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政府委員(谷垣專一君) この前の
委員会で三橋
委員から御質疑がありましたときに、いささか十分なる御答弁ができなくて遺憾に存じたわけでありますが、あの際に御指摘になりましたが、今
江田先生から御指摘になりましたような問題点、あのときの質疑は基本的事項は何か。従来の試験研究がやるべきもの、あるいは技術
会議がやるべきもの、技術
会議がやるべきものは基本的事項ということになっておるが、その基本的事項というものは具体的に何であるかという御質疑であったと思います。これは事の性格上、試験研究の性格上一見非常に私たちのしろうとから申しますと、さまつのようなことでも、実は長い間トレースしなければ
結論の出ない問題、あるいは非常にこま
かく見えておって重大な発見がそこに含まれておるような試験研究があろうと思います。これらのことは、このことこそ実は矛盾のようでありますが、この技術
会議等でそれぞれの専門の立場なり、見識の高い方々が自分でおきめになるような場合も、これは実は多いことではないかと思います。これは非常に矛盾したいい方をしておるわけでありますが、なかなかそこのところの問題は、そういうことも実は多かろうと思います。最初に基本的事項ということをきめておきながら、そのことが、その中のある大切な部分はむしろ技術
会議の決定に待つことが多いだろうということは、矛盾したいい方でございますが、そういうことも多かろうと思います。そういうようなことも実はここで期待をいたしておるわけであります。
それからなお、
事務局長が非常に優秀な人云々ということは、これは実際の人選の問題になりますので、ここではただ単に私たちの希望を言うだけのことになりますか、実は十五級という級を予定いたしております。十五級と申しますのは、もう御存じの
通り普通の局長クラスではないのでありまして、次官、あるいは特別に、たとえば外局の大きな長官でありますとかいうものだけが十五級ということに相なりますので、それだけの形からいけば、そういう意味の練達の人を迎える態勢だけはこれでととのっているわけであります。もちろん態勢だけでなく、それほど有能な方をこここにいていただきたいというふうに、私たちは実は希望いたしておるわけでございます。そういうようなことで、これの運営その他につきましては、今後いろいろな問題が多かろうと思います。またいろいろと試験研究機関のあり方というもの等につきましても議論が多いのでありまして、今案は私たちとしましてどこに中心を置くかという問題、しかもその具体的な研究テーマというようなものは、まだ私たち実は予定いたしておりません。これはむしろ技術
会議の会長なり、その他
委員の方々がおきまりになりました場合に、そういう問題をきめていただくようにした方がいいのであって、いわば私たち行政を担当しております者から、ことさらに既成概念を先に作ってやることは、失礼でもあるし、かえっていけないのではないかという
考え方を持っております。ただそれでは全然そういう構想なしにこういう仕組みを
考えたのかということになりますと、これはいささか私たちも実は
考えたのでございます。と申しますのは、
一つには試験研究機関の現在のあり方というものが非常に、当然の勢いとして専門化し、分化いたしております。と同時に、実は先ほど御指摘になりました草地の問題——牧野の問題にいたしましても、また今後来まするアイソトープその他の研究事項にいたしましても、実は総合
調整されません部門が多いわけであります。また反面
考えてみますと、実際の仕事とタッチいたしております原局との
関係、つまり普及活動をいたしまするその
もとといたしましての試験研究機関とのつながりというものが大切でありまする反面、やはり純粋な研究事項というものも必要かと思います。と申しまして、またよく言われまするように、単に、非常に悪い表現で申しますと、タイトルをとるためだけの試験研究に陥っている弊はないか、こういうことも、これは私たちが言うのではなくて試験研究当事者の中にもそういう批判は実はあるわけであります。そこらの今申しましたような三、四点の問題につきまして、この際技術
会議のごとく、試験研究の立場の人たちになっても、いわば親元として信頼されるような、そういう人柄なり、そういう
委員の方々に集まっていただきまして、やっていくことがいいのではないか、こういう構想は持っているわけであります。具体的な研究テーマにつきましては、そういう方々がお集まりになりましておきめを願った方がより妥当なんじゃないか、こんなふうに
考えておるわけであります。