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1956-12-03 第25回国会 衆議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年十二月三日(月曜日)     午前十一時二十七分開議  出席委員    委員長 山本 粂吉君    理事 江崎 真澄君 理事 大平 正芳君    理事 保科善四郎君 理事 宮澤 胤勇君    理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君       赤澤 正道君    床次 徳二君       福井 順一君    眞崎 勝次君      茜ケ久保重光君    稻村 隆一君       片島  港君    森 三樹二君  出席国務大臣         国 務 大 臣 船田  中君  委員外出席者         総理府事務官         (調達庁不動産         部長)     松木 豊馬君         防衛庁参事官         (教育局長事務         取扱)     都村新次郎君         防衛庁課長         (経理局施設課         長)      大森 頼雄君         大蔵事務官         (管財局国有財         産第二課長)  市瀬 泰蔵君         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 十一月三十日  委員西村力弥辞任につき、その補欠として中  島巖君が議長指名委員に選任された。 十二月三日  委員大坪保雄君及び山本正一辞任につき、そ  の補欠として池田正之輔君及び赤澤正道君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員池田正之輔君辞任につき、その補欠として  大坪保雄君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 十一月三十日  元外地鉄道職員に関する恩給法等特例制定に  関する請願横山利秋紹介)(第三一一号)  明治、大正年代における殊勲者特権復活に関す  る請願加藤鐐五郎紹介)(第三一二号)  世論調査に関する請願森三樹二君紹介)(第  三一三号)  太子町の地域給引上げ請願河本敏夫君紹  介)(第三七二号)  揖保川町の地域給引上げ請願河本敏夫君紹  介)(第三七三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  自衛隊に関する件     —————————————
  2. 山本粂吉

    山本委員長 これより会議を開きます。  ただいまの理事会の協議に基きまして、午後二時から再開することとし、暫時休憩いたします。     午前十一時二十八分休憩      ————◇—————     午後二時五十二分開議
  3. 山本粂吉

    山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  自衛隊に関する件について質疑の通告がありますので、順次これを許します。受田君
  4. 受田新吉

    受田委員 御承知通り政府国防会議構成等に関する法律を施行した後において、近くその第一回会議を開くという御計画のようでありますが、その日時及び資料に出される議題の大綱についてお示しを願いたいと思います。
  5. 船田中

    船田国務大臣 国防会議は御承知通り総理大臣が招集することになっておりますので、国防会議に関する法律説明は私が担当いたしましたが、ただいま受田委員の御質問について、私が真正面からお答えするのは少し筋が違うかと思いますが、私の承知いたしておりますことを申し上げます。  この六日の午前十時から、院内の閣議室におきまして、第一回の国防会議が招集されることになりまして、それには総理大臣初め関係大臣が出席することになっております。しかし第一回の会議におきましては、主として議事規則あるいは議事運営に関する問題が論議されることと存じますが、まだ特定の議案について論議されるという予定にはなっておらぬようでございます。
  6. 受田新吉

    受田委員 当然議題となるべき長期防衛計画の問題については、すでに防衛庁当局としては陸上一万を三十二年度計画をしていることが示されておったのでありますが、これには一部の反対もあるということを聞いておりますけれども、三十二年度防衛計画、すなわち六カ年防衛計画のうちの三十二年度計画に、すでに確定している陸上及び海室増強計画の骨子というようなものを、お示しされる範囲内において答弁をいただきたいと思います。
  7. 船田中

    船田国務大臣 三十二年度予算案につきましては、すでに大蔵省に概算要求をいたしておりますがその内容については私ただいまここに用意しておりませんので、他の政府委員から詳細御説明申し上げた方がいいと思いますが、大体防衛庁費につきまして、本年が御承知通り千二億円ということになっておりますが、これに二百七、八十億円増額されるというようなことになろうかと存じます、そしてただいまお示しのありましたように、陸上につきましては一万の増員をやはり計画は持っております。御承知通り昭和三十五年度年度末において達成すべき目標を、陸上十八万といたしておりまして、現在十五万余でございますが、本年度末には十六万になるのであります。そこで三十二年度、三十三年度において一万ずつ増強をいたし、そして三十四年度、五年度におきましてこれをさらに機械化する、整備をするという考え方において陸上増強をはかる。従って混成団一、その他の付属機関部隊を増員するという計画をいたしております。  それからまた海上におきましても、警備艦二隻を初めといたしまして、沿岸防備あるいは内航及び外航にわたりましての船団の護送というようなことを考えておりますので、若干これも増強をする。また対潜水艦哨戒のための飛行機増強というようなことを計画の中に盛り込んでおります。  また航空自衛隊につきましては、今年度末に大体五百八十数機になりますので、それをさらに三百機前後増強をするということになっております。また航空団を新設するというような、私現在宙に覚えておりますところではそういうような計画を盛り込みまして、三十二年度概算を計算いたしますと、大体千二百六、七十億円ということになろうかと存じます。  なお御承知通り、このほかに防衛関係費といたしましては、施設提供等費用が本年度顧問団経費を加えて、百五億円ということになっておりますが、三十二年度においても同様の経費を必要とするのではないかと考えております。従いまして防衛分担金の方では、以上あげました両者の総額を前年度、つまり三十一年度に比較いたしまして、純増になりまするものの半額が防衛分担金から減額される、こういうことになりますので、二百七十億円増強されるといたしますれば、百三十五億円防衛分担金が減るということになるわけでございます。しかしただいま申し上げましたのはごく概要でございまして、あるいはまた数字等においては違っておるかもしれませんが、大体考え方としてはそういう方向に進んでおります。
  8. 受田新吉

    受田委員 その概略の計画をお示しいただいたわけですが、一言質問を加えて私失礼いたしたいと思うのですけれども、この防衛計画国防会議にかけるところの根本的な問題は、最初の会議には持ち出されないという今お話があったと思うのですが、今政府考えておられる三十二年度防衛計画について、儀仗兵設置をしたいということが、船田長官より閣議にかけられたというようなことをちょっと聞いたのでありますが、これは防衛計画の一環としては考えないで、単に儀礼的な予算として防衛庁の内部の一般行政部門費用として考えておられるのか。あるいは兵という名がつく以上は、一応防衛計画の中に考えられた兵であるか。これは兵という言葉になるか隊という言葉になるかわかりませんが、その儀仗兵儀仗隊構想はどういうものであるか。  これともう一つ、今度は上村空幕長参事官にされるという交渉をせられたということでありますが、文官優位の原則を守るという意味で、上村さんはかって文官であった人であるという立場から参事官に起用する考えを持たれたのか、あるいは空幕責任者としての権威を尊重する意味で制服であってもよろしいのだ、経歴は何でもいいのだという立場での構想であるのか。その点文官優位の原則をあくまでも確守したいという信念を持っておられた長官としての、御見解をお示し願いたいと思うのであります。
  9. 船田中

    船田国務大臣 儀仗隊というかあるいは儀礼隊というか、外国からの賓客が見えたときに、空港その他において儀仗をする、儀礼的な処遇をする、こういうようなことにつきましては前々から関係省の間でもって話し合いはしております。しかしどういうふうにするかということは実はまだきまったわけではございません。いろいろな場合を考えまして今検討を加えつつあるということでございます。もしやるようになるならば、むしろ三十二年度予算にも、はっきりそういうものを出しておく方がよくはないかと私は考えておりますので、今検討をさしております。  それからかわって航空幕僚長であった上村健太郎君を参事官として採用するかどうかということも、今考慮中でございまして、これは別にまだきめておりません。ただ上村君は有能な人であり、またせっかく防衛庁仕事を今まで担当して非常な優秀な成績も上げておりますので、ああいう人に一つ防衛庁仕事を手伝ってもらいたいという気持は私持っております。しかし採用するかしないか、それらの点はまだ何とも私の意見がきまっておるわけでもございません。庁内において意見がきまっておるわけでもございません。
  10. 受田新吉

    受田委員 内局の責任者原則として文官をもって充つるという不文律は、今後尊重していきたという気持には長官はお変りはないでしょうか。
  11. 船田中

    船田国務大臣 政治優先ということは、どこまでも貫いて参りたいと考えております。
  12. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 関連して。この問題は次の機会に少し長官の意向をただしたいと思ったのですが、受田君が触れましたので関連して一言申し上げます。国防会議法案は、前の二十二国会にも出されまして、与党側の非常に強硬な審議態度でありまして、内閣委員会は、幸いにも歴代名委員長をいただいて常にまことにスムースな運営をやってきたのでありますが、この国防会議が上程されますや、与党諸君政府の強引な運営に災いされまして、この国防会議審議内閣委員会混乱の歴史を残しました。前国会にも出されまして、これもまた政府ならびに与党の圧力と数にものを言わした強引な審議によって、とにかく決定されました。そのように急ぎかつ重大であると称して作られた国防会議ができますと、どこに行ったかわからない。ようやく事務局設置されたようでありますけれども、いまだ一度も会議も開かぬ。近く開くようになったそうでありますが、その内容については今明確な議題等もありませんけれども、このように議会の混乱を来たしてでも強引に、しかも強力に立法化されましたこの重大であるという内容を持った国防会議が、そのように長い期間ほったらかされて、私どもに言わせると、あってもなくてもいいじゃないか、そんなにいつまでもほっておいてかまわぬものならあんなに何もむちゃをして通す必要はない。これは国民もひとしくそう思っておると思う。あのように政府側が強硬に、しかも国会審議権を無視するような態度までとって通されました国防会議が、今日まで日をあたら費してきました原因について、一つ担当国務大臣である船田防衛長官責任のある御見解が解明される必要があると私は思う。一つこれに対して率直な当局見解を表明していただきたいと思うのであります。
  13. 船田中

    船田国務大臣 この問題も私が答弁申し上げるのは実は本筋ではないのでございます。国防会議総理大臣が招集することになっておりますもので、ただ私があの法案担当をいたしておりましたし、また実質的には防衛問題について審議をしてもらう機関でございますから、従いましてただいまの御質問に私の承知いたしておりますことを率直に申し上げます。  国防会議が七月発足をしたにかかわらず、また事務局が構成されたにかかわらず、過去数カ月開かなかったということは、これはなるほどただいまお話のように軽視したんじゃないかという御批判もあるかと思いますが、政府といたしましては決して軽視したものではなくして、その間構成員であるところの外務大臣、続いて大蔵大臣、また最後には総理大臣みずから海外に旅行をされておったというようなことでございましたので、従って今日までおくれておったわけでございまして、政府としては国防会議を決して軽視したものではなく、むしろこれを重要視しておればこそ各メンバーのそろったところで開きたい、こういうことで今までおくれておったような次第でございます。
  14. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 この点についてはまだいろいろありますが、きょうは別な問題がありますので、一応打ち切っておきます。
  15. 山本粂吉

  16. 片島港

    片島委員 きょうは大臣がお見えになっておりますが、宮崎県の新田原というところに第三操縦学校分校設置しょうというので今日いろいろと折衝が続けられております。非常に今問題になって、明日は参議院内閣委員会地元の人を呼んで参考人意見まで聴取するという段階にまできているのです。そこで折衝にいかれました正式の代表の方は御承知だと思うのですが、村民のうち八五・六%の反対署名が実はでき上っているのであります。この村民の八五・六%を引くならば、賛成している者は——またこの中に中立もいるかと思いますが、みんなが賛成だとしても、一四・四%しか賛成している者がおらぬ。こういう場合に、なるほど村長とか特におもだったその村のボスというような方々は、その十何パーセントに入っているかもしれぬけれども、村民の八割五分六厘までが反対しているのを押し切って、ここに設置を進められているのはどういう理由でありましょうか。その点の見解を承わります。
  17. 船田中

    船田国務大臣 新田原築城分校を置きたいということは、この前片島委員からも御質問のありましたときに、私お答え申し上げてあった次第でございまして、ただいま御指摘になりました八十何パーセントが反対だということは、私はむしろ逆に聞いておりまして、新田原は非常に順調に進んでいるのでございまして、近く大体地元話し合いができるというふうに私は聞いております。
  18. 片島港

    片島委員 でありましたならば、今村長の手元まで出している八五%以上の署名簿をこの委員会に持って参ってそれをごらん願ったならば、この問題は再検討される用意がありましゃうか。それでありましたならば、私はすぐ飛行機でこれを取り寄せまして、大臣のお目にかけようかと思いますが、いかがでしょうか。
  19. 船田中

    船田国務大臣 それは事実がそういうことでありますれば拝見もいたしましょうが、私の承知している限りにおきましては、ただいま片島委員のおっしゃったことと全く逆でございまして、新田原は多くの飛行場拡張のうちでも一番順調に進んでいるように聞いているのでございます。もちろん地先方々のいろいろの御要望についてはできるだけ伺いまして、地元の御要望にもこたえるようにしていきたい。また私は決して無理なことをするように下僚に言っていることはございませんから、十分地元と折衡して話し合いをつけるということに進んでおります。
  20. 片島港

    片島委員 宮崎県の人たちは私みたように非常におとなしい人が多いので、(笑声)実は気持の上では非常にたけっておりましても、表面は非常におとなしい人が多いので、うっかり勘違いをされているかもしれません。そこで私は八五・六%の署名簿一つこちらに取り寄せて、今大臣が言明になりましたように、そういうことであるならば拝見もしよう、また考えてもみようということでありますから、一つ近日中にこの署名簿をごらんに入れて再検討を願いたいと思う。そういう状態でありますので、私が特に御提案をいたしたいのは、もしこれが受け入れ賛成であるならば県議会とかあるいは地元民賛成反対かという決議をする、ほんとうは県議会でもこの問題が問題になったのでありますが、実は非常に保守党万能であるにかかわらず、県議会では設置すべきであるという賛成の議決がなされなかった、なかなか困難な状態でありました。いわゆる保守党人たちもこれについては反対の人が非常に多いので、今日まで意思表示ができないような状態になっているのであります。私は県議会なり地元民設置反対であるのか賛成であるのかという何らかの意思表示、公式な決議ができるまでは少くとも着工は見合せておくべきであると思うのでありますが、県議会なり地元民のこれらの意思表示を待たずに、強引にやはり着工をせられる予定であるのかどうか、この点を伺いたい。
  21. 船田中

    船田国務大臣 先ほど申し上げましたように、地元方々の御要望は十分よく伺いまして、できるだけ御要望に沿うようにはいたしますが、今しばしばお話にありましたように、地元の者の大部分反対だということは私全く聞いておりません、今日初めて伺うのであります。それらの事情もよく調査をいたしてみますが、今初めて実は、係りの者に聞いてみましても、新田原土地獲得については他に比較して一番スムースに行っているということを私今まで聞いております。
  22. 片島港

    片島委員 非常に大臣認識不足でありまして、この地元において反対の総決起大会が、もうすでに何回持たれたかわからぬのであります。今度も基地問題できのうから実は三人ほど参っておりまして、きょうも会をやっているはずでありますが、非常に広範な民主的な団体、PTAの連合会であるとか、あるいは青年団であるとか、婦人会であるとかそういったようなまことに超党派的ないろいろな団体反対をしているのであります。そうして今まで大きな反対決起大会などをやっているのを、大臣が今日まで存じなかったということは、これはあなたの部下の方が大臣に特に耳に入れないようにしてあったのであろう、これまことに遺憾千万でありますが、どうかそういう実情については、さっそく大臣自身納得がいくように、地元実情十分調査をしていただきたい。同時に明日は参議院の方でもあるそうでありますから、この問題を中心に一つ大臣もそういう点を十分に考慮して再考をお願いしたい。その次に私は、よく現場でいろいろな話をされたことと、中央で話をすることがちぐはぐになる例がありますので、特にここで承わっておきたいのは、地元においてあなたの方から行かれた係官の方は、ここは第三操縦学校分校であるから、T33ジェット練習機だけを飛ばせる、F86等の形のものは飛ばさないということを、この交渉の場合にはっきり言っておられるのでありますが、これはもちろんはっきりと聞いている人がいるのであります。そういたしますと、これをもしかして食言されるとあとで非常に困りますから、T33ジェット練習機以外は絶対に飛ばさぬのかどうか、その点もこの委員会ではっきりしておいていただきたい。そうじゃないと、これは向うにうそを言ったことになります。
  23. 船田中

    船田国務大臣 新田原飛行場においては、今お話のありましたように、T33すなわちジェットエンジン練習機を飛ばす、そういう飛行場でございまして、F86Fの方を飛ばすことは計画しておりません。
  24. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 私、新田原の件に関連してお伺いしたいのですけれども、今お聞きしていると、片島委員は八十何パーセントは反対である、防衛庁長官は逆に十何パーセントが反対だという見解でありますが、そのよって来たる原因はどこにあるか、私ちょっと今わかりませんけれども、防衛庁でときどき聞く話によりますれば、新田原に関しては町村長あるいはそういったような村を形の上では代表する諸君が、再三再四設置方陳情に来ているということをお聞きするのでありますが、私はこういったような反対賛成の数が非常に食い違っておるという場合においては、どんな諸君が実際に防衛庁陳情に来ているか、こういうことも相当重要な関係がありますので、ここで防衛庁設置方陳情に参っておる町村長あるいは町村会議長、いわゆる村あるいは住民を代表した形で御当局陳情に来た諸君名前と職歴がわかれば、ここで発表してもらいたい、こう思うのであります。
  25. 船田中

    船田国務大臣 新田原の問題につきましては、もちろん現地に人を出しまして、地元方々折衝をして得た結果が、先ほど私が申し上げたように、大体順調に進んでおるということでございまして、八十何%の反対があるというようなことは全く今まで聞いておりません。またわれわれの方に直接陳情見えた方もありますけれども、一々どういう方が見えたかということは、私も今詳しく記憶を持っておるわけではありませんので、大体相当な地元利害関係を持っておる町村長あるいはその他の方にもたびたびお見えになっております。しかしそういうお話を聞いただけでこの問題をきめておるのではありませんで、現地に参りまして、説明会を開き、そして十分説明を申し上げて、土地所有者あるいは利害関係者という方々に御納得のいくように説明をして、その上で土地を提供するという御決意をしてもらうという段取りをしておるのでありまして、そういう説明会におきましても、ただいまお話のような強い反対は、何一つ聞いておらないのであります。
  26. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 ここで反対賛成のパーセントの論議をしても、水掛け論でありますから、結論は出ませんが、そうしますと、防衛庁で大部分の者は賛成であるという確信をお持ちになっておる上からは、何かそこにはっきりしたそれを証明づけるものがあると思います。現地における懇談会説明会等において、これこれの土地所有者賛成である、あるいはこれこれの利害関係者賛成であるといったような確かな根拠がなくしては、あそこに飛行学校分校をお作りになるという御決意ができぬはずですから、ぜひここで一つ次資料防衛庁に要求いたします。  第一点は、現地懇談会なり説明会等において、関係者現地土地所有者ないしは利害関係者、こういった人のだれだれが賛成であって、その所有面積は幾坪、反対はだれだれであって、その所有面積幾らという具体的な現地賛成者所有面積並びにその氏名、それが一点であります。もう一点は、私どもこういった問題を処理する上にはややもすると現地諸君の、今片島委員からもおっしゃったように、純朴なる土地所有者なり関係者が、気持の上では反対であっても、それを表面に表わせない、さらにまたいわゆる形の上で村の指導者とか、理事者といったような諸君が、何か住民に不利益なことをしても、それに反駁できないという状態で、一方的に賛成であるか、反対であるかの形が生まれる場合があるのであります。従いまして私が指摘いたしますのは、みずから上京して防衛庁に、新田原飛行場を作ってもらいたいというような陳情をする諸君は、相当利害関係も深いでありましょうし、また飛行場のできることが何か自分たちにとり将来相当有益であるということもありましょうから、私はそういった点で、いわゆる一般発言権を持たないと申しますか、発言をする機会を持たない諸君にいろいろな意味で圧迫を加える場合があると思う。そういう見地から、いわゆる実際防衛庁に幾人かの有力者と称する諸君が来たことは事実でありますから、その来た人の名前職名、こういったものをぜひ——これは多分どなたかがお会いになっているはずでありますから、その記録があろうと思うので、この新田原飛行場拡張に関して防衛庁当局陳情に参りました諸君氏名職名資料として御提出を願いたい。でないとこの問題をこの委員会幾ら長官反対賛成を繰り返しておっても、結論は出ないと思うのであります。それで二つの資料を要求いたしますが、委員長においてしかるべくおとりはからいを願います。  そうしまして、私が防衛庁長官にここでぜひお考えおきを願いたいことは、アメリカの軍事基地拡張という問題は、おそらくこの立川飛行場を初め六つの飛行場拡張最後の線ではなかろうかと思うのであります。あとは幾分返還され、あるいは縮小する面もあろうと思うのでありますが、今後に起る問題は自衛隊基地と申しますか、自衛隊演習場なりあるいは部隊設置の問題であろうと思うのであります。ただいま長官意見として出されました、反対が強い場合にはできるだけ話し合いをし、無理をしないでやっていきたい、こういう意向でありますが、それはもちろん私どもの望むところでありまして、いわゆるアメリカの基地拡張のようなああいう問題を起すようではまことに困ると思うのであります。従いまして、私どもはもちろん御承知のように自衛隊そのものに反対であるし、この拡張には根本的に反対でありますけれども、具体的に現在与党政府の力でこれがどんどん増強されておる形でありますし、どこかにできることは一応私どもの現在の力においてはやむを得ぬ点があるのでありますが、しかし今私が指摘したことは、ぜひ長官が今後こういった問題を扱う場合に一つ現地との話し合いを主眼にして、あくまでも強行するというようなことがないように御考慮願いたいとともに、私は、あとで指摘する問題があるのでありますが、ややもすると防衛庁当局は、一方においては何か力の威嚇的な行為を行い、一方においてはいわゆる利益を表面に出して取引するのような形も出してきているのであります。こういったことがないように、一つ長官みずからもよく御了解を願い、下部組織の諸君にそういうことがないような措置を一つお願いしておきたい、かように存ずるのであります。そういった希望を申し上げまして、新田原の件に関する質問は一応打ち切ります。
  27. 片島港

    片島委員 私も資料一つお願いしたいのでありますが、買い上げの坪数それから滑走路、建造物の規模、それから制服、平服その他用務員の員数、それに買い上げとなるべき基準、どういう基準によって買い上げをやるか、具体的にはどういう価格になるか、これを一つ資料として早急に提出をしていただきたいと思うのであります。  それから今茜ケ久保委員の話がありましたように、絶対に無理なことをしないというこの問題、これはもうずいぶん前になりますが、無理をしないということは長官も言っておられたのでありますが、どうしても話し合いがつかない所有者等について、土地収用法などを適用して安く取り上げるぞ、こういうようなことを賛成派の一部の人たちがちらほら口に出すそうであります。そういう人が取り上げるわけではありませんが、これはあくまでも防衛庁がやる仕事でございますが、長官が今言われたように、あくまでも話う合いでいくのだ、そこに反対をする者があるからといって、その分だけに土地収用法を適用する、こういうことはないだろうとは思いますが、この点は地元においていろいろなデマが飛びますので、明確に長官言葉をここで一つお聞きしておきたいと思う。
  28. 船田中

    船田国務大臣 先ほど米軍基地の問題についてお話がありましたが、立川基地拡張の問題については、これは数回にわたりまして詳細お答え申し上げておりますから繰り返しません。しかしあの立川基地というものは全く最小限度の拡張であり、しかもあれは日本防衛のために必要であるということで米軍側とも折衝をして、話し合いできめたものでありましてそれを実現することは政府責任の問題であって、しかも先般やった測量というものはその行政措置の一部にすぎない。ただそれをやる場合に、どうしても法と秩序を守ることが民主主義の政治においては大切なことでありまして、一方地元方々と十分話し合いをしていかなければならぬことはもちろんであります。またそういうふうに努めてきておりますが、しかしそこに第三者が入って、しかも法と秩序を破るような妨害的な行為に出たという場合には、私は政府として黙って見ておるわけには参りませんので、先般の立川におけるがごとき警察力の発動があったわけでありまして、さような事態を引き起すことは極力避けていかなければならぬ。今後におきましてももちろんそういう考え方で、できるだけ摩擦のないように、地元方々に十分納得をしてもらって、土地の問題を円満に解決するように努めていきたいというふうに考えております。
  29. 片島港

    片島委員 強制的に測量するとか何とかいうことじゃなくして、最後的には強権をもってその一部の者の土地を収用するというお考えなのか、そうでなくしてあくまでどの土地といえども、どの部分といえども、あなたの方の企画に入っておる範囲内の土地については強権をもって——何もしないのですよ、あなたたちが測量するのをどうするとか何とかするということは別にして、黙っておる場合でも調印しなければ反対ですよ、その場合にも強権をもって収用される意思があるのかどうか。そうでなくしてあくまで話し合いがつかない以上はやられないのかどうか、この点を明らかにしておいていただきたい。
  30. 船田中

    船田国務大臣 できるだけ地元の方方と話し合いをして、摩擦のないように努めて参りたいと考えております。しかし今御指摘のような具体的にどういう場合が起ったらどうするかというようなことは、ここで先々のことまで予想してどうするということはちょっと申し上げかねます。
  31. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 きょう調達庁の不動産部長と大蔵省からもおいで願ったのですが、それは先般の当委員会において前橋に設置予定の化学学校について都村教育局長からかような答弁があったのであります。前橋の岩神地内に化学学校を作る代償としてキャンプ・スチルウェルを前橋市に払い下げる、この内容は水泳のプール、球場でありますが、そういった話し合いがあるかのように巷間うわさがありますので、これに対する事実をお聞きしたところが、都村教育局長は、そういう事実がないと御答弁になったのであります。その後私地元に帰りましていろいろ当ってみますと、やはり依然としてそういったうわさが流されておる。最近に至りまして国税局から人が参りまして、市当局といろいろ話し合いをして、キャンプ・スチルウェルの一部を市に払い下げてもいいというような話し合いがなされたような報道がございます。私どもは地元民として、もちろんキャンプ・スチルウェルの市への払い下げはけっこうなことでありまして、賛成するにやぶさかでございませんが、ただ問題は、一方に化学学校を作る、そうしてその代償としてと申しますか、それに関連してキャンプ・スチルウェルが市に払い下げされるということは、先般も私が指摘したように非常にいろいろな問題を包含しておる。そこで私は不動産部長にお聞きしたいのは、このキャンプ・スチルウェルの接収解除が近く実現される予定であるかどうか。実現されるとすればいつごろにどのくらいのものが接収解除になるのか、この点を最初にお聞きしたいと思います。
  32. 松木豊馬

    ○松木説明員 茜ケ久保先生から、キャンプ・スチルウェルの施設がいつどれだけ返還になる予定か、こういうふうなお尋ねであると思いますが、あそこは土地がおおよそ二万三千七百坪、建物が三千八百坪ほどございますが、そのうちの一部であります土地千七百坪、建物二棟、およそ千坪を米側に対して解除の要求をいたしておりますが、ただいまのところではいつ返されるか明確に返事が来ていない段階でございます。
  33. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 敷地の千何百坪の中にいわゆる既設の野球場、水泳のプールが入っておるかどうか、この点お尋ねいたします。
  34. 松木豊馬

    ○松木説明員 プール等は入っておりません。
  35. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 大蔵省当局にお尋ねしますが、先般、二十七日と記憶しますが、あなたの方の関東財務局から現地に参りまして、キャンプ・スチルウェルの払い下げを中心に地元の市当局といろいろな打ち合せをしておるようであります。そうして地元の新聞に「近く一部接収解除の朗報、前橋市のキャンプ・スチルウェル」さらに別の見出しとして「敷地問題一挙に解決、五中、短大、市営球場、プールなど」こういう見出しで六段抜きの大きな記事を出しておるのであります。同時に片方においては、「自衛隊化学学校本ぎまり、富士機械あと設置——その代償として富士機械がキャンプ・スチルウェルに移るというようなことでありまして、防衛庁当局で前橋に化学学校をお作りになることは、これは御随意でありましょうけれども、地元の者として一番私が心外に思いますのは、いわゆる自衛隊の化学学校を作るかわりに、キャンプ・スチルウェルの大部分が解除になって、これを大蔵省から市が払い受ける。従って市が困っておる五中の敷地とか、あるいは市営球場ないしはプールなどがそこにできるのだ。従ってもし自衛隊の化学学校が前橋にできることに反対をすると、市がこれほどの有益な利益を受けるに支障を来たすのだ。しかも金にして約一億前後の大きな利得を市は受けるのだという言葉で注釈が入っておる。このことを私が指摘するのは、片方において、市当局にこういう利益があって、しかも市民が一億以上の利益を受けるということは、とりもなおさず前橋に化学学校を作る代償であるといった宣伝と報道がしばしばなされておる。このことは先ほど私が長官にも申し上げたように、何か自衛隊が今後いろいろな自分たちの施設をお作りになるときに、片一方においては、先ほど片島委員も言ったように、土地収用法等のおどし文句が出てくる、片一方にはこう行った利益誘導による関係者に対するこれも一つの私は非常な強圧だと思うのです。こういうことをなさることは、非常に私は国民として心外にたえない。こういったことが出ているのでありますが、大蔵省当局はそのことを御承知かどうか。今お聞きすると、まだキャンプ・スチルウェルはいつ解除になるかわからぬ、しかも解除申請の坪数は千坪に足らぬのであって、野球場や水泳プールは入っていない。こういう実態の中に、政府責任者現地に行って、こんな新聞報道をして市民に対して大きな疑惑と申しますか、また何とも不可解なことをすることは、まことに遺憾だと思う。この点に対してどのような御報告があったか知りませんが、大蔵当局見解をただしておきたい。
  36. 市瀬泰蔵

    ○市瀬説明員 大蔵省管財局国有財産第二課長でございます。ただいま茜ケ久保先生の御質問でございますが、キャンプ・スチルウェルは、すでに先ほど調達庁の説明員からお話がありましたが、実はそのうちですでに米軍から返還になっている地区があるのでございます。と申しますのは、キャンプ・スチルウェルは、私どもの資料によりますと、全体で土地が二万七千九百十四坪あります。それから建物が延べでございますが七千六百七十三坪ありまして、これを米軍に提供しておったのでございますが、このうちですでに二十七年の十二月に土地四千二百十三坪、建物延べにしまして三千八百七十一坪が返還されております。それからその次に、その土地の続きでございますが、建物も続いておりますが、その続きの地区として、ただいま調達庁の方から説明がありました地区を、返還要求しているのでございますが、この返還の見通しが立たないのでございます。そのほかの土地約二万三千坪弱の地区は、まだ返還要求もしておりません。その中にただいま茜ケ久保先生の御指摘になりました運動場とか、水泳プールというような施設に適するものが入っているのでございます。  さて御質問がありましたのは、まだ大蔵省本省の段階までは来ておりませんが、私ども中間報告的に知っている限りをお答えいたしますと、実際に現地に行きましたのは大蔵省の出先であります関東財務局でございます。関東財務局の職員と、前橋にあります関東財務局の前橋財務部の職員が、現地調査したのでございまして、これは先ほど先生の御指摘にもありましたように、キャンプ・スチルウェルのあります天川原町、それからもう一つは前橋市の西北にあります岩神町の地区との交換問題にも関連する、こういうような説明を私どものところでは聞いておりますが、この交換の問題は大蔵大臣承認事項に関係しておりますので、いずれは具体的にはっきり決定と申しますか、地方の財務局において意思が決定された暁には、承認申請が来ると思いますが、いまだ私どもの段階でははっきりしたことがわかっておらないのでございます。
  37. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 今の第二課長の御説明を聞きますと、またさらに不動産部長の御説明でもでありますが、全然接収解除の申請もしていなかった。関東財務局といえども政府のいわゆる係官が現地において、いかにも近く接収解除がなされて、しかも解除されたあとには市当局に払い下げてもいいといったような言動をすることは、果して適当かどうか、私どもは今聞いておってまことに不可解である。これはここに新聞がございますからごらんになればわかるのでございますが、こういう大大的な報道をされておる。これを見ますと、いかにももう近日中に払い下げが決定するような報道である。新聞の報道は自由であるとはいえども、何か資料がなければ書くわけがありません。これは毎日新聞であります。さらにこちらにも出てをります。これは朝日新聞であります。少くとも三大新聞の中の朝日、毎日がこんなに大きな見出しで書く以上は、これに何かやはり根拠がなければならぬと思うのです。今お聞きすると、まだ全然見通しもなければ、そんな考えもないという状態でありますが、こういったことをあなた方の下部組織の職員諸君は果してやっているのかどうか、これを見ますと、関東財務局の次長が行っているようですが、次長といえば一応これは相当な責任者でありましょう。これに対する見解です。課長さんのあなたに聞くのも御迷惑だと思うが、局長が見えませんから、あなたがかわってこのことに対する責任の所在を一応御説明願いたい。     〔委員長退席、大平委員長代理着席〕
  38. 市瀬泰蔵

    ○市瀬説明員 お答えいたします。私どもの聞いている限りでは、キャンプ・スチルウェルの中ですでに返還された、先ほど御説明いたしました土地四千二百十三坪、建物三千八百七十一坪にかかる部分の交換の問題、これが現実に爼上に上っている。これの交換の可否その他について、大蔵大臣の承認事項でございますから、現地の財務局では検討している、こういうふうに聞いております。おそらく将来の問題として、ただいま米軍に返還要求している部分、あるいは今後するであろう部分のところまでを述べたのか、あるいは新聞報道の方でそこらを十分気をきかして書いたのか、その点は私どもよく存じません。
  39. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 問題は防衛庁でお作りになろうとする岩神地内の場所は、先般も御説明申し上げまたが、現在さしあたって化学学校をお作りになる分には、富士機械の工場跡でも大体間に合うのでありますが、何か将来化学兵器の補給廠ともしたいという御意向でありますので、そのあと、いわゆる現地の富士機械が使っている場所と、さらにそれを飛び越えてもう一つあるのでありますが、その中間に前橋市立の工業短期大学があるわけです。これが非常に障害物になる。そこで第一には、短期大学を移転するためにはどうしても移転先が必要だということから生まれたことが一つと、それから一つは、短期大学を移すときに、先ほど指摘した、今問題になっている五中の校舎敷地、水泳プール、野球場、こういうことが続いて問題になったのでありますが、さしあたっては短期大学、こういうことで大蔵当局に対して防衛庁から富士機械の現在の工場と、今課長が指摘された、すでに接収解除になっている、これは工場跡でありますが、こことの交換の話は正式にあって、これに対する話し合いは相当な段階に進んでいるのかどうか、この辺のことを一つ伺いたいと思います。
  40. 市瀬泰蔵

    ○市瀬説明員 先ほども申し上げましたように、大蔵省の本省の段階へは来ておりませんけれども、財務局におきましては、先ほど御指摘もありましたように、現地へ関財局の次長も参っておる次第でありまして、すでに返還済みの土地と、それから先ほど出ました富士機械株式会社でございますか、それの所有している土地との交換問題は相当進捗しているのではないかと現地的にでございますが、推測されます。
  41. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 不動産部長にお聞きしたいのですが、現地諸君考えていることと、政府当局で話を進めている過程とはだいぶ違うようでありますが、今調達庁当局から解除申請をされている一千余坪の土地とそれからわずかな建物とのほかには、最近解除申請をする用意もなければ、またそういう考え方もないというふうに了解してよろしゅうございますか。
  42. 松木豊馬

    ○松木説明員 先ほど申し上げました土地千九百一坪余りと、建物二棟千九十坪は、先ほど申しましたように、解除要求中であります。しかしそれ以外のものにつきましては、まだ解除を要求するような各省からの話も、われわれの方の話もございません。
  43. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 不動産部長にわかるかどうか存じませんが、現在キャンプ・スチルウェルに残っておるアメリカの顧問団と申しますか、いわゆるアメリカの自衛隊に対すると申しますか、あるいはそのうちの演習場に関することでありますから、残っておるあそこの兵隊はどのような関係諸君か御存じでございますか。
  44. 松木豊馬

    ○松木説明員 残っておる部隊の者は、私の存じておりますのは、あの地区の管理要員、技術要員、さように考えております。
  45. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 これは大蔵省の課長にお願いしたいのですが、きょう管財局長が見えませんので、省にお帰りになって、この新聞報道は別としても、このような特に今問題になっている、こういった軽はずみな言動をされることは、非常に現地に対していろいろな疑惑を起させ、また不愉快な問題を起させる原因でありますから、現地に出張する諸君は、特に新聞発表等については注意していただかぬと困ると思うのであります。この点は一つあなたから上司にもお話願って、このようなことのないように一つ処置願いたい。と同時に、今お聞きしている、いわゆる新聞に出ました、そういったキャンプ・スチルウェルの市への払い下げ等については、全然無根と思いますが、無根の事実と了承してもよろしゅうございますか。いわゆる射撃場その他キャンプ・スチルウェルのそうした敷地、建物が近く接収解除になって、そして市に払い下げができるというような、こういうことは大蔵省当局考えてもいなければ、全然そういう事実もないというふうに了解してよろしゅうございますか。
  46. 市瀬泰蔵

    ○市瀬説明員 先ほどから御説明いたしましたように、すでに返還済みのものにつきましては、現地で相当進捗しておりますが、これから返還されるもの、先ほど調達庁の不動産部長の方から御説明がありましたように、現段階においては、各省の方からも要望が出ておらないが、将来、一番私どもと関係があると思いますが、何か特別の事由が出ましたときには、返還の要求があると思いますが、すでに返還を要求しているものと、それから将来起るであろうものにつきましては、今のところはっきりしたことは申し上げられないのでございます。
  47. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 防衛庁長官にちょっと御質問いたします。今お聞きのような状態で、実は先般も当委員会でいろいろお尋ねいたしまして、その結果を現地に帰りまして、私、皆さん方の態度そのものを御報告申し上げまして、現地ではいろいろ現在協議をしているようであります。一都市当局並びに市議会の諸君が、こういうような新聞発表をするような現状にございまして、いかにも防衛庁の化学学校を作れば、市当局にこういう重大な利益があるんだ、従ってこれに反対するものは市の財政を混乱させ、あるいは市民の幸福をじゅうりんするといったようなことが相当強く言われておる。これはまことに遺憾でありまして、防衛庁当局の御意向は私は存じませんけれども、しかしやはりあなた方のなさろうとする仕事が、結果的にはこういうふうに市民ないし現地の者に大きな影響を与えておるということは否定できぬと思うのです。そこで端的にお尋ね申し上げますが、先般来現地諸君は、賛否のはっきりした意向は出しませんけれども、大体、私の知る限りにおいては、地元の直接の住民諸君は、反対が多いのであります。ただ市当局や市議会の諸君はぜひ誘致をして、こういったような市財政を少しでも助けたいという意向もありまして、積極的な動きがあるかと存じますが、現地の者は大体反対だという状態でありますが、防衛庁としては、大体お作りになりたい意向はもうわかっておりますが、現在どのくらい進展しているのか、今大蔵省の話を聞くと、まだ大蔵省当局現地話し合いをしている程度ということでありますが、防衛庁当局の化学学校設置に対する進行の度合いについて、大臣でなくてもいいですから、一つ関係者から具体的な点を御答弁願えれば幸いと思います。
  48. 船田中

    船田国務大臣 化学学校を前橋に置きたいということは、この前も申し上げたような次第でございますが、土地の獲得については、ただいま大蔵省から答弁のありましたような程度以外にはまだ進んでおりません。
  49. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 これは防衛庁も大蔵省も調達庁もそうでありますが、私が反対のことははっきりしている。反対しても、またいろいろなこともありますから、それは何も皆さんにお聞きするわけではないのですが、ただたびたび指摘しているように、何か利益誘動等で現地人たちに非常な不愉快な気持を与えることだけは、ぜひ遠慮してもらいたいと思うのです。現在前橋では実はこういったことを中心に非常に不愉快なものが生まれまして困っているのでありますが、私ども何も決して砂川みたいなことをしようと思っているわけではございませんから、その点は十二分にお含み願って、現地に対して無用の混乱を起すようなことをしてもらっては困る。この点はたびたび指摘するのであります。さらに大蔵省も、先ほど申しましたが、やはり現地から国会に来ておる者がありまして、何か私どもの知らぬことが多いのでありますけれども、知らぬ間にえらい飛躍したようなことがあるのでは困るのでありまして、事前に少しわかっておれば起らぬでもいいトラブルが、そのために起ることもありますので、もちろんわれわれに了承を受けることもないでしょうけれども、できるだけ事前に事の次第が判明しておれば簡単に片づく問題が、わからぬために非常な大きなトラブルになることもありますので、今後そうしたことがありましたならば、できるならば事前に御連絡願いまして、誤解の起らぬように措置願いたい、かようなことをきょうは御注文申し上げて質問を終ります。
  50. 大平正芳

    ○大平委員長代理 赤澤君。
  51. 赤澤正道

    赤澤委員 きわめて簡単に、主としてお願いしておきたいと思うんです。美保の基地でありますが、ここはジェット機がずいぶん飛んでおるわけです。今ではありませんけれども朝鮮動乱の最中並びにその後においてアメリカ軍によって相当ジェット機が使用されている。しかも無人のジェット機が相当あそこで練習のためか使われて、民家に落ちて大きな被害を生んだことすらあるわけです。ジェットについては地元の者は十分体験済みになっておるわけです。なお最近防衛庁においてジェット機を飛ばしてテストなさる御意向があるやに漏れ承わっておりますが、せっかくそういう機会がありまするならば、ぜひ科学的に、機種あるいは高度、地点でそれぞれ騒音計を用いてきちっとした数字を出しておいていただきたいわけです。ジェットの場合はいろいろ被害が問題になりますけれども、騒音が一番大きい問題になると思う。これはただひとえに美保だけの問題ではないと思うのです。私も騒音について少し研究しようと思って文献を調べたところ、岩波叢書で出ております「音」という本が一冊見当っただけで他に文献が見当らない。外国にはあるようですけれども、そういうものを取り寄せてまでやるだけのひまがございません。はなはだ遺憾でした。農林省の研究機関だとかあるいは大学の主として農学部でしたが、そういう方面に当ってみてもまだ十分な研究が進んでおらぬ。外国に比べて非常に遅れをとっておると思うのです。しかも家畜類はともかくとして人間の生命というか健康自体に大きな関係のあることですから、これについては真剣に研究をしていきたいと思うのです。このことについて一つ長官の御意見も承わっておきたいのです。  なお委員長に私要望したいのは、もうこの国会内閣委員会では機会がないと思いますが、通常国会においても防衛庁でこの資料ができてくると思います。そういたしましたら、しかるべき参考人を呼んで、これが人畜にどういう被害を及ぼすか。たとえば騒音の度が——先般私質問のときにも申し上げましたけれども、大体地下鉄の騒音が九〇ホンである。一三〇ホンになると耳が痛い。一五〇ホン以上になると生命にも危険があるようでございますから、そういう場合に人家の密集した地帯へ飛んだ場合に、どの地点で何ホンという数字が出て参りましたら、やはりこういう問題に対して認識を深める意味で、学者あるいは経験者の意見も聞いてみたいと思うわけです。どういう参考人を要請するかにつきましては、私も意見は出しますが、これは一つその機会理事会にお諮り願って、ぜひそういう機会を与えて下さるように委員長要望いたします。この問題について長官の御意見を特に承わっておきたい。
  52. 船田中

    船田国務大臣 美保の飛行場につきましては、赤澤委員からたびたびいろいろな御意見がございまして、それらの点は十分今後検討を加えまして、地元方々に御迷惑の及ばぬように計画をして参りたいと考えております。  なお、ただいまお話のありましたように、騒音、その他ジェット・エンジンの飛行機を飛ばした場合にいかなる影響があるかということについては、十分科学的に調査を進めて参りたいと考えております。
  53. 大平正芳

    ○大平委員長代理 赤澤委員の御要望の点につきましては、理事会に諮りまして善処したいと思います。  次会は、明四日午後一時より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五分散会