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国務大臣(
吉野信次君) ちょっとこれは誤解を受けるといけませんが、政府の
態度は非常にはっきりしておりまして、あるいは今
お話の
通り、どうも
日本国民にはそれは映らなかったということであれば、これはまあ
内閣全体の問題として、もう少し周知方について足りなかったと思いますので、これは大いに気をつけなければならぬと思いますが、少くとも国際的にははっきりしておりますから、エジプト政府のごときは、大いに
日本の
態度を了としているわけでありまして、決してあいまいな
態度をとったということはエジプトは言わないのですね。
日本の
態度は非常に公正であるということを、ナセル自身が言うているのであります。それですから、少くとも国際的に見たときには、
態度は私はきわめてはっきりしていると思います。もしそれをはっきりしないと言う人があるなら、インドのメノンが提案したあの案ですね、あの案の監視の案がどうかということになぜ賛成しないかどうかということの問題がある。こまかい問題になりますけれども、あの案は、ただ概括的なんであって、問題は国際監視、私が申しました
通り、国際管理か国内の管理かと申しましても、紙一重でございますから、内容いかんにある。メノンの案は内容がない。内容がないのですから、ただ国際管理する方がいいと言うただけじゃ、賛成も反対もしようがないのであって、そのメノン案というものの具体的の内容というものに入らずじまいで十八カ国の案というものになりましたものですから、それではっきりしないということをもし仰せられるならば、ああいう案についてどう思うかという問題だろうと思いますが、これはその当時の
事情としてはやむを得ないことだろうと
考えております。
それからこまかいことは
局長が
お話し申し上げますが、スエズの船の
関係の方は、一番困るのは、これはほかの国と違いまして、
日本はあの中近東だけを貿易しているルートを持っております。つまりスエズ側のこっちの方の、インド洋の方のあの辺ですね、あの辺からスエズを通って、そうしてレバノンのベイルート、あの辺の航路だけを郵船などにおいては営業している部面がございますから、私は
日本が特殊だろうと思いますが、これが一番打撃を受くるわけでございます。それからヨーロッパ方面に対する
関係においては、スエズを通らなければ、パナマを通るという手があるわけでありますし、それから油の方面は、スエズの方を通らずにこちらの方に参りますから、そちらの方は比較的
関係はないということが言えるでしょう。ヨーロッパの方からスエズの方を通って物が来るというものですな、そういうものはケープタウンを回らなければなりませんから、これはほとんど倍に近いマイル数でございますから、どうしても日数もかかりますし、どうしても船が運ぶ能力が少いという面で非常になにを持っておる。それからいろいろのこまかいことを申しますと、タンカーなども、外国と契約したものもいろいろございます。いずれにしてもスエズ運河を通らないということによって、さっき申し上げました
通りに、いい方面も悪い方面も、両方ございまして、もし何でございましたら
局長からもう少し詳しく具体的なことを申し上げさしてもよろしゅうございます。