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法制局参事(岸田實君) この
本法の方の附則第十一条と今の
整理法の方の附則第六条との
関係を、私
局長と同意見でございますが、一応御
説明申し上げますが、
本法の十六条第三項の市町村
委員会の任命の
規定に関する特例といたしまして、この附則の第十一条というものがまずあるわけでございます。これはこの
法律が公布になりましてから、新しい
委員会が発足して九月三十日までの間に
教育長が欠員になりました場合の暫定
措置に関する
規定でございます。そこでその場合においては
本法の十六条第三項によりますれば、必ず
委員が兼ねなければならぬと書いてあるけれども、しかしこの暫定的な
期間においては
委員以外の者から
教育長を選んでもよろしい、しかし十月一日以降になりましたならば、
本法が働いてそうして必ず
委員を兼務させなくちゃならないから、従ってこの十一条の附則、この第二項におきまして、その選ばれた人はそこで任期が終るのだということを書いてあるのだと思うのであります。そこでこれで一応九月三十日までの経過
措置はここで完結しておるわけでございます。ところが今度はこちらの
整理法の第六条のところに参りまして、
助役は一般の禁止
規定にかかわらず、それからさらに今度の
本法の十六条第三項の
規定にかかわらず、すなわち
委員をもって
教育長に兼ねしめるという
規定にかかわらず兼務することができる、兼ねることができるということに改めまして、そうしてその兼ねることのできる
期間は昭和三十二年三月三十一日までの間である、こういっておるのでありますから、従ってこの三月三十一日まで兼ねることができるという
規定によりまして、十月一日以降も兼ねることができるということが一応
法律上現われておるわけでございます。そうしてさらに、しかし十六条第三項では、その
教育長の任命の
規定としては、
委員のうちから任命すると書いてありますから、兼ねることができる
期間を延ばしただけでは、十六条第三項が働いてくるかどうか非常に疑義がある。そこでこの後段で、この場合においては、市町村の
教育委員会は都道府県の
教育委員会の承認を得て
助役を任命することができるという
規定を、ここに任命の
規定を置いておるわけでございます。そうしますと、昭和三十二年三月三十一日までの間に兼ねることができる。その
助役が
教育長を兼ねる場合においては、任命はこういうふうにしてやるんですよと
法律に書いてあるのでございますから、結局、これはできるとは書いてありませんけれども、
助役が兼務する場合にはこの任命形式をとるのであるという、まあいわば宣言的な
書き方をしておりますけれどもですね、この
規定の趣旨とするところは、やはり十月一日以降昭和三十二年三月三十一日までの間も引き続き
助役を兼務することができ、その任命手続は、十六条第三項の場合と同様に、都道府県の承認を得てやるんであるという
意味がここに現われておると思うのでございます。そこでこの立法技術として、それではこういうこの任命するものとするという、こういう
規定を、従前の
教育委員会法の附則にあるがごとく、この今度の
法律の附則の方に書いたらいいじゃないかというようなことも、立法技術としてはいろいろございます。しかしこういうふうに
法律上現われて参りますればですね、解釈上この附則第六条の
規定が無
意味な
規定だとはとても読めないわけです。解釈上はどうしてもこの
規定によりましてですね、やはり昭和三十二年三月三十一日までは
助役の兼務は許され、その任命は、この後段において書かれておるのであるというふうに解釈せざるを得ない。ここに任命の
規定を入れたのはどういうわけで入れたかどうかということは、私たち立案者じゃございませんから、その点は何とも申し上げようがないのですが、解釈としては、そうならざるを得ないのじゃないかというのが、私たちの解釈でございます。