○中居
委員 私はこの今度の
海運組合法が出たとしても出なかったとしましても、現在のこの経済情勢というものには変化はないと思うのです。もし海運といったようなものの経済情勢が、この
法律によって左右せられないということであるといたしますならば、私は何もこういう
法律を現在作って、そのことによって
運賃の問題をどうこうしようとするようなことは要らぬ処置ではないか、現在すでにこの
運賃は守らなければならぬ、こういう
法律があるのですから、現在の
法律の運用によってこの
標準運賃を守らせるように、こういう統制的な処置を講じていくということがまず第一番にとられるべき処置ではないか、こういうふうに
考えるわけなんです。
昭和二十八年にこの
標準運賃が
制定になって、そうしてそれ以来据え置きになっておるのだが、なかなかこの
運賃というものが守られてこなかった。そうして
業界が経営上非常に困難に陥っておる、こういうことを四年も五年も
海運当局は放任しておきまして——こういうことは現在の
法律でもできるのですよ。それを放任しておいて、そうして新たにまた別個の
法律というものを作って、この
標準運賃を守らさなければならぬのだ、こういうことは私は前に作りました
海上運送法にいたしましても、
木船運送法にいたしましても、そういう
法律を無視しておるのではないか。まず現在までに作られておる既存の
法律によって適当な処置を講ずることが、当面必要なことではないか、私はこう
考えておるわけであります。しかも今回のこの
法律を見ますと、わが国の木船業の占めておる地位というものに対する根本的な対策というものは講ぜられていないと私は思うのです。わが国の国内航路の六五%がこの小さい木船によって主として運送されておるのですが、これに対する根本的な処置というものが講ぜられないで、ただ単にカルテル
運賃を構成することによって、これらの
業界の安定をはかろうというような
考え方に、私はまず第一番に不満を抱くものであります。こういう
法律を作るならば、これと並行いたしまして根本的なこういった
小型船の振興対策というものを、政府は樹立しなければ私は片手落ちだと思うのですが、これらの点について運輸当局はいかにお
考えになっておられますか、
伺いたいと思います。