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1956-11-22 第25回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年十一月二十二日(木曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 上林與市郎君    理事 關谷 勝利君 理事 田中 彰治君    理事 本名  武君 理事 坂本 泰良君    理事 吉田 賢一君       赤澤 正道君    臼井 莊一君       松岡 松平君    山本 正一君       神近 市子君    細田 綱吉君       山田 長司君  委員外出席者         検     事         (刑事局刑事課         長)      横井 大三君         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部食品衛         生課長)    小谷新太郎君         食糧庁長官   小倉 武一君         証     人         (日本通運株式         会社常務取締         役)      前谷 重夫君         証     人         (日綿実業株式         会社社長)   岡島 美行君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 本日の会議に付した案件  証人出頭日時の変更に関する件  病変米輸入保管及び処分等に関する件     —————————————
  2. 上林與市郎

    上林委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。すなわち昨日の委員会におきまして、政府関係機関の収支(日本開発銀行の電源開発融資)に関する件につきまして、西村重盛君、建石福蔵君、宮部一一君、坪井二一君」、及び小林健夫君の五名を証人として来たる二十七日に出頭を求めることに決定いたしたのでありますが、理事会で御協議願いました納采、本会議等諸般関係を考慮して以上五名の方々につきましては、来る二十八日午前十時に出頭を求めるように変更いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と、呼ぶ者あり〕
  3. 上林與市郎

    上林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  4. 上林與市郎

    上林委員長 それでは日程に入ります。病変米輸入保管及び処分等に関する件につきまして調査を進めます。本日は、各位のお手元に配付いたしてあります通り岡鳥美行君、前谷重夫君、以上の二名の証人より証言を求めることといたします。  御出頭になられました証人岡島美行君、前谷重夫君二人ですか。——相違なきものと認めます。あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから病変米輸入保管及び処分等に関する件について証言を求めたいと存じますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証書を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、介護士弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりましてそれ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  岡島美行君、代表して宣誓書の御朗読を願います。     〔証人岡島美行朗読〕    宣誓書   良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 上林與市郎

    上林委員長 それでは宣誓書署名捺印してください。     〔証人宣誓書署名捺印
  6. 上林與市郎

    上林委員長 これより証言を求めることになりますが、証言証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証言を求める順序は、国島美行君、前谷重夫君の順序でございます。  それでは前谷重男君は、もとの控室にお待ちを願います。  それではこれより証言を求めるわけでございますが、委員長よりの尋問は省略いたしまして、委員各位より質疑応答の形式で証言を求めることといたします。吉田賢一君、御発言を願います。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 岡島さんにお尋ねいたしたいのであります。大体時間を予定いたしておりますので、私もできるだけ簡潔に伺いますから、あなたの方も簡潔に要点を御答弁願いたいと思います。  岡島さんは日綿実業株式会社代表取締役社長でありますか。
  8. 岡島美行

    岡島証人 そうでございます。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたはいつごろからその地位におられますか。並びに日綿実業株式会社は、外国食糧輸入商社としての資格を得られたのはいつからでありますか。
  10. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。私は会社に三十数年おりますが、社長となりましたのは昭和二十六年十一月でございます。それから外国から輸入する食糧資格を得られたとおっしゃいます点は、戦後のことでございましょうか、戦前のことでございましょうか。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 戦後でよろしい。
  12. 岡島美行

    岡島証人 詳しくは記憶しておりませんが、昭和二十四年、すなわち当時の進駐軍の手から日本の政府輸入食糧をお買付になった当時からだと記憶しております。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたの方は、昭和二十四年以来引き続いて毎年米の輸入をしてこられましたことは間違いないのですね。
  14. 岡島美行

    岡島証人 そうでございます。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでもう一つ聞いておきたいことは、輸入食糧協議会というものがあるようでありまするが、あなたの方は昭和三十年度この協議会委員長をしておられるのかどうか。そうしてこのメンバーは、安宅産業、第一物産、第一通商、江商白洋貿易伊藤忠、兼松、加藤商会、丸紅、三菱商事、日商、大倉商事、新東亜交易、相互貿易、住友商事、東邦物産、東京食品、こういう商社協議会に入っておるのでありますか。
  16. 岡島美行

    岡島証人 お答えいたします。輸入食糧協議会のお話でございまするが、確かに委員長をしております。それからメンバーの一々については、私自身だれだれと的確なことを申し上げられませんが、大体そういう商社がお入りになっておると了解しております。
  17. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから、あなたの会社委員長をしておるこの協議会は、一年に約一億円ほどの経費を使っておるのです。たとえば昭和三十年度三月三十一日現在の損益計算書を見ると、経費一億七百万円ということになっておるのですが、毎年大体一億円前後ということで間違いありませんか。
  18. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。私自身この協議会には直接関係しておりません。従って予算支出内容その他について相談を受けるというようなことはございませんので、その数字については的確にお答え申し上げかねる次第でございます。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 的確な数字はわからぬでも、大体二十社近い会員で年間一億円ほど経費を使っておる、このくらいのことはわかるのじゃないですか。
  20. 岡島美行

    岡島証人 その経費も、全然相談を受けたことがございませんので、はなはだ残念でございまするが、常識がございません。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで伺いますが、あなたの会社専務取締役の一人に松岡啓一という方があって、その松岡啓一という方はかつての食糧庁役人であった細田茂三郎という人に贈賄したという容疑のもとに留置をさせられ、そのような刑事事件が起りましたことは前回法務省刑事局長の御答弁により、日綿実業贈賄容疑は当時約八十万円ほどになっておったようであります。そのような事件がありましたことは相違ないのでございましょうか。そしてあなたの、会社代表取締役が留置された事実については相違ございませんか。     〔委員長退席坂本委員長代理着席
  22. 岡島美行

    岡島証人 そういう事件があったことは存じております。なお松岡啓一君は専務取締役ではなくて常務取締役でございます。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで事の真相はさらに検察庁並びに司法当局において明らかにせられていくものと思いますが、一体外国食糧輸入するということは相当大きな資金も要りますし、また政府提出の資料によると、御承知通り食糧庁昭和三十年度だけでも合計米百四十四万五千余トン、代金にして八百三十五億九千余万円という大きな外米の買い入れをしておる。またあなたの会社は同年度外米二十万九千六百トン、代金百十八億九千余万円を政府に売り渡しておられるのでありますが、そういう大きな一つ商権を持つということは、われわれが考えても大へんなことだと思います。そこで大体におきまして、一たん外米輸入登録業者になりましたら、それが破産するとか、倒産するとか、業を変えるというなら別といたしまして、そうでない限りは引き続いてずっと登録業者となっておるということが実情ではないのでしょうか。この点を聞いておきます。
  24. 岡島美行

    岡島証人 先ほどお答え申し上げました通り昭和二十四年と思いまするが、その当時からずっと引き続いてやらしていただいております、
  25. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと尋ね方が悪かったのですが、私の聞いたのは、一たん登録業者になれば——たとえば協議会に入っている会社の名前を今朗読いたしましたが、新たに米の輸入商社になろうとしましてもなかなか容易ではない。一たん輸入業者登録を受けたならば、これは引き続いてずっと、言いかえますると、十五ないし十八の輸入商社は何年かにわたりまして約一千億円近い米の輸入権をほとんど独占し得る。だから、他の一適格商社がかりにあっても、新たには容易にその中へ入ることはできないというのが米輸入商界実情ではないでしょうか。
  26. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。十分私自身こまかい当面の食糧を担当しておりません。またこういうことは会社の職制上、みなそれぞれ経験者に担当さしておりますので、詳しいことは存じませんが、先ほど申されました指定商社の数というものは順次変化しておるように記憶しております。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたは担円しないかもしれませんけれども日綿実業がどれだけの商売をしておるかわからぬが、しかし、それにしても昭和三十年度には存十八億円外米置付、売り渡しの商売をしておられるではありませんか、百十八億円の米の輸入というものは、同時にまたそれだけの輸出のあきないもできるのでありましょうし、商売は往復できるわけでありますから、大へんな大きな商権と思うのです。あなた自身が担当するしないにかかわらず、また日綿実業はどんな大きな商社か知りませんけれども、米の輸入というものは、あなたの商売の中にはかなり大きなウエートを占めるべきものだろうと思う。それをわからぬとはもってのほかであります。ことにあなたの下にある代表取締役官吏に贈賄したという容疑を受け、勾留せられたというような事件が起っておるときであります。あなた自身国会に呼ばれておるときであります。時間は日綿実業に対してかなり疑惑を持っておるときです。こんな重大なときに、米の取扱いの問題をいかにも小さいことのようにお答えになることは、もしもうそでなければとんでもない考え方であります。あなたの方としては重大なウェーートを持った商行為の部門でなければならぬと私ども考えるのです。よろしゅうございますか、そこでさっきの問題なんですが、一たん米輸入商社となって——この間食糧庁長官もここで言っているのですよ、登録するのに、新たに介入する方法はちょっとないらしいのです。いいですね。新たに介入することは容易じゃないらしいのです。やはり、公示されて買付条件の告示を知ったり、あるいは輸入の発表を知ったりする機会は、あなたの十五か十八の商社がもう手に握っておるわけです。ということは、食糧庁長官がはっきりそう言っておる。ですから新規にどんな適格者がありましても、その適格者が新たに米の輸入商社になろうとしても、今日の現状では不可能なんです。そんなことはあなたももう知り抜いているのです。百五十億円以上米をあなたの方で外国から買って政府に売っておるのですから、知り抜いておられるでしょう。そこは国会でもやはりはっきり言ってもらわなければならない。新規に新しい商社が米の輸入商社になろうとして、容易になれないでしょう、従来の商社が独占しておるのですから……。その独占しておるということの真相を聞きたいのですよ。われわれは何ゆえにそうかということを聞きたいのです。なぜ一体官吏に数十万円贈賄しなければならぬかという、その原因のよって来たるところの生態を聞きたのです。どうでございますか。
  28. 岡島美行

    岡島証人 まことにおっしゃる通り食糧仕事は、われわれの仕事の上において大へん重要な問題とは十分認識しております。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこでなかなか現状は多くの商社がいかにあせっても、百億円の資産を擁し米の輸入商になろうとしても、容易に新たなる登録業者にはなれないというのが実情じゃありませんかというのです。
  30. 岡島美行

    岡島証人 きわめて(吉田(賢)委員「微妙なことですから、言いにくいかと思いますが、おっしゃって下さい」と呼ぶ)私の考えておりますことを率直に申さしていただきますならば、米とかいうような重要なものの取扱いにつきましては、会社自体永年の経験と相当たくさんの経験者、そして今日におきましては海外各地において相当な陣容を持ち、また信用を保持しているところでないと十分やり切れない、こういう点が取扱いをさしていただく基準になるんじゃないかと私どもは考えておる次第であります。
  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういうような永年の経験、豊富な人間陣容等が必要であるということもわかります。わかりますが、新たなる輸入登録業者になることは至難な現状であるのではないか、それともきわめてフェアに、適格商社があるならば、ことし新規に出た、また新たに入ったというように、そこは自由自在な自由競争ができ得るような状況にあるのかどうか、そこを聞きたいのであります。
  32. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。これは政府食糧当局がいろいろな基準をお持ちになるだろう、そういったところによっておきめになる次第でございまして民間の業者としては、その点については何ともはっきり申し上げられない。
  33. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 はっきり申し上げられないことはそうだろうと思いますけれども、そんなことがはっきりわからずしては大きな商社を預かっていけません。あしたやめになるやら、来年やめさされるやら、来年また競争相手が出てきて地位を奪われるやらわからぬということでは、数年の計画が一体たちますか。あなたが今仰せのごとくに、外国にたくさんな出張員を配置して、そうしてたくさんな資金を投じて事務所を設けて買い占める、そういうことを年じゅうやっておられるんですよ。やっておられるのに、来年かわってしまうかわからぬということでは、それはできますまい。だからやはり来年も大丈夫、再来年も大丈夫、五年、十年大丈夫、なかなか自分たち商権は動くものではない、従って新規競争相手は容易にふえないということは、これはもう私ども常識だろうと思うんです。よろしゅうございますね。政府のお考えで何かの基準でやられるのだからわかりません、それは紋切り型の普通の答えです。こんなことを聞くのではありません。あなたも商売人だから、大きな会社を預かって、たくさんの資金を投じているのだから、ことし、来年のそれぞれ利害を一身に背負ってやっておられるのですから、そんなことは明らかなはずです。そこでなかなかこの仲間に入ることは容易ではないということは当然でしょう。こんなことは聞くまでもないのですが、率直に言ってもらいたいのです。それともそうじゃない、それは毎年どんどん入れかわることは自由な状況でありますということであるかどうか。わかり切ったことを繰り返すようですが、あなたは口がかたいから聞くのです。それは間違いないでしょう。
  34. 岡島美行

    岡島証人 むろん商社といたしましては、先ほど申し上げましたように相当重要な仕事でございますので、続けさしていただくことは絶えず希望しておりますが、先ほど申しました通り、一に買付をやられます御当局の方のおきめに願うより仕方がないという現状でございます。
  35. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたの方は、たとえばことしもしくは来年米の買付がどのくらいになるか、輸入数量がどのくらいになるかということは大体わかる。これは東京の情報も年じゅうつかんでおられるから、大体わかる。そこで輸入計画に大体相応するところの産地における集荷買付、こういうものをあらかじめして待っている。こういう態勢であることは間違いない。それともこちらで輸入が公示せられて、あるいは買付条件が公示せられるというときを待って、初めて買付をするのかどうか、そんなことはないと思います。あらかじめ買い付けて倉庫に準備して、倉庫に準備しないまでもいつでも積み出しできるような態勢を準備して待つ、こういうことになっているのではありませんか。
  36. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。何と申しても大へんな金額に上るものでございますし、現在のところそういう外貨の資金も十分に参りませんので、あらかじめ買い付けて待っというような事態は起らないと思います。
  37. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あらかじめ買い付けて待つ状態にはなっておらぬという、そういう言葉も使い得るかもわからぬけれども、さりとて指名競争入札があって、落札確定したその瞬間から買付を開始する、集荷する、そういうことではないでしょう。
  38. 岡島美行

    岡島証人 申し上げます。大体入札があるときに外国関係先、これは永年の取引先でございますので、必要な数量、品質のものを電報でオファーの形においてこちらに取り寄せまして、それをもって入札に応ずるというのが実情でございます。
  39. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこであなたの方では産地で米を買い付けまして、そうして概算払いを受ける。この期間は大体どのくらいありますか。
  40. 岡島美行

    岡島証人 私はその点について先ほどお答え申し上げました通り、現実の仕事に、はなはだ遺憾でございますが、携わっておりません。そういうことは全部機構の関係上それぞれ担任のものがつかさどっておりますので、自体どういうことになりますか、はっきりとわかりませんが、概算払いと申しますか、もうすでに商売ができて、それが船に載って、おそらく船荷証券が手に入った以後いただくのでございますので、相当期間あるだろうと思います。
  41. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この間食糧庁長官の話では、政府にBLが入手されてから船の入港まで十数日あるような、そういう御説明も実はあったのでありますが、そういうことが時間関係において一つ問題点になるわけであります。そこであなたに一つ伺ってみたいのだが、あなたらの商社政府役人のうちでは一体だれが一番密接な関係になるのですか。たとえば輸入の部長ということになるのだろうか。どこが一番ひんぱんに交渉する、あるいは折衝するとか、そういう関係はどこの関係が一番近いのでありますか。
  42. 岡島美行

    岡島証人 はなはだ重要な御質問と存じまするが、先ほど申し上げました通り、これは決して私とやかく申すのではございませんが、自身この問題に昔から直接担当したことはございませんので、そういった関係のことについてはわかりかねる次第で、はなはだ残念でございます。
  43. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私はこの八十万円の金がどういう種類の金か存じません。また真実かどうかわかりません。またこれから明らかになさることでございます。そこで、どういう金にしろ、政府当該外米輸入係官の重要な責任者に向ってあなた方の商社がいずれにしても金を数十万円支払う、もしくは交付するというような事情は、これは実情をぶちまけてもらいたいのですが、何かやはりそういうような交際がなければ、あなたらの商社はなかなか勤まりにくいものでしょうか。たとえばあなたらの商社のお立場が弱いのであるか、商社が強くて農林省の役人を使うような関係にあるのか、一体どちらにあるのか。それとも両方お互い一つの利益にひっついていかれるような関係にでもなっておるのかどうか。われわれはどうしても理解できないのは、かりにどういう性質であっても、犯罪になるとかならぬとかは一応別にしましょう。ここは裁判所でも何でないのですから別にいたしまして、いずれにしてもあなたの方は交際費も要ることでしょう。また輸入商社協議会だけでも年間一億円も金を使っておる。少いときは、十五社、多いときは十八社で一億円の経費をお使いになっておる。この経費は何にお使いになるか存じませんけれども、いずれにしても金を受け取る相手外米輸入政府の重要な役人である。そういう役人に、性質のいかんにかかわらず数十万金を渡すようなことは一体どういうわけだろうかということを、あなたにほんとうに聞きたいのです。これは裁判所という意味じゃなしに、一つわれわれに教えていただきたいのです。たとえば交際費が要るのですとか、あるいはみな困っておられるから金を貸してやらなければならぬ、そういうつき合いもいるのですとか、あるいは何か脅迫でもされることがあるのか、それともそういう人間を子飼いのようにして金でもやっておかなければいかぬということになっておるのか、何かしらぬけれども、どうも普通じゃないと思う。それでそういう金を渡すということは一体どういうものだろうかという点について、一つその間の消息を聞きたいのです。裁判上の、法律上のそういう趣旨はよろしゅうございます。実業人として、有力な日綿実業代表者のあなたとしてその消息一つ聞かしてほしい。
  44. 岡島美行

    岡島証人 今度の事件につきましては、世間をお騒がせ申しまして、私といたしましてはまことに遺憾に存じておる次第でございます。吉田先生の御指摘になりましたような点につきまして私自身としましては全然実は知らなかった問題でございます。それで事件そのものは今お取調べの最中でございます。私どもとしては、謹慎いたしまして裁判をお待ちしているという現況でございますので、その点申しわけないと思うのでありますが……。従ってそういうことは今後のお調べを待つよりほかございませんですが、私自身としては、そういったことを全然知らなかった、またそういうことをすべきものでないということも考えておる次第でございます。
  45. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 なかなかその点は言いにくいでしょう。またここで何もそうあなたにその趣旨性質まで伺うつもりはないのであります。ただ私どもとしましては、年間千億円に近い国費を外米輸入にあてておる国が、その輸入を通しましてもしそこに不純な犯罪的な問題が起るような事情が何かあるなら、それはやはり取り除きたいのです。そしてそれがもし役人の圧力によって出さなければならぬというような状況ご追い込まれておるならば、私どもはやまりその方も明らかにしていきたいのです。もし逆に、あなた方商社の側が役人を金によってつる、食うというような関係にあるなら、これもやはり是正したいのです。もしそうじゃなしに何らか別の事情によるなら、そういうことも真相を明らかにしたいということだけなんです。そこで、あなたも直接お知りにならなかったことは大へんけっこうでありますけれども、しかし今日はもう全然知らぬというわけにいきません。その後お調べにもなったし、その後十分御検討にもなったと思いますので、商売界実情はやむを得ぬこういう事情もありますというその辺の消息が、実は聞きたいのです。だから罪になるとかならぬとかいうことは一つのけておきまして——そんなことはわれわれは聞こうといたしません。その間の消息を伺いましたら、私どもはいろいろと国政上の検討の手がかりを得るわけなんであります。それはどうしても一つ得させていただきたいのです、ここでたとえば検察官が泥を吐かせるとかそういう意味で申し上げるのじゃないのであります。裁判官が法律上判断する、そういう意味で申し上げるのではないのであります。どうか一つ商界の消息を伺うことができましたら、私どもは非常に参考になると思います。何もかも済んでからではこれは実はおそいのであります。本年度におきましても米の買付はどんどん進行しておるはずであります。一日もこれはとまっておりませんので、どうぞその辺の事情一つお察し願って、可能な範囲で消息を漏らしてもらいたい。
  46. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。吉田先生のじゅんじゅんとおさとし下さいました趣旨については十分わかっておるのでございますが、私自身何分当面の仕事に携わっておりませんので、お考えのような這般の消息についてはわかっておりませんので申し上げかねる次第で、はなはだ遺憾に存じます。
  47. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それなら最後にちょっと聞いておきますが、たとえば輸入食糧協議会の会長があなたの会社なんでしょう。そして現在その専務の石橋さんが委員長になっておるようであります。けれどもこの事件が起って以来は、やはりこの種の問題については十分御検討になったろうと思いますが、たとえば十五とか十六くらい組合員が一億円の経費を使うというようなことは、これは飲み食いにしても大へんな量に上ると思います。やはりこういうものは何かと金が要るんでしょうね。これは何もどこへ献金なさるかということを私は追及しようといたしません。どこからか取りに来る金を用意してあるのかどうか、それも聞こうといたしません。選挙資金が要るのか、あるいは遊興費が要るのか、そんなことも聞こうといたしません。ともかくこれを通して、やったのかどうかを聞くのじゃありませんが、こういうような十数名の組合員で一億円の経費を使っておる点から見ましても、なかなか容易ならざる交際費も要るらしいと思います。そういう交際費が何かと要るものではないかと思うのですが、それはどうなんですか。
  48. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。先ほど申し上げました通り、偶然私の方の者が輸入食糧協議会理事長を最近しておったようでございまして、そういった者が今度の事件に関連したことはまことに申しわけない次第なのでございますが、協議会仕事の内容その他陣容等につきまして、あるいは先ほど申し上げました予算、収支その他につきましては、私何も相談を受けるような地位にもおりませんし、これは全く業者の団体でございまして、会社の運営とは別になっておりますので、はなはだ遺憾でございますが何とも実情を申し上げかねる次第であります。
  49. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 やむを得ません。それでは私はあなたに対する質問をなお保留しておきまして、そして別の機会になお聞きますが、それではこういうことを聞いておきましょう。あなたの方は原則的に役人との飲み食いということは、これは普通当然のこととしてやっておられるか。
  50. 岡島美行

    岡島証人 お答え申します。決してそういうことは当然と考えておりませんし、そうやらしておりません。
  51. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかしながら食糧庁関係においてはそんなことでは商売にならぬでしょう。そんなうそを言ってはいけません。やはりここは宣誓してありますので、何でもかんでも知らぬ存ぜぬというわけにはいかぬのです。ここは特別な場所ですからね。だから利益、不利益にかかわらず、やはり言ってもらわなければ困る。そんなことを言ったって、だれもほんとうにいたしません。ですからやっぱり飲み食いぐらいのことが当然のことでないというような、そんなばかけたことをおっしゃったら、あなたは一体商売人かどうか疑います。またそういうようないいかげんなことはここでは通りません。その点だけは一つできたらやはり訂正してもらわなければいくまいと思います。なお聞きたいのですけれども、きょうは時間の関係がありますので、その点だけ聞いておきます。
  52. 岡島美行

    岡島証人 むろん知り合いの方と食事をいただくということはあり得ると思いますが、私ども会社といたしましては、そういう点について全体として、特に数年前朝鮮事変のあと非常な打撃を受けました。これは皆さん御承知通りでございますので、それ以来というものは、交際その他について私自身も、たびたび金を使っちゃいかぬというような趣旨を徹底さしておりますので、その点もあしからず御了承をお願いいたしたいと思います。
  53. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは保留しておきます。
  54. 坂本泰良

    坂本委員長代理 山田委員
  55. 山田長司

    ○山田委員 先ほどからあなたのお話を伺っていますと、どうも私ふに落ちないことがたくさんあるわけなんで、重ねて私からもお伺いするわけですが、あなたはいつごろから今の社長地位におつきになっているのですか。
  56. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。先ほど吉田先生お答え申し上げました通り、二十六年の十一月からでございます。
  57. 山田長司

    ○山田委員 そうしますと、もう五年以上社長という地位におつきになっておられるわけなんで、先ほどからの御答弁を聞いておりますと、ずいぶん知らないと言われる個所が多いわけで、どうも私にほその点何ともふに落ちないわけなんですが、この間うちから実は農林省の人たちにこの委員会外国との取引の問題について話を何っておりますうちに、どうも商社の人たちがだんだん少くなってきている、それからさらに少くなってきているばかりでなしに、古い人たちの実績というものがだんだん積み重ねられるというようなことから、先ほど申されましたように、長い経験とそれから出先に人を擁しておるような大きな機構を持っているところに仕事がだんだん移っていくんだという話もわからぬわけではないのですけれども、しかしそういうふうに独占の仕事にだんだん変っていくということについては、それが果してよいことになるものやら悪いことになるものやら、今の場合理解できない点があるわけです。そういう点について、やはり五年以上の歳月社長という位置におつきになられておるあなたとして、あなたの部下で仕事の部門は方々に担当されておるからといって、それでこのことの状態がただばく然と長い経験だけで、あるいは機構を持っているからというだけであるというふうにはわれわれは理解ができないわけなんです。そういう点でほかの商社がやめていかれる過程などについてあなたが知っていられる範囲があったら教えていただきたいと思います。
  58. 岡島美行

    岡島証人 山田先生の御質問に対してお答えします。今御質問の御趣旨は、だんだん大きな商社が独占的に食糧の扱いをしていくというような傾向になっておるのじゃないかということを憂えておられるように承知いたしましたが、私ここに若干のメモを持っておりますので、それについて一例を申し上げますと、たとえば輸入取扱い商社の数の問題でございまするが、ビルマの場合にとってみますると、ずっと三社で取扱いさしていただいておったのでございまするが、昨年の初めと記憶いたしまするが、それが八社加わって十一社に増加しております。その他の地区においても、評しくは存じませんが、少くとも最近は数はふえておるというのが実情ではないか。この事情を申し上げますと、反対に数はいささかふえておる、こういう実情だと承知しております。
  59. 山田長司

    ○山田委員 二十二年、三年、四年ごろの現地における商社だけでなくて、農林省はどんな形であなた方の監督の衝に当っておられるのですか。農林省から係の人が特派されるようになったのはいつごろからですか。
  60. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げますが、その前に現地と申しますと、どこの地域を……。
  61. 山田長司

    ○山田委員 ビルマとか、ほかにあると思いますけれども
  62. 岡島美行

    岡島証人 ビルマの場合ですと、今二十何年とおっしゃいましたが、二十四年に初めて当時のスキャップの手で少しおいでになったので、それでずっといろいろ通商上の関係がありまして、ビルマの米を年々ある程度買っていかなければ困る、こういうような線もありまして、ずっと行ったのだと思いまするが、非常に世間に申しわけない例の病変米というような問題が起りましたので、たしか二十七、八年ごろから現地へ検査の方がおいでになったように記憶をいたしております。
  63. 山田長司

    ○山田委員 そうしますと、二十七年、二十八年ごろまでは全然農林省からだれも行ってなかったということなんですね。
  64. 岡島美行

    岡島証人 その点は、私自身ビルマへ行きましたのが偶然の機会でございましたが、昭和二十八年の八月に、私当時通商使節と申しますか親善使節というような形で、例の通商の拡大及び今日から申しますと賠償関係のことであちらへ一週間ほど参ったのであります。そのときにはもうすでに現地の農林省の機閥の方がおられたということを記憶しております。その前におられましたかどうかということは、私それがビルマへ行った初めてでございまするので、よく存じませんのでございます。
  65. 山田長司

    ○山田委員 この点についてはやはり日本国民の食糧関係のある重大な問題なんだから、農林省自体もかなりもっと早くから行っておられたと思うんですが、二十七、八年から行かれて、それが調査に当られたという点については、私どももどうも遺憾な点があると思っているんですが、そのときに農林省から行かれておられる技官の人たちは何人くらいで、しかも行った先の仕事はどんな仕事だったか、あなた方はただあいさつ程度で、農林省の方たちのやっている仕事というものはおわかりにならなかったんですか。
  66. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。当時行っておられた技官の方は、米のカビがはえるとかいう問題を、いかにして防止すべきかということを熱心に御研究になっておられたようでございまして現地の問題といたしまして、私ども先ほど申した使節の仕事のひまを盗んだと申しますか、ひまを得て船側まで、実は私自身も使節団の一員として、はしけの積み取り、本船の積み入れも見せてもらったのであります。そのときも十分それにお立ち合いになってそうしてそれがどうしたら防止できるかということを、その方は御研究になっておられました。
  67. 山田長司

    ○山田委員 農林省の人たちがそうして行かれたあとも、黄変米は依然として国内に変りなく入ってきている状態だと思うんです。その点についてあなた方は、そういうものを買い込まない方法としては、当時どういう手を打たれたのですか。
  68. 岡島美行

    岡島証人 お答え申上げます。私自身ちょうどその問題に、つまり貿易拡大に関係いたしましたので、特にその当時、さらにビルマ側は余った米を何とかしてという話もございましたので、そこでどうしても黄変米の問題がありますので、われわれとしましてはまず第一に、白米にせずにもみで持ってくる。そうしますとややこういった問題が防御できるのでありますが、私の記憶しますところでは、ビルマ側としては、それでは精米業者の方が仕事が上ったりになっちゃうので困る。そこでどうしても白米を買ってくれという。そうしますと御承知のようにビルマは、私その当時の記憶で申し上げるのでございまするが、春からずっと八月ごろまで非常な雨が降ります。そこでもみの間に乾燥が足らない、あるいは直米にしたあと特に乾燥が足りませんとカビがはえてくる。それが向うで申しますイエロー、グレインになって、こちらへ参りますと例の病変米になる。それでできるだけ私どもとしましては、当時大きな意味の話し合いから申しますと、できるだけ十二月とか、つまり米ができた直後に買って、雨にぬれぬ前に日本に持ってきたらよかろう。それから船が出る直前に白米にしてもらったらいいんじゃないか、こういったいろんな点を当時のわれわれの一行で現地で進言したということも記憶しております。
  69. 山田長司

    ○山田委員 今までのあなたからの話を聞いていますと、ずいぶんこまかくいろんなことを御商売柄研究されているということはわかるわけなんです。しかしながら吉田さんのさっきの御質問についてあなたが言われていることについては、私は何とも納得できないんです。一体そうして現地へ農林省の人が行かれ、あなた方の連絡機関との連絡をとりしていられるのに、一たび今度の国内の問題に当って、農林省と会社側との折衝の範囲において、一体どこがあなた方の一番折衝のあるところかということについて、先ほどの御答弁では——職場が複雑になっておられるのではありましょうけれども、御理解がないようなことを言われているんですけれども、一体農林省と一番連絡のあるところは、食糧庁のどこのところがあなたの方との折衝部門になっておるんですか。
  70. 岡島美行

    岡島証人 山田先生の、よく知っておるじゃないかということは、私自身先ほど申した通り、絶えずこの米の仕事に携わっているわけではございません。大阪にずっとおるわけでございます。それから、今二、三の、経験者のようなお話を申し上げましたが、事実は、私がビルマへ参った当時の経験をお話し申しあげたような次第でございます。この点どうぞ御了承をお願いいたします。
  71. 山田長司

    ○山田委員 ビルマにおいでになられた過程だけをよく知っておられるというお話ですが、ビルマだけじゃなくて、やはり大きな会社社長となれば、末端の業務の仕事がおわかりにならないということは、どうも僕らには理解できないわけなんです。さっきの吉田委員の話に戻してお話するようなことになるけれども協議会仕事どもほとんど日綿実業が全体をリードしているような立場にあるのじゃないかと言われておられるようなときに、全然協議会仕事もおわかりにならぬような御答弁だったのですけれども、その点どうも私たちには理解ができないわけです。協議会のできるときの前後などについても、それではあなたは全然御存じないということになるわけなんですか。
  72. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。協議会のできた当時の相談には私は直接乗っておりません。それから現実に私協議会それ自体へ足を人れたこともございません。これは事実でございますから、その通り申し上げます。
  73. 坂本泰良

    坂本委員長代理 委員長から関連してちょっと聞きますけれども、あなたは会社社長でしょう。二十六年から社長をしていて、そうして何も知らないで——東京には飛行機か何かで月に何回も来るだろうし、農林省の食糧庁のどこに交渉するかもわからぬで社長が勤まるのですか。証人だからもう一ぺんお聞きしたい。ロボット社長か何か……。
  74. 岡島美行

    岡島証人 今の委員長の御質問に対してお答えしますが、どこへ交渉するというような、たとえば入札とかその他のことをお聞きでしようが、私自身むろん業務関係の方にするだろうということは存じておりますけれども、的確にだれとだれと折衝が多いかというようなことについては私自身存じ上げない、こういうことを申し上げた次第でございます。この点どうぞ御了承願いたい。
  75. 山田長司

    ○山田委員 金額が少ければ、それは末端の仕事とか何かで済まされると思うのですが、莫大な金額になりますのに、その折衝に当っておる省の人間がわからぬというのは、どうも私たちには理解ができないのです。たとい入札一つの問題にしても、会社の浮沈にかかわる問題ですから、社長入札一つだって相談をしないで臨むなんということは、どうも理解できないのです。そうしますと、入札のときでもなんでも、社長相談なしに担当の人が何十億という入札の衝に当られるわけですか。
  76. 岡島美行

    岡島証人 お答え申し上げます。私自身会社の大きな運営あるいはそういうことについてむろん責任もあり、また見ておりまするが、あるいはこういった食糧でなしにたとえば私どものやっております綿花あるいはいろいろな機械、金属、すべて日本でできる品物を輸出し、また日本の産業が必要としておる原料を輸入さしていただいておるのでありまするが、個々の商売に関しましては、私自身部門が非常に多ございますので、一々これを売れ、あれを買えというような指図はいたしておりません。これだけははっきり職制上そうなっておりますので、どうぞその点を十分御了解をお願いできたら大へん結構だと思うのであります。
  77. 山田長司

    ○山田委員 あなたの話を伺っていると、ますます私はわからないのです。ではさらに伺いますが、農林省と何十億という入札の折衝をされる担当の重役の名前は何とおっしゃるのですか。
  78. 岡島美行

    岡島証人 松岡啓一君でございます。つけ加えて申しますと、その下に佐賀繁治という米穀部長がおります。
  79. 山田長司

    ○山田委員 そうしますと、この二人で何十億という折衝をされるときに、入札をされるときに話しをして、それで社長に了解も何も得ないで入札の衝に当るというわけですね。
  80. 岡島美行

    岡島証人 そうでございます。私の方の職制といたしましては、担任の重役なり各部の部長がございまして、現業の仕事というものは、大きな仕事でも全部それが売り買いをつかさどっていく。これは先ほど申しました綿花でありましょうと、羊毛でありましょうと、麻でありましょうと、鉄鉱石でありましょうと、海外の支店あるいは取引先からオファーをとり電報を交換し輸入をする。輸出の場合には海外の駐在員に電報をやり、あるいはお客様直接に電報をやり、現業がその解決をやっていくという職制になっていることを申し上げておきます。
  81. 山田長司

    ○山田委員 どうも経済の情勢にうといわわれわれとしましては、あなたのおっしゃることが理解できないわけなんですが、いずれこれはまたあらためて伺うことにして、この二人以外に全然ないのですね。
  82. 岡島美行

    岡島証人 そのほかにむろん課長もおりますし係員もたくさんございます。
  83. 山田長司

    ○山田委員 衝に当っているのは先ほど二人だとおっしゃったのですが、あとの係員というのはほとんど使い走り程度の者ですか。
  84. 岡島美行

    岡島証人 兵隊で申しますならば、師団長があり旅団長があり大隊長があるという工合に、各係長それから課長、副部長、部長、それから担任の重役、こういうような格好にいたしております。
  85. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 関連して。では次回適当機会にいずれ理事会で御決定願うことにしてその師団長に該当する担当重役並びにその人の直接の部下を呼んで、証人によって明らかにされなかった各般の点を十分に究明する必要があると思いますから、これをぜひ御喚問願うようにお願いしたいと思います。いずれ理事会において御決定願うことといたしまして必要によってはこの証人にもう一ぺん来ていただかなければならぬと思います。こんな知らぬ知らぬということでは、せっかく開いた委員会も台なしにされてしまう危険があります。それだけ申し上げておきます。
  86. 坂本泰良

    坂本委員長代理 それでは岡島証人に対する尋問はこの程度にて終了いたします。証人には長時間御苦労さまでございました。退席いたしてけっこうでございます。  それでは次に前谷重夫証人から御証言を願うことにいたします。発言の申し出がありますので、順次これを許します。
  87. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 証人に伺います。あなたは食糧庁の長官をいつからいつまでしておられましたか。
  88. 前谷重夫

    前谷証人 二十八年の三月末から二十九年十二月の上旬まででございます。
  89. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで外国食糧、特に米の輸入関係について職制上の機構を明らかにしておきたいのでありますが、外米輸入食糧庁の何部長が担当職員ということになったのですか。
  90. 前谷重夫

    前谷証人 業務第二部長が担任いたすことになっております。
  91. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで外米輸入するにつきまして買付の条件を公示することは、業務第二部長の担当事務に属しますか。
  92. 前谷重夫

    前谷証人 業務第二部におきまして立案いたしまして長官が決裁することになっております。
  93. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 登録輸入業者を決定するについていろいろ基準があるようでありますが、この登録輸入業者は、輸入の実績が非常に重要な事項のように現食糧長官の答弁があったのでございますが、輸入の実績がない業者が新たに登録業者になるということは全く方法はないものなのか。それとも何かその道が開けておるのかどうか、その点を伺っておきます。
  94. 前谷重夫

    前谷証人 現在はどういうふうになっておりますか、私存じませんが、私のやっておりました当初におきましては、相当輸入商社の数も多うございましたので、前年度の実績からいたしまして全然取り扱ってない者につきましては登録をやめていくということにいたしておったのであります。
  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 やめていくことを聞こうとするのではなしに加わることを聞こうとしたのでありますが、しかしそれは飛ばしましょう。  そこであなたは日綿実業株式会社、これはきょう証人に出たからよく御承知だろうと思います。すでに戦後引き続いて外米輸入をやりました商社でありますので御承知と思いますが、この日綿実業並びに細田茂三郎、これは現在収賄関係で起訴せられている人でありますが、あなたはいずれも御承知と思いますけれども、いかがですか。
  96. 前谷重夫

    前谷証人 承知いたしておりますが、細田君とは在任期間は異にいたしております。
  97. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この業者のうち日綿実業は、食糧庁提出の資料によるとずいぶん膨大な取扱いをいたしております。三十年度におきましても百億円をこえておるのでございますが、年々百億円をこえる米の輸入業者であります。この日綿実業は最大の米輸入量を持っておるように聞くのでありますけれども、あなたとしては、そういうふうに記憶しておられるかどうか。
  98. 前谷重夫

    前谷証人 私の在任当時におきましては、当初は南方米、特にタイ米、ビルマ米が中心でございましたので、その点におきましては、そういうことになっておろうかと存じております。
  99. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで業者は、過去の実績がないと新登録はできない。従って実績がなくなれば登録も取り消す。実績がものをいう。そこで実績がある有力な業者は毎年継続して登録業者として輸入の権利を獲得していく。ここに米麦等輸入商権というものが十数社に独占されてきたことは、これは御承知と思います。そこであなた方が業者としてでなしに政府の立場から見ますと、一体業者のあなたらへの接触というのは、これはかなりあなた方には圧力になるということはないのでございましょうか。というと少し抽象的になりまするけれども、大きなのは百億円をこえる取扱いをする業者でありますので、業者政府役人関係というものは一体どういうものなんでしょうか。その辺の消息を、きょうはあなたは関係ない立場だから、少しあけすけ言ってほしいと思うんだ。御承知通り委員会は事態の改善を目ざして進んでおりまするので、有益な資料を提供してもらうことが証言のねらいになっております。そういう意味において一つあけすけとその辺のことを聞きたいんだが、業者関係というものはえらいうるさいものだと実は聞いておるのですが、相当業者がまつわってその役人に圧力をかけてくるということは、たびたびあるんじゃないでしょうか。その辺のことを一つお話し願いたい。     〔坂本委員長代理退席、本名委員長代理着席〕
  100. 前谷重夫

    前谷証人 私の在任中におきましては、大体登録業者はたしか四十を割った三十七、八じゃなかったかと存じます。ただいまのお話の点は、実は輸入につきましては、御承知のように為替関係がございますし、通産省の輸入許可もございますので、計画を立てますのは主として官庁関係相談いたしまして計画を立てまして、それからあとは入札によってやっておるという段取りでございますので、私といたしましてはそういうふうには感じておりませんでした。
  101. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そんなら伺いますが、刑事局長の御説明によるというと、一例をあげれば、日綿実業が約八十万円の金をもとの細川部長に提供せられておるということが明らかになっておる。その性質は一応別といたしまして役人が米の輸入業者から数十万円の金を受け取るということは、一体どういう契機なんです。これはあなたのお話によれば、そんなことは想像もされない。それはどういう契機でそういうことになるのですか。そこを話してもらいたい。
  102. 前谷重夫

    前谷証人 私在任中、細田君とは全然期間を別にいたしておりまして、私が二十八年の三月に参りましたときには、もうすでに他にかわられておったのであります。その間の事情は私は全然わかりませんし、ちょっと私から何ともお答え申し上げかねると思います
  103. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 何ともお答えしかねる、関係がないから知らない、形式上そういうことになるかもわかりませんが、一体商社といろいろと話をなさり、あるいは——たとえばこのたびも外国食糧買い上げに関する要綱の改正というものが行われております。この要綱の改正は、政府の説明によると、上半期、下半期に二度ほど検討するというふうに言っておりますが、こういう場合にもはやり商社の意見を聞くらしいのであります。そういうことはあなたの時分にはやっていなかったのですか。
  104. 前谷重夫

    前谷証人 私の当初におきましては、米は国際割当でございまして、これは大体どの国から幾ら買えるかということはわかっておったのでございますが、途中におきまして米の国際割当が——輸出割当がなくなりました。その場合におきましては、相当競争がございますので、どの国からどれくらい入れられるだろうか、そういう調査は、商社が各地域に出張員等を持っておりますから、もちろん商社を通じてやることがございます。
  105. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それならば聞きますが、あなたは、在任中における黄変米の輸入の事実があって、その黄変米が当委員会で問題になったということはよく御承知でございましょう。
  106. 前谷重夫

    前谷証人 承知いたしております。
  107. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 米輸入について幾多の、改善事項をわれわれは保利農林大臣にも提示して、改善方を要求したことも記憶している。あなたもよく御承知のことなんです。しかるにかかわらず、さらに二十九年、あなたの在任中から引き続いて十五万トンも黄変米が日本に入ってきて、毎月民間倉庫の支払い倉庫料だけで現に三千万円をこえているというような実情にあって、その案件が解決せられず、今なお十二万トン以上在庫して本日もそれのために大臣が呼び出されているという関係が実は起っている。こういうように、きれいなお話だけでは済まぬのであります。そこに何らかの手続上なり、制度上なり、運営の実情なり、あるいは他に商人の関係なり相当な欠陥があったことくらいは、あなたお認込にならにゃいかぬと思うのですよ。きょうは地位を去って、民間におられるからといえ、過去におきまして最高の責任者であって、その時代に起ったできごとが今なお国会において論議されているということにもかんがみまして、あなたとしては相当過去の各般における欠陥くらいは、今日は述懐せにゃいかぬと思うのです。そういう角度から考えてみましたら、黄変米が入った径路が何かおかしいんです。黄変米の入った径路もおかしいし、おかしい内容は贈収賄が伴っておるかもわからぬのです。現にそういうことも世上に流布されているのです。こういうことを考えますと、それらについては相当あなたにおいても思い当るところを考えてもらわなければならぬ節があると思うのです。どうなんです。外米輸入に当りまして、制度的に、運用上、法律上あらゆる角度から見て、寸分のすきもない、間違いの生ずる原因もなかったというほど強いことが言えるだろうかどうか。そういうことはないと私は思うのです。あなたとしては幾多の感慨多いものがなければならぬと思うのです。今の問題もう一ぺん言えませんか。
  108. 前谷重夫

    前谷証人 私の在任中におきまして黄変米が出て参りましたことは、私非常に遺憾に存じておるわけでございます。ただ当時といたましては、百五十万トンの食糧輸入しなければないということで、いろいろ作柄の不良のために苦慮いたしておったわけでございます。しかし当委員会におきまするいろいろの御指摘もございまして、私といたしましては、南方方面に調査員も出しましたし、また会計検査院にお願いいたしまして、そちらからも調査員を出していただきますとか、あるいはまた、外国との契約の条項、また検査の方法等につきましては、鋭意改善に努力をいたしたわけでございますが、その点十分私の力足らざる点がございまして完全なる目的が果し得なかったということを非常に遺憾に存じている次第でございます。
  109. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 鋭意改善に努力したかしりませんが、南方へ人をやったかしりませんが、改善の結果は現われずして、以後十五万トンの莫大な病変米が滞貨になっているということは公知の事実なんです。結果はそういうことになっているのでありまして、そうしてこういう事件が起っておるのであります。その黄変米の輸人と細田氏の収賄事件関係があるかないか、まだ明らかでありませんけれども、少くとも疑惑に包まれておるのであります。でありますから、どうしてもあなたにはその辺の消息を、もっとよいことずくめでなしに、話してもらわなければならぬと思うのです。人を南方に派遣した、あるいは売買契約を変えた等とおっしゃるけれども、変えたけれども実行はされなかったのです。変えたけれども病変米はどんどん入ってきた。そして夫解決なんです。そして収賄、贈賄が暴露しておる、実情はこういうことなんです。そういうことを思いますると、どうしてもやはりその間に、商売人との関係というものはもっと究明されねばならぬと思うのであります。  それでこんな面から聞いてみましょう。床こういう商社が接触をしておるのは、あなたの当時食糧庁としては業務第二部長であったようなんだが、そういう辺と商社との間の会合というものはしばしば行れておって、そしてたとえば買付条件等の標準につきましてもよく口頭で話し合っていくというようなこともあり、あるいはまた飲食等はもちろん行うということになって、商社との関係は緊密に長い間つながっていく、こういうのが実情ではなかったのでしょうか。
  110. 前谷重夫

    前谷証人 買付条件等につきましては、先ほども申し上げたように関係官庁と、十分協議をいたしますが、なお現地の事情等で商社の意見も聞いたことがございますし、またそれについて先方から積極的に役所に陳情があるというふうなことはあったかと思います。これは直接担当者の方に調査を命じておりましたから、そういう調査の必要上接触があったかと思います。
  111. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 どうもあなたにおいては目的を達しられませんね。やむを得ませんが、それでは時間もないのできょうは少しほかを聞いてみましょう。あなたが全部やったとは申しませんが、あなたの時代が関連しておるので言うのだが、こういうような十二万トン以上の黄変米を現在国費をもって抱いておるという問題については、一体今どのように思っておられますか。
  112. 前谷重夫

    前谷証人 非常に遺憾なことだと存ずるのでありまして、何とか適正に処置されるよう願っております、
  113. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そういう場合には行政の内部において機構、人間関係、あるいは外部における商社との関係、あるいは輸入の制度、あるいは買付、積み出し等、各般にわたる米麦輸入に関する運用の問題等幾多の面についてこれは改善をしていかねばならぬ、われわれはそう思うのであります。あなたも御承知通りに、この委員会においては黄変米を中心にしてすでに三回ほと決議をやっております。決議があり、ましたが、依然として未解決であります。最終の段階に来ておるので今日は非常に重大なときだと実は思っておるのでありますが、あなたは役人を去っちゃって過去のことは遺憾でありまりた、私のときはよいことをいたしましたというようなこと以外は言わない立場になっておるのだから、今はやむを得ませんですが、実は大きな国損を生じて、そして国民は全く迷惑千万なことなんです。あなたはこの際、このよって来たりし原因につきまして言うべきことはありませんか。ないとすれば、私としてはあなたにきょうはこれ以上、もうお尋ねすることをやめておきたいのです。
  114. 前谷重夫

    前谷証人 これは私、在任中にも申し上げたかと思いますが、根本原因は検査の問題でございまして、発地における検査が不十分であるし、また発地では十分検査ができないということを考えておったわけでありますが、承わりますと昨年の春でございましたか、三十年の春ごろから着地検査、こちらへ来て検査をやるのでありまして、しかも商社政府との関係も明白になったということは、今後の外米輸入の問題につきましては非常な改善、進歩ではなかろうかと考えております。
  115. 山田長司

    ○山田委員 前谷さんの在任中に初めてビルマへ、黄変米の輸入をなくするために調査員を派遣したわけですが、そのときの向うへ行かれた人たちは、どんな報告をあなたにされておりますか。それからさらに行かれた人たちは、その後どういう方針でいったらいいのだという意見みたいなものを出しましたか、この点ありましたらお伺いいたします。
  116. 前谷重夫

    前谷証人 この点につきましては検査機構の充実、つまり調査をいたしました結果、現地での検査機構というものが現地の事情、つまり外国でございます、それからこちらの関係がございますし、また技術的な問題もございますので、現地の検査よりもこちらへ来てからの検査いわゆる着地検査を実施するのが妥当ではなかろうか、こういうようなのが大きな結論であったように私承知しております。従いましてそれに基きましていろいろ研究いたしたわけでございまして、その方法が、私去りました後におきまして実施されている状態だと思います。
  117. 山田長司

    ○山田委員 先ほど日綿実業社長に伺いますと、病変米輸入についてはこれを避けたいというような意図から、もみのついたままを輸入しようとしたら、向うの業者から反対を食って、もみのついたままのものを輸入することができなかった、こういうお話を先ほど伺ったのです。こういう問題については、当時現地に派遣された人たちはどんなことを言っておったのですか。
  118. 前谷重夫

    前谷証人 もみの問題はあったかと思います。もみの問題につきましては、菌の発生状態がもみの場合も発生てしておるか白米になっきてから発生しておるかというふうな問題について、まだ現地では結論を得なかったようであります。ただ日本の港頭におきまするもみすり能力、それからその菌の発生の経過が、まだ私の在任中はわかっておらなかったのであります。そういう一つの方法があるのじゃないかということは示唆を受けましたが、一部におきましてはもみにおいても発生しておる、こういう議論もございまして、その点を専門家に調査してもらうということで私の在任中は進んでおったのであります。
  119. 山田長司

    ○山田委員 私の質問を終ります。
  120. 本名武

    ○本名委員長代理 他に御発言はございませんか。  それでは証人に対する尋問はこの程度にして終了いたします。  証人には長時間御苦労さまでございました。退席されてけっこうであります。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午前十一時五十八分散会