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木村禧八郎君 高碕
長官も労働
大臣も、
生産をふやすことによって雇用を増大させると、ところが実際に三十年度は
生産がふえたのです。ふえたけれども失業者が増加しているのですね。ここに問題があるわけですよ。それは第三次産業に吸収しなければならぬと思います。が、第二次産業ではいわゆるオートメーション、合理化、これがどんどん行われてくるわけです。そこで総合政策としては自給度向上政策によって、たとえば食糧自給政策であるとかあるいは合成繊維の増産をやって、綿花、羊毛を節約する、あるいは石炭の増産、電力あるいは船舶の増強、こういう
方面の自給度向上政策が第二次産業における合理化を促進し、それによって出てくる失業者をそちらの方にまた吸収するということと相待ってこれは
解決できる問題と思うのです。それだけでは全部
解決はできませんが、さらに輸出を飛躍的に数量計算で戦前水準くらいにふやす
見込みをしなければ、人口が三割ふえているのですからいけないと思いますけれども、ところが前の政策では自給度向上政策というのが相当強く出ておったと思うのです。自給度向上及び
生産基盤の拡充、こうなっておった。ところが自給度向上政策が今度落ちているのですよ。それは理由ないことじゃないのです。特に
食糧増産計画においては、主食はアメリカの余剰農産物によるということによって、特に農業
生産についてはその自給度向上政策が後退しているのです。それでは農村における過剰人口はますます吸収困難、第一次産業ではもう一ぱいでありますから、今、労働
大臣の
お話のように、第一次産業、第三次産業が満員になっておけるのですから、第二次産業に吸収しなければならぬ。ところが第二次産業で失業者が出てくるのですよ。三十年度あんなに景気がいいにかかわらず完全失業者がふえている。そこで自給度向上政策について前に
経済企画庁にあったでしょう、案が。あれは一体どうなったのですか。それから食糧自給計画について、どうなったか、特に
生産性向上……。時間がありませんので、あと要点を御
質問いたしますが、
生産性向上運動の一環として
生産性本部があります。昨年度は余剰農産物のお金一億五千万円貸し付けました。三十一年度の
予算では十億円貸し付けております。この償還計画は一体どうなっているか。貸付利子は幾らであって、償還計画はどうなっているか。三十年度の償還計画はどうなっておるか。三十一年度の十億の償還計画はどうであるか。聞くところによると、
生産性本部に貸して、
生産性本部から商工中金に浮き貸しをするのですよ。これは浮き貸しですよ。そうして金利をかせぐ。こういうことが果していいかどうか。それからその償還計画はどうなっているのか。あれは
生産会社ではありませんから、これは非常に不安定ですよ。その償還計画をはっきりお示し願いたい。
それから最後に五カ年計画について。すでにさっきお伺いしましたような労働力率については三十年度の実績として六八・五と言われましたが、三十年度の実績が大体わかっているのに、なぜ五カ年計画においては三十年度を
基礎にしてわれわれにこの資料を示さないか。みんな二十九年度になっているのですよ。なぜ三十年度を基準にして五カ年計画の積み上げ作業をした計画を示さないか。三十年度を
基礎にした計画を示してもらいたい。
それからもう
一つは、三十五年の
財政計画にしても金額がみんな出ているわけですね、従ってこれは年次計画が出てこなければ、トータルは出ないわけです。従って年次計画も示してもらいたい。トータルが出ているのですから、年次計画があるはずであります。特にこの
財政計画については、われわれ
予算委員としては非常にこれを参考にしなければなりません。従って年次計画ですね、ことに
財政計画、それと防衛計画
予算との
関連です。防衛六カ年計画との
関連、これを
財政計画について特に伺いたい。それではっきりさしてもらいたいことは、今の
生産性本部に対する貸付金の金利及び償還計画、それから五カ年計画の三十年度を
基礎にした計画、それから年次計画、特に
財政について。防衛計画、防衛六カ年計画ということを言われておりますが、それと
財政的な年次計画ですよ、防衛計画と
関連した……。これを示していただかなければこれは
意味ないと思うのです。
それからもう
一つ最後に防衛庁
長官に伺いたいのですが、防衛六カ年計画は試案々々と言っていますがね、これはどれだけの信頼性があるのか、
予算は皆試案で組んであるのですね。そうしますと、われわれ長期的な観点からもこの
予算を見なきゃならぬのです。ところが試案丸々といって確定案でないのですから、これはどうにでも変り得るのですね。この試案というものの
意味です。これを伺いたい。
それから最後に、もうこれだけでおしまいになりますから、
委員長御了承願いたいと思うのですが、
重光外務大臣がちょうどおられますから、いい機会ですから伺います。
生産性向上に関する日米交換公文というのがあるのです。これはなぜ国会に承認を求めなかったのか、その理由を向いたいのです。
生産性向上に関する日米交換公文、これは非常に重要な規定を含んでおります。ことにわれわれ
予算委員としては、今後の
予算を拘束する、ような取りきめが行われております。その取りきめの六条に、「
日本政府は、
日本生産性本部の運営を支持するため十分な資金を提供しまたは提供することを取り計らうことにできる限り
努力するものとし、また、本項に従って締結される取極に基いて
日本生産性本部に割り当てられる
生産性に関する計画の
経費又は費用の支払のため同本部が資金を支払い又は提供することができるようにできる限り
努力するものとする。」
日本の
政府が
生産性本部に対してこういう資金的な責任を持つ。その結果として三十一年度
予算では十億円これを貸し付けるわけです。こういう取りきめをやることは、
予算についてはこれは拘束的な取りきめであります。この交換公文というのはどの程度の
義務を
内容としているのか。
予算に
関係があるのです。こういうような重要な問題をただ
重光外務大臣とアリソン大使との間の取りきめになっておる。国会の承認を求めていないのです。これは非常な
義務を負うものだと思うのです。どの程度の拘束力を持っているのか、最後に
重光外務大臣にこの点伺いたいのです。以上であります。