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小平(忠)
委員 そうしますと、大蔵大臣、
主計局長の
答弁によっても三十六億残っておりますが、二十億は災害に大体もう予定されておるし、あとの十六億もいろいろな面で結局余らないのだ。そうすれば、これは当然私が冒頭に申し上げたような理由によりまして、
予算の補正をしないで、今日窮乏にあえいでおる
国民を救うことはできないのであります。この問題については、特に給与
関係については、同僚
辻原君が後刻専門的に
質問することになっておりますし、私は省略いたします。さらに
中小企業年末融資についても、あるいは健保の
赤字解消についても、
質問することになっておりますから、私はここでは省きますが、特に大蔵大臣に十分検討を願いたいことは、
予算補正をするということは、単に事務的にも、あるいはこの短かい国会でできないのだというような問題ではない。一体何が大事か。一番大事なことは
国民生活の安定が大事であって、このような窮乏にあえいでおる
国民を救うためには、そんなやり繰りや、流用では事済まされない問題なんです。従って私は真剣にこの問題を考えていただきたいと思う。その結果今後もしあなた方がきわめて冷酷な態度をもって臨んだことによって起る
事態というものは、これは大蔵大臣、あなたの重大な責任であります。そこで私は
質問いたすことになっております冷災害の問題について、具体的にお尋ねをいたしたいと思うのであります。
先ほど
総理大臣から北海道の
冷害についての御
答弁がありましたが、あなたは現地の事情をよくお知りになっていないのであります。率直に申し上げまして、今北海道はすでに雪が降っております。そうして率直に申し上げますならば、小学校の児童がバレイショや、あるいはトウモロコシを弁当に持ってくる。中には弁当を持ってこない学童がたくさんおります。最近はほんとうに食べ物もない、連年の災害でほんとうに生活苦に追い込められて、娘の身売り、あるいは一家心中の悲劇が、最近随所に起きているという現状であります。この姿を黙っておられないというので、現に全国――この東京におきましても学童救援物資の醸金運動、これが街頭において始まっている。こういう状態の中で、先般本
会議においてわが党の永井勝次郎議員の
質問に答えて、あなたは十分な処置をした、農林大臣もこれで十分だという御
答弁をされておるのでありますが、きわめて被害の深刻なる現状にかんがみましてこのような手当では、とうてい冬越しができないというのが現実の姿であります。北海道は田中知事を先頭にして、超党派的に官民一体となって北海道の地元でできるものは地元でやるというわけで、がんばっているのでありますが、なにせ総所得の三分の一以上も災害で収入減だというのですから、道庁も市町村もこの歳入欠陥をどうして補うか、そういう地方自治体の財政窮乏によって、自主的にやるといってもやはり限度がある。そういうことにおいて連日
関係者がほんとうに血の涙の出るような努力をいたしておるのであります。そこでそういう現状にかんがみて、具体的な問題二、三をかいつまんで私はお伺いしたいと思うのです。
第一に救農土木事業であります。救農土木事業につきましては、一応三十二億五千万円というものを、罹災農家の手取り賃金になるように措置されました。しかしその三十二億五千万円というものの中には、民間事業の三億五千万円というものが含まれております。民間事業というものはこれは国の事業ではないのです。同時に道庁、開発庁からの三十五億の
要求に対しまして、三十二億五千万円に削られましたけれども、その中身には三十二億五千万円の手取り賃金を与えるように仕組んでありまして、既定
予算の操作によって四億一千万円をさらにふやしております。国有林野事業を三億七千万円、またふやしております。失業対策事業を四千八百万円ふやしております。この合計八億三千方円を増加することによって、予備費
要求額八億七千万円を削減しております。そういう操作を行いました結果、賃金収入に不確定な事業が増大いたしまして、現実に救農事業による農民救済が困難になっておるというのが今の姿であります。同時に従来からよく指摘されております小団地主義、あるいは実際に均霑主義という見地から、市町村道あるいは市町村河川というものをなるべくやるようにというこのことも、きわめて一部分にすぎないために、均霑主義にならないために、せっかくのこの施しが、
政府のあたたかい手も現地においては非常に困っておる。同時にこの救農土木事業の中で、既定事業の操作をやりましたけれども、もうすでに済んでいるものがたくさんあります。雪が降ってできなくなった工事もあります。そういうことでもって、当初
政府が考えられた一戸平均、いわゆる来年の雪解けの三月まで少くとも二万七千円程度の賃金を得せしめたいというこの計画は、おそらく半分にもいかない。こういう現状から考えまして、すみやかに処置しなければならない。特に
河野農林大臣が
モスクワに行っている間に、高碕農林大臣代理が行って、これはひどいなとおっしゃって、帰ってきて、予備費の操作とかいろいろな
関係を閣議で決定されたその日にも、農相代理は、これは賃金収入では足りないから、あとさらに一億増額してやろうということは、記者会見でもあるいは道の責任者にも公約しているのです。それをいまだにその一億も出していないという始末です。こういう現状にかんがみまして、
総理大臣は一体どのようにお考えになりますか。同時に主管大臣である農林大臣はどのようにお考えになり、処置されますか。この際明確に承わっておきたいと思うわけであります。