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宇田国務大臣 経済自立六カ年
計画といいますか、
昭和三十年から三十五年までの
計画があります。あれは、最近二年間の経済の、特に鉱工業部門の伸びが激しかったので、中には六カ年
計画の
数字にもうすでに到達したのができましたから、あの
数字は改訂をしようということになっております。それで、三十五年までの間の
計画の
数字の中におきまして、国民の現在の伸び方からいいますと、どうしても八百四十万キロが新しく増加するべき電力量である、こういうことになっております。それは昨年十二月に改訂をして発表いたしました。その中で、まだ継続建設中でありますから、的確なことは申し上げにくいのがたくさんありますけれども、その中で、約六〇%は御承知の火力であります。火力の
設備心するには、今日も新聞等に発表いたしておりますけれども、
最新型の機械をアメリカから買う。そして、それに必要な金はインパクト・ローンでまかなう。そして金利は大体において五%というのがただいまアメリカから入れておりますところの発電
設備の輸入の実際の金繰りの
方法で、アメリカの
輸出入銀行
中心にして、五%のインパクト・ローンを使おうということの私は報告を受けております。従って、火力発電書をここに建設していく場合に、たとえば九州電力が昨今許可をもらったのは、アメリカから資
金融通を受けて、そして金利は五分と聞いております。そういう金を使って
日本の発電
設備を今
整備中である。それが、三十二
年度におきましては、御承知のように二千八百億、三十三
年度は二千九百五十億、こういう
資金計画になっております。そして、
民間九電力に対する財政投融資は、たしか二百五十億という大蔵省の
数字が出ておると思います。そうして、それ以外の
数字は、四百四十億じゃなかったかと思いますが、そういうような財政
関係の投資を考慮いたしております。それは、本
年度三十二
年度であります。そして、それに必要な石炭あるいは重油は、
日本の現状から見て、石炭にしても三カ月ばかりのものはいつでも準備できるような態勢にならなければならぬ、先日の渇水から見て、特にそういうふうに思います。そういたしますと、ただいまの五カ年
計画の中における
数字だけを見てみても——
数字はあとからごらん願ったらけっこうと思いますが、石炭といわず重油といわず、これは当然新たにどこかから手当をしなければならぬ。相当まとまった数量が必要であります。そして、それに必要なタンカーを当然作らなければならぬ。それに見合うところの港湾改築をやらなければならぬ、港湾改築と一緒に、石炭ならストック場が要るし、タンカーで入ってきたものは、大きなタンカーが来ますから、陸上の肝油
設備、精製
設備等いろいろの付属した投資が必要になることは当然であります。そういうものをあわせて考えてみますると、
日本の新しいエネルギー事情というものは、非常に複雑な、
わが国民に対する
負担をもたらしてくる、こういうふうに思います。アメリカその他の国が——特にアメリカがそうですが、
原子力発電ということに対して、はなはだ関心が薄いのではないか、こういうことを普通言われます。それは、アメリカのように油がふんだんに吹き出しているようなところでは、
原子力発電をしなければならぬ
条件は私はなかなか生まれないと思うのです。
日本とかイタリアのように、炭はない、石油は速いところからタンカーで持ってこなければならぬという特殊な国情の中におって、
日本にその
燃料を持ってくるということを考えました場合には、
国民経済の立場からいうと、どうしても速急に
原子力発電に移りたいものであるという希望は、どなたもそうだと思います。それで、ただいま申し上げました八百四十万キロの、われわれの伸びを希望しているものの中で、火力が少くとも六割くらいはある。それで、アメリカその他から現在外貨で機械を買ってきている。発電の機械を外貨でアメリカから買ってくるなら、むしろ英米等から新しい発電機械を買って同じように借金をして外国から機械を買うなら、少くとも
燃料に対する輸送の手当だけは要らない
設備の方がいいのではないか。それに対して君はどれくらい希望するのかと言われたので、それは事情、環境が許すならば、
日本がのどから手の出るほどほしいと思うのは、少くとも三百万キロ
程度のものの
対策を講じたい、そう申し上げたわけであります。