○
説明員(
下牧武君) それでは私から
補足説明を申し上げます。
お手元に
外国人登録法の一部を
改正する
法律案逐条説明、こういう
書類をお配りしておるはずでございます。それを御参照いただければ幸いかと思います。
この
法案の
改正の
趣旨と申しますか、この大きなねらいにつきましては、
提案理由の
説明の中で述べてございますので、その点は省略いたしまして、
逐条的に、符に注意すべき
改正部分のみを簡単に申し上げてみたいと存じます。
まず第三条の
改正規定でございますが、本
条は本邦に在留する
外国人が新たに
登録をいたします場合の
規定でございます。そのうち変りました点は、この第一項におきまして、再
入国の
許可を受けて
出国した
外国人が、再び
本邦に戻って再
入国した場合、これを新しい
登録の
規定からはずしまして、後に御
説明いたします十二条の二において特例を設けたというのが第一点でございます。それで、従来の
解釈によりますれば、
旧法並びに本法も同じでございますが、第十二条によりまして再
入国の
許可を受けて
出国する
外国人であっても、一応法規の厳密な
解釈の上からは、
出国に際して
登録証明書を返納していかなければならぬということになっておりました。それを、再
入国の
許可を受けて
出国した
外国人が再び
本邦に再
入国した場合は、ただ
登録証明書を預けておいて、
出国の際に、
出国する港において、
入国審査官に、
登録証明書を預けておきまして出て行く。それで
入国審査官は、それをその
外国人が前に居住しておった
市町村の
役場に送っておきまして、今度
外国人が再
入国いたしました場合には、その
役場に出頭して、その預けておいた
登録証明書の返還を受ける、こういう立て方にいたしまして、新たに
登録する必要がない、こういうことにいたしましたので、この
新規登録の
規定から、再
入国の
許可を受けて
出国した
外国人が再
入国した場合ははずした、こういうわけでございます。そのほか第一項は
字句を少々いじっておりますが、
趣旨において旧
規定と変りはございません。
それからこの本条の
見出しをちょっと変えております。従来の
見出しは、「
登録証明書の
交付の
申請」、こういう
見出しにいたしており律したが、今度の
改正規定では、「
新規登録」という
見出しにいたしたわけでございます。この点は実際的には文字の差だけでございますけれども、本来の
考え方を基本的に少し掘り下げてみました結果、この新しい
考え方がいいのじゃないかというので改めたわけでございます。そのわけは、従来の
外国人登録法は、
登録証明書というものを
中心としてできておりましたけれども、いろいろ考えてみますると、
登録のほんとうのねらいということは、
登録させることそれ
自体、言いかえれば
登録原票を
作成して、それを
市町村の
役場に備えつける、そのこと
自体が本当のねらいでございまして、
登録証明書というのは、その
登録原票の
記載事項の反映と申しますか、その
内容の照り返しになる
証明書にすぎない、こういう
考え方で
登録そのものが
外国人登録法のねらいの
中心である、こういう
趣旨を表わす
意味で
登録証明書中心の
書き方から、
登録そのものを本体とするという
書き方に全体を改めたわけでございます。
それから次は第三項でございますが、これは
新規登録の
申請をいたします場合の
申請の
猶予期間といたしまして、新たに
本邦に入ってきた者については、上陸の日から六十日、その他の
事由がある場合には、その
事由が発生した時から三十日というふうに第一項で、
申請猶予期間が定めてございます。それを、やむを得ない
事情によって延長する場合に、従来は
都道府県知事の
権限になっておりましたのを、このたび
市町村の長の
権限にこれを移したわけでございます。この点は
登録事務の第一線を承わっております
市町村の
窓口の
事務というものが、
大分事務になれて参りまして、素質も向上して参りましたし、それから今後はいろいろ
指紋もとるようなことにもなりましたので、特に
都道府県知事にその
権限を持たせておかなくても
市町村の長だけで十分である、かえってそれによって
事務の
簡素化と
迅速化がはかられるという
趣旨で、
権限の委譲をいたしたわけでございます。
それから次は
旧法の第四項と第五項を削除いたしておりますが、これは全然落したのではございませんので、この
旧法第四項と第五項は、後に御
説明いたします第十五条の中にこれを統合して
規定いたしたわけでございます。これは
代理申請の
規定でございまして、
規定の
位置から申しましても
あとに出て参ります十五条に一本化した方が適当である、かように考えたわけでございます。
次は第四条について御
説明いたします。第四条の第一項は
字句を少々いじっておりますが、これも従来の
登録証明書を
中心とした
考え方から、
登録そのものを
中心とした
考え方に改めただけの
字句の
整理でございます。それから第一項の第二十号を改めておりますが、これは
登録原票の
記載事項といたしまして、「従来
市町村名及び
作成の
年月日」と、こう書いてありましたが、
市町村名は当然これはわかることでございますし、それから
作成の
年月日は第二号によって「
登録の
年月日」というのがございますので、特に必要もございません。
市町村長の
職氏名さえ書いておけば十分ということで
改正規定のように改めたわけでございます。それから第二項も単なる
字句の
整理でございます。
次に第五項から第七項まで、これを削っておりますが、これは
登録をさせる場合の
市町村長の事実の
調査に関する
規定でございますが、これは後に十五条の二としてまとめて
規定いたしましたので、
内容的には
規定の
位置をかえただけでございます。と申し上げますのは、
市町村長が事実の
調査をいたしますのは、何も新しく
登録をする場合だけに限らず、再
交付の場合であろうとそれから切りかえの場合であろうとその必要がございますので、
条文を
あとにもつてきまして一本にまとめたわけでございます。
それから次は第五条で、ございますが、第一項の
改正は単なる表現の
改正及び
引用条文を少しかえただけでございまして、特に御
説明の要はないと思います。重要なのはこの第二項でございますが、この第二項の
規定は、従来の
規定によりますと、
登録証明書の
交付の
申請があって、それを
交付する場合は、大体その日のうちにその場で渡すという
考え方のもとに
規定ができておったのでございますが、新たに
登録いたします場合にいたしましても、その
申請の
内容について
関係機関にいろいろ照会してみるような必要もございますし、また
取扱い上の
法律的な疑義が出て参りました場合にこれを中央なり、あるいは
市町村から
都道府県知事なりに照会してその指示を仰ぐという必要もございます。特に
提案理由で御
説明いたしましたように、
登録証明書の大量切りかえで
事務が非常に
複雑いたしておりますときに、
新規登録の
申請があったような場合には、その場ですぐ渡すわけには参りません。そこで
市町村長は、特にやむを得ない
事情がある場合におきましては、この
交付予定期間というものを指定いたしまして、何日から何日までの間にこの
登録証明書を取りに来い、その
期間は、まあ大体三日間ぐらいを
予定しておりますが、その
期間内に取りに来たらば、そのときにあらためて
登録証明書を渡してやるというふうにいたしまして、この
市町村の
窓口事務の
繁雑化を、まあ俗な言葉で申せばならして計画的に
処理できるようにいたしたわけでございます。それでこの
規定は
新規登録の場合の
規定でございますが、この
条文の後に
説明いたします
登録証明書の
引きかえ
交付の場合、それから再
交付の場合及び切りかえ
交付の場合にすべて準用いたしておりますので、この
法律の
改正の最も重点となっております本年末に控えました大量切りかえの際の
事務の混雑を防いで、計画的にその
事務を
処理するようにするというねらい、これがこの
条文の準用によってまかなわれる、こういうことに相なるわけでございます。第二項の中で、ちょっと御
説明申し上げておきますが、「
法務省令で定めるところにより、」と、こういうふうにいたしてございますが、この「
法務省令」の
内容といたしましてはまだ十分な検討はいたしておりませんが、この
書面のまあ
交付予定期間を指定する、その
書面の控えを残して置くとか、あるいは
登録証明書の
交付申請の際に
指紋を押さなかった者については、その
交付の際にこれを押させるようにするというような
内容のことを大体
規定いたしたい、かように考えております。
次は第六条に移ります。この
規定は、
登録証明書が著しくき損し、または汚損したような場合に、その古い
証明書と
引きかえに新しい
証明善の
交付を求める、こういう
規定でございます。その
内容といたしましては、特に従来と改まった点はございませんが、ただこの第四項におきまして、先ほど申し上げました第五条第二項の
規定、言いかえればその
申請と同時に
登録証明書を渡さんでもあらかじめ
交付予定期間を指定して、その
期間内に
市町村長は
登録証明書を渡せばよろしいという
規定を、ここに準用しております。それと、この第五項を削除いたしました。これは後に御
説明いたしますが、
登録証明書の
有効期間というのは、このたび廃止いたしましたので、その
有効期間の起算時の基本になる第五項というのが不要に相なるわけでございまして、その
意味でこれを削除いたしたわけでございます。それから新たに第七項を加えておりますこれは
登録原票を新たに書きかえて、新しい
登録原票を作ることができるという根拠
規定でございますが、これは全く
事務的な必要に基く処置でございまして、その理由は、この再
交付の場合その他切りかえ
交付、
引きかえ
交付、全部にこれは通ずる問題でございますが、その場合には、今度は写真を張らせるほかに、新たに
指紋を押させることになるわけでございます。ところがこの古い原票には、その
指紋を押すだけの余白がございませんので、どうしても新しい原票用紙を使わなければいけない、そのためには古い原票を書きかえる必要がございますので、そういう全く
事務的な必要から設けた
規定でございます。
それから次に第七条に移ります。
第七条では、第一項におきまして、
登録証明書の再
交付を
申請いたします場合の
書類を
簡素化いたしまして、第一項第一号におきましては、
申請書は従来二通でございましたのを一通にいたしました。後来の第二号で
申請理由書というものを出すことになっておりましたのを、今度は
申請書の裏に理由を書く
程度でよかろうというので、この
条文をはずしてございます。
それから第三項におきまして、従来再
交付の場合に、
都道府県知事の承認がなければ再
交付することができなかったのが、今度は
市町村長の判断でできるようにいたしました。これも
指紋制度とからみ合せ、また
市町村の
事務的な向上の面から考えまして、もはや
都道府県知事の承認を受けさせなくても弊害がない、まあかように考えたわけでございます。
第四項は新たに設けておりますが、これは先ほど御
説明いたしました通りでございます。
それから新たな第五項におきまして少し
字句をいじっておりますが、これも
旧法にございます、
登録証明書が滅失した場合にその効力を失うというのは、これはおかしな
規定でございまして、なくなってしまったものはもう当然要らないというので、この滅失という点だけを省いたのでございます。
それから第八項を新たに設けておりますが、これも
登録原票の書きかえに関する根拠
規定の準用でございます。
次は第八条でございますが、この
改正の重点は、もとの
規定の第一項に
規定いたしておりまする居住地を
変更する場合の事前の届出の制度を廃止いたしたわけでございます。従来は、もとの居住地の
市町村長にその
変更の届出をいたしまして、それから十四日以内に新しい居住地の
市町村長に書きかえ
申請をする、こういう建前になっておりましたのを、事前の届出を廃しまして、直接新しい居住地の
市町村長にその
変更登録の
申請をすればよい、まあこういう立て方に改めたわけでございます。それに伴いましていろいろ
条文の
整理をいたしましたが、まあ特に申し上げておくべき点は、もとの
規定の第五項におきまして、
申請猶予期間を延長する場合に
都道府県知事の承認が必要であったのを、このたび廃止いたしましたという点でございます。
それから次は第九条でございますが、これはもとの
規定の第十条と第九条を入れかえまして、もとの十条を今度新たに九条として順序を逆にいたしました。
内容的にはさほど変った点はございません。
それから次に第十条でございますが、これは前の第九条で
市町村、または都道府県の廃置分合、境界
変更、または名称の
変更などによりまして、その
登録原票の記載事実が違って参ったような場合、そういう場合には、従来は
外国人に書きかえの
申請をさせておったのでございますが、これはどうしてもおかしいので、今度新たにこれは
申請を待たずに職権でもって
変更登録をする、こういうことに改めたのでございます。その他
条文をいろいろ入れかえてございまするけれども、
内容的にはそう変っておりません。
次は第十一条について申し上げます。この十一条が今度の
改正の一番のねらいでございます。まず第一項におきまして、
登録証明書の
有効期間というのを廃止いたしました。従来はこの
有効期間が二年ということになっておりまして、二年ごとにその切りかえをする、こういう建前でおったのでございますが、先ほども最初に御
説明いたしましたように、
登録制度の本来のねらいは
登録することそのものにある。それで
登録証明書というのはただその
登録した事項の照り返しと申しますか、その
内容を証明する文書であるということにいたしまするというと、この切りかえというのもこの
登録した
登録そのものの
内容が現状と合っているかどうかを確認すると、そういう点を確かめるという
意味において切りかえを行わせるのが本筋じゃないだろうか、まあそういう基本的な
考え方のもとに、この
登録証明書の
有効期間というのを一応切りまして、そして切りましたれけども、やはり切りかえはその
登録の
内容が事実に合っているかどうかの確認を求める
意味において従来と同様に行う。それと同時に、従来
有効期間を二年として、二年ごとに切りかえをいたしておりましたのを、今度その切りかえの時期を三年にして、一年延長したわけでございます。それはもうすでに
指紋も今度とることでございますし、今度の切りかえさえ済んでしまえば、二年ごとに切りかえいたしませんでも、まあ三年で十分じゃなかろうかというので、この
申請猶予期間を延長いたしたわけでございます。ただいま申し上げた
趣旨が第一項でございまして、それで問題はこの第四項、これは前に御
説明申し上げた第五条第二項の
規定を準用するという簡単な
規定でございますが、この
規定によって初めてこの年末において行われまする大量切りかえ、これを
市町村が
市町村長において計画的にならして
処理できるという一番大事な
規定になるわけでございます。
このほかはこの第六項から第十項まで、これはいずれも新たな
規定でございますが、
内容はお読みいただけばわかると存じますから、詳細の
説明は省略いたします。ただ念のために申し上げておきますと、この第六項はいわゆる
引きかえ
交付、再
交付、これと、それから切りかえ
交付の
申請、これが競合いたしました場合に、もう切りかえ
交付の
申請に基いて新たな
登録証明書を渡してしまえば、再
交付、
引きかえ
交付、言いかえれば、汚れたり、いたんだりしたような場合に、古いやっとかえる、新しい
証明書は渡さぬでもいいだろう。それから一たんなくしたというので、再
交付の
申請をしてきたものでも、もうすでに切りかえによって新しい
証明書を渡してしまえば、この再
交付に基く新しい
証明書は渡さなくてもいいという当然のことを
規定したわけでございます。
趣旨が少し読みにくいかと存じますが、これはそういう
趣旨でできておるということであります。
それから第十二条でございますが、これは最初に御
説明申し上げましたように、再
入国の
許可を受けて
外国人が
出国する場合、それが帰って来た場合に、新たに特例を設けましたので、第十二条において一般人と同様に
出国に際して
登録証明書を返納する。そして返納した
登録証明雷を閉鎖してしまうという処置はいたしませんで、ただそれを預けていって、
あとに日本に戻って来てから
市町村の
窓口でそれを返してもらうというやり方の特例を設けたことから、この再
入国の場合除外例を
規定いたしただけでございます。
次に第十二条の二でございますが、これは従来御
説明申し上げたように、再
入国の
許可を受けて
出国した
外国人が帰って来た。その場合に
市町村の
窓口で、前に預けていった
登録証明書を受け取る、そういう立て方にした特例をここに設けた
規定でございます。
それから次は十三条について申し上げます。この十三条は、従来と違っております点は、新たに
登録証明書の受領の義務を設けたことでございます。これは先ほども申し上げましたように、
登録証明書の
有効期間というものを廃止いたしました結果、古い
登録証明書はいつまでも効力があるということになったわけでございます。そういたしますと、
登録証明書の切りかえの場合に、新しい
登録証明書を受け取らないという者が出て参りまするというと、いつまでたってもその切りかえができない。それでは困るので、新しい
登録証明書を
交付を受ける場合には、これは受け取らなければいかぬという受領の義務を特に
規定いたしまして、そうして間接的にその受領を強制する。そうして新しい
登録証明書を受け取れば、それから後はもう当然前の古い
登録証明書は無効になる、こういう
考え方をいたしたわけで、その
趣旨で受領の義務というものを新たに設けて、これにはもちろん罰則を付けております。それから十三条につきましては、第四項の
規定を落しておりますが、これは第一項のただし書きに持ってきただけでございまして、
趣旨におきましては変りはございません。
それから十四条。これは第一項の
改正は大体旧
規定をそのまま拾ったわけでございますが、違っております点は、まずこの政令へ委任する
規定、これを落しております。これはもう新しい
規定の第三項の中に特に政令に委任する
規定を設けましたので、第一項から落しております。
それから次は
指紋を押すべき
書類、この
書類を、
登録原票、それから
登録証明書及び
指紋原紙と、これに限りまして、前の
規定にございました各種のいろいろ
申請書、これを落したわけでございます。これは当然でございまして、
申請書に
指紋を押すという
規定自体がおかしいので、不要の
規定と存じまして、今度は落しました。
それから従来
指紋原紙としてその枚数を
規定してございませんでしたが、それを今度
指紋原紙に入れようといたしましたが、これは
事務的な問題でございます。その後
字句を多少いじっております。それから後段を新たに設けまして、代理人が本人にかわって
申請をする場合にも、これは
指紋だけはかわってやるわけにいかぬので、これはあくまでも本人が押さなければいかぬぞという、これは当然のことでございますが、これをはっきり
規定いたしました。
それから次は第二項、これは新たな
規定でございますが、この
規定は
指紋を押捺すべき時期を定めた
規定でございます。それで、まず本人自身が
登録証明書の
交付の
申請に出頭いたしました場合には、その場で押させるのを
原則といたします。しかしながら前にも御
説明申し上げましたように、
市町村の
事務の都合によりまして、その場で
登録証明書の
交付ができない場合、言いかえますれば、別に
交付予定期間というものを設けて、その
交付を先に延ばす場合には、その
交付の際に先に延ばした
交付する際に
指紋をとればいいと、これは当然のことでございますが、これもやはり大量切りかえの場合に同時に今度は
指紋を押すことになりますので、非常にこれが生きて参るわけでございます。それから代理人によって
申請をした場合における本人の
指紋押捺の時期、これについて
規定いたしてございます。代理人が本人にかわって
申請しなければならぬような特別の
事情、言いかえれば病気、そういうような事故が
登録証明書を実際に受領するときまでにすでにやんでいる場合には、必ずしも病気が治ったときただちにということにはなりませんので、
登録証明書を受領する際にそれは押ぜばよろしい、しかしながらその事故が
登録証明書を受領すべき時期まで治らないときには、これはその故障がやんだときにこれを押すようにという
趣旨の
規定にいたしておるような次第でございます。
次は第三項で、これは委任政令の根拠
規定をここに設けただけでございます。第四項は、これは十四才未満の
外国人にはこの
指紋の
規定は適用しない、こういう
条文でございまして、従来は政令でこれを
規定いたしておったのでございますが
法律に
規定した方が適当だと存じまして、新たに今度
法律の中に明文を設けたわけでございます。
次は第十五条、この第十五条の一項は新たに設けました
規定でございまして、本人出頭の義務義務と申しますか、
原則をここへ宣言いたしたわけでございます。従来もこの第十五条によりまして代理人による
申請制度というものを設けておりましたのは、その反面これは本人がみずから出頭してすべての手続をするということをこれは本来の建前といたしておったのでございますが、このたびは
指紋制度もいよいよ実施になっておりますし、それやこれやを考えまして、従来
条文の裏に隠れておった
趣旨というものを、この際はっきり表面に出した方がいいのではないか、かように存じまして、その義務を明定して、そうして第二項以下におきましてこの代理人によって
申請する場合の、その代理人の範囲及び順位というものを
規定いたしたわけでございます。もちろん本人の出頭義務につきましてはこれは強制力を伴うものでもございませんし、罰則の制裁もございません。純然たる任意義務といたしまして、当然のことを
規定いたしたわけでございます。そのほかいろいろ
解釈上疑問はございましょうけれども、時間もございませんから、この
程度でこの
条文の
説明は省略いたします。
次に第十五条の二でございます。これは最初に申し上げましたもとの第四条の第五項から第七項の
規定をここへ新たに持ってきただけでございまして、そのうち新たにつけ加えましたものは第一項の後段でございます。事実の
調査をする場合において、「この場合において、必要があるときは、当該
申請をした
外国人に出頭を求めることができる。」これを新たに追加いたしました。もちろん強制力を伴いません。罰則の制裁もございません。当然のことだろうとは存じますが、やはりこういう根拠
規定があった方が
市町村長としても
事務がやりいいというので、ここに明文を設けたわけでございます。
次は第十六条でございますが、これはいろいろ
条文の
整理をいたしたに過ぎません。
それから第十七条も非常に
規定が簡単になっておりますが、これはまあこまかい
書き方を非常にわかりやすく簡単にしただけでございまして、
内容的に
趣旨においてはかわりはございません。
次は第十八条、これは罰則でございますが、この中で特に変りました点は第一号におきまして、「第十二条の二第三項の
規定に違反して」というのをつけ加えて、言いかえますれば、再
入国の
許可を受けて
出国した
外国人が再び日本に再
入国した場合における
登録証明書の返還
申請の義務に違反した場合、これを追加いたしたわけでございます。その場合には、
外国人はもとの居住地の
市町村の
窓口に行って前の預けておった
登録証明審の返還を受けなければならない。それの罰則を追加いたしました。
次は第二号でございますが、この中ではもとの
規定のこれこれ、これこれの「
規定に違反して
登録証明書の
交付、再
交付又は書換の
申請に対し虚偽の
申請をした」場合のこれこれの「
規定に違反して」という文句を取りまして、これこれの「
規定による
申請に関し虚偽の
申請をした者」という表現に改めたわけでございます。その理由は、これらの
規定の義務者と申しますか、犯罪の主体となる者が
外国人ということになっておりますので、たとえば日本人が
外国人と偽って虚偽の
登録をした場合に押えることができませんでしたので、そういう場合も押えられるという
意味におきまして、この
規定に違反してという文句を取って、ただこれこれの「
規定による
申請に関し虚偽の
申請をした者」こういうように表現を改めた点が第一点と、次は「第十二条の二第三項の
規定による
申請」というのを加えたわけで、言いかえますれば、再
入国の
許可を受けて
出国した
外国人が再び戻って来て
登録の
証明書の返還
申請をする場合に、うそを言った場合、これはいけないぞということにいたしたわけでございます。
次は第三号でございますが、これは代理人が本人にかわって
申請をする場合に、これを妨げた者、これをカッコの中に入れて追加した。これは従来の
解釈を明らかにしたという
趣旨でございまして、特に新たに罰則を追加したことにはならないかと存じます。
次は第四号でございますが、この場合従来の
規定によりますというと、
登録証明雷の切りかえの場合に、その二重
申請をいたした場合を処罰の対象といたしておりましたが、新しい
規定ではそれを省きまして、その二重
申請の場合の罰則の対象になるのは、新規の
登録をする場合のみに限ったわけでございます。と申しますのは、切りかえの場合に二軍
申請をするということは、実際問題として、もうその例がございませんので、特に必要なしと思ってこれは改めたわけでございます。
次は第五号でございますが、この
規定は
登録証明書が著しくき損したりあるいはよごれている場合に、本来ならば
引きかえ
交付の
申請をしなければなりませんが、
市町村長の方でそのよごれた
登録証明書を見た場合に、今度は逆に
引きかえ
交付をせよという命令を課することができるようになっております。その命令に違反した者に、これに従来は罰則を設けておったのでございますが、今度はそれに新たに加えまして、その命令を受けた
外国人またはその代理人がその
引きかえ
交付の
申請を、命令に基いて
引きかえ
交付の
申請をする場合に、第三者がそれを妨げたという場合を追加いたしましたので、これも従来の
規定でまかなえるのを、特に
解釈を明らかにしたというふうにも考えられるかとも思います。
それから第六号でございますが、これは
条文の
整理のほかに、
登録証明書の返納義務違反として、この十二条の二で再
入国の
許可を受けて
本邦を
出国する場合に、それを提出して行かなければいけない、預けて行かなければならぬと申し上げましたが、それに違反した者も新たにここへつけ加えたわけでございます。それから第六号の二は、これは新しい
条文でございますが、二言で申しますというと、この第六号に掲げる
登録証明書の返納または提出しようとするのを妨げた者、これの罰則を加えたという
程度でございます。第六号の裏づけになる
規定でございます。
それから第七号といたしましては、従来は
登録証明書の不携帯またはその提示の拒否というものを罰則の対象にいたしておりましたが、それに新たに
登録証明書を受領しないという罪をここにつけ加えたわけでございます。これは従来の
解釈といたしましても、
登録証明書を受領せずに、携帯しない者は、これは
登録証明書の不携帯で処罰もできたのでございますが、このたびは先に御
説明申し上げましたように、切りかえ
交付の場合に、いつまでも新しい
登録証明書を受けておらぬという者が出て参りますとこれは非常に困りますので、それで特にこの不受領の罪というものを設けまして、その受領を強制するという必要があるわけでございます。まあこれをほうっておきましても、従来の
規定によれば不携帯で罰せられるということにもなろうかと思いますが、ただ古い
登録証明書をいつまでも携帯しているという場合が抜けて参りますので、その点を押える必要もございまして、特にこの罪をここに追加いたしたというわけでございます。
それから次は第十号でございますが、これはこの古い
規定にございます「
登録証明書を他人に譲り渡し、」というこの「他人に」という言葉を省いただけでございますが、これがこの「他人に」がありますために、自分名義の
登録証明書のみに限るのでありまして、あるいは人から
登録証明書を譲り受けたり、あるいは預かったりした者が、それをまた他人に譲り渡す場合は処罰の対象にならぬのではないかというような一部の疑義をはさむ向きもございますので、それを明らかにし、その疑義を解消する
意味において
条文を
整理しただけでございます。
それから第十九条は、これは単なる
条文の
整理にすぎません。
次に附則について簡単に申し上げますが、この附則の第一項で、この
法律の施行期日を政令で定めるということにいたしまして、
猶予期間を設けましたのは、いろいろ付属法令の
改正もいたさなければなりませんし、また
事務的な準備あるいは都道府県または
市町村に対する
趣旨徹底という必要もございますので、それだけの余裕を置きたいと、大体八月の一日、ころには施行いたしたい、かように考えております。
それから第二項は今度の
法律によりまして
登録証明書の切りかえが三年ごとに行われますので、この
経過規定を設けずにほうっておきますと、この十月末から来年の一月にかけて行われる大量切りかえも一年延びてしまうことになりますので、今度のやつだけはやるぞということをここに明らかにする、しかし今度一たんやればその後は三年ごとでよろしい、こういう
意味の
経過規定を設けたわけでございます。
それから第三項は再
入国の
許可を受けて
本邦を
出国した
外国人が戻ってきた場合の特例に関する
経過規定でございますが、従来は少くとも
法律の建前は一応
出国に際して
登録証明書を返納する、その
登録証明書の返納を受けた居住地の
市町村の長は、当該
外国人にかかる
登録原票を閉鎖すると、
法律を厳格に
解釈するとそういう建前になっておりますので、今度新たに帰ってきた
外国人が
市町村長からそれを返還してもらうという
規定をすぐ適用するのも
法律の建前としてはいかがかと存じましたので、その場合はやむを得ないからやはりそういう
外国人に限って新しくもう一ぺん
登録をするという
新規登録の
規定を適用すると、こういうふうにいたしたわけでございます。
以上で
逐条説明を終ります。