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1956-04-26 第24回国会 参議院 法務委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月二十六日(木曜日)    午前十一時五十八分開会     —————————————    委員の異動 四月二十五日委員上原正吉辞任につ き、その補欠として郡祐一君を議長に おいて指名した。 本日委員郡祐一君及び亀田得治辞任 につき、その補欠として上原正吉君及 び木下源吾君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    理事            一松 定吉君            小林 亦治君            宮城タマヨ君    委員            小柳 牧衞君            中山 壽彦君            赤松 常子君            中山 福藏君            羽仁 五郎君            市川 房枝君   国務大臣    法 務 大 臣 牧野 良三君   政府委員    法務大臣官房経    理部長     竹内 壽平君    法務大臣官房調    査課長     位野木益雄君    法務省入国管理    局長      内田 藤雄君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会運営に関する件 ○外国人登録法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正  する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○委員派遣承認要求の件 ○公述人の選定に関する件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  の件  (大阪拘置所移築問題に関する件)  (監獄法改正に関する件)  (人権擁護に関する件)  (売春対策に関する件)     —————————————
  2. 小林亦治

    理事小林亦治君) ただいまより法務委員会を開会いたします。  議事に入る前に、委員の変更について御報告申し上げます。  四月二十五日付上原正吉君が辞任されまして、郡祐一君がその補欠として選任されました。また本二十六日付で郡祐一君、亀田得治君が辞任されまして、上原正吉君、木下源吾君が、それぞれ補欠として選任されました。  以上御報告いたします。     —————————————
  3. 小林亦治

    理事小林亦治君) それから長らく御病気でお休みになっておられた法務大臣がきょうお見えになりましたので、皆様にごあいさつなさるそうでございます。どうぞ一つ。(拍手
  4. 牧野良三

    国務大臣牧野良三君) ごあいさつを申し上げます。私不慮の病気にかかりまして、長い間欠席いたして、皆様の重要なる国務を妨げをいたしました。まことに申しわけなく思います。幸い健康を回復いたしまして、本日から続けて出勤いたします。よろしくお願い申し上げます。(拍手)     —————————————
  5. 小林亦治

    理事小林亦治君) 続いて本日の委員長理事打合会の経過について御報告いたします。  まずかねての京都事件——これは思想調査事件——を協議いたしましたところ、関係者を喚問するか、あるいは委員会人選をいたしまして、現地に乗り込んで、詳しく調べるかということについて……。
  6. 一松定吉

    一松定吉君 思想調査は何ですか。間違った起訴の問題……。
  7. 小林亦治

    理事小林亦治君) いや五番町事件です。委員会人選をいたしまして、大体八日、九日、この両日現地に参りまして、調査するということに相なりました。人選については委員長に一任ということになりましたので、これは後刻あらためてお諮りします。  それから次はこの思想調査なんですが、京都府宇治の地方事務所事件であります。これは前委員の井上さんから強い御要請がありましたが、理事会考えでは、関連的な管轄は法務委員会にありますが、これは地方行政の問題であります。むしろその方で調査あるいは究明した方がより適当ではないかということで、一応保留のような形をとっております。以上でございます。     —————————————
  8. 小林亦治

    理事小林亦治君) 次に、外国人登録法の一部を改正する法案律議題に供します。  本案につきまして御質疑のおありの方は御発言を願います。
  9. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 本案につきまして、法相が幸いにして健康を回復せられまして御出席下さいましたので、一言法相の御意見を伺っておきたいと思います。
  10. 一松定吉

    一松定吉君 ちょっと議事進行について。宮城委員が急な用事で外へ出なければならないと言っておりますが、出ると委員が減って定足数を欠くのですが、一つこの方を先にして、そのあとで御質問していただくとゆっくりできますが。
  11. 小林亦治

    理事小林亦治君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  12. 小林亦治

    理事小林亦治君) 御質疑がなければ本案に対する質疑は終了したものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  13. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 私は本案反対するものでございます。  新しい日本が国際的に古い日本と全く違った民主的な日本であることを認識せられるためには、私は、日本は格段の努力をする必要があると確信をしております。昨年末、日本国際連合加盟の際に、これを積極的に支持する国が一つもなかったということは、われわれ国民として、ことに立法者として深く考えなければならないことがそこにあると思うのであります。  さて本案は、第一には占領時代における占領軍の政策を受け継いでいる面があまりに多いのであります。第二には、本案及びその基礎となっております本法は、アメリカで現在まで行われておりますマッカラン・ウォルター・エミグレーション・アクトというものを受け継いでいる点があまりに多い。極端であります。マッカラン・ウォルター・エミグレーション・アクトは、昨年ゼネバにおける巨頭会談の際にも、高いレベルにおいて問題になり、アイゼンハワーがアメリカに帰られて、こういう外国人に対して指紋強制しているような法律を行なっている国は今日文明国にはあまりない、特殊の植民地であるとか、あるいはアジアないし南米など、特に移民の問題についてそれぞれの事情のおありになる国は別といたしまして、ヨーロッパにおいてこういう指紋強制などを行はっている所は一つもない、これはアメリカの国際的な名声を低くするものであり、早晩これに対する改正が行われなければ意らないということが、高いレベルにおいて論ぜられ、かつまたマンチェスター・ガーディアンその他の国際的意言論の上でも指摘されているのであります。こういうような点から、まず、全般的に日本外国人登録に非常に厳重な制限を設け、ああいう指紋強制を行なっているというふうな状態を今日以上に続けて行くべきでないのであります。もちろん日本にも特殊な事情がございますが、この特殊は事情というのは、日本が過去において朝鮮植民地とし、朝鮮方々日本国民として強制的に取り扱い、従って、これらの方々は、朝鮮には現在生活根拠というものが全くなく、日本生活根拠があって、日本に長年おられた方々でございます。従って、講和発効の際に、これらの方々外国人として取り扱う際に、いやしくも人情に反し、人権をじゅうりんするような措置は決してなさないということは、当時の外務大臣がわれわれに向って誓約せられたところであります。しかし、不幸にして今日まで正常なる外交関係が回復せられないために、決していわゆるクリミナルな密入国というものではない、あるいはこちらに家族がある、その家族と合体されたいという人情及び愛情の点から、外交関係がないために、成規手続を経ないで入国せられるむのを密入国というように言って、あたかも犯罪行為者であるかのごとく扱っておるということは、まことに悲しむべき状況であります。かつまた・日本におられる、ことに朝鮮方々が非常に多いために、それについて幾分いわゆる取締りの面で不便を感ぜられていることはわれわれも察するのでありますが、要するに、本法並びにそれに対するただいま議題となっております改正法律案というものは、取締り便宜を主にして、そして国際感情並びに人権尊重というものをあと回しにしている。これはすなわち日本が依然として敗戦前の警察国家の伝統というものの上に立っている。取締りの面で便利であるならば、国際感情を害し、人権を圧迫するということをやってもよろしいのだという考えに立っておられる点が、私はこの改正案に対しても反対せぜるを得ない理由でございます。幸いにして、政府も幾分これらの点を反省せられて、最近においては警察国家的な方法というものから次第に脱却せられて、国際友好精神並びに人権尊重という精神の上に立たれ、今回改正案を提出せられ、従来二年ごとに登録を更新していたものを三年にするとか、その他多少手続簡易にせられたことは、私も認めるのにやぶさかではないのでありますが、何ゆえにさらに英断をふるって、もっと根本的な解決をやり、多少の警察取締りの不便は忍んでも、指紋外国人強制するというようなことをおやめにならないか。しかも、日本朝鮮方々日本におられるという問題だけを眼前に見ておるべきではありません。観光の面においても多くの外国の方に来ていただきたいことであるし、また、学術文化の交流の面においても、優秀な学者芸術家日本に長く滞在をせられることが望ましいのであります。日本に十数年にわたって滞在し、日本芸術に貢献しておられるマンフレッド・グルリッド教授のような芸術家に対して指紋をとって不快なる感情を与えているということは、私は個人としても絶えずこれらの学者芸術家に対して、日本の国のレベルが依然として低いことをおわびをしていなければならないような状態で、まことに汗顔の至りであります。どうか政府は、ただいま議題になっておりますような改正にとどまらず、さらに根本的に思いをいたして、眼前区々たる取締り便宜というようなものに拘泥して警察国家の疑いを受けられるようなことを脱却せられて、国際友好精神並びに人権尊重精神に立って、本法を根本的に改正せられることを強く要望して、この中途半端な情ない改正案に対しては反対をいたすものでございます。
  14. 小林亦治

    理事小林亦治君) ほかに御意見がなければ討論は終局したものと認めます。  これより採決を行います。外国人登録法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  15. 小林亦治

    理事小林亦治君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお・本院規則第百四条により本会議における口頭報告内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書作成、その他の手続につきましては、慣例により委員長にこれを御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 小林亦治

    理事小林亦治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名    宮城タマヨ  市川 房枝    赤松 常子  中山 福藏    中山 壽彦  小柳 牧衞    一松 定吉
  17. 小林亦治

    理事小林亦治君) 次に訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案議題に供します。  御質疑のおありの方は御発言を願います。御質疑はございませんか。——なければ質疑は終了したものと認めます。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見がなければ討論は終了したものと認めます。  これより採決を行います。  訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  18. 小林亦治

    理事小林亦治君) 多数でございます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書作成その他の手続につきましては、慣例により委員長にこれを御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 小林亦治

    理事小林亦治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  なお、報告書には多数意見者署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名    宮城タマヨ  赤松 常子    市川 房枝  中山 福藏    中山 壽彦  小柳 牧衞    一松 定吉
  20. 小林亦治

    理事小林亦治君) 速記をとめて。   〔速記中止
  21. 小林亦治

    理事小林亦治君) 速記を始めて。  次にお諮りいたします。京都市における傷害事件に対する調査のため委員派遣を行いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 小林亦治

    理事小林亦治君) 御異議ないと認めます。つきましては、本院規則第百八十条の二により委員派遣承認要求書議長に出さなければならないことになっておりまするので、その内容及び手続等につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 小林亦治

    理事小林亦治君) 御異議ないものと認めます。よってさよう決定いたしました。
  24. 小林亦治

    理事小林亦治君) それから刑法等の一部を改正する法律案に対する公述人確定名簿ができました、かねて大体のメンバーの御承認を願ったのでありますが、御都合の悪い方が五、六名ございまして、従いまして一番最初のメンバーから差しかえたのがございますので、この確定名簿を念のために申し上げておきます。最高裁判所判事垂水克己さん、それから最高検察庁検事安平政吉さん、弁護士小野清一郎さん、東大教授花山信勝さん、それから日本キリスト教協議会議長小崎道雄さん、広島大学教授長田新さん、弁護士磯部常吉さん、評論家中島健藏さん、東北大教授木村亀二さん、弁護士正木亮さん、奈良少年刑務所所長玉井策郎さん、日本医大事務総長河野勝斉さん、東京歯科医大古畑種基さん、東大教授吉益脩夫さん、弁護士渡辺道子さん同じく弁護士島田武夫さん・以上でございます。なお予定通りこれらの方々の日程は、五月の十日それから十一日、この両日になっておりますので御報告申し上げておきます。
  25. 小林亦治

    理事小林亦治君) 次に検察及び裁判運営等に関する調査議題に供します。大阪拘置所の移築問題に関する件について御質疑のおありの方の御発言を願います。
  26. 一松定吉

    一松定吉君 法務大臣にお尋ねいたしますが、かねて法務省で所有しておりました大阪北北錦町一番地一の土地と今回移転場所として法務省が予定しておりました都島友渕町の土地と、承わるところによると、すでにもう交換済み登記まで済んだということを聞きましたが、果してさような事実がございますか。これをまず伺います。
  27. 牧野良三

    国務大臣牧野良三君) 政府委員より詳細申し上げます。
  28. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) お答え申し上げます。交換手続は進行いたしておりまして、契約をすでに締結いたしておりますが、登記手続はまだ経由いたしておりません。
  29. 一松定吉

    一松定吉君 その両方の土地に対する契約ということについては、価格の点はどうなっておりますか。
  30. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 交換をしようとする土地が、一松委員からお話のございました北区北錦天満橋筋所在土地でございまして、その坪数は一万一千九十二坪二合一勺でございます。これに対しまして交換受地交換をしようとする対象の土地都島区善源寺町、それから友渕町にございます一団の工場敷地でございまして、その総坪数は一万九千百七十六坪七合二勺でございます。さらにこの交換受地に所在いたしますれんが作りのかわらぶき平屋建て等十二建物がございます。たくさん建物がありますが、そのうちの、今申しました十二の建物につきまして、前の天満敷地と一括いたしまして交換することになっております。
  31. 一松定吉

    一松定吉君 その値段一つ言って下さい。北錦町は、値段合計幾ら、それから交換受け入れ土地都島土地家屋等値段幾ら、それでどういうようなことにおいて交換したか。
  32. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 簡略に天満土地都島土地と申し上げてよろしうございますか。
  33. 一松定吉

    一松定吉君 よろしい。
  34. 竹内壽平

    政府委員竹内壽平君) 天満土地につきましては、土地によりまして単価が異なっておりますが、合計いたしまして一億四千六十四万四百円になります。それに対しまして、都島土地評価が一億一千五百六万三百二十円、それから建物評価が二千五百八十八万六千二百二十五円・土地建物合計が一億四千九十四万六千五百四十五円であります。
  35. 一松定吉

    一松定吉君 法務大臣にお伺いいたしますが、この問題につきましては、いろいろ悪いうわさが飛んでおったのでありますが、私どもは、まさかそういうことはあるまいと思うておったところが、このたび都島反対の立場におりまする山野という委員長から、私ども手元に送ってきました土地価格についての鑑定があるわけですが、それによりますと、法務省の持っておりましたいわゆる北錦町の土地は一億三千六百二十七が四千六十円、一坪当りが二万二千円、それから法務省が今度受け入れた土地は、一坪が五千五百円、合計が一億五百四十七万一千九百六十円、その値段差額は一億三千百何十万円というものが天満土地値段が高い。ちょうど倍以上高い。これは大阪不動産鑑定協会という協会鑑定人合計十二名が寄って、合同して鑑定した事実であります。この不動産鑑定協会は、裁判所裁判外のすべての鑑定を引き受ける団体でありまして、大阪高等裁判所大阪地方裁判所大阪家庭裁判所大阪簡易裁判所からの鑑定を引き受けており、また行政官庁からの鑑定を引き受けておる大阪で最も権威のある鑑定協会、その鑑定協会鑑定によると、法務省の持っておった土地が二億三千六百万円、今度もらった土地が一億五百万円、ちょうど一億何千万円という損をして、高い土地延原にやり、非常に安い、その半分の値のものを法務省が取ったということになる。こういうことははなはだ不当なやり方であって、今日国家土地や財産が不当に処分されるということが問題になっておるとき・こういうようなことで延原をして一億何千万円ももうけさせるというような結果を見るというようなことの裏面に、いろいろうわさが飛ぶんです。このことを一つ法務大臣責任をもって御調査を願いたい。そうして、もし御調査の結果がこういうことであるならば、これははなはだ不都合でありますから、こういう点に向って相当の責任をとってもらわなければならぬ人があろうと思う。でございまするから、これを私はきょうは法務大臣お願いをしておきます。それが一つ。  それから、いま一つここに大阪拘置所移転誘致についての陳情書というものが、船谷吉之助ほか四十三名の地主が連名して、どうか私の方にその拘置所移転して下さいという・地主が連名して、移転についての請願書が出ておる。こういうようなことは法務大臣手元にいっておりはすまいと思いますが、こういうような事柄について、法務大臣はこれを一つ調査してみていただく必要があると思いますから、これを一つ至急に御調査を願いたい。そのことについて法務大臣の御意見を承わりたい。御参考のために、この請願書に関係する土地価格鑑定書の写しがありますから、これをお手元に出しておきますから、これを基本にしていただきたい。それから拘置所移転に関する陳情書が出ております。これは拘置所を私の方へ持ってきて下さいという地主が四十三名連名して法務委員会に出ておる。これも一つ参考のために差し上げておきます。この三つを次回までに御調査を願いたい。
  36. 牧野良三

    国務大臣牧野良三君) ただいま一松委員より重大なる御質疑を受けました。さような事一実があってはならない。ことに第一の事実につきましては、近畿財務局をして厳密なる調査をさせて評価をさせる、そういう手続のもとに行なったという報告を受けております。しかしながら事実においてその金額は容易ならぬ差額でありまして、お言葉に従いまして、必ず厳密に調査をいたしまして、第一の事実も第二の事実も、調査の上、次回委員会において確たる御答弁をいたしたいと存じます
  37. 一松定吉

    一松定吉君 それから、いま一つ尋ねますが、今一億三千万円も地主にもうけさせたという鑑定の結果、これをこの場所移転するということになりますと、結局国家一つ拘置所移転について地主に不当に一億三千万円ももうけさせたことになるということが、これはまあ結果からで、法務大臣の御意見もあろうかと思いますが、都島の区民九万何千人が全部一人残らずこれを反対しておる。一面にはどうか私の方に拘置所を誘致して下さいという地主が四十何名か連名でお願いしておるというようなこの事実に即しまして、法務大臣にさらに御検討を願う必要があろうと思いまするから、その点も一つ検討お願いしておきたい。このことを要求しておきます。
  38. 牧野良三

    国務大臣牧野良三君) ただいまの御意見尊重いたしまして、さらに慎重なる調査を遂げたいと存じます。
  39. 小林亦治

    理事小林亦治君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止
  40. 小林亦治

    理事小林亦治君) 速記を起して。
  41. 羽仁五郎

    羽仁五郎君 大臣が御健康を回復していただくことを心から希望いたします。  で、はなはだ恐縮でありますが、久しぶりにお見えになりましたので、三点簡単に伺わせていただきたいと思います。  第一は、いつもお顔を拝見するたびに申し上げるので心苦しいのでもございますが、実は大臣病気になりました間、非常に不安を感じました気持も御了察下さいまして、監獄法改正ということをぜひできるだけ早く軌道に乗せていただきたいというふうにお願いをいたす次第であります。これはあなたのような最高権威が格段の御尽力をいただかなければ、チャンスは去ったらなかなかまたとは得られないと思います。またその当局者はいろいろな点を苦労されておることはよく私も了解はいたしますが、しかしそういうさまつなことに手をかけて時間を延ばしておられることが、多数の方々人権を不当にじゅうりんしているという点から、実際一刻も早いことを希望いたすのであります。  続けて申し上げますが、第二は、新聞でもごらんになりますように、最近また特に人権じゅうりんの事実が頻発いたしております。なかんずく私ども法務委員としても、国民に対して全くわびの申し上げようがないことは、真犯人が名乗って出ることによって誤判が明らかになっておるようなことが続出していることであります。これはあたかも言葉を激しくすることを許されまするならば、警察なり検察なりというもののあり方が、全く間違っているということを真犯人によって示されているものだといって過言でないように思うのであります。この点については私はかなり現法相のような識見の高い方が英断をもって、そしてある程度まで高いレベル責任をとらなければ、根絶はできないものだというふうに考えております。外国においてこういう人権じゅうりんが根絶されましたのは、やはり必ずしもその第一線方々、間違いを犯されました方々だけの責任にとどまらず、それを直接監督されております高いレベルにおいて責任がとられたために、第一線方々がすべて戦標せられて、いやしくもそういう人権じゅうりんということが行われないように、一人の人権をじゅうりんすることは国の根本的問題であるということを認識されておるのだと思う。日本では現場ぐらいで解決されているために、あっちで何とかおさまれば、また別のところで起るということがあるのじゃないか。それで、そういう意味で、私はこれは検察における最高責任者の態度というようなものについても考えていただかなければならぬ点があるのではないかと思います。検事総長は先ごろ死刑廃止の問題について朝日新聞に論文を書かれで、日本には幸いにして誤判がないというようなことを言っておられる。こういう感覚は私は現在の日本あり方にそぐっているものであるかという非常に不安を感じます。そういう点において人権じゅうりんが重大な問題であり、第一線方々が誤りを犯された場合には、その指導監督の責任者がやはりその進退を明らかにすべきであるというように考えておりますが、御高見を伺わせていただきたいと思います。  それから最後に時間がないので簡単に申し上げますが、最近法律時報の四月号に逮捕状の発付と人権の保障という共同研究が、あるいは最高裁、あるいは地検、あるいは警視庁、あるいは弁護士その他の方々がいろいろ意見をお述べになっておられます。この中で、私ども法務委員として一刻もゆるがせにすることができないと思いますのは、やはり逮捕状の乱発の問題であります。なかんずくこの逮捕状を請求すべき資格のある方が、必ずしもその責任を十分自覚しておられないのじゃないか。それで警察官の方からお出しになったのにめくら判存押して、そうして合法的な手続ができたものだと考えられ、逮捕状を請求すべきかどうかその内容をその責任を負っておられる方が御自身で検討なさっていないのじゃないかということが、ただいまの法律時報に現われております。これはまことに重大な問題でありまして、われわれが逮捕状を請求する資格と責任とを認めている方が、その資格と責任との自覚がないということであるならば、これは全く国民に対して相済まない、こういうような点が、軽々しく逮捕状を出すというふうなことが行われていることは、日本の現在のあり方として一日も許さるべきことでないと思いますので、この点についてもどうぞお示しをいただきたいというふうに考えます。  御健康回復の途中でお引きとめをして長く申し上げることははなはだおそれ入りますが、いずれもはなはだ悲しい問題でありますので、簡単でけっこうでございますから、御方針を伺わせていただきたいと思います。
  42. 牧野良三

    国務大臣牧野良三君) 羽仁さんより重要なる御質疑を受けました。  まず第一の監獄法改正でありますが、当局の意向としては年度内一ぱいどうしてもかかるといいますのを、それをぜひ改めてほしい。そうして夏までには、案を整えることができるように・ただいま常に激励しているのみならず、病中といえども保護並びに鑑別に関する全国の方々のお集まりの席上には出まして、その意見を私が特に述べ続けてきているような次第であります。私のその点に関する心組みを御了承願いたいと存じます。  第二の誤判事件、これに対しましては第三の逮捕状の事件と関係いたしておりまするが、全くどうも今までに思想的に欠陥がありました。検察行政の根本に欠陥がありまして、この点は非常に私は行き過ぎじゃないかと思うような意見を批判をしてくれ、訓示じゃない、ざっくばらんに批判をしてくれということを前提として、大胆に三回にわたる検察官の会同で述べました。徐々に理解をしてくれて、改める一途に向いつつあるのでないかと思いまするが、なおこの点は御趣旨を体しまして、日本検察行政が輝かしい別の方面を現わすことのできますように微力を尽したいと存じます。この上の御支援を賜わりたいと存じます。
  43. 赤松常子

    赤松常子君 お医者様においでになるのに申しわけございませんけれども、一言御要望だけ申し上げます。  それはやはり売春禁止法に関する最近の動きでございますけれども、ちょっと漏れ伺うところによりますと、実は二十日前後に衆議院に御提出に相なるようなお話を伺ったのでございますが、まだこの審議会の答申案と与党とのいろいろ意見の調整中だというお話を承わり、今日すでに二十六日でございますけれども、それがなかなかはかどらないということをちょっと伺っておりますのですが、どうぞこの際一日も早く御提出いただきたいということが一つ。折柄赤線地帯の業者の人々が集団で自民党に御人党なさるというような新聞記事もちらほら見えております。もちろんこれについてわれわれがかれこれ申す筋合いではない。政党の支持は自由でございますから、これをかれこれ申すのではないのですけれども、折も折こういう重大な法案を扱っておいでになる際に、そういう現象が現われるということは、何か国民一般が不明朗なものを感じているわけでございますので、どうぞ早く意見の調整をなさって御提出なさるようにくれぐれも御要望申し上げておきます。
  44. 牧野良三

    国務大臣牧野良三君) お答え申します。党内の調整に手間どっておるという事実は全然ございません。ただ特殊の施設をする点においてただいまの法律案で次の年度の予算を拘束するというようなことがあってはならない、そのために大蔵当局との折衝に手間どっておりますが、必ず提出をいたします。私といたしましては一日でもいいから四月中に出すようにということを心せいていたしておるのでありますが、一日ぐらいおくれるかと存じますが、けさからもそのことに没頭いたしております。  なお新聞が赤線区域の人の集団入党を報じておりますが、これは党議によりましてお断りすることにはっきりいたしております。世間の疑惑等を抱くような新聞報道というものは、報道の不謹慎もあろうかと思いますが、そういうことを受けるということには党自身も自粛しなければならぬ、こう思いまして、はっきりその点は党の幹部会において決定いたしました。どうぞ御安心をいただきたいと思います。
  45. 小林亦治

    理事小林亦治君) それでは本日はこれで散会いたします。    午後零時四十三分散会      —————・—————