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衆議院議員(黒金泰美君) 今のお尋ねの中で二つに分けて考えてみたい——お答えしたいと思うのですが、第一の支給地域をどうするかという問題について
修正と
原案と、
修正を受けた場合の
原案者の考え方いかん、それからその
あとではこの問題についての人事院との
交渉いかん、分けて考えたいと思います。
第一の問題につきまして、私
どもは発案者としてこの給与の体系自体といたしまして、たとえば北海道における
石炭手当と
寒冷地手当と合せた支給額、これと海
一つ隔ててあまり寒冷度なり積雪の違わない青森県、岩手県というものとの手当の額の相違、あるいはまた同じ
寒冷地手当だけを受けておりまするいわゆる内地の四級地なり三級地というものと、ごく寒い青森県なり岩手県なりとの間の比較権衡、こういうものをずうっと見て参りますと、やはりどうも青森県、岩手県あたりの極寒であって、しかも
石炭手当の支給を受けていないこの土地がかなりに苦しい恵まれない状況にある、こういう結論が出て参ったのでございます。こういうような点につきましては、人事院なりその他の官庁におきましてもこの不均衡は認めておられるようであります。ただこれを一体どうやって救っていくかということになりますれば、今も多少お触れになっておったと思いまするけれ
ども、現行の五級地だけを救いましても
意味がないと思います。五級地と四級地とが村境にあって隣合せておる、五級地だけにいわゆる薪炭手当を追加いたしますれば、そこで非常な懸隔ができまして、これは給与体系としておかしなものになる、従って四級地なり三級地なりは逐次直していかなければならない、ただこれだけのことをいたしますのに私
どもとしては、これはまあごくざっくばらんに申し上げますが、昨年の十一月の十五日に
自由党と民主党とが合併いたしました。それから予算作りで忙がしかった、こういうようなことなんかもありまして、今年の予算にこの制度の経費が計上いたしてございません。そういう
状態に制約を受けて考えてみますると、そういう全般的な改正はこれはすぐにはむずかしいのじゃないか、そうなって参りますと、一体どこをすぐに手をつけるのがよいのか。そうかと申しましても、いつまでも手をつけないでおきますことは、これは御
承知の
通りにもう数年来の問題でございまして、せめてこのことくらいは何か仕事をしていかなければならないのじゃないか、こういうことで考えてみますと、現在三公社なり五現業でもって、これは給与の体系としてはおかしいかもしれません、内地の五級地に対してだけ
寒冷地手当の臨時増給なりあるいは薪炭手当という名目でもって支給いたしておりますが、この土地に勤務しておりまする同じ
公務員には同じだけの額を支給するのが、とりあえずとしての
措置としてとるべきところではないか、まあこの程度の額だったらば何とか今の既定の予算の中からでも差し繰って支給できないことはないだろう、こういう考えで出発したのが
原案でございます。従いまして額におきましてもあるいはまた支給の地域につきましても、三公社五現業に追いつこうというのがそもそもの出発点でありましたけれ
ども、しかし理屈から申せば、これは五級地だけ救ってそれでいいかということになりますれば、それで決していいとは言えません。従いまして初めの響き方——支給地域の書き方につきましては、これは
修正の御
意見の方が私は正しいと思います。それでこれに応じたような次第でございます。
第二の人事院との
折衝につきましては、これは昨年の特別
国会以来、
自由党側からもこの案を提出いたしましたし、また民主党側からも提出いたしました。
参議院におきまして
千葉委員から御提出のあったことは、これはもう私
どものむしろ先覚者でございます。で、こういうような
状態にございましたので、昨年来人事院といろいろ
折衝いたしてきましたけれ
ども、人事院といたしましてのお考え方は、
公務員制度の
調査会があり、今回の答申もあって、こういったようないろいろな基準、あるいは不均衡というものは認めるけれ
ども、しかしむしろこういうような給与の制度は単純化の方向にいくべきである、今
石炭手当と
寒冷地手当とが支給されている北海道の方についてさえも、これを一本にした方がいいのじゃないかというのが当面としての考え方だ、それをまたこちらの方でもって新しい制度というものを作るということは、これはますます制度を複雑にして、これはむしろよろしくないというお考えが強うございました。強うございましたが、とにかく今の青森とか岩手とかいったような土地、現行の五級地についてのほかの公社なり現業官庁等の職員との間にあります不均衡については、これはお認めになっております。従って今回の改正の結果、この
法律を通していただきますならば、これも
千葉委員から御指摘になった
通り施行期日の問題が問題になると思いますが、施行になりますれば、当然にある程度のものまでの御勧告はあるものと期待をいたします。