○石原幹市郎君
国立国会図書館法第十一条の
規定により、図書館の
経過に関する館長の
報告、図書館の
予算並びに館長の定める諸規程につきまして、議院
運営委員会における
審査の
経過並びに結果を御
報告いたします。
詳細は
会議録によって御承知願うことといたしまして、第一に、館長の
報告につき、その
内容のおもなものを申し上げますと、
昭和三十年度の業務実績等のうち、まず、図書その他による直接の奉仕でありますが、このうち
国会議員に対する奉仕といたしまして、調査
立法考査局が処理いたしました考査件数は、前年度に比較して一千件以上を増加し、また、国民に対する奉仕としての閲覧者数は、前年度に比較して中央館は約一万人、支部図書館は約十万人の増加となっております。
このほか、
国会議員に対する調査並びに
立法考査の万全を期するため、両院の専門員の減員に見合って、昨年八月一日から従来九名であった専門調査員を二十三名に増加したこと、現下の憲法問題の重要性にかんがみ、各国憲法の和訳を刊行したこと、アメリカ原子力
委員会寄贈の原子力
関係資料の閲覧業務を開始したこと、P・Bリポートの
地方センターを新たに札幌及び仙台に設置したこと等があけられます。
次に、中央館の建築でありますが、図書館としては、これを何よりもまず緊急を要する問題として取り上げ、強力にこれを推進いたしました結果、
予算の増額によって、三十一年度中には地階の鉄骨工事を施行することになったのでありますが、一他方、基本設計も完成して、すでに
実施設計を行う建設省に回付しておる
状況であります。
以上が
昭和三十年度の図書館の
経過に関する館長の
報告のおもなるものでありますが、本
委員会においては、若干の
質疑並びに
意見の開陳が行われた後、この
報告を
承認したのであります。
第二に、図書館の
昭和三十一年度
予算であります。図書館の
予算が、従来、ともすれば事務的に調製せられ、従って図書館の拡充強化も思うにまかせないうらみなしとしなかったので、本
委員会は、ここにあらためて図書館の重要性を再確認するとともに、その
運営の全きを期するため、まず、
予算に重点をおいて強力に
関係当局を鞭撻することになったのであります。そのため、本
委員会は昨年九月以降、閉会中をも含めてしばしば
委員会を開き、概算見積りの段階から図書館当局の
原案について詳細に検討を加えました結果、三十一年度の予定
経費の要求は、中央館の建築並びにさきに申し上げました専門調査員の増員等、人員
関係の
経費を含めて、総額は五億七千八百六十二万円に達し、前年度に比し、二億七千四百五十三万円の増加となった次第であります。
第三に、館長の定める諸規程であります。まず、
国立国会図書館組織規程の一部改正の件でありますが、これは警察庁等に支部図書館を設置し、また、上野図書館の有機的
運営をはかるため、その組織規程を統合するための
措置であります。
次に、
国立国会図書館職員定員規程の一部改正の件でありますが、これは図書館の奉仕強化並びに支部上野図書館の定員統合に関連する定員増加の
措置であります。−その他図書及び図書館資料の複写手続を合理応ずるための
国立国会図書館図書複写規程の一部改正の件がありますが、これらの諸規程は、いずれも
原案通りこれを
承認いたしました。
これを要するに、
国会法改正に伴い、
国会図書館の
運営に関する事項が議院
運営委員会の所管となりましてより一年余を経たのでありますが、中央館の建築促進を初め、図書館
運営の全般につきまして見るべきものがありましたことは、まことに同慶にたえない次第であります。
簡単でありまするが、これをもって御
報告を終ります。(
拍手)
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