○植田
説明員
東北開発に関しまして経済企画庁が
関係しております分につきまして、御
説明申し上げます。
東北開発につきましては、
調査の面と
開発計画樹立の二つの面があるわけでございます。御承知の
通り、
開発調査につきましては、昭和三十
年度に一千万円の
調査費をちょうだいいたしまして基礎的な
調査をいたしました。三十一
年度も同様一千万円の
調査費の計上に相なったわけでございますが、これはできるだけ
産業開発的な
調査に向けたいと
考えまして、本
年度は砂鉄の
調査のために四百五十万円、天然ガスの
調査のために三百万円、テンサイ糖栽培の
調査のために百万円を予定いたしたわけでございます。
この
予算の執行でございますが、これは
大蔵省方面の意向もございまして、そういった
産業調査の分野を経済企画庁が直接執行することは、行政の分野を乱すものである、従って、経済企画庁が直接執行することを適当と認めないということでございましたので、本
年度の措置といたしましては、これを
関係の官庁に委任支出いたしまして、
関係各省からしかるべき
機関に委託するという建前をとっております。従って、砂鉄と天然ガスにつきましては通産省、ビートにつきましては農林省の
責任に移しまして、両省から
調査の委託をいたしております。砂鉄につきましては特殊砂鉄協会、天然ガスにつきましては石油技術協会、ビートにつきましては全国農業協同組合中央会に
調査を委託いたしておりまして、この夏以来、
調査が着々と進んでおる現状でございます。
一つ一つ詳しいことはただいま記録もございませんが、砂鉄にいたしましても、
調査が進むにつれまして、埋蔵鉱量がだんだんと確実になるとともに、その数量もふえて参つたということで、
関係いたしました当事者としましては、砂鉄業の将来に非常に期待を持っておる
状況でございます。天然ガスにつきましても、同様な
状態でございまして、相当現地
調査も進んでおるようでございます。ビートにつきましては、詳細なことをただいま記憶いたしておりませんけれ
ども、農家に対しまして作付の試作をやっておりまして、その成果も予想以上にいいということを聞いております。しろうとでございますので、詳しいことは存じませんが、糖分の歩どまりが非常によいという話を聞いておるわけでございます。その後の結果につきましては、まだ聞いてもおりませんし、また具体的な
書面の提出もない
状態でございます。この
調査については、本
年度そういうふうにその
産業の所管官庁に委任支出した
関係もございますので、来
年度におきましては、経済企画庁としては
予算を
要求いたしておりません。しかし、これらの
調査は一
年度だけで終るものでもございませんで、来
年度もぜひ継続してやっていただきたいと思いますので、
関係省と打ち合せて、
関係省の
予算の
要求の少い場合には、私の方から要望いたしまして、前
年度以上の
調査費を各省から
大蔵省に
要求してもらうように措置いたしております。
次に、
開発計画の方でございますが、五月の二十八日に衆議院の決議もございまして、
政府といたしましては、すみやかに東北の
開発計画を立てることに相なったのでございます。御承知の
通り経済企画庁といたしましては、そういった全国的な
開発計画を立て、あるいは特定
地域等の
開発計画を立てることには相なっておりますが、
東北開発の中心になる主務官庁であるかどうかということになりますと、
北海道開発における
北海道開発庁とは、若干性格も違っておりますので、また各種の
事業を実施いたすにいたしましても、各省がそれぞれ
予算要求あるいは
事業の実施をやっていただきまして、企画庁としましては、それを総合調整するというような建前になっておるわけでございます。そういう点につきまして若干の疑義もございましたので、八月の七日に閣議了解によりまして、経済企画庁が
東北開発の
仕事の調整、取りまとめをするという建前を認められまして、企画庁の
開発部に
東北開発班というのを設けまして、
東北開発班を中心にいたしまして、作業を進めている段階でございます。
先ほど申しましたように、
東北開発の問題は、
事業実施の各省の協力を得なければ、できないわけであります。各省といたしましても、衆議院の決議に沿いまして、研究を進めて参っておるわけでございますが、何分にも全国的な
産業なり
事業なりを取り扱っている役所でございますので、当初のうちは、東北に重点を置いたものの
考え方というものが、とかくとりにくい
情勢でございました。こういう
情勢ではうまく参りませんので、私
ども各省との連絡協議会を開きまして、
東北開発の趣旨等を十分伝えまして、現在におきましては、衆議院の決議にありました趣旨に沿いまして、各省とも研究し、来
年度の
予算におきましても、その趣旨に沿った
予算を
要求いたしておるものと
考えておる次第でございます。
私
どもといたしましても、今後各省がどういう施策をするかということにつきまして、調整をする任務を持っておるわけでございます。現在各省が全部集まって話し合うということは、ちょうど
予算編成の前でもございまして、非常に問題を起しがちでございますので、各省と個々の折衝によりまして、
東北開発に対する各省の足並みがそろいますように、せっかく
努力している
状況でございます。以上でございます。