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説明員(
吾孫子豐君) ただいま
田中先生の御
説明で、本決案の
内容につきましては、おもな点は漏れなく御
説明をいただいたわけでございますが、前回同名の
法案が提出されましたものが、今回種々の
事情によってあらためて新しい
内容を持って御
提案いただくことになりましたことは、これまたただいまお話のあった
通りでございますが、その前回に出されました
法案と今回御
提案になりましたものとの
内容がどのように異っておるかということを少しく敷衍して御
説明を申し上げたいと存じます。
お手元に差し上げてございます資料の中に、原案と
改正案との比較というこういう薄い資料が差し上げてあると思うのでございますが、実は第二十二
国会に同名の
法案が御
提案になりました以後、当時の
法案には
経過措置等がまだ盛られておりませんでして、その当時のお
考えでは、とにかくこの今回の
法案の本則に当る部分だけをまず御
提案になり、
経過措置等については別途施行法という形で御
提案下さるようなお話であったのでございますが、その後さらに
提案の諸先生方の間において、いろいろと
法案の
内容について御検討になりまして、その間また
公社の
関係者及び
政府の
関係機関の各
方面からもいろいろ意見を御
聴取になりました結果、ただいまこれから御
説明申し上げますような諸点において、原案と変ったものにお改めになったような次第であります。
それで今回の御
提案になりました
法案のように変って参りました要点はどういうことかと申し上げますと、その小冊子の第一ページに書いてございますように、
改正案の
趣旨として書いてございますが、新しい
制度は
恩給制度の
適用が
公社職員から外されたことによって生じている
年金制度の不
均衡と不
統一を是正するための
措置として
公社職員すべてに共通な
年金制度を創設することをその
趣旨としており、この結果、現在の
恩給法被
適用者については、
掛金額の引き上げ、その他条件の悪くなる点もございますので、原案
程度の
年金額の引き上げは、これは必要であるとお
考えになったのでございます。しかしながらその他の点につきましては、他の
制度への
影響も
考えられますので、さしあたり
現行通りということにいたしまして、将来において社会保険
制度全般の動きをも十分考慮しつつ漸次
改正してゆくのがよろしいであろう、こういうお
考えの
もとに原案に
改正が加えられた次第でございます。
それでもう一つ、やはり小冊子で
公共企業体職員等共済組合法案制定の
趣旨及び主要点という刷りものがこれまたお手元に差し上げてあるのでございますが、その刷りものの三ページ以下に
法律の主要点として要点が列記してございます。それでここに列記されました主要点の
内容につきましては、先ほど
田中先生の
提案理由の御
説明の際に、大体その
概要をお述べいただいたわけでございますが、ここに書かれております主要点は、新しい
法案の血要点でございまして、実はこの主要点の中の最初の一から五までのところに書いてございます点は、今
改正案の
趣旨について申し上げましたように、
恩給の
適用がなくなったことに対する
年金制度の
改正ということを列挙してあるのでございまして、この点については前回御
提案の
法案と
内容において変ってはおらないわけでございます。ただ今度の六以下に当りますところが変って参りましたので、それを当初の原案と
改正案と違っております点を先ほどの
改正案の主要点という刷りものの方の二ぺージのところに上下対照して書いてある次第でございます。すなわちまず六として書いてございますが、
廃疾年金について原案ではそれぞれ最終本俸の四〇%、五〇%、七〇%という三
段階にしてあったのでございますが、今回の御
提案の
法案ではそれがそれぞれ三五%、四五%、六〇%というふうに下げられたものに御変更になった次第でございます。
それから原案では実は
遺族年金につきまして、
遺族年金が
退職年金の半額であるという原則は、これは変ってはおらないのでございますが、原案の方では
退職年金の
資格を生じない者であっても、在職十年以上の者が在職中に死亡した場合には、その
遺族に対して在職年限に応じてそれぞれ最終本俸の一〇%または一五%を
支給するということが含まれておったのでございますが、この点につきましては、下欄の
改正案の方に書いてございますように、在職中死亡者に対する二十年未満の者に対する
遺族年金という
制度は取りやめに相なったような次第でございます。
それから次に八番目に
短期給付でございますが、これは実は原案ではせっかく
法律改正の機会に、恵まれるものならば、その機会にいろいろな問題になっておったような過去の懸案をあわせて
解決していただきたいというような気持もございましたのですが、現在の
国家公務員共済組合法の
短期給付に関する
規定の中で、
公社の実情に合わないと思われるような点をこの機会に一緒に
改正していただきたいというようなことを
関係者としては熱望しておったのでございますが、これは先ほどの御
提案理由の中でもお話のございました
通り、
現行国家公務員共済組合法と全く同
内容にする、これは将来の問題にするというようなことに相なった次第でございます。
四ベージ以下にただいま申し上げました点の
内容がそれぞれ列挙してございますが、これはごらんいただけば大体おわかりいただけるかと思いますので、一々読み上げることは省略さしていただきたいと思います。ただ主な問題といたしましてこの刷り物の六ページのところをちょっとお開きいただきと思いますが、実は六ページのちょうどおしまいのところに「
国家公務員との交流
措置」という見出しで書いてございますが、原案では
組合員が
国家公務員に転出いたしまして、その後再びまた
公社職員に転入したときには、その者の
国家公務員であった期間を通算する書き方をしてございまして、逆に
国家公務員であった者が
公社に転入して参り、その後また
国家公務員に戻ったというような逆の場合の
規定を欠いておったのでございますが、今回の経過
規定で下欄に書いてございますように、法施行の際、現に
組合員である者または
国家公務員である者については相互的に交流
措置を認めるようにいたしたという点が、原案と大きく変ってきた点の一つでございます。
それから七ページの一番最後のところの「
恩給負担金」という見出しで書いてございますが、原案のときには実は各
公社が現在一般会計に
恩給負担金というものを繰り入れておるのでございますが、これをこの
法律施行と同時に取りやめるという案になっておったのでございます。従って当初の案の
通りに、もしなったといたしました場合には、その部分だけ一般会計の歳入が減るというような形になっておったのでございますが、この点はその下欄に書いてあります
通り、従来のまま
公社職員であった者にかかる
年金である
恩給の支払いに要する
費用は、従前
通り公社が負担するというふうに改められておりますので、
予算上の問題ということが全然なくなったわけでございます。
その他の点につきましても御
説明申し上げた方がよろしいかもしれませんが、あまりこまかくなりますので、以上要点だけを申し上げまして、一応の補足
説明にさせていただきたいと思います。