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平林剛君 それでさっき私が一万円札の発行について
政府の
意見をただしましたのは、やはり物価の方向だとか、今後の経済の動向について
国民生活に与える
影響を
考えたので、
政府の
意見を聞いたわけであります。大臣からは大体今その適当な時期ではないという
お答えを聞きましたから、私としてはこれ以上追及をする必要はないのでありますが、ただやはり大蔵省としては、
国民経済のことを
考えて、今の経済が安定をするような方向に最大限の
努力を尽すべきときではないか。特に私は学者ではありませんけれ
ども、各方面の
意見を聞いておりますというと、国際情勢から見ても、そのはね返りが日本の経済にある程度出てくるということも伝えられておりますし、それから物価の上昇についても先ほど申し上げたようにかなり上昇しておる。おまけに来
年度予算の
編成に当っては、財政規模もことしよりは大きくなるわけで、私は現在の段階ではむしろインフレ気がまえの方向に向いつつあると判断をしてもよいのではないか。そういうときに一万円札が論議されるということは、およそこれは矛盾しておる。大臣としてもこの答弁については今その時期ではないというふうに
お答えにはなりましたけれ
ども、その口の裏から適当な時期がきたならば発行してもいいのだということを述べることは、インフレ気がまえに拍車をかけるような——そこまで言わなくても、そちらの方向に向わせるような
国民に心理的な
影響を与えると私は思うのです。その点を特に御注意を申し上げたわけです。私としてはむしろはっきりと一万円札については発行するつもりはない、その準備もやめるくらいのことを言った方が、日本の経済のこれからの方向についてはよい
影響を与える、そのくらいの
考え方をもって
大蔵大臣としては通貨政策も
考えてもらいたいものだ、こういうことを私としては
要望するわけであります。特に
国民生活に
影響を与える最近の物価の上昇について、一万円札やあるいは通貨系列を整えるなどということを
考える前に、今の物価上昇をどうやって押えるかということについて
政府は積極的な政策や大臣の抱負なりを発表して、そうして
国民に安心をさせる。それに必要な手をどんどん打っていくということの方が大事な時期ではないだろうか。前段については私は大臣に対する
要望でありますが、現在の物価の上昇、今後のインフレ気がまえに対して、
政府の責任者としては、どういうような方策を
考えられているか。少くともこの一カ年漸増する方向に向いつつある。このことは安定化の方向にあるいはよい方向に向っているかどうかということについて、私は疑問を感じておりますので、今後
政府として打つべき点、あるいはこの
機会に国際情勢から見て、
政府としてどういう手を打つというような御見解がありましたならば、お聞きしておきたいと思います。