運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1957-02-12 第26回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十二年二月五日  菅野和太郎君が委員長に、赤澤正道君、有田喜  一君、齋藤憲三君、中曽根康弘君、前田正男君、  岡良一君及び志村茂治君が理事に当選した。     ————————————— 昭和三十二年二月十二日(火曜日)     午後二時七分開議  出席委員    委員長 菅野和太郎君    理事 有田 喜一君 理事 齋藤 憲三君    理事 前田 正男君 理事 岡  良一君    理事 志村 茂治君       小笠 公韶君    木崎 茂男君       小坂善太郎君    小平 久雄君       須磨彌吉郎君    保科善四郎君       田中 武夫君  出席国務大臣         国 務 大 臣 宇田 耕一君  出席政府委員         科学技術政務次         官       秋田 大助君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   原田  久君         総理府事務官         (科学技術庁企         画調整局長)  鈴江 康平君         総理府技官         (科学技術庁調         査普及局長)  三輪 大作君  委員外出席者         科学技術庁次長 篠原  登君     ————————————— 本日の会議に付した案件  科学技術振興対策に関する件(科学技術行政に  関する問題)     —————————————
  2. 菅野和太郎

    菅野委員長 これより会議を開きます。  本日の議事に入るに先だちまして、この際、先般の委員長会議におきまして、次のような申し合せを行いましたので、御報告申し上げます。    申合せ  国会審議委員会中心であるので、その正常化については、まず、末委員会審議の能率を高めるために、各委員長は、左記事項は特に励行すること。   一、ニュース・カメラの撮影は、原則として開会の前後にこれを許可すること。   二、傍聴人整理を図って、その義手が妨害されることのないようにすること。   三、理事会は、これを非公開とすること。  以上の通りでありますが、本委員会といたしましては、委員長の良識において、理事と協議の上、取り計らいたいと思います。何とぞ委員諸君も御協力をお願い申し上げます。
  3. 菅野和太郎

    菅野委員長 それでは、科学技術振興対策に関する件につきまして、調査を進めます。  本日は、宇田国務大臣及び秋田政務次官より、その所信につきまして発言を求められておりますので、この際、これを許します。宇田国務大臣
  4. 宇田耕一

    宇田国務大臣 昨年の十二月に科学技術庁長官及び原子力委員長を命ぜられまして、引き続き予算その他の関係で、皆様にごあいさつする機会もなかったのでありますが、本日はちょうどその好機を得まして、お目にかかれましたことを幸いに存じます。委員諸君は、ほとんどみな、平素いろいろの国会の場面でお目にかかっておりますので、あらためて皆様にとかくのことを申し上げなくても、いずれ科学技術行政につきましては、いろいろの角度から御指導と御鞭撻をいただくことと存じますが、どうか今後ともよろしくお願いいたします。  それで、科学技術振興に関する科学技術庁長官としての考え方を申し上げたいと存じます。  一、昨年五月、科学技術庁発足以来、鋭意施策充実に努めて参ったのでありますが、今般昭和三十二年度予算政府原案も決定いたしました機会に、今後のわが国における科学技術振興の方途について、所信の一端を申し述べてみたいと存じます。  御存じの通り世界は、今や原子力とオートメーションによって代表される新しい技術革命の時代に入っているといってもあえて過言ではないと存じます。最近における技術革新関連する投資の増大により、世界生活水準技術水準は、飛躍的に高度化しつつあります。この際、先進諸国に比して著しい立ちおくれを示しているわが国としては、官民一致協力して、科学技術振興科学技術教育強化に渾身の努力をいたさねば、今後国運の隆昌を望み得ないものと考えられる次第であります。  政府といたしましても、ここに思いをいたし、科学技術振興費としては、三十一年度約百十六億円を、三十二年度は約百七十九億円と約五五%の増額を行い、その強化充実を期しておる次第であります。このうち、科学技術庁関係といたしましては、三十一年度約十八億円が、三十二年度約七十二億円と、これまた顕著なる増額がはかられておる次第であります。  二、個々の具体的方策を述べるに先だちまして、今後の施策の大綱を申し述べますと、まず第一は試験研究推進、第二は原子力開発、第三は科学技術に関する情報活動及び資源調査中心とする調査活動強化拡充、第四は科学技術教育強化に要約し得ると考える次第であります。  三、以下、科学技術庁関係の三十二年度予算案の内容を中心としつつ、今後の科学技術振興具体的方策について、簡単に述べさせていただきます。  (1)まず、我国における科学技術振興に関し、経済計画とも密接な関連のもとに長期的な計画を策定し、今後の科学技術に関する基本的、総合的目標及びこれを達成するに必要な方策を明示する必要があると確信いたすものでありますが、これがため、今回科学技術庁内に科学技術振興長期計画委員会を設置し、今後各方面意見を十分に反映し、計画の作成を行うべく、目下検討中であります。  また、今後のわが国科学技術行政強化のため、さきに本庁内に試験研究等促進方策調査会を設置し、三十一年度は主として国立試験研究機関及び特許行政機構実態調査いたしましたが、三十二年度は、引き続き公立の試験研究機関実態調査し、その完了を待って、今後のわが国科学技術行政強化を期する方針で、これまた目下鋭意努力中であります。  (2) 次に試験研究推進については、現下、わが国にとって緊急の重要研究が各分野にわたって均衡的に推進されることが何よりも必要であります。特にこの際、国立試験研究機関の占める重要性にかんがみ、その機能の一そうの充実強化が期せられるべきものと考えます。この点に関しましては、まず国立試験研究機関等経費については、三十一年度約六十六億円から、三十二年度約八十四億円と、大幅な増額がはかられておるとともに、クロレラの利用促進のごとき多数部門協力を要する共通的試験研究については、今般新たに二千五百万円を計上し、今後におけるその促進を期しております。  なお、株式会社科学研究所に関しましては、わが国における唯一の民間総合研究機関である本研究所研究機能強化をはかるため、前年度一億円の政府出資を、三十二年度は一億五千万円に増額いたし、今後の充実を期しておる次第であります。  (3) 次に原子力開発についてでありますが、明三十二年度は、いよいよ準備段階より本格的開発研究段階へ移行する年でありますので、総額九十億(内、債務負担行為額三十億)の予算をもって、次のごとき施策を講ずる考えであります。  まず、日本原子力研究所については、三十二年度は、わが国最初原子炉たる輸入実験用原子炉を年度当初より稼働せしめ、これを用いて本格的研究を開始するとともに、第二号実験炉輸入及び三十四年度を完成目標とする国産原子炉築造等に備え、茨城県東海村の研究所建設を急ぎ、研究員を充足して、燃料加工技術廃棄物処理研究を初め広範にわたる研究を開始し、また、アイソトープ研究施設を設け、すでに各方面において急速に発展しつつあるアイソトープ利用研究中心とする考えであり、これがため、五十六億、二千万円(内、債務負担額十五億四千万円)を計上しております。  次に、国立及び民間試験研究機関における原子力研究については、今後いよいよ拡大しつつある原子力研究の一翼をになうものとして、約十一億五千万円(内、債務負担額三億八千六百万円)の研究費及び助成金をもって、原子力研究所と緊密な連携のもとに、研究を継続実施せしめる方針であります。  次に、原子燃料の面については、これまで三カ年にわたる地質調査所の探査により、多数の有望地点が発見されており、今後もこれを続行するとともに、昨年設立された原子燃料公社をして、これまでの探査によって発見された小鴨地区人形峠倉敷地区等有望地点に対し精密な探鉱を行なって、鉱量鉱質を確認せしめ、また国内鉱石及び輸入精鉱を用いて、精練の中間試験に着手せしめる予定で、公社に対し、十億八千万円(債務負担額四億三千万円)を計上しております。  また、海外技術の修得のため、海外より原子力専門家を招聘するとともに、多数の留学生を派遣し、他方、国内においては、日本原子力研究所における実地訓練アイソトープ学校設置等により、科学技術者養成訓練をはかることといたしたい所存であります。  以上のごとき積極的開発促進せしめる反面、忘れてならぬことは、これに随伴する放射線障害防止であります。これについては、法律による規制措置をとることはもちろんでありますが、三十二年度より広範にわたる放射能の調査を実施し、これに基いて防止施策を講ずるとともに、五億九千万円(内、債務負担額四億五千万円)をもって、国立放射線総合医学研究所を設立して、この方面研究に万全を期する考えであります。  原子力委員会は、昨年、英米に派遣せる調査団調査報告に基き、目下、昨年内定した原子力開発利用長期基本計画を再検討しつつあります。動力炉輸入の問題は、この再検討重要事項一つでありますが、わが国エネルギー資源現状等を考慮し、積極的にこの問題の解決に当りたい所存であります。  (4) 次に、科学技術に関する情報活動及び調査活動強化について申し上げます。試験研究推進のためはもちろんのこと、広く科学技術水準向上のためには、何よりも内外の最新科学技術情報の収集、整理を行い、これをすみやかに関係方面に提供する業務強化されねばならぬと存ずるのであります。このため、今回、日本科学技術情報センターの新設に関する初年度の経費七千万円を計上し、今後における本業務の画期的な強化を期しておる次第であります。  また、海外における最新情報を迅速に収集し、上記の日本科学技術情報センター業務の万全にも資するため、科学技術アタッシェの増強が強く要望される次第でありますが、三十二年度においては、従来の三省に対し、さらに西独に一名の増員を行い、その充実を期しております。  なお、科学技術及び資源に関する調査については、関係各省庁における調査活動強化をはかるとともに、本庁は、科学技術に関する総合官庁として、主として一般的、共通的な事項及び資源に関する総合的調査を一段と強化し、もって今後における科学技術振興に関する基本的施策立案及びわが国資源総合的利用促進に資する方針であります。  (5) なお、原子力と並んで今後の産業技術上の緊急要務である電子技術については、国立試験研究機関施設の整備、民間研究助成等経費を、通産省、郵政省等関係省庁に計上し、今後における当該技術部門の進展におくれることのないよう万全を期しておる次第であります。  また、研究成果の普及と技術水準向上に資するため、先進諸外国の例にならい、技術士制度を創設し、その業務適正化をはかるとともに、優秀なる技術者の能力の活用につき、万遺憾なきを期する所存でございます。  (6) 最後に、一国の科学技術振興の根源は、かかって科学技術教育のいかんにあるといっても過言ではないと深く確信するものでありまして、この点、科学技術教育強化拡充に関し、文部省その他関係各省協力して、今後とも万全の努力をいたし、できるだけすみやかに米英ソ等先進諸国に遜色のない体制の確立に努める方針であります。  四、以上において科学技術振興対策の大よその方向を述べた次第であります。今後これら諸施策具体的立案及び実施に当っては、本庁附属機関である科学技術審議会航空技術審議会資源調査会及び発明奨励審議会を初め、広く民間意見を十分に反映することとし、また、関係各省庁との緊密な協力を得て、広く世論の上に立って、これら諸施策を強力に推進していく所存であります。  何とぞ、今後とも、より一層の御叱正、御鞭撻をお願いいたす次第であります。
  5. 菅野和太郎

  6. 秋田大助

    秋田政府委員 この際、一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。  御承知の通り、今回、私、科学技術政務次官に任命せられましたが、私、元来、浅学非才なるのみならず、科学知識は皆無、その上、行政上の経験もこれまた皆無という者でございまして、果してこの重職にたえ得るか、まことに内心じくじたるものがございますが、せっかく勉強いたしまして、大過なきを期したいと存じております。つきましては、皆様委員長を初め委員各位格別の御支援、御鞭撻、御協力なくしては、このことは不可能であろうと思われるのでございまして、この際、皆様格別の御指導、御援助のほどをつつしんでお願いを申し上げます。  以上、簡単でございますが、就任のごあいさつにかえたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  7. 菅野和太郎

    菅野委員長 以上をもちまして、大臣及び政務次官発言は終りました。質疑次会に譲ります。  この際、岡委員より発言を求められておりますので、これを許します。
  8. 岡良一

    岡委員 ただいま大臣から御抱負についての御説明を承わりましたので、いずれこれについて質疑に入りますが、その前に、次の資料の御提出を願いたいと存じます。  第一は、いわゆる企画庁において立案せられたる経済建設計画と申しましょうか、それと並行的な雇用計画というものをお願いいたします。  第二には、昭和二十八、二十九、三十年、この三カ年、年別に事業場経営規模別における労働就業人員増減の比率、同時にこれらにおける賃金の増減の傾向、それから、この二十八、二十九、三十における就業人員生産年齢、人口との関連を示されるような資料、以上は、いわゆる技術革新というものを、日本の雇用状態なり、国内市場等において当然前提といたしまするが、どのような関係にあるかということをさらに念査をいたしたいためであります。  なお、原子力研究開発について、次の資料をいただきたいと存じます。それは、一つには、原子力調査団として、昨年石川一郎氏を中心に派遣をされました調査団の御報告をいただきたいと存じます。特に私どもが知りたいと存じますのは、その際、わが国動力炉輸入するに当って、英米等相手国が何らかの意思表示をいたしたように新聞紙等に伝えられておりますが、動力協定等についての草案が示されたものであるかどうか、あるいはまた動力炉輸入についての条件が示されておるのであるかどうか、こまかい専門的な、原子物理学的なことはいいのですが、そういう政治的問題についての申し入れなりあるいは打ち合せなりがありましたら、お示しいただきたいと存じます。  その次には、先般、国務大臣の方で、三百万キロワット発電という構想が発表されましたが、その後新聞紙の報ずるところによれば、原子力委員会では、その数字については、これを決定をしないという取扱いに相なったかのごとくに伝えております。その当日の原子力委員会における、国務大臣の三百万キロワット五年後に発電ということに関する、原子力委員会議事録を御提出願いたい。  以上の資料をぜひ明日われわれの書類箱に配付されるように御配慮願いたい。
  9. 菅野和太郎

    菅野委員長 ただいまの資料要求につきましては、政府においてすみやかに提出されるようお願いします。  次会は、明後十四日、午後一時より開会する予定であります。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時二十九分散会