○国務大臣(清瀬
一郎君) この問題は指導通達くらいで解決すれば実は容易なことなんです。しかしながら問題は閣議どころじゃない、もっと大きなもので、私は政治家として考えねばならぬと思っておる。閣議でどのくらい大きな声で言ったところが、今かくのごとくなっておるのは
地方財政の窮乏から来ておる、
地方の知事でも
教育委員長でもまた町村の長でも、
教育委員の方々も、
教育が重要でないと思って
現状を維持されておる者はございません、これをよくしたいのはみんなやまやまではありまするけれ
ども、何をするにも
地方の財政がかくのごとく窮乏いたしておるわけです。ある極端な例のごときは
文部省から金をやるといっても断わって来ておるのです、なぜ断わって来るかというと、それをもらえばそのもとになる
地方の経費を出さなければならぬ、みすみすこちらの方から出した金も使えないという
状態であります。しからば日本の財政全体はどうか。日本は今財政が破綻しつつあるかというとそうじゃございません。今年の国家財政は今日までの間でも九百億円の収入超過であります。年末までには一千億であります。それである人はこの一千億を減税に使おうかと言っておる、逆に全体としては経済は上わ向いて政府の
予算は余りながら——余るといってはおかしいけれ
ども、
予算よりはたくさん収入しながら
地方においてはこの
状態なんです。一番大切な
教育においてもこの
通りであります。それで私は、わが党は無論のこと、矢嶋さんの属しておられる党、各派寄って一体財政収入の
地方と国家の割り振りを変えなければならぬ。こんな不公平な割り振りが出たのは、悲しいかな、
わが国が占領されて、外国人シャウプという人が出てきてシャウプ財政を作ったのです。
地方自治とは言いながら
地方に財源がありゃしません。もっと大きなところでこの改革をしなければ——私は閣議でしゃべって、それで日本の
教育がよくなるなら何ぼでもしゃべりますよ。通達を出しただけで
教員の月給が上るなら通達も出しますけれ
ども、元が
地方にないでしょう。交付金の率を少々上げたぐらいでは焼け石に水でしょう。ですからもっと大きな私は日本財政の問題が横たわっておると、最初からこの問題を見ておるのです。お問に対しての直接の答えになりませなんだと思いますけれ
ども、あなたのおっしゃる
通り、太田君に対する折衝もさしておるのです。閣議においても唱えます。唱えまするけれ
ども、私が非常に叫んだからといって解決しがたい根本の、英語でいえばハード・アンド・コールド、固い、冷たい事実があることをどうぞ御
承知願いたいと思います。