○中居
委員 私も結論を申し上げますが、ただいまの濱野さんの意見と私は全く同感です。局長の言われるように、今日こういう情勢になりまして
自動車の貸し渡し
事業というものを全然無視する、全然なくすることが適当であるかどうか、こういうことにつきましてはいろいろ論議があろうと思います。しかしそういうものが必要であるという前提に立ちまして——前提に立つからといって
法律を無視して、そういうものの存在をいつまでもほおかぶりで過されることは許されないと思う。現に
運輸省は昭和二十六年にそういうほおかぶり的の通達を出しているのです。私
どもは長い目で六年間待っておったのです。六年間のうちに
運輸省は適当な、現状に即応した法的な措置をとるであろうと待っておった。ところが六年たっても同じなんです。しかも昭和三十年に至ってはさらにこれを確認をしているわけです。こういうように、
法律を無視して、そうしてできてしまったものは仕方がない、こういうような行政措置をもしも今後続けるならば、私
どもはこの問題はさらに今後とも継続して申し上げるほかはないのです。従いまして
運輸省がとるべき処置は、今日の道路運送法の建前からいって、こういうものは違法な処置である、違法な存在である、こういう確認の上に立って、これに対する適当な法
改正なり、あるいは行政措置なりというものを講ずることに、
運輸省が積極的な、そして果敢な態度を示してもらわなければならぬと私は思うのです。こういう
法律改正に当りましては、おそらく今日の
自動車メーカーであるとか、あるいはユーザー、こういうところからもいろいろな意見があろうと思います。ユーザーの
立場からいいますと、こういうものの存在は困る、しかし使い古しの車の処分に困るからこういうものの存在もやむを得ない、こういう反面の意見もまたあるわけです。従いまして私はこの問題を簡明率直に解釈するには、いろいろな弊害、障害というものが出てくると思います。かといって、このままこういう問題を放置することは私はできないと思います。さらにまた
運輸省の
自動車局におきましては、このドライブ・クラブの実態をもっと真剣に検討してもらいたいと思います。現にドライブ・クラブから私にこういう勧誘があったのです。自家用車のナンバーで、運転手をつけて、
ハイヤーよりも安くお運び申し上げますからどうか御下命下さい、ドライブ・クラブの名前で堂々とそういう勧誘状が私のところにきております。私はドライブ・クラブの十社を調査いたしましたが、表面上会員制度という形式をとっておりますが、入会金は五十円か百円です。こういうクラブ制度をもって
自動車局長は、自家用
自動車の共同使用の形である、こういう解釈をすることは私は間違いだと思うのです。共同使用ということは、少くとも
自動車を所有しておる
会社の株を所有しておるか、あるいはその
自動車に対して複数の者が相当額の出資をして、そうしてこれを使うということが、この法第七章で定められた共同使用の実態ではないか、内容ではないか、こう私は解釈しておるのです。形式的に三十円か五十円の入会金を取るとか、あるいは会員ではあるが入会金を免除するとか、こういうような会員制度のドライブ・クラブの今日の実態というものは、決して第百条の共同使用にも該当するものではない。ましてや第百一条の
運輸大臣の許可を得て有償で車を貸し渡しする、こういう
事業をこの第二項に
適用せしめるべきものではないと私は考えております。さらにまた
自動車局長はこういうことを言っております。最近
自動車の
免許をとる者が多く、
自動車を購入できないから、そういう
人たちのためにもこういう制度は必要な制度である、この意見も確かに半面真理でしょう。しかし千キロ、二千キロ走って
免許証をもらって、そうしてその人間がドライブ・クラブの
自動車を借りて、この混雑しておる東京の街頭に出て運転することが、どれだけ交通道徳の妨害をしておるか、こういうことも真剣に考えてみなければならぬと思います。ドライブ・クラブの車を借りて、そうして十八歳か十九歳の高校生徒たちが女とふざけて、そうして交通事故を起しているということは、毎日のように新聞紙上に報ぜられているのです。交通道徳の建前からいっても、私はこれは放任できないと思うのです。ですからただ単に時代の要請であるとかなんとかということだけでなく、この交通緩和、交通事故の頻発、こういうこともあわせ考えて、そうして道路運送法の法の建前ということも考えまして、これに対する早急な
運輸省の処置というものを私
どもは要請申し上げたいと思うのですが、これに対して局長はいかにお考えですか。