○中居
委員 私はそういう制度自体について非常に心配を持っておるのです。大体この
モーターボート競走法は、先刻来同僚の
山口委員からも指摘いたしましたように、
時限立法のつもりで制定せられたものだと私は思っております。しかしこれを数度にわたって
改正することによって、なるべく
弊害を少くしよう、こういうことで、今まで数度
改正になったのですが、そうすることによってこういう
時限立法を
政府はあるいは運輸当局は恒久立法化しようとしておるのではないか、こういうことを私
どもは指摘しておるのです。そうして
弊害を少くしよう、そういう考えのもとに
改正せられることがどういうことになるかといいますと、一方においては官僚がそういうものについての実権を握ってしまう。見ようによりましては、個々の経理に対するところの特殊法人の設立、こういうものは、明らかにそういう私
どもの杞憂というものが事実となって現われておるのではないか、こういうように私は考えております。こういうことが
一つ。もう
一つは、今回のこの納付金の使途についてでありまするが、民間のそういう審議会、団体の考えに基いてこれを使用せしめる、こう言ってはおりますが、しかし実態は、
弊害をなくするために
運輸大臣がその
事業計画なり何なりについて詳細に検討して
認可するのだ、こういうことであります。これも結果論を申し上げますならば、運輸官僚がこういうものについての発言権を持つのだ、こういう
弊害が私は当然生じてくると思っております。こういう制度は、現に過去二ヵ年間臨時
措置法といたしまして実施して参りました。しかし国庫納付金制度をとっておった過去の実績と、それからこういう臨時
措置法によって行われて参りました過去二カ年間の実績の経過と比較してみましても、何らそこにプラスの面がなかった。むしろここに根強いガンというものが形作られつつあるのではないか、こういうことを私
どもは考えるのです。しかも私は、
社会を
混乱せしめることによって
社会の暗い面を作ることを前提としながら行われておるこういう制度は、なるべく廃止すべきではあるが、しかしあなた方の言われるように、いい面もあるのだ、こういう必要悪という考え方に立ってやるならば、こういった金の使途は、こういった制度から上ってくる金は、広く
国民大衆のために使われるべきものであって、限られた
機械工業とか、
モーターボートの
関連産業、そういうものに限定して使途すべきものではないと私は考えております。しかもこういう制度を行なって参りました過去二ヵ年間の実績をごらんなさい。金の使途をごらんなさい。ほとんど大半が何々
振興会、何々協会に対する補助金、こういうふうに流れております。こういう
振興会あるいはこういう協会がどういうことをしてそのお金を使っておるかということは、私が論ずるまでもなく、皆様方が十分御了解のことと思うのであります。今日政界とこういった業界とのくされ縁、あるいは官界とのこういった面のなれ合い、こういうことがひどく
国民世論の反撃を貝っておる場合に、かりにもそういう疑いを起すような原因を私は作るべきではないと思うのです。これはむしろ堂々と必要悪として、昔のように国庫納付金といたしまして、国庫の収入として国会の審議を得て、そうして
国家予算としてこれを
国民大衆のために使ってこそ、初めて必要悪であるという
一つの
理由というものが生じてくると思うのでありまするが、これらについて
運輸大臣の確たる所信を重ねて私はお尋ねしたいと思うのであります。