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専門員(
西村高兄君)
請願二百三十六号、
印章法等制定に関する件を御
説明申し上げます。この
請願者は北海道札幌市の印章業組合の半田勝之丞さん外十二名でございます。文書表の方に二十五通となっておりますのは、これは間違いでございますし、半田勝之丞外二十四名となっておるのも、これは十二名の間違いでございます。外十二名と申しますのは、今日印章業組合が、あるいは印判業組合と名をつけておるのもございますが、その
請願者は、札幌市のほか、北海道では釧路、北見、旭川、空知、それから、膽振、日高これは
一つになっております。それから室蘭、函館、以上が北海道でありますが、それから
大阪府の印章業組合連合会、大分県の同じく連合会、それから佐世保の組合、それから熊本県のやはり印章業連合会、それから宮崎県の連合会、これだけの方々がこの
請願を出しておられます。
請願を一括して左藤義詮先生が御
紹介をしておられるわけでございます。
この内容を申し上げますと、終戦後国民道徳が低下いたしましたために、印章による犯罪が非常に多い、これをこのまま放置しておきますと、いろいろ困った
事件ができて参ります。それで印章を彫刻する印章師の素質の低下を防ぎ、また印章による犯罪を防止するために、印章法を作ってもらいたい、なお印章師法も作ってもらいたい。そういうことでございまして、なお具体的の内容はこういうことでございます。印章業者というものが今度できることになりますと、印章の注文を受けた場合にもしか印章が不正に使用されるおそれがあると思われる場合には、これを警察に連絡させるようにする。それから印章業者に登録証明書というものを添付させて、彫刻の年月日、材質、字体、寸法等まで明記させて印章登録受付に便ならしめるようにする。それから印章というのは、習慣上市町村役場に登録されたものは実印といっておりますけれども、その実印といわれながら姓だけしか彫刻してないものでも、これを実印といっておるが、それでは同姓が多いことであり、印章証明に間違いを起しやすいので、姓名を全部入れた印鑑にするように。それからただいまの合成化学原料で熱処理あるいは圧力処理で非常にたくさんの印鑑が一ぺんにできることになりますが、これはもう完全に形が同じものになるのでございまして、これでございますと、印章犯罪を激増させることになる、つまり本来印鑑というものは別々のものであるはずのものが、完全に同形のものができますので、そういうことであっては印章犯罪がどうも激増して困るので、この多量の同一の型の製造販売は禁止するように。それから印章営業を許可営業にする、こういうような
趣旨なのでございます。
これはずいぶん今までの自由営業でございます印章業について、それから印鑑証明というようないき方につきまして、新しい形をとることになりますことでございますし、各
方面に影響することが多いと存じます。なお、法務
当局でもいろいろ
説明を御準備になっているようでございますが、そういう
方面からの御
聴取もいただきたいと存じます。なお、同
趣旨の
請願は、第十九
国会、二十九年の六月でございますが、衆議院に出まして、衆議院ではこれは採択いたしております。このときには
大阪の組合から出ております。なお第十
国会、
昭和二十六年には、山梨県知事から印章法制定
反対の
請願が出ておりまして、このときはこの
請願が保留になっております。これもあわせて御報告いたしておきます。