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曾祢益君 今
永野委員から指摘されたような点についても同感な点も多々あるのですが、そういう啓発も大いにやらにゃいかんでしょう。そういう場合に僕の見地から言うと、やはり
日本の労働組合の援助といってはおかしいのですけれども、労働組合の立場からも
向うの労働組合に呼びかけるということも
一つ方法としてわれわれも考えていく必要があると思うのです。同時にまた
日本の
産業条件が、あるいは労働条件というものが、たとえば近江絹糸みたいなものを持っておるために、非常に
ダンピングの疑いを持たれる。こういうやはり
日本における労働
政策の貧困性というものが非常にからんでくる。そういうことを含めてやはり大きく考える必要がある。同時に、確かにやはりあまり売り急いで非常な
市場混乱を起させることのないように、これはやはり
輸出側の方からいっても長い
利益を伸長させるためには、これはやはり自発的の何といいますか、自制措置もある
程度必要だ。これも奨励しなければならぬ。ただその場合に、私も
永野さんと同じ考えを持っておるのでありますが、どうもやはり当局側の何というか、腰の置き方といいますか、やはり長い物には巻かれろじゃないかもしれぬけれども、たとえば今伝えられている綿布や
別珍の場合を考えてみると、
向うの過去そのままに、
数量的には二年前の
数量にくぎづけだというような事項もあるやに新聞に伝えられておる。それじゃ漸進的に伸ばしていくということで、
特定の
品物で
市場を急激に攪乱することはこれは差し控えろということは、われわれとしてもわかる。しかし
数量的に二年前の
数量にくぎづけられたのじゃ、これは
貿易の順次促進ということにならない。だからやはり
政府としてもそういう点については、きぜんたる態度をもって、
貿易は自由化がほんとうなんだ、であるから自発的な統制も必要であるが、やはり目標というものは過去の
数量にくぎづけだというようなことは
承知できない。こういうやはり大局的な腹をくくった上で、その上で合理的、妥当な自発的統制はやらなければならない。
特定の
品物に集中しないように、成るべく
品物を分散する。そういう意味のマーケットというもの、オーダリー・マーケッティングというものは奨励する、そういうつもりでやっていただきたいと思う。これは希望として申し上げておきます。
それから第二の問題は、
日本に対する
影響なんですが、私もまだ十分に
資料を検討しておりませんけれども、これは
輸入の問題だということをおっしゃいましたけれども、これは言葉じりをつかまえるわけじゃないけれども、これはちょうど今の
アメリカの場合と同じことで、つまり国内
生産の問題ですね、従ってこれらの
アメリカに今度与えた
コンセッションというものが、
日本の当該
産業に具体的にどういう
影響を与えるかということについては、これは相当やはり研究されたし上に、結局はここに書いているようにすべてはやはりギブ・アンド・テークなんだから、大局上これはいいということで総合的に
判断されるものだと思うわけです。そこで今度は特に
アメリカの
要求した
コンセッションの中で、ここに断わったものがありますが、断わり切れなかったものがある。それは当該
産業に一体どれだけの
影響を与えるか、この点について
産業別、
品目別に
通産省の方からどういうふうになっているからまあ大した
影響はないとか、大丈夫であるとか、多少は心配だと、一々
説明してもらいたいのですが。