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矢嶋三義君 約束は四十分までですから、もう時間がないわけですが、私はこの際に
文部省の、言葉は少し強いかもしれんが、若干反省、再考慮を願いたいと思うのです。それば先日来松永
委員が定員の問題について、今の窮状を解明
質疑されました。さらに先ほど安部
委員の
質疑を承わっておりますと、昇給昇格の問題は男女
差別待遇をしたり、あるいは独身者と共かせぎを差別したり、きわめて不完全な惨たんたる状況にあるということが一部解明されたわけです。こういう事態というものは、日本の
教育水準を維持向上させるに当ってはまことに遺憾なことだと思います。で、その責任は
文部省にあげてとは言いませんが、相当多くおいかぶさっていくことは、これは明白だと思うのであります。
文部大臣あるいは所管局長において努力されていることを、私は否定するものではございません。しかしその努力はともかくとして、成果が伴っていないということは、これまた認めざるを得ないと思うのです。こういう窮状下に、全国の教師並びに
教育関係者が、
教育を守り、その水準を向上させるという立場から、
教育予算の確保の問題、あるいは教師の立場に立つならば、具体的に地公法四十六条に基く勤務条件に関する
措置の要求とか、あるいは同法五十五条に基く交渉権の発動によって、要望、要求をするということは、私は、これは自然の姿だと思う。かような
公務員の姿というものは、単に
教職員に限らず、国家
公務員、あるいは若干性格は違いますが、公企労方面にも、ずいぶんとかような要求、要請の姿というものは見られるわけです。これが今の日本の政治、経済、社会の環境下に置かれた一つの私は歴史に残る特色だと思う。こういう問題については、
文部大臣としては、あたたかい心と、それから適正なる指導力をもって問題の解決に努力されなければならないのにもかかわらず、どうも私は最近のこの
文部省のやり方というものは、やや弾圧的な警察行政化する傾向を私は帯びてきておると思う。たとえば昨日の全国の
教職員の勤務条件に関する
措置要求の仕方につきましても、末端においては、
教育委員会当局と十分話し合い、納得の上で取り運ばれる、あるいは父兄の不満もなく、その御協力と御理解の上に子供の
教育上に支障がないようにして取り運ばれておるにもかかわらず、中央官庁の
文部省は、その実態を把握することなく、この一片の、きわめて不十分なる法文
解釈によって、次々に談話を発表するとか、通達を出すとかいうような、威嚇的な
態度に出られていることは、まことに私は遺憾千万に思います。私は昨日の事態について全部
調査しておりませんけれども、しかし、新聞とかラジオとか、あるいは全国の通報を持っている諸君に聞いてみると、
教育委員会と十分話し合いをやっておる、あるいは父兄の納得の上に、支障がないように取り運ばれておるにもかかわらず、あなた方はその
内容を十分つかむことなく、単に威嚇的な、弾圧的な立場をとられるということは、今後私はこの全国五十万の
教職員を指導していかれるという立場からは、まことに私は遺憾だと思う。こういう
文部省の
態度というものは、先ほど新たに本院に当選してこられました三
委員が、この
委員会を通じての
文部省とわれわれ議員との間に感ずるところがあるというものと相通ずると思う。こういう点については、私は心静かに反省し、再考慮を願いたいと思います。
それで時間があと四分でございますから、私は念のために承わりますが、初中局長は、昨日の全国の
教職員の勤務条件に関する
措置の要求の仕方について、警察の力を借りてこれを
調査し、
措置するということを
発言されたということを私は承わったんですがね、先ほどもあなたに私はその点ひそかにただしたわけですが、あなたが初中局長として、全国の都道府県
教育委員会に対して、その
調査の結果を
求めるということは許されておることです。しかし、事、
教育者の問題について、警察力を利用して、警察に依頼してそういう実態を把握するというような考え方が、もし
文部省にあるとすれば、私はこれは遺憾なことだと思う。さなきだに、私は言いたくないけれども、あえて言わざるを得ない。
文部省には
文部省生え抜きの文部官僚がおる。それと内務省畑の内務官僚系統の対立がある。あるかないか知りません。これは私はそういうことは言わない。しかしそういう声は
教育界初め、ちまたにずいぶんとある。しかも
教育畑に育った文部官僚が、内務畑の官僚、特に警察畑の人によって、次々とそのポストを追われつつある。これは
文部省の性格を近き将来に変えていくであろうという批評、杞憂かもしれませんが、心配されておるところの
教育関係者というものは相当にあるのです。あるいはおそらく私は局長の耳に入っていると思うのですが、そこで私は伺いますが、明確にお答え願いたいと思います。初中局長は、そういう事態の
調査に警察力を利用しようとか、これに依頼しようとかいうようなお考えがあるのかないのか、これは愚問になるかもしれませんが、私は重大だと思いますので、明確に一つ承わりたいと思います。