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藤田進君 ですから、これは閣内で二つの意見がある、
一つは
通産大臣の緊急調整に至るような事態はあるというような認識になると思うのです。この点はどなたが
考えてもそうだと思うのです。
電気がとまらない範囲の
ストライキだったら、
国民に何の迷惑もないというのですよ。一年会集金にこないからといって需要家は困りはしないでしょう。資本家の方では利益の配分ができない、配当がないというようなことで、株主総会を持てないから銀行へ貯金ばかりしているといってみたところで、
国民が困るというような問題じゃない。ところが
労働大臣は
国民が困る問題がまだあるから緊急調整法を残しておるのである、再々相待って運営して妙味を発揮するのだ、まるで手品師みたいのことを言っているのですが、
通産大臣の意見はよくわかりました。そこで、
安井委員も非常にお急ぎのようでありますから、……。(「約束
通りやろうというのだよ」と呼ぶ者あり)多数ある中で整理をいたしまして、一、二点お伺いいたしたいと思いますが、これは
労働大臣にこの際お伺いいたしてみたいと思います。この
法律は、現行法の範囲内で、その解釈を確定するものだ、こう言われてきたと思います。ところで、検察活動の方針をみますると、
昭和二十七年の九月二十四日までは発電所の発電機がとまったり、スイッチを切ったりして、
争議行為として
電気をとめた場合に最高検の方針、これは法務
大臣等の一貫した内閣の方針だと思うが、その場合には、
昭和二十七年、先ほど申し上げました九月までは公益
事業令の違反、
電気を切ることがこれが違法である、正当な
争議行為ではない、つまりスト
規制法の
意味する解釈ですね、
電気をとめる
争議行為は違法である、よって労組法第一条の、刑法三十五条の違法性の阻却で、この適用を受けないというので、起訴をいたしました。ことごとくを起訴をした。これは事後の裁判で、地方裁判所さらに高等裁判所へと無罪になりました。つまりスト
規制法のいう解釈は否定されてきた。審、二審では合法的なりとしてきたのです。そこで、裁判所の問題は別として、行政
当局にお伺いしたいのは、その判決例が逐次出てきたものですから、
昭和二十七年九月二十四日以後の事件については、検察活動の方針として、スイッチを切ったり、その他
電気をとめる
行為が違法だという、そういう起訴はしなかったのです。そういう起訴は一件もしていない、方針が変りました。変ってどういうことできたかというと、従来は公益
事業令の第八十五条ないしは八十三条ですね、正当な理由がないのに
電気をとめるということは違法だという、これできたのが判決例が逐次累積するに従って態度を変えて、二十七年九月二十四日からはどういうことできたかというと、威力業務妨害罪、刑法二百三十四条、これできたのです。あなた方のいうスト
規制法の解釈というものは検察庁もとらなくなってきたのです。
電気を切ることは違法だとして起訴しても、これは負ける、敗訴するということから、今申し上げました刑法二百三十四条にいうところの威力業務妨害罪で公訴事実を明らかにしてやってきた。これは明らかに行
政府の中で、あなた方のいう解釈を統一するのだという、こういう根拠がある解釈が、すでに検察陣なり、少くとも法務
大臣は、これはおそらく閣議においても了承されておることだと思うが、態度をさように変えてきておる。ただ、
労働大臣だけが依然としてこの解釈を確立するのだ、停電ストは違法だと、横車を押してがんばっておるように見える。これは検察庁、法務
大臣以下のこういう態度が間違いなのか、あなた方はどういう見解を持っておるのか、この点を伺いたいと思います。