○竹下豐次君 ただいま議題になっておりまする
法案、それから教科書
法案、いずれも世論の中心になっておりまして、まことに重大な問題であると思うのでありますが、私
ども見まするところ賛成論、
反対論かなり深刻に論争されております。新聞等で見まするというと、かなり
反対の気勢が上っておるようでありますけれ
ども、私などといたしましては、それを必ずしも世論だというふうには思えておりません。原案そのまま賛成でなくても、あるいはその一部分には修正の個所があるらしいというようなふうの
考えの人もありましょうが、大体この案は適当であるというふうに思えておる
国民も相当に多数あるように伺っておるのであります。ある人は今度の案は
民主主義の
教育の方向に逆行するものであると言ってまっこうから非難を浴びせておりまするが、またこれに対抗いたしまして必ずしもそうとも思えない、この程度のことは決して
民主主義の
教育に沿わないゆえんではないというような支持者も相当にあるように感じております。かようなことを一々私の意見を申しておりましては、あまりに時間を費やしまするし、本日はそういう意見をかれこれ申し上げることはできるだけ遠慮いたしまして、私が
大臣のこの問題に関するお
考えを承わりたいという点だけを申し上げてお尋ねいたしたいと思っております。できるだけ時間の節約のために簡単にお尋ねいたしますから、簡単にお答えを願いたいと思います。
議題になっておる
法案につきましていろいろな問題がある、疑問の点があるわけでありますが、世論でもって一番大きく取り上げられておるのは、現在行われておる
教育委員の選挙制度を廃止して、そうして任命による
委員をこしらえるという問題であります。これが大きく取り上げられて、それは非
民主主義の方向もはなはだしいものであるという非難が盛んに浴びせられておるのでありますが、私は必ずしもそうとは思わない。その議論は少し飛躍し過ぎておる議論であるというふうに
考えておるのでありますが、それを深く論ずることは遠慮いたしまして、ただ一、二お尋ねいたしたい点は、この前
大臣が提案理由の
説明をなさいましたので、私拝聴いたしましたが、その際に選挙を廃止して
任命制度にするという問題についてあまり詳しい御
説明がなかったようであります。で、その点は非常に大事な問題でありますので、お伺いしたいと思うのでありますが、
大臣のお
考えでは現行の選挙制に弊害があると思うから、
任命制に変えるんだというお
考えなのでありましょうか、それとも弊害というものは認めないけれ
ども、首長指名の方がよりよき制度であると思うから改めるのであるというふうにお
考えになるのでありましょうか、それとも地方の財政が苦しいから、財政的の見地から主として選挙の制度をやめて
任命制にしたいというようにお
考えになっておるのでありましょうか、まずお伺いしたいと思うのであります。弊害があるかないかというような問題については、いろいろな問題があると思うのでありますが、たとえば
政治的の
中立性を
教育の上において確保するとかいうような点などについて何らか弊害をお認めになっておるのか、あるいは選挙がうまくいっていないから、これじゃ困るとかいうようなふうのことにでもお
考えになっておるのか、そういう点につきましてお
考えを承わりたいと思います。