○
政府委員(
瀧本忠男君) ただいま御指摘になりました
給与特例法でございますが、この
給与特例法ができました当時におきましては、
給与特例法を制定する必要があるという
理由の中におきましては、いわゆる
団体交渉権を持っておりまするものと、それから同じ企業体に属していながら、管理的な業務に従事しておる等のために、
団体交渉権のない人々とに
給与の体系の相違があって、両者の調節がうまくいかないから、これを
団体交渉権を持たない管理的な業務に従事しております者にも、
団体交渉の結果いろいろ
給与体系、あるいは
給与制度等につきましても、変ったものが出てくるかもわからない、そういうものをひとしく適用し得るような
法律を制定しようということが目的であったように私聞いております。ただ、この
法律ができました暁におきましては、これはあに
団体交渉権のない管理的な職務に従事しておる者のみならず、企業体の全部の
職員にこの
法律がかぶさるという体系になっておる次第であります。その点も一つつけ加えて申し上げたいと思うのでありまして、この
給与特例法ができました際に二十億出た、そのことは明らかに現業の方が高くて、そうして一般職が低かったのだというまあお話しでございまするけれども、そういうことになりますると、話が非常にむずかしくなるのでありますが、われわれの方といたしましても、現在慎重に
検討しておるのでありますが、一体それではいわゆる五現業三公社の
給与というものと、それから一般職の
給与というものが、一体いかなる
状況において均衡がとれておると言い得るであろうかという問題があるわけであります。たとえば六三ベースという当時、まあこれは両者が公務員であった時代でございまするので、その当時を
基準にしてその後の推移を見てみるということも一つの
方法だと思いまするが、果して六三べース当時に、この両者のバランスがとれておったものかどうかという点になりますと、これはまた問題があろうかと思うのであります。で、一体この職務
内容が違い、また学歴構成等が違い、また年令構成、あるいは勤続年数構成等いろいろな観点から見まして、それぞれ相違があるわけでございまするので、ただ単に平均ベースの推移がどうなっておるかというようなことを調べてみただけでは、なかなか的確な
状況は把握し得ないのじゃないか、
人事院がものを申します場合には、やはり相当の根拠を持って言いませんと、それはみんな引っくり返るわけであります。従来
人事院といたしましては、この三公社五現業の分かれる以前は、これは一般職でございますので、所管しておったのでありまするが、分かれた後におきましては、
人事院は
調査権もございませんので、その
内容等に立ち入って十分
調査することができない。また三公社五現業の方も、なかなか
実情といたしまして
資料の提供を、われわれが希望するほどなさらないのが、まあこれは遺憾ながら
実情でございます。そういう
関係で、われわれとして十分なる比較が従来なし得なかったということは非常に残念に思っておるのでありますが、
人事院としては、昨年大蔵省が行いました三公社五現業、一般職、特別職等も含めます
給与実態
調査がございますが、これは全部まだ集計いたされておるわけではございませんが、われわれの方の希望もございまして、いろいろ集計いたしてもらっておるのでありますが、その
調査等が近く利用し得るような段階に現在きておるわけであります。で、
人事院といたしましては、そういう詳細な
資料に基きまして、はっきりしたことでものを申したい。まあ感じとしましては、先ほど
荒木委員の御
質問に答えた
通りでございますけれども、この問題につきまして
人事院が十分ものを言う、
責任をもってものを言うことになりますには、十分なる
資料を持ちましての上でないと、ものが申せないという現在の段階にあるわけであります。