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説明員(
天城勲君)
前回の
委員会で御
要望もございまして、三十二
年度の
概算要求事項中おもなものをまとめましてお
手元に配付いたしましたので、これについて御
説明申し上げます。ただ、その前に、前の
委員会できわめて概括的に一回御
説明いたしておりますので、重複いたします点は省略しながらいたさせていただきたいと思っております。
最初の
義務教育費国庫負担金でございますが、これは
基礎的な
数字が問題でございまして、この
備考欄にこまかく書くことができませんので
別刷りでお
手元に
資料を提出してございますので、大体
資料をごらんになればおわかりになることと思うのでございますが、
考え方といたしまして、
別刷りの
資料にございますように、
基本方針としては、
教職員の
給与費は
地方交付税の不
交付団体、これは現在のところ東京、大阪、神奈川の三都
府県でございますが、
政令適用団体といたしまして、その他の四十三
府県は実
支出額の
負担として算定いたしております。
教材費は
政令に定める
単価で計算しております。それから
恩給費が本年の七月以降退職または死亡した者につきまして国で半分
負担するということになっております。その平
年度分を計上いたしておるわけであります。
基礎的な構造はそうでございますが、計数といたしまして、
児童、生徒の
増減がございます。
小学校で三十七万ふえますが、
中学校で二十二万三千減りますので、十四万七千という増を見込んでおります。その次は現在の
現況でございまして、本
年度の
現況でございまして、小、
中学校の
教員数、それから
給与単価等をここに規定したわけであります。
明年度の
予算の立て方は、との
現状の
基礎の上に
明年度の
増加分を推定するという
やり方をいたしておりまして、たとえば
給与費につきましては、年間の
昇給率を四%と
考え、原資を二%とするという
やり方をいたしますし、
児童の
増減につきましてはこれを
基礎にいたしまして
教員数を算定すると、こういう
やり方をいたしております。
それから二番目の
文教施設の
整備の問題でございますが、
国立学校は従来と同じでございますが、特に
原子科学関係の原子力、あるいは
原子核等研究の
施設費が相当かかりますので、これを別ワクにいたしております。
公立文教は
幾つかの項目がございますが、特にわれわれが
重点的に
考え、かつ
現実の御
要望も多い点をここに
備考に書きましたが、
義務年限延長に伴います
中学校の
校舎の建設、あるいは
屋内運動場の
整備、それから小、
中学校の統合、
危険校舎の改築、
小学校の不
正常授業の
解消というような点が一番大きな問題ではないかと
考えております。それから前
年度と比べますと相当な大幅の
要求で、総額で大体倍ぐらい、百十八億という
金額を
公立学校では
要求いたしているわけでございます。育英、
援護事業につきましては、
前回御
説明申し上げましたのと特に変っていることはございませんが、
備考の方で特に問題の
重点となっておりますところを付記したわけでございまして、
明年度は
高等学校の奨学生の拡充をはかりたい、大学につきましては
単価を是正したい、まあこういう点に
重点的のあることを付記したわけでございます。それからここでちょっと申し上げておきますが、四番目の
学生健康保険制度の
実施、これは新しく
考えておりますけれども、
関係者の御
意見の
一致を見た上で
制度的なものにしたいと
考えておりますが、なお最終的な
一致の段階に現在至っておりませんので、
予算的にどうするという前に
政治論としてなお問題が残っていることを御
説明いたしておきます。
二枚目に入りまして、
科学技術の
振興関係の
緒経費でございますが、
理科教育、あるいは
産業教育等につきましては
皆様方には
内容はすでに
十分御存じだと思いまして、参考のために過去のこの
制度の始まりましてからの
予算の実績を掲げておきました。これで大体の
経過傾向をおくみ取りいただけるのじゃないかと思います。中間で減っている年などはいわゆる
補助金の減額というような形で一割
削減、あるいは五分
削減というような形で
数字のでこぼこがあるわけでございますが、こういう
状況のもとに
明年度は五億六千、あるいは
産業教育では十一億という
金額を
要求している
状況を示したわけでございます。それからその他この
科学技術関係の
事項につきましては、
前回御
説明申し上げたところで、特に付言申し上げることはございません。
定時制
教育の振興も
お話し申し上げましたが、若干
数字的なコメントを
備考につけております。たとえば
給与費の三十二億、これは四割国庫
負担でございますが、大体現在の定時制の
教員及び通信
教育担当
教員がここにございますように二万二千弱でございます。二番目の通信
教育の設備費、これも振興法によりまして二十七
年度から三十
年度までの実績を掲げてございます。三番目の夜間
高等学校の給食施設の補助でございますが、約一億弱
要求しておりますのは、二百五十校ぐらいを
整備対象に
考えているということでございます。
青少年対策の問題は非常に
事項が多いし、ごちゃごちゃいたすのでございますが、おもなものを
備考に掲げましたが、青年学級の運営費、これは対象が非常に多くなってきておるので非常に……
現状は一万七千ほどになっております。
それから新しい問題としての四番目、青少年
教育施設等の
整備、これは本
年度二百九十万
実施しておりますが、
予算内にはその前の青少年キャンプ経費の流用として
実施したわけでございまして、
予算的には
明年度が新しいことになりますので
備考に掲げておきました。全国八カ所に青少年
教育施設を設け、ほかにモデル的な体育館やプールを作りたい、こういう
考え方でございます。
それから五番目の青少年の映画及び録音の教材、これは
教育映画、あるいは幻灯、録音教材等を国で製作指導いたし、あるいは若干のものは購入いたしまして
府県に配付する、こういう一連の
実施でございます。映画
関係も主としてそういうような構想ですが、特に
金額的に多いと思われる六番目の青少年向き映画の普及、これは
教育映画で非常に優秀なものはできれば国で買い上げして
府県に回したいというような
考え方として、大体各
府県に年間五十本ぐらい回したい、こういう
考えでおりますので、
金額的には相当かさんでおります。
それから九番目の青少年巡回音楽演劇鑑賞指導、これも新しい
事項でございますので、これは中央の劇団、楽団を積極的に
地方に巡回して指導に使っていただく、同時に
地方の劇団、楽団の育成をはかりたい、こういう構想で新規に
要求いたしております。
教育の機会均等の項目に入っております諸経費は、
前回御
説明の点を
数字的にコメントいたしましたが、教科書の無償
給与、これは小、
中学校の
児童の四%を目途にいたしております。
僻地
教育の充実費の中で、新しい問題として発電装置とか、バス、ボートの設置の補助、こういう点を
要求いたしております。
特殊
教育では
備考にございますいわゆる就学奨励費、これは法律によります補助でございますが、従来
通り進めておりますが、同時に下の特殊学級の増設をはかっていきたい、そのための設備費を
要求しよう、こう
考えております。
四番目の公立養護学校
関係の立法に基きます
予算措置でございますが、
給与費、
教材費等の積算をここに掲げてございます。それから僻地の
教員住宅の建設費、これは従来大体百五十戸くらいの範囲でございましたが、ぜひもう少し伸ばしたいということで五百戸の
要求をいたしております。
給食の準要保護
児童に対する補助でございますが、これも教科書と同じように四%を目途にいたしております。
その次のページに入りまして、特に御
説明申し上げる点は、この辺はあまりないのでございますが、私学振興の三番目の私立大学理科助成、これは本
年度五千万円という大幅の経費がついたわけでございますが、
科学技術の振興という点から、私立の大学の理科系統の
教育を振興したいという
考え方で、かなり大幅の
増額を
要求いたしております。
それから芸術及びスポーツの
振興関係では、国立競技場の建設、これは本
年度から一部
実施の準備に入っておりますが、最近明治神宮の競技場を国で買収してこれを改築し直すということが決定いたしまして、早ければ十二月の半ばごろからその第一段階の開始に取りかかるという段階になっております。その点の経費を
明年度要求しておるわけでございます。
国際
文化の交流の振興のための諸経費をそれぞれ計上いたしておりますが、特に三番目に国費外国人留学生招致、これが相当額
増額を予定しておりますのは、
備考にございますように、新規に東南アジアから六十人その他欧米から二十人を招致して逐年的にこれを伸ばしていきまして、完成した場合には五百人
程度の外国人が日本におるという姿に持っていくという
考えで
要求いたしております。
その他は特に
前回より補足いたす点はございません。
最後に
国立学校関係の経費でございますが、新規の問題で特に大きな問題は、
前回申し上げましたが、原子力研究の開始とか、あるいは物性物理学研究所の創設でございますが、その他の経費は大ざっぱにしてございましたので
備考で中身をすくってみましたが、その他の経費といたしまして、三十二
年度の
要求額九十七億ございます。前任度に比べて二十五億ほど
増額しておりますが、これは講座でございますとか、あるいは技術系学科の増設、それからまた研究施設を新たに作ったりその
整備をいたしたりという経費でございまして、毎年この点は繰り返して進めておる事業でございます。
それから
国立学校関係の経費は、基準的な経費が非常に大きな要素を占めております。今申し上げました講座の新設とか、研究所の新設ということ以外は、ほとんど基準経費という形で進んでおりますので、基準経費の大体占める率をここに書いたわけでございます。
国立学校で二百八十四億、病院で七十二億、研究所で二十六億、こういうような
金額でございます。
それから最後に
文化財保存事業、これは大きなものとして国立劇場の設立の問題と
文化財保存事業費でございますが、そのほかに観光
関係の施設
整備という新しい
事項を最後に加えておりますことは
前回申し上げた
通りでございます。
それからこの前その他という項目に一括いろいろなことを規定しておりましたが、その中身でおもな問題を
備考にしたためた次第でございます。ユネスコ
関係の経費、それから
児童生徒、
教職員の健康管理費、これは
教職員の健康管理——健康診断につきましては、従来から
予算を計上いたしまして
実施しておるわけでございますが、
児童生徒の健康管理、特に身体検査につきましては国で積極的に
予算措置をいたしておりませんでした。しかしやはりいろいろな面から
考えまして定期的な検査を励行して、早く問題を発見して次の指導を徹底するようにという
考え方で全
児童生徒に定期的な診断を充実して行いたいという
考えから、新しくその経費を
要求しておるわけでございます。学校図書館の
整備、これも図書館法に基く
補助金でございます。それから学校給食の設備の
補助金、これも学校給食の拡充に伴いまして、
金額的には相当額なっておるわけでございます。
その他、最終的には本省や、
文化財保護
委員会、それから所轄機関の人件費、物件費をまとめて三十一億計上したわけでございます。
前回と重複をきらいましてこの
資料を新しく作りましたものと、おもな点だけを補足的に申し上げておきます。