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横山委員 それは話が少しおかしいと思うんです。なぜそれじゃあなたの認めておられる
精麦業界が重大な不振にあるか。これは
精麦業界が何か勝手なことをやったのか、何か
ぼろもうけでもしたのか、何か
政府にとっておもしろからざる勝手なことをやってそうなったということが
一つでもあれば、おれらの知らぬことだとあなたは言えるかもしれません。しかしこの麦の問題については、ことごとくが今日
政府の
施策によって生じたことだと思うのです。現に
農林省においても、その
責任を感じておられると思うのです。私は、
あとでその点について
長官に少し
伺いたいと思うのですけれども、あなたの認識が少し間違っておるように思うわけであります。たとえば二年続いた
豊作によって生じた問題である。これが直接の
原因でもあろうけれども、それでは
豊作によってお米の
値段は下った。
やみ米が百七十円であったものが百十九円、場所によっては、百円を切って九十円、八十円というところもある。そういうふうに米の
値段がずっと下っていくやつを
政府は明らかに
促進をした。
促進をしておきながら、米の
値段について放置をしておったということが根本的な
原因ですよ。米と麦とのつり合いというものを
考えた
政策をとっておったならば、かかることはなかったということが言えるのです。それからまたこういう
意見もある。それは
精麦業者が
設備を勝手に
増加した。それによって
操業率が非常に高まってうまくいかなくなったんだという説もある。しかしこれとても、終戦直後のあの混乱のときから、盛んに
政府が
設備の改善なり何なりを奨励したものです。聞くところによりますと、二十八年の
凶作のときに、
政府が大量の
委託加工をして
凶作に備える措置をとったという。ところが、それが俗に
政治凶作ということになって、案外のことだった。余っちゃった。それを
農林省は
精麦業者に押しつけた。
精麦業者は泣く泣く引き取って、これで数十億の損害を受けたけれども、しかしそれは
ひもつきのものであったからやむなくそれを受け取った、こう言う。それもまた
政府の
施策によって生じた問題なんです。
こういうふうに
考えてみますと、この
施策のまにまにあった
精麦業界に対して、今これは
食管特別会計の
会計上困るというあなたの方の
立場というのは、これは
大蔵省としても
責任を感じなければならぬ問題ではないか、こういうのです。それを、じゃあ
精麦業者を救ってやろうとかりにあなたの方でお達しになって、おらの方はしわ寄せは受けぬ、それは
消費者に対してしわ寄せしてもらいたい、ないしは
生産者に対してしわ寄せしてもらいたいということを、もしそろばんだけでお
考えになるとするならば、これは
政府に対する
信頼感というものは失墜する問題ではなかろうか、私はこう思うわけです。今あなたは、ちょっとそんなむずかしい話は簡単に答弁できぬ、こう言わぬばかりの
お話でありますけれども、そうはいきませんよ、あなたは
政務次官です。
大臣のおかわりになってここに立っておられるのですからね。もう
農林省としても、そういう
発言を公式の場合にされておるし、
農林大臣もさる
大会で、きのうだったかおとといだったか、発表されておるわけです。もう
大蔵省としても、この辺で腹の中にあるものをさらけ出して、そうして調整をとって、つまらぬ
心配をほかの方に拡大しないようになさる義務と
責任が私はあると思うのです。もう一ぺんここで
政務次官の
政治力のあるところを
一つ示していただきたい。