということを言っておられる。しかし、私が調べた文献では、これは一昨年のジユネーヴの原子力平和利用会議で、J・M・ケイ、これは英国の人だが、ケイの論文を見ると、特上の形の原子炉発電コストというものは、その設備の運転経験を十分積み重ねて行なっていかなければ、予定することができぬ。ところがコールダーホールというのは、今年から建設に着手したのだから、視察団の石川さんもその本体をごらんになっておらない、ヒントン卿も本体を知っておられないかもしれない。そこでケイはこう言っておる。現在の段階では、設備コストや設備の信頼度やその耐用年限について多くの推定が余儀なくされておる。同時に、燃料要素の照射レベルを推定し、その設備の燃料コストを推定しなければならぬ。とにかくケイやジュークスというようなコストについての専門家は、一にも二にも推定だと言っておる。私は推定を悪いと言うんじゃない、初めてやるのだから当然推定でやればいい。コールダーホールのプルトニウムと発電の両用炉は現に運転されておるのだから、その経験から推定されることは一向差しつかえない。しかし、いずれにしても、推定から、採算圏内にある、利益採算は十分とれる、こういうふうに言われるわけだ。ところがこういう推定から出発をしながら、先ほど局長お話によると、一基について建設費だけで二百七億ですか、そうすると二基、ペア・ワン・セットということになれば、四百億以上の金がやはり出る。そこへ電源開発が参加する。これは開発銀行から融資を受けたり、政府の投融資の対象になっておる。こういういわば国策会社が参加することになる。こういういわば九電力の、言ってみれば推定された採算、推定上採算がとれるというそういう予測の上に立った、いわば投機に国家資本が参加する。損をすれば国家資本がその損の穴埋めを引き受けなければならぬという格好にもなり得るわけだ。こういうことに国策的な会社を参加させるということは、さっきも申し上げた通りに、九電力というふうな日本の基幹産婆に対する独占的な支配力を持っている大産業資本家というものを国家が援助するということにしかならない。社会党があなたのところに持っていったのもそれです。公共性ということを言うたのもそれなんです。こういう形が果して妥当なのか、その点どう思われるか。
  68. 正力松太郎

    正力国務大臣 それで、九電力だけでありませず、これにメーカーも加え、さらに電発も加え、そうしてやろう、こういうわけであります。
  69. 岡良一

    ○岡委員 だから問題は、九電力のほかにあるいは東芝が入るかもしれない、三菱電機が入るかもしれない、旭化成も入るかもしれない、みんな日本の独占資本じゃありませんか。結局それに国の資本も参加して、しかも推定された資本だから穴があくかもしれない、穴があいたときには国民の血税をもってその穴埋めをしなければならぬということになる。こういうことは、いわゆる民主的な運営という立場から見ても、私は非常に疑義があると思うが、どうなんでしょうか。
  70. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は単なる推定でやっておるわけではございません。推定と言われたが、十分調査をして、調査済みの上、もう一ぺん調査しようということでありますから、間違いはないと思っております。
  71. 岡良一

    ○岡委員 問題は、いわゆる調査されても、出てくる結論は、推定の上に立てられた結論だということです。ほんとうに確かな結論というものは、あなたの輸入したいというコールダーホール改良型が現に逆転をして、一年でも二年でも三年でも運転した実績から、それこそ信頼するに足る数字が出てくるんですよ。ところが、あなたが輸入」しようというコールダーホール改良型は、今年これから英国がやっと建設にかかるのです。一九六一年に初めて発電を始めるんですよ。してみれば、現在運転されておるプルトニウムと両用の、古いコールダーホールの炉、これの運転の経験から得た数字をもって推定をされているものだ、ということは、これはいなめないじゃありませんか。だから、そういう推定の基礎の上に採算が合うとか合わないというようなもにの、間接にしろ、直接にしろ、国家の資金が投入されるということは、私は国の立場から見て、決して妥当な方法ではないと思うが、それはどうですか。
  72. 正力松太郎

    正力国務大臣 多少これは見解の相違になるかもしれませんが、とにかく先ほど申しました通り電力事情が非常に逼迫しておるという事実がある、また電力料金がこれからまた上ろうという事情がある、そういうことさえなかったら、あなたがおっしゃる通りに、何も急がぬでもいいかもしれない。しかし、そういう事情があるから急がなければならぬというわけであります。しかも、単なる推定ではなしに、幾たびも調査して、それで間違いないというところでいこう、こういうわけであります。  なお、これを全部血税と言われますけれども、全部国家資本でやることになれば、それこそ血税になりましょう。それだから、その意味において民間資本も入っておるということは、その会社の損になるからです。それによって電力料金の値上げのようなことにはならぬと私は信じております。
  73. 岡良一

    ○岡委員 話は違うのだが、そんなことを何も私は言うておるんじゃないんです。これは私も実は十分勉強しておらないのです。だから、どういう形態がこの場合いいのかということは、私は十分勉強しなければならぬと思いますが、いずれにしても私は社会党が先般あなたに申し入れしたように、もっと公共的な管理というか、そういうようなものを持った経営の形態が必要だと思うのです。こういう点はいずれ佐々木さんなり田中さんからあらためて御見解をお開きしたいと思います。  そこで、これもさっき前田さんが言われた問題なんですが、私は別に河野さんを支持する立場からものを言うのじゃないけれども、現在いわゆる電力の再々編成などということが言われておる。理由としてあけられておることは、やはり日本発電所なり電力の運営を効率的にやろうというような趣旨のようです。ところで、私どもはこういう公共的な事業、国の基幹産業というようなものは、やはり社会化さるべきだ、国家の一元的な計画的な運営が望ましいという立場に社会主義の政党としては立つわけなんです。そこでこの問題については有澤委員に御出席いただければ、もう少しはっきりした御意見を教えていただけると思うんだが、どうもあなたではこういう話をしても仕方がないけれども……。  ところで、話によると、経済閣僚懇談会では、何か新会社の政策をきめた、私どもそれは非常に遺憾千万だが、御熱心な正力委員長がシャット・アウトされたのではないかと実は心配しておるのですが、これはどういうことですか。
  74. 正力松太郎

    正力国務大臣 新聞紙上では経済閣僚懇談会できめたとありましたが、何もそんなことはありません。しかもあれは経済閣僚懇談会のときにたまたまああいう話が出たたけなんです。もちろん原子力関係担当の私をおいて、経済閣僚懇談会できめるようなことはありませんから御安心下さい。たまたまそういうことか出ただけなんです。
  75. 岡良一

    ○岡委員 しかし、これは総理に報告されたのですか。原子力委員会として、ちゃんと規定された通り、総理に報告されたのですか。またそれはいつですか。
  76. 正力松太郎

    正力国務大臣 原子力委員会決定しましたから、その翌日の六日に報告しました。総理も、原子力委員会決定を尊重すべきことは、十分知っております。
  77. 岡良一

    ○岡委員 文書で報告されたのでしょうね。
  78. 正力松太郎

    正力国務大臣 文書でもし、さらに私がつけ加えもしました。
  79. 岡良一

    ○岡委員 文書というのはどういう文書なのですか。プリントのこれを差し出したのですか。
  80. 佐々木義武

    佐々木説明員 はい。
  81. 岡良一

    ○岡委員 あなたが今言われたように、そういう事実がなければそれでいいと思うんだが、四月の何日の日でしたかに、閣議了解事項でしたか、決定事項でしたか……。
  82. 佐々木義武

    佐々木説明員 了解事項です。
  83. 岡良一

    ○岡委員 ありましたね。一般協定の締結、動力炉導入のことについては、関係行政機関云々という、あれを一ぺん読んでくれませんか。
  84. 佐々木義武

    佐々木説明員 きょう、その資料を持って至りませんでしたので、恐縮でございますが、正確なことは次の機会にお願いしたいと思います。
  85. 岡良一

    ○岡委員 とにかく実際に親愛なる正力委員長がシャット・アウトされておられないならば、私はそれでいい。しかし、そういうことになれば、原子力委員会決定の内容いかんにかかわらず、私は原子力委員会の権威のためには、まことに遺憾千万だと思うのです。
  86. 正力松太郎

    正力国務大臣 たびたび申したように、経済閣僚懇談会は、ほかの問題の懇談会であり、たまたまそれが出ただけなんです。先ほども申し上げた通りに、原子力問題を経済閣僚懇談会できめるのじゃありません。きめるのは原子力委員会です。ただ、いろいろの経済の問題もありますから、関係経済閣僚の意見を聞く必要があります。それだけです。経済閣僚懇談会でこの問題をきめるなど、もってのほかです。そんなことは断じてありません。
  87. 岡良一

    ○岡委員 それを聞いて安堵したんですが、私は四月の閣議了解事項は生きておると思う。はっきりした文書は今そこにないそうだけれども、こう書いてあるのです。要するに、動力炉輸入のための一般協定等については、とにかくその時期、方法その他必要な事項は、関係各行政機関と協議をして決定するとなっている。これはあくまでも原子力委員会の主体性というものが、あの決定の中に盛られているわけなんです。だから、原子力委員会が八月五日に堂々と決定をする、前例にもなく声明までも出している状態なんですから、あくまでも原子力委員会の権威を老いの一徹でぜひ守っていただきたい。もう一ぺん御心境をお漏らし願いたいと思います。
  88. 正力松太郎

    正力国務大臣 間違いありませんよ。
  89. 岡良一

    ○岡委員 ただ、しかしこの際、単に形の上では原子力委員会決定を守る。——経審長官河野さんにここへ来てもらってもいいのだけれども、気の短い二人にここで並んでもらうと、けんかになると因りますから、私は遠慮しているわけなんです。しかし、とにかくああいうふうな問題が起ってくる、巷間に流布されるのも、やはり一半の責任は原子力委員会にあると思うのです。その責任は何かというと、原子力委員会が非常に確たる長期計画を持って、だれが見ても専門的に非の打ちどころのない長期計画を持って、しかもその長期計画の中でこの炉だという一つの基本線を持たせていく、こういうような本筋を出す努力の過程において、コールダーホールの改良型の資料が出てくるということならば、私はやはりきぜんたる態度が持てると思う。ただエネルギーが足らない、採算割れするかもしれないが、間に合うだろう、電力会社はやっきになっているだろう、電源開発方面ではおれの方にやらせろという、そういう渦中にあなた自身が飛び込んでいくようなことになると、もう結局とどのつまりが原子力委員会決定が空転して、原子力委員会でない場で問題が処理されていく危険が生まれてくると思うのです。だから、このような経験は——これはぜひとも委員長としては確固不動の信念で、がんばってもらわなければならぬ。原子力委員会の重大な慣例を作ることです。けれどもどの型を入れるとかいうような問題は、はっきりと基本計上画の中で、こうでなければならぬという——それは一案も二案もあってもいいでしょう、そういうものがあって、大きな計画の中でそれが決定されるということならば、河野さんだって 一萬田さんだって、動かさないと思うのです。ただ、それをエネルギーが足らないといっている、やっても損はしないだろうというような、いわば非常に便宜主義的に飛びつかれれば、こういう反撃を受けたり、抵抗を受けることがあると思う。返す返すくれくれも、原子力委員会としてはそういう意味でもっと基本線をはっきりとするという態度を、今後は十分今度のことを教訓としてやってもらわなければならぬ。私はだれが何と言ったってやるんだということだけじゃなくて、やはり多少はそういう点は顧みなければならぬのじゃないかと思うのです。  それから、委員長に苦言を呈するというわけじゃありませんが、あなたはとにかくヒントン卿の〇・六ペンスをまるでつきものにつかれたような格好で、どこへ行ってもこれなんです、ああまたかと人が言うくらいですからね。しかし、こういう問題はあんまり——それはあなたがいつも御自慢になるように、職業野球やテレビでは御成功になったかもしれないが、原子力の方ではそうはいかない。損をしてもやらなければならぬものは、やらなければならないのです。それはまあ損をしないに越したことはないけれども。国の方で思い切って資金投下して、原原子力の進んだ国に追いつき、追い越すくらいの努力をすべきである。日本には科学水準としては潜在的な能力があるのだから、これを動員し、これを鼓舞してやるくらいなことをしてもいいと思うのです。すぐそれを利益採算で損か得かというようなことでいって、今さらあなたにその頭を切りかえてくれと言ってもむりだろうけれども、そういうところにもやはり日本原子力委員会の、原子力行政はいかに進めるべきかという正しい心がまえが少し私はずれていると思う。これからもあるだろうと思うけれども、われわれはないように大いに手綱を引っ張っていこうと思うが、あなたも一つ御注意願わないと、落っこちてしまう。  それから、さっきのコールダーホールのことについては、いろいろ御説明があった。そこで、ウラニウムの初期装荷燃料としての天然ウラン、これはワン・セットで五百トン要るんですか。一トンは幾らですか。
  90. 佐々木義武

    佐々木説明員 二百五十トン所要量、一トンの単価は二千万円でございます。
  91. 岡良一

    ○岡委員 一基の場合ですね。
  92. 佐々木義武

    佐々木説明員 そうでございます。
  93. 岡良一

    ○岡委員 天然ウランの価格が一トン二千万円というのは、一体どういうことなんですか。うのみにしておられるのですか。
  94. 法貴四郎

    法貴説明員 AEAから出しております文書に、はっきり値段が書いてあるわけであります。それは加工料も入っております。
  95. 岡良一

    ○岡委員 鉱石から精練して成型し、装入してくれるまで入っているのですか。
  96. 法貴四郎

    法貴説明員 その形のままで装入できるところまで加工したものです。
  97. 岡良一

    ○岡委員 原料は、これは正力委員長にはっきり聞きたいのだが、あなたはエネルギーが足らぬ足らぬと一人で警鐘を乱打しておられるわけです。そこで、今注文すると、五年後にどうやら運転をして出てくるのが三十万キロワットか二十八万キロワット、それじゃ追っつかないじゃないですか。あなたの方針とすれば、来年も再来年もどんどん注文していかなければならぬというような考えなんですか。これだけやってみるのですか。
  98. 正力松太郎

    正力国務大臣 エネルギーは、先ほど申し上げたように非常に切迫しております。同時に今度長期計画としては、四十五年までには三百万キロワットを出す計画を立てております。そういうわけでありますが、今度イギリスからとりあえずコールダーホール型を入れますが、この新会社でやらせるのは、ただそれだけをやらせるつもりであります。その結果を見てまた別に考えるわけであります。
  99. 岡良一

    ○岡委員 結果を見るといっても、他の国にあまりサンプルがないようなんですが、そこで四十五年までに三百万キロワットとすれば、これはやはり二十基入れなければならぬでしょう。そういう方針ですか。
  100. 正力松太郎

    正力国務大臣 これは、今までは英国コールダーホール型十四万キロワットを一基ずつ入れると言いましたが、この間また最新情報が入ってきましたところによりますと、二十八万キロワットのものを入れろ、そうすれば値段もずっと安くなるとまでいってきておりますので、どんどん安くなる傾向がある。そうすれば、これは私は単なる二基ではない、その間に日本でもできるし、そして相当の電力はふやせるんじゃないかと考えております。しかし、これは将来のことですから、まだはっきりわかりません。ただ計画だけは立てております。将来のことは、神様じゃないですから、はっきりは言えません。
  101. 岡良一

    ○岡委員 その計画はどういう計画ですか。
  102. 正力松太郎

    正力国務大臣 つまり、四十五年までに三百万キロワットを出すというのが、大体原子力委員会のきめている方針です。
  103. 岡良一

    ○岡委員 そこで心配なんですが、初期装荷の燃料として五百トン入れる。そのあとあと五十トンずつ要るわけでしょう。そういうふうに、天然ウランというものはたやすく入手できるだけの、一方に保証がなければ、うかつに入れたところでえらいことになる。この保証は、この間から佐々木君が回ってきたのだが、何か確実なめどがありますか。
  104. 佐々木義武

    佐々木説明員 この点は、宇田大臣が参りました際も一番重要視した点でございまして、繰り返し向う側に確かめたのでありますが、英国の方の話では、契約の内容に盛られた所要燃料は絶対に確保する、質、量とも間違いありませんという御返答のようでございます。米国の方は、ここにおられる菅野委員長がみずから向うでいろいろお話し合いを願ったのでありますけれども、その際、向うの責任者の話では、二十年間保証するが、それでどうかというお話がありました。
  105. 岡良一

    ○岡委員 だいぶ、あと質問の方もおられますから、最後の二点だけですが、さつき佐々木君の発表された数字、一キロワット・アワーの発電コストというのは、プルトニウム・クレジットは入っておらないのですか。
  106. 佐々木義武

    佐々木説明員 プルトニウムの計算でありますが、これは私どもこちらから一応使用済み燃料を返して向うで処理するということを想定して作っておりますので、できたプルトニウムの買取値段と、こちらから送る輸送賃というものの比率によってきまるものでありますから、英国の方はこの分は相当プラスが出てくる、言いかえれば、もっとコストが安くなるというふうに書類には出ておりますけれども、こちらから送る輸送賃がまだはっきりしませんので、その点は相殺いたしましてパーにしております。従いまし出て、この計算からは除いております。
  107. 岡良一

    ○岡委員 プルトニウムだってあっちこっちどんどんできれば、アメリカの濃縮ウランみたいに、過剰生産とまではいかないまでも、相当に生産量が伸びてくれば、元来こんなものは相場のあるものではない、商業的製品でない、政治的価格だから、動揺すると思う。そういう点を、ただ漠然とパーにするというんじゃなしに、綿密に計算しなければならぬのじゃないですか。  もう一つ、一体コールダーホール改良型という、いわゆる天然ウラン・黒鉛炉などという古色蒼然たる古いものを入れたり——今のお話によると、どんどん炉が改良されて新しいものが入ってくる。これはベース・ロードで計算しているんでしょう。この発電コストというのは、ピーク・ロードに持っていかなければならぬような時代がきませんか。そうなってくれば、やはり発電コストといったって変化してくるわけです。こういうことも計算に入れているのですか。
  108. 佐々木義武

    佐々木説明員 原子力発電の内容は、御承知のように、これは終始ピークをとるために変えますと、経済上不利になりますので、あくまでもこれはベース・ロードをとる発電というふうに考えております。従いまして、先ほど申しましたように、その出力の算出の方法等は、一応ピークをとるための発電でなくて、所要の電力は設備利用率八〇%で出せるという計算にしております。
  109. 岡良一

    ○岡委員 問題は、時代が移り変れば、それは水力から火力がベースになる、火力も古いのはだめで、新鋭がベースになるというふうに、日進月歩の勢いで原子力発電が進んでいけば、今入れたものも五年後になれば古いものになる。新しいものを入れてくれば、これがベースになって、今のコールダーホール型がピークになるということは十分あり得ることだと思うのですが……。
  110. 法貴四郎

    法貴説明員 確かにお説の通りですけれども原子力発電の全体の電力に対する割合というのはまだまだ大したものでございませんから、八〇%程度で当分運転し得るという見込みで一応考えられております。貯水式の水力発電所とか、現在のベースを持っている火力発電所が尖頭負荷をもちまして、原子力発電では原則として基底負荷に使うということが言えますから、八〇%という勘定は、当分の間は成り立つんじゃないかと思います。
  111. 岡良一

    ○岡委員 専門の話はエキスパートの佐々木さんもおられますので、いろいろお尋ねしたいけれども、きょうはこれでやめます。一つ正力さん、老来大いにむち打って、がんばっていただきたいと思います。
  112. 菅野和太郎

    菅野委員長 次に、田中武夫君。
  113. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この原子発電炉の受け入れにつきましてのわれわれ社会党考え方は、去る七月の二十六日委員長へ申し入れた通りであります。そういう立場からこの問題について、一、二の御質問をいたしたいと思います。  まずお伺いいたしたいのは、これは原子発電と申しましても、やはり電力全般の上に立って考えねばならないと思うのです。そこで、きょうは実は通産省の公益事業局長にも出てもらうように言っておったのですが、何か会議の都合で出られないそうですけれども、現在、政府では、電力行政についての基本的な方針がまだはっきりしていないのじゃないかと思うのです。たとえば、現在の九電力会社を四つのブロックに分けるかどうかというような問題も、今出ておるような問題でありますし、あるいはまた料金の問題にしても、今後原価主義を貫いていくのか、あるいは政策料金ということも考えねばならないのか、こういうようなことについても、まだはっきりとした政府の一貫した電力行政についての方針が出ていないと思うのであります。そういうときに、この原子力発電の問題だけが、先ほど来独走とか先走りとか言われておるが、どうも先走りのような感じを受けるのです。これは通産省に聞くべきことだと思うのですが、正力委員長は、全体的に電力をどう眺めて、今後料金の問題とか、あるいは冠力の再々編成のような問題を考えられますか。そういうものと関連して、今持っておられるいわゆる正力構想なるものの関係を伺いたいと思います。
  114. 正力松太郎

    正力国務大臣 電力全般の行政については、お話通りに通産省でやっておりますので、私どもがとりあえず考えておりますことは、原子力委員会としては長期計画は立てておるけれどもし、まずここに採算の合うものがあれば、それによって研究を進める上において、とりあえずそれを入れる。今度新会社を作っても、その新会社でどんどんこれから外国の発電を買ったり何かしてやらせるのではないのです。新会社は暫定的のつもりでおります。  それから全体の原子力行政については、それは通産省でやっておったのであります。電力の問題にしても、私ども電力の足らぬことを憂えて、それを原子力によりて何とか幾分でもカバーしていきたいということを感じておるわけであります。
  115. 田中武夫

    ○田中(武)委員 電力が足らぬことを憂えて、何とか早くその面をカバーするために原子力発電を急いでおるのだ、こういうことなんですが、また先ほど来の御答弁の中にも、十分通産省等とも連絡をとってやっておる、こういうことなんですが、それでは一体この電力行政というものは通産省がやるのである、現在の火力あるいは水力でどれほど将来においてバランスが破れてくるか、こういうことを見た上で、今度はその足らぬ面を原子発電によるのだ、こういうように考えていくべきじゃ、ないかと思うんですが、どうなんでしょう。それからもう一つ、料金の問題にしても、現在一応原価主義が立てられておりますが、原子発電をやられる場合にも、将来やはり原価主義でいくのか、政策料金というものを考えていくのか、こういう点については、これは電力一般の問題としては専門外かもしれませんが、そういうことをどう把握せられて、どう考えられていくのか、それを一つ伺います。
  116. 正力松太郎

    正力国務大臣 私どもは先ほど来申し上げておりますように、要するに原子力発電ができるのなら、これをなるたけ早くやりたい。そうして通産省において立てておる計画の足らぬところをこれによって補充していきたいという主義であります。従って、われわれのこの計画を立てるについても、これを通産省と打ち合せております。こういうわけだからやるのだと言うて、通産大臣もこれには同意しております。
  117. 田中武夫

    ○田中(武)委員 たとえば通産省の方で、昭和四十五年以降はかくかくの不足を生じる、だからこの面を原子によるところの発電でまかなってもらいたい、こういう話があってお考えになった、こういうことなんですか。
  118. 佐々木義武

    佐々木説明員 その点に関しましては、原子力委員会の方から、この春の初めに、これは各省に関連のある事項であるので、通産省並びに経済企画庁、それから科学技術庁、三者が寄り合って、将来の電力の需給計画並びにその中で原子力がどういう分野を占むべきかというテーマを中心にして、単に資源面のみならず、外貨収支あるいは経済採算等を加味して、それぞれの企画をしながら結論を出してもらいたいという御依頼をいたしまして、自後ずいぶん長い間かかって計算をしてみたのであります。その結果、三者の結論は出ております。ただ、その結論は、まだ閣議決定をとるという段階までに至っておりません。その理由は、ただいま経済企画庁の方では新しい長期計画を作っておりますので、それができました際には、この案も基礎数字が若干変ってくるかもしれない。従って、正式の決定は、経済企画庁の再審判によって、さらに修正するものは修正して、国家の最高意思としてもらいたいというお話がございましたので、もっともでございますから、正式の閣議等はその時期にしていただくことにいたしまして、ただいまの段階ではそれを待っているわけに参りませんので、三者で話し合いました資料を中心に、それを目安として作業を進めつつございます。その概要を申し上げますと、もちろん国民総生産の伸びはこのくらいで、国民総生産の伸びの中で鉱工業生産はどうなるか、消費指数はどう伸びるか、従って 一般民需あるいは鉱工業に要する電力の需要はどれくらいかという需要想定をまず最初にいたしまして、それに対して水力、火力それぞれがどういう様子で伸びていくのが一番経済的にも技術的にも資源的にも妥当であろうかという点を、ずいぶん長い間技術者の方たちがお集まりをいただいて検討した結果、大体その結論になっておりますのは、昭和四十年までに水、火力合せまして二千二百四十一万キロワット持ちたい。その中で原子力発電は六十万キロにしたらどうだろう。四十年でございますから、今から人体七年後くらいになるわけであります。四十五年にはそれが水、火力合せて二千九百万キロくらいになりますが、四十年から四十五年の間にさらに原子力発電は二百四十万キロふやしまして、両方で三百万キロの目標でやった方が一番バランスもとれるんじゃなかろうかというふうな基準になるのでございます。もちろん先ほども申し上げましたように、まだ閣議決定といった決定版ではございません。ただそういう依頼を受けまして、三者で作った一応の目安はそういうふうになっておりますので、それを中心にして、いろいろ作業を進めているわけであります。
  119. 田中武夫

    ○田中(武)委員 要はこの発電用実用原子炉受け入れが、電力行政全般と関連の上で考えられている、こういうことなんですね。そういたしますれば、先ほど正力国務大臣は、原子力のことは委員長であるおれがきめるんだと大きくみえを切られましたが、電力全般の行政上の措置の変更、たとえば再々編成の問題等々と関連するならば、あなたの今考えられている構想が変るということがあり得るのかどうか。また今、局長の話では、何か閣議決定版ではない、こういう話であるので、閣議決定版が出れば、あるいは電力の再々編成等の問題等と関連して構想が変ってくることもあり得るんじゃないかと思いますが、どうですか。
  120. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は電力再編成の問題にはこれは関係がないと思っております。だから、この通りできると思っております。
  121. 田中武夫

    ○田中(武)委員 といいますと、そういうこととは関係なく、電力発電の問題はおれの権限に属するから、おれがやっていくんだ、こういうことになると、やはり独走ということになると思うのですが、どうでしょう。
  122. 正力松太郎

    正力国務大臣 関係なくというと語弊がありますけれども、通産大臣とはよく相談をしてやります。
  123. 田中武夫

    ○田中(武)委員 電力事情の問題については、あとで佐々木委員からも専門的な質問があるようですから、この程度にいたします。  次に、先ほど動力協定といいますか、一般協定の問題についてお話も出ておりましたが、実用発電炉を受け入れる場合に、まず動力協定を結んで、その上に立って受け入れ態勢を整備していくという行き方がいいのか。どうやらまず受け入れ態勢というか、いわゆる正力構想による新会社というものが大きくクローズ・アップされて出てきて、その上に立って動力協定をというふうに進んでいるように思うのですが、動力協定という基本的な問題すら明らかになっていないときに、受け入れ態勢のみを云々することは、やはり少し先走っているのではないかと思うのですが、どうでしょう。  もう一つは、動力協定締結の時期と新会社の発足、これは一体どちらが先になるのですか。
  124. 正力松太郎

    正力国務大臣 動力協定をやってから新会社発足というように思われますが、先ほど申し上げたように、原子炉受け入れ態勢は急ぐし、動力協定は、秘密条項もなくなったし、国連にも加入しておるという点で、大体の事情はわかっておりますけれども、この動力協定を待っていると、どうしても来年の議会まで待たなければならぬので、来年の議会で大体これが受けいれられるものという前提のもとに受け入れ態勢を進めておるわけであります、従って、動力炉を買うという確定的なことはむろん協定ができた後になりますが、ただその前に話を進めておくというわけであります。
  125. 田中武夫

    ○田中(武)委員 大体動力協定についての見通しもあるから、その見通しの上に立って、受け入れ態勢を整備しておるんだ、こういうことでしょう。
  126. 正力松太郎

    正力国務大臣 その通りです。
  127. 田中武夫

    ○田中(武)委員 私はやはり動力協定なるものをはっきりとさして、そして、その上に立って、それに従った受け入れ態勢を作っていくのがほんとうのいき方ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
  128. 正力松太郎

    正力国務大臣 それはまことにごもっともで、そういくのか順序だが、何しろ電力事情も切迫しておるし、早く入れなければならぬと思いますから、大体の見通しがついたらそれで進んでいって、そうして協定かできた上で初めて正式の契約をする、こういうつもりでおります。
  129. 田中武夫

    ○田中(武)委員 どうもわかったようなわからぬような話で、やはり独走のそしりを免がれないような感じがするのです。  それから、いわゆる新会社、これは新聞等によると、正力委員長と河野国務大臣の妥協案によるものであると伝えられております。またきのうの夕刊等によると、双方か相異なった主張をしておられるようであります。電力を制するものは国を制する、こういうことも言われておりますので、どうも正力、河野の抗争は、次期総裁をかけての抗争のように思われるのであります。また、河野、正力の妥協のために、でき上る新会社は、原子力発電を軌道に乗せるまでの暫定措置である、こういうようなことも伝えられておりますが、そういうようなことは事実であるかどうか。もう一つ、もしかりにこれが暫定的なものである、すなわち軌道に乗せるまでのものであるとするならば、本格的原子力発電経済ベースに乗せてやるのは、一体どこの手でやるか。軌道に乗せるまでというのは実験の範疇に嘱するとも考えられますが、そうであるとすれば、原子力研究所でやってもいいじゃないかと考えますが、その点いかがですか。
  130. 正力松太郎

    正力国務大臣 今度作る会社は、たびたび申し上げました通りに、この会社で全部原子力発電をやるというのではないのです。要するに、まずこれで一基入れる、そうして研究もし、発電もするという意味で、お説の通り暫定と言えば暫定的なものでありまして、これが基本的に原子力の問題をきめるものではありません。
  131. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今暫定と言えば暫定であると言われたが、先ほど前田委員質問に対しては、商法によるところの会社である、こう言われた。それでは商法によりその存続期間は何年というようにきめてやられる暫定的な会社であるのか、そういう点どうですか。
  132. 正力松太郎

    正力国務大臣 私が暫定と言うた意味は、あるいは足らなかったかもしれませんが、私の申したのは、とりあえず一基入れるのだ、今後この会社でどんどん外国から買うとか、国産をしてやるというようなことのつもりでないのであります。それゆえに私は暫定的と言うたのであります。とにかく会社で十分研究をし、また電発でもって研究もする、民間もこれによって研究する、そうしてそれが幸いにそろばんに合っているから人に迷惑をかけることもないということで、まことに好都合な会社と思っているのであります。
  133. 田中武夫

    ○田中(武)委員 よくわからぬのですが、新会社のことが出ましたので、もう一つついでにお伺いいたしたいと思います。先ほど前田委員質問に対して委員長は、設立準備委員政府側が入る、こういう答弁であったが、おそらく商法の規定によって設立せられる株式会社でしょう。これに政府の人が入るということは、一体どういう資格で入るのか。もう一つ、一体資本金は幾らくらいと考えられ、そうして出資の比率、たとえば九電力会社電発並びに関連業界ですか、こういうものの出資の比率、あるいは役員の構成、こういうことがうまくいかなければ、たまたま二つ三つの会社が一諸になって一つの事業をやった場合に、そこから出てきました役員は、お互いに自分会社の立場に立ってやるためにうまくいかないというような結果も出ておりますが、そういう点についてどのように考えておられますか。
  134. 正力松太郎

    正力国務大臣 会社は民日中心の会社であります。従って、商法によっておるのでありますから、これは政府の同意が必要だということを法律上きめるのでありますが、ただお互いの了解事項のつもりでおるのであります。だから純然たる会社であります。それから政府の役人が加わるというのは、そういう意味の会社であるから、政府の役人も何かに関係——それは発起人です。準備委員です。できた会社には関係しません。準備委員政府の人が加わるというだけのことであります。これを特殊法人とかいうようなことは決して考えておりません。
  135. 田中武夫

    ○田中(武)委員 民間会社であるというが、資本も大部分民間であるという意味ですか。全部を民間が出すという意味であるか、これに対して政府が若干出すというようなことも考えておられるのか、その点いかがですか。
  136. 正力松太郎

    正力国務大臣 大部分民間であります。政府の直接の出資は今のところ考えておりません。ただ電発が幾分出資をするが、電発の出資については、関係官庁と今相談中であります。従って、この設立準備委員会で大へんごたつくようなことはないと思っております。
  137. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今おっしゃるように、商法の規定により民間でやる、そういうことなら、これは純然たる常利会社ですね。こういうような将来重大な役割を果すであろうところの問題に対して、純然たる営利会社にこの運営をまかすということはいかがかと思うのです。これは損をしないと大臣はおっしゃっておりますが、これは結局発電経済ベースに乗るかどうか、こういうことにかかると思います。その四円幾らとかいう経済ベースの問題についても、委員長自体が調査を何べんもした、こういうふうに言われておりますが、先ほど岡委員が言われたように、すべてが仮定の上に立った調査である。従って、これはもうかるかもうからないか、わからない。そこで、かりにうんともうかるなら、利益は民間すなわち大資本が吸収する、もし損をした場合には、何らかの格好で政府が埋めなくちゃならぬということにもなるのじゃないか、こういうようにも考えられます。こういうような将来日本の大きなエネルギーに対する重要な関連があるものを、純然たる民間の営利会社によってやらすことはいかがかと思いますが、どうですか。
  138. 正力松太郎

    正力国務大臣 先ほど申し上げましたように、純然たる営利会社とは考えておりません。なるほど商法に、よる会社に違いはありませんが、それだからといって純然たる営利会社考えておりませんから、設立準備委員政府からも入れたいと考えております。また重役については、政府の同意——これは法律上の同意じゃありませんけれども、そういうように考えております。いずれにしても、これは将来の原子力に重大なことであるから、政府もやはり全然普通の会社としてはいかぬと思って、そういう制限を加えていく。これは民間の方もおそらくは了解すると思っております。
  139. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今の委員長のおっしゃるところを伺っておりますと、今度できる新会社といわれるものの性格がよくわからないのです。いわゆる商法による会社である、そして資本も純然たる民間である、そうするなら、政府なり関係官庁は行政的な指導はやるかもしれぬが、法律上これに対して何ら制肘を加えるだけの権限はないわけなんです。そうすると、一体どういうような法律的な面における関連を政府は作っておるか。特殊公社にはしない、こういうことでしょう。どういうことなんですか。
  140. 佐々木義武

    佐々木説明員 おっしゃるように、性格は純然たる商法に基いた株式会社でございますが、官庁に対しては届出程度で済むものかと申しますと、そういうものじゃないので、先般御審議をいただきました原子炉規制法におきましても、たとい性格は商法に準拠した会社であっても、これに基いて原子炉規制法において許可を受けなければならぬのは当然であります。それから放射線等の陳弁防止法の適用を受けることも当然でありまして、同時に電気事業法の許可の要ることも、電機事業者でございますから当然でありまして、そういう面からいたしまして、形式上はあくまでも商法上の株式会社ではございますが、いわゆる純然たる商法に基いた普通の営利会社という性格のものとは、実質的には違ってくるのじゃなかろうかと考えます。
  141. 田中武夫

    ○田中(武)委員 今の局長お話によると、放射線等の障害防止法、これの適用を受ける、あるいは電気事業法の適用も受ける、そういう法律は、こういうような目的というか事業をやっておるところなら、全部関係のあることなんです。だから、ここに出てくる新会社というものは、今までの会社と何ら異ならない会社ができる、こういうことなんですが、それでいいんですか。
  142. 佐々木義武

    佐々木説明員 政府の出資が全然予定されなくて建てる会社でございますから、これは商法上の株式会社考えるのが当りまえではなかろうかと思います。ただ私が申しましたのは、そういう特殊な性格を帯びた会社でございますので、国際上の国家義務を履行する面も多々ございまするし、そういう面に関して、従来の普通の商法上の会社ではございますけれども、その許可に際しましては、十分な監督ができるような配慮が必要である、こういう意味でございます。
  143. 田中武夫

    ○田中(武)委員 この会社の性格、この受け入れの態勢、こういうことについては、先ほど申しましたように、われわれは先日申し入れたことで明確にしているように、公社説を考えているわけですが、ここでこれを申し上げてもお互い見解の相違だと思いますので、やめたいと思います。しかしながら、こういった重要なものを、あくまでも純然たる民間会社にやらせるということについては、いささか大きな疑問を持っております。それだけははっきり申し上げておきます。  それから、次に動力協定あるいは実質上原子発電炉の受け入れの交渉、こういうものは一体どこでやるんですか。動力協定は当然政府でやられるだろうと思いますが、そういう会社であるならば、炉の受け入れいわゆる買い取りの交渉は、会社なり準備委員がやることになると思いますが、こういう点はどうなんですか。
  144. 正力松太郎

    正力国務大臣 もちろん新会社でやります。
  145. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうすると、動力協定は政府がやるんですか。
  146. 正力松太郎

    正力国務大臣 むろん動力協定は政府です。
  147. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そうすると、動力協定は政府かやる、この動力協定に基いたワク内において原子炉受け入れる、すなわち買い取る。この交渉を会社がやる、こういうことになるんですか。
  148. 正力松太郎

    正力国務大臣 その通りです。
  149. 田中武夫

    ○田中(武)委員 先ほど、これも問題に出ておりまして、正力委員長ははっきり言われましたが、もう一度確かめておきたいんです。新聞等によると、経済閣僚懇談会の決定といいますか、これの動きがこの新会社設立に重要な役割を果すであろうというようなことは、どの新聞も書いている事実です。しかし正力委員長が申されたように、原子力委員会の規定を見ましても、これは法律上はっきりと決定まで原子力委員会がやることになっておると思うのです。しかしながら、経済閣僚懇談会の中の、しかも有力な実力者といわれる人たち意見が相当支配するのではないか、こういうように思うし、先ほど申しましたように、電力一般行政と関連して考える場合に、やはりそういう人の意見電力行政というものに大きく現われてくるのではないかと思います。これを、はっきりと大みえを切られたことに間違いありませんか。それと同時に、経済閣僚懇談会というものはどういう性格ですか。
  150. 正力松太郎

    正力国務大臣 経済閣僚懇談会というものは、国の経済に関することを関係大臣が相談するわけです。
  151. 菅野和太郎

    菅野委員長 佐々木君。
  152. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 ずいぶんおそくなりましたし、だいぶかかりましたから、私は五、六分簡単に聞きます。正力さんが前に同じこの担当の大臣をしておられましたときに、私は、あまりあわてなさるな、年寄りの冷水というようなことを言っておきましたが、だんだんとあせっておられるように思いますので、もう少し私は自重されるように特に要望いたしたいと思います。  今の話を聞いておりますと、閣僚懇談会が云々の性格はありますけれども、今、正力さんの、新設会社発電原子炉を輸入しなければならないという結論に達した理由は、一つは、あくまでも電力需給並びに電力の原価から早急に原子力発電をやらなければならない。このことが最大の理由らしい。そうして二番目には、わが国の国産炉を発展させるために、技術的な研究を、これを通じて十分やりたい、このことが第二番目の理由になっておる。大体この二つが理由だと先ほどからの質疑応答から感じましたが、よろしゅうございますか。
  153. 正力松太郎

    正力国務大臣 もちろん原子力に対する長期計画という根本計画は貫いていくわけですが、その計画は計画として、とりあえずこれを今の二点によってやるというわけです。
  154. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 長期計画は、御承知のように、国産炉から発展していく、それを長期的な計画を立てていこうということでありますので、技術的な発展計画ということでいいのではなかろうかと思います。そうすると、結局のところ、正力さんが張り切って言っておられるのは、電力需給の面に心配しておられるからだ、先ほどからのお話では、こういうふうに思って差しつかえないと思います。ところが、電力需給を心配される責任者は、先ほどからたびたびお話がありましたように、経済企画庁長官であり、通産大臣であって、原子力委員長は、電力需給面の担当者ではないと思いますけれども、繰り返して言いますが、その点はよろしいでしょうな。
  155. 正力松太郎

    正力国務大臣 その通りです。電力の問題は通産大臣がやります。ただ私の今度導入しようというのは、これはただ電力が足らぬからだけの理由でなしに、むろんその手助けもしたいが、それと同時に早く原子力の技術を修得させたい、そうして国産炉を早く作りたいというのが主意であります。
  156. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 そうすると、先ほどからのお話と違って、第一番目の理由が最大の理由のように承われます。従って、第二番目の技術の修得ということが最大の目的で、ありまするならば、なぜ民間会社にやらせるかということは、単に金が集まりやすいということ以外に、私は理由考えられないと思いますけれども、そう考えてよろしゅうございますか。
  157. 正力松太郎

    正力国務大臣 私の入れる理由が、前のとあとのと違うじゃないかと言われますが、私が二つあげたことは決して変りません。そこで民間会社にやらしたいということは、幸い経済ースに合うから、そして民間会社もやると言うから、それならそれでやらしたらよかろうというだけです。
  158. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 こうなると、やはり五、六分と言ったけれども、もう少しもらわなくちゃ困るのです。電力需給のバランスの責任者はあなたでないことは、先ほど確認されたでしょう。従って、あなたが今こういう方式で強引に原子炉を入れなければならないという理由にはならない。それは担当大臣か担当責任者が言うべき問題です。担当大臣か担当責任者が、そういうのは同感だからなるべく早くやりたいというのならいいが……。なおその問題を言われるならば、少くともエネルギー需給なら、正力さんよりも私の方がよく知っているつもりだ。今言われたところによると、十四万キロなり二十万キロが、当面の暫定措置として輸入の対象になっている。将来の問題は別ですよ。将来技術的な発展をしていって、どういう会社でどういう機構で受け入れていくかということは別問題で、今受け入れようとしているのは、暫定的に十四万キロ程度のものを入れようというのでしょう。従って、これを今やらせるかやらせないかという問題は、この十四万キロ自身が電力需給にどれだけ影響を持つかということです。それ以降の、昭和四十年なり四十五年に関する電力需給あるいはエネルギー・バランスのために原子力発電が必要たという場合には、それに間に合うような原子力の技術的修得、そのことが中心でありまするから、従って第一番目の理由は第二番日の方に人れていいでしょう。正力さんの言われる第一番目の理由は、ともかくエネルギー・バランスを取らせるため、そして発電原価を引き下げるため、こう言われる。二番目の理由原子力発電の技術を早急に修得し、そして発展させるため、こう言われるでしょう。従って、第一番目日の理由に該当すべきものは、最初入れられる十四万キロなら十四万キロ、これが当面の電力需給にどれだけ影響を及ぼし、これが電力原価の引き下げにどれだけの影響を及ぼすかということだけじゃないですか。第一の理由はそうでしょう。ところが、この十四万キロの発電所は、何ぼ早くやってもおそらく五年かかる。今からやって五年かかれば、十四万キロの発電所が、今あなたがしゃっちょこ立ちして、わあわあ言わなければならぬほど電力需給に大きな影響を持ちますか。逆に二百億ないし三百億の金をぽかっとほかに出してごらんなさい。三百億の金があれば、少くとも今十四万キロの原子力発電所を作る、そしてこれが持つ電力需給に対する価値よりも、もっと電力を供給する方法はあります。そして、同時に決して忘れてならないのは、先ほど岡さんが言われましたように、五年間たって建設がなされたとしまして——尼崎の火力発電所が建設されてから、安全逆転に入ったのは何年くらいかかったか御存じですか。尼崎の火力発電というものは、火力技術がよう修得された後に大容量火力として輸入されてそうしてあすこに設置された。設置されましてから、つまり事故でとまったり何かして、尼崎の火力発電が本格的な、計画通りの運転ができるまで数年間かかった。今あなたが言われたように、今度の原子力発電の原価計算には八〇%のロード・ファクターを考えコスト考えているらしいが、それでもってそろばんの合うなんて、とんでもない話だと思う。技術的に修得された尼崎の火力発電でさえも、最初計画したのと違って、おそらく五年から八年間くらい事実上の試験運転の期間があった。その間供給はしておりますよ。供給はしておりますけれども、最初の火力発電所を設置する計画井に暴いた運転とコスト状態で運転できるようになるまでには、数年間を要した。それが今度全然新しいところの原子力発電でしょう。それを今のようなそろばんではじかれるというのは、とんでもない話だ。  その問題はまたあとにしましょうが、要するに第一の問題として、十四万キロの電気に約三百億円かけて、かりに、五年後完成するとしても、それが果して五年後の電力需給のどれだけ緩和剤になるか、私は五年後ではまだ無理で、おそらく五、六は安全運転はできないだろうと思います。そのことを考えられるならば、あなたは先ほど長期計画に基いて云々と言われ、今、電力需給に対して云々と言われましたけれども、それならば、どうして今年度の電力に対する投資を縮小したのですか。あれはどういうわけですか。何億か知りませんけれども、今年度の投融資の中から削減されたが、これが削減されずに使われるならば、それによって出てくる電気と、まだ完全に試験的なものに約三百億を投じて、そうして五年後に出てくる電気と比べたならば、電力需給に与える影響というものはどうですか。それは正力さん無理だ。今まで通りやった方がいいので、新しいものをやる必要はない。これは公益事業局長や通産当局によく聞いて下さい。もし通産大臣がそう言ったといわれるならば、それは前尾さんは何も知らないからです。公益事業局の需給課長かだれかに聞いてごらんなさい。第一佐々木さんが一番よく知っている。これから五年先に、十四万キロの原子力発電がどれだけエネルギー・バランスにプラスするか。そんな金があったら、今でもやりたい電力の開発計画はたくさんあるから、それに注ぎ込んだらいい。それを削減しておいて、海のものとも山のものともわからないものに金を注ぎ込んでも、それがエネルギー・バランスにプラスするとは思われない。そんなことはやめた方がよろしい。  それから二番目のコストの問題ですが、繰り返して言いますけれどもコストが一番安くきているのは二円七十銭にきている。私は知っている。二円七十銭から四円、七円、八円、何ぼでも作れますよ、いいかげんに。それよりも、この原価というものがどれだけむずかしいものであるかということは、おそらく佐々木さんあたり一番よく知っているはずじゃないですか。第一原価の金利を見ましても、先ほどの話じゃよくわからないけれども、電気会社のものだと大体三・三三%くらい見ているでしょう。少くとも商業採算ースというならば六・五%くらいとらなければ話がおかしい。従って金利がおかしくなる。それからもっと大事なことは建設の補償費ですよ。イギリスでは補償費は要りません。ところが日本では、あなたも御承知のように宇治のあの試験研究炉、あんな小さなものでも、とうとうひっくり返って何もできはしない。あのくらいの原子炉さえ設置することができないような、そういう政治力しか持たない者が、こんな大きな原子炉を、今そろばんにはじかれているようなそういう補償費でもってやれるというように思ったら、とんでもない話だ。従って建設費の中に占めるところの補償費というものは、今のところ無制限に拡大すると見ていいと思う。従って、それを無制限に拡大したらそろばんがとれないから、適当にそろばんをはじかなければならぬけれども、それは現実のそろばんとは全然違う。愛知用水の原価、これはあなたも佐々木さんも知っているでしょうが、あのとき農林省が一生懸命になり、通産省も仕方なしに引かれ、それから経済企画庁も引かれて、あの愛知用水の原価はどういうそろばんで出してきたか。私は当時一つ一つたたいた。ところが、今見てごらんなさい、全然話が違うじゃないか。佐久門ダムの原価も、最初そろばんをはじいた計画面の原価とえらい話が違ってきておる。従って、外国から輸入し、海のものとも山のものともわからないものの原価が、三円なり四円なりでそろばんに合うというのならともかく、あなたと一諸に研究に参加してやっている人は、原子力発電所を作るという仕事だけで飯を食っている人です。電気会社の今一生懸命になっているさっき一本松さんと言われた方、——一本松さんは偉い人だと思う。しかしながら、一本松さんはそれ以外にすることがなくなっている。従って、それに関連している人は、それにぶら下ってのみ仕事をしなければならぬ人です。正力さんはそうではないと思いますけれども。そして、ほとんどほかのものには関連させない。私は一本松さんに対して、たとえば関西電力なりその他から非常に痛切な批判がいっていることも知っています。今度あたりものにしなかったら、あなたは何のために洋行したか、何のために資料を出したかとしかられている。それを一本松さんの出したところの資料なり、あるいはお話を批判するところの実力を持つ者は電力にはない。そう言いさえすれば、大体今の電気会社の人々は一本松さんを中心として速めておるこの話を、今、企業内で技術的にも危ないとかいう批判を権威をもってする人がない。そうすると、独走になるのは当り前だ。その反対な意見が別の個所から出るのならば、今言いましたように、完全に食いついていって、妙な政治けんかになってくる。電発と電気会社とのけんかはそれみたいなもので、そしてあなたはやると言っている。電源開発は、まだ原子力などできるほど勉強していないと言っておられたのも知っています。しかし、そんなら一六勝負で若い者に研究をさせてごらんなさい。そうすると、そんなにあなたが言われるほど違うものじゃない。若い学徒も一生懸命やっているし、関西電力にも、電源にもおります。この人たちに現に相談させてごらんなさい。危ないところは危ない、心配しなければならぬところは心配しなければならぬ、原価としてこの辺は危ないといって、ほとんど一致しています。結論の違うのは上の方で作文をする人で、そして目鼻をつける人たちだけだ。その目鼻だけを見せられて、いや四円五十銭絶対間違いないなんて、それは無理です。こんなことを言ったって、どうしようもないけれども、私はほんとに腹を切ってもいい。このまま五年後にできまして、あなたがいわれる原価で、しかも八〇%のロード・ファクターで運転できる、それではじいて今の三円か四円か知らないけれども、そのままの原価で行くなんということは、とんでもない話だと思う。これは水かけ論になりますから、これは岡さんが言われるように、お互いの推定で現実にやってみた結果を見るより仕方がない。そうすると、作文にたくさん書いてあるけれども原子力委員会正力さんが書け書けと書かされたのだろうと思いますが、みな海外では現実に実用段階に達しているというが、実用段階に達しているというのはどこにありますか。現実に四円か三円でやっているところはない。コールダーホールだけじゃないか。あるいはプルトニウムを作るためだけじゃないですか。今度やっと作る。それだのに海外の情勢はあくまでも現実的な、そしてそろばんにちゃんと合う、採算ースに合った段階と断定するのは、おかしいと思う。こういうしろうとが見たらほんとにそうかと思うようなことは書かない方がいい。どこにおいても、普通の電力発電するための原子力発電所は、まだ世界中に一つもないと書いてごらんなさい。そうしないと、そんなことは間違いのもとだ。
  159. 正力松太郎

    正力国務大臣 ただいまの佐々木さんの非常なる熱弁には、ある点においてはごもっともで、ある点においては非常に独断に流れておるという点を私は思うのであります。まず第一に、私が非常にあせっておるという。私はそんなにあせっておりません。現にその証拠に、この問題の起ったのも昨年の五月からの問題です。一年かかって原子力委員会研究し、さらに産業界が研究し、さらに原子力研究所で若い者も研究しておるという至れり尽せりの方法を講じてできたのがこの案であります。私は決してあせっておらぬということだけ申し上げておきます。  それから、なお十四万キロぐらいの電力を出すために大きな金をかけて何だとおっしゃられますが、私は単なる十四万キロではこんなにまた熱心になりません。原子力の繁用が将来おそるべき力があり、おそろしく国家に有効であるということで熱心なんです。それだからこんなことになる。断じて十四万キロとか二十万、そんなけちなことは考えておりません。要するに将来は私は原子力時代が来るとまで思っておる。それほどのものだから、二百も早くやって、一日も早く習得させ、技術者をたくさん養成して、そうしてほんとに将来は原子力発電は各県くらいにあるようにしなければならぬというふうに思っておりますから、そういう意味でわれわれは考えておるのでありまして、決してけちな考えではありません。
  160. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 だから繰り返して言いますけれども、そうすると第一の、今十四万キロを暫定措置として暫定的な会社で入れるということは、先ほどから繰り返し岡さんや田中君に答弁されるように、電力需給上因るからじゃないでしょう。電力原価が高騰するからじゃないでしょう。それはあくまでも第二番目の理由として今言われたところの原子力発電の技術を修得するためなんでしょう。それなら話ははっきりわかる。そこへまず焦点を合せて下さい。今私どもここで問題にしているのは、今後原子力発電所をどうするかということではない。早く入れるか入れないかということなんです。私は早期輸入賛成なんです。問題は、わけのわからぬような民間会社でごそごそとやられようとする、このことに危険を感じている。従って、今やられようとするところの、十四万キロの原子炉を九つの電力会社並びにメーカー、電源開発会社の出資によるところの暫定的な会社機構で受け入れようとする、このことだけ私は議題にしていることを御承知願いたい。このことだけを議題にする場合には、そうすると、今の十四万キロが果すところの五年後の電力需給上に対する効果、並びに原価を引き下げ、あるいは電力原価の高騰を抑えるところの効果には大して値打のないことは、今、正力さんが言われた通りですね。問題はこのことが先駆となって、今後原子力発電の技術を発展させるかどうかということにかかっているのじゃないかと思う。従って、今度の十四万キロをこういう方法で早急に入れるという最大の理由は、あくまでも今育った第二番目の理由にあって、このこと自身が電力の需給を改善し、原価を引き下げ、あるいは高騰を引き下げるものではない、これだなけははっきりさしてもらいたい。
  161. 正力松太郎

    正力国務大臣 私は先ほど申し上げましたごとく、原子力発電の将来というものはおそるべきものである。おそるべきものであるから、それと同時に非常に金もかかる。そうしてそのおそるべき原子力発電を発展させるには、国家としてなかなか金が要る。幸い民間の側で経済ベースにも合うからやろうというのなら、その金を利用した方がよかろう。のみならず、原子力研究所までがこれに加わりたいと言うておる。また電発までこれに加わりたいと言うておる。これほどみな加わりたいというなら、これにやらしたら非常によいということで、ただ民間にやらす意味じゃないのです。御承知のように、いずれあなたのところの協賛を得なければならぬけれども原子力委員会予算はなかなか大きいのです。この炉の話は別にしても、それは非常に大きい。なかなか大蔵省は聞かぬのです。これまで国家が背負い込んですることはとてもできない。私の願うところは、ただ原子力発電が一日も早く日本に活用されることを希望するのでありまして、そして将来は原子力発電の世の中になり得ると思うておるから、これに熱心なのでありますから、決してあせっておりません。
  162. 佐々木良作

    ○佐々木(良)委員 答弁は要りませんから、最後に一言だけ私も申し上げておきたいと思います。今の正方さんが言われる結論は、繰り返しますけれども、私自身も非常に賛成なんです。私もむしろあせっています。あなたは電力のみやかましく言われまして、石炭の方も水の方もそれほど心配されてないのだろうと思うけれども、エネルギー・バランスを見て私はあせっている。従って、これを一日も早く原子力でカバーさせていって、そして火力の重大なる部分を原子力にかわらせたい、このことが念願なんです。ここの根本論をあなたはふりかざしておる。だからそういう原子力を電気会社にやらせるのがなぜ悪い、こう飛躍されるところに問題がある。ですから、私は繰り返して言いますけれども、その根本論はあなた以上に私は推進論者なんです。第二番目に申し上げたいことは、従って、現実の十四万キロの原子炉の輸入の問題に、エネルギー・バランスの問題と電力コストの引きと下げの問題を理由にしなさるな。これを理由にせられると、私はなんぼでも言いたくなることがある。先ほど言いましたように、今ふえる発電所の金を削っていくということになりますから。そこで将来のエネルギー・バランスのために、原子力発電の技術を習得し、前進させようというところに私は最大の目的がある、こう思う。そして突き詰めていった場合には、私は最後に心配になってくるのは、確かに早ければ早いほどいいことはいいけれども海外の技術はまだそれほど安全でもなければ、そろばんが完全に合っているということにも私は疑問がある。しかも目的があくまでもわが国における原子力発電技術の向上と外国の技術の習得にありとするならば、私は一つの株式会社あるいは私企業の形でやられるのは順当でないので、政府が責任を持った、そういう機関で受け入れるべきだ、結論はこういうことなんです。繰り返して申し上げておきますけれども、ただその場合に金がないということを言われるのです。しかし、金の問題は完全に別の問題で、これは考え方の問題であります。出そうと思ったら、心配せぬでも政府には一兆一千億あるのでありますから、これは考え方の相違です。従って私は最後のその焦点だけをはっきりしておきたい。私どもはあくまでも、今早急に原子力発電炉を入れるという問題は、日本の将来におけるエネルギー・バランスをよくとるために、一日も早く原子力技術を習得する、ここに目的をはっきりするごと。この技術の習得は、国家的の任務である。従って、国家の責任においてそのことはなさるべきである。私どもはこういう観点なんです。従って、今の十四万キロを電気会社が入れることに対して批判を加えることによって、社会党原子炉を入れるのに反対だなどと言われたら因るのです。話が違うのですから、どうかその辺をはっきり心得て前進をお願いしたい。
  163. 正力松太郎

    正力国務大臣 わかりました。あなたと意見は一致しております。
  164. 岡良一

    ○岡委員 議事進行について。これは委員長並びに原子力委員長にお願いしたいのですが、原子力委員会では、英米から提出された一般協定の内容を比較検討し、わが方の態度を定めるために御作業の模様です。そしてこの問題もプルトニウムの処理とか、あるいは原料の確保とか、あるいは国際原子力機関に加入した日本の立場から、双務協定と機関の関係等は、およそ原子力研究開発の上に重大な問題を持っておるわけであります。外交交渉の問題でもありますから秘密会でもけっこうですが、やはり原子力委員会としては、一応の成案を得られたならば、この委員会の検討に付すということをぜひお取り計らいを願いたい。
  165. 菅野和太郎

    菅野委員長 本日はこの程度にとどめます。  次回の委員会は、来たる九月中旬に東海村の第一号原子炉が完成し、その火入れ式が行われる予定でありますので、その前日に開会し、火入れ式当日は委員全員で出席いたしたいと思いますので、さよう御了承を願います。  これにて散会いたします。    午後一時二十五分散会