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1956-04-17 第24回国会 参議院 内閣委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十七日(火曜日)    午前十時四十六分開会     —————————————   委員の異動 四月十四日委員横川信夫君、白井勇 君、井村徳二君及び堀末治辞任につ き、その補欠として安井謙君、長島銀 蔵君、遠藤柳作君及び苫米地義三君を 議長において指名した。 四月十六日委員苫米地義三君及び亀田 得治辞任につき、その補欠として青 木一男君及び松浦清一君を議長におい て指名した。 本日委員安井謙君、永岡光治君及び廣 瀬久忠辞任につき、その補欠として 植竹春彦君、亀田得治君及び田村文吉 君を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小柳 牧衞君    理事            野本 品吉君            千葉  信君            島村 軍次君    委員            井上 知治君            木村篤太郎君            長島 銀藏君            田畑 金光君            松浦 清一君            豊田 雅孝君   政府委員    行政管理政務次    官       宇都宮徳馬君    行政管理庁管理    部長      岡部 史郎君    大蔵政務次官  山手 滿男君    大蔵省主計局次    長       原  純夫君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国家行政組織法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査) ○大蔵省設置法の一部を改正する法律  案(内閣送付予備審査) ○国家公務員のための国設宿舎に関す  る法律の一部を改正する法律案(内  閣送付、予備審査) ○国家公務員等旅費に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)     —————————————
  2. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) ただいまから開会いたします。  委員の変更についてお知らせいたします。四月十四日、横川信夫君、白井男君、井村徳二君、堀末治君が辞任せられまして、その補欠安井謙君、長島銀藏君、遠藤柳作君、苫米地義三君が選任されました。  四月十六日、苫米地義三君、亀田得治君が辞任せられまして、その補欠青木一男君、松浦清一君が選任せられました。  四月十七日、廣瀬久忠君、永岡光治君が辞任せられまして、その補欠田村文吉君、亀田得治君が選任せられました。     —————————————
  3. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 国家行政組織法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する提案理由説明聴取いたします。
  4. 宇都宮徳馬

    政府委員宇都宮徳馬君) ただいま議題となりました国家行政組織法の一部を改正する法律案提案理由について御説明いたします。  今回提案いたしました国家行政組織法の一部を改正する法律案は、現内閣が実施しようとしている行政制度改革の一環として議院内閣制のもとにおける行政責任体制を明確にし、行政事務管理を強化し、かつ、その能率を向上させるために必要な改正を行うとともに、絶えず生成発展していく行政実情に即応する国家行政組織を定めるための基準法としての機能を十分発揮することができるよう所要の改正を加えんとするものであります。  次に法律案内容について概略を申し上げます。  第一に、トップマネージメントの機構を強化する見地から、政務運営上特に必要がある省には、政務次官二人を置けることといたしましたほか、その権限を強化して、あらかじめ大臣の命を受けて大臣不在の場合にはその職務が代行できることといたしました。なお、政務次官二人が置かれた省においては、各政務次官の行う職務範囲及び職務代行の順序については大臣が定めることといたしております。  次に、事務運営上特に必要がある省には、別に法律の定めるところにより、事務次官補一人を置いて、事務次官を助けて省務の一部を総括整理させることといたしました。  第二に、国務大臣長官とする庁については、その重要性にかんがみ、その他の各庁と区別して、特別の取り扱いをすることといたしました。すなわち、これらの庁には特に必要がある場合には、その所轄のもとに委員会または庁を置くことができることとし、その委員会及び庁はこれを外局に準じて取り扱うことといたしました。次に国務大臣長官とする庁には、特に必要がある場合には、その内部部局として部にかえて局を置くことができることといたしました。また、これらの庁に置かれる次長権限を明確にして、長官を助けて庁務を整理するほか、各部局及び機関事務を監督させることといたしました。  第三は、行政機関内部部局についてでありますが、官房、局、部、課の規定については、これを段階的に整理いたしますとともに、現在暫定的に置かれている官房または局中の部を、特に必要がある場合には恒久的にも置けるように改めることといたしました。  第四は、審議会または協議会等についてでありますが、そのうち臨時的なものについては政令設置することができることといたしました。  第五は、職の設置についてでありますが、課及びこれに準ずる室の設置とは別に官房、局、部または委員会事務局に特に必要がある場合において、その所掌事務の一部を総括整理する職または課の所掌に属しない事務所掌する職を政令で設けることができることといたしました。  なお、この改正法律施行期日は六月一日といたしております。  以上がこの改正法律案の主要な内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  5. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 本日は提案理由聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  7. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 大蔵省設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する提案理由説明聴取いたします。
  8. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由内容概略を御説明申し上げます。  政府といたしましては、今次の行政制度改革に当り、予算編成機構及びその運営改善を重要な項目の一つとして取り上げることといたしました。その改革案として、予算閣僚会議運営により閣議における予算審議を一そう円滑ならしめることといたしまして、別途、財政法の一部を改正する法律案を提出し、御審議を願っているのでありますが、予算作成の過程における行政事務運営等につきましても、これに即して改善をはかるべきものがあると存じます。すなわち、大蔵省における予算作成現状を見まするに、財政政策金融政策関係等大蔵省内部事務の調整を行うほか、概算作成に際しても各省庁との間に種々折衝を要するなど、主計局事務はきわめて輻輳いたしまして、その処理に当っている局長以下の現機構をもってしては必ずしも十分なものと申し得ないのであります。従いまして、同局次長一名を増加し、主計局事務全般にわたり局長を補佐させることとし、上述の予算関係事務運営改善をはかるとともに、国会における予算及び予算関係諸議案の御審議に当りましても、局長を助けてその御審議に資せしめることとした次第でございます。  なお、このほか、管財局所掌事務につきまして、若干の規定改正を行うことといたしておりますが、旧公団等から一般会計に引き継いだ債権等については、いずれも従来同局において管理、徴収して参りましたものでありまして、この際、規定整備をはかろうとするものであります。  以上、この法律案につきまして、提案理由内容概略を申し上げましたが、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
  9. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 本日は提案理由聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  11. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する提案理由聴取いたします。
  12. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) 次に、ただいま議題となりました国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概略を御説明申し上げます。  今次の行政機構改革に伴いまして、従来内閣総理大臣所轄のもとにありました宿舎審議会国設宿舎に関する事務処理上、その事務を総轄する大蔵大臣所轄のもとに移しますとともに、この審議会の会長を大蔵事務次官とすることといたしたのでございます。また、ただいま別途御審議を願っておりまする国家公務員法の一部を改正する法律案内閣法等の一部を改正する法律案及び近く提案することを予定しておりまする内政省設置法案等による機構改革に伴いまして必要な規定整備をはかることといたしたのでございます。  以上、この法律案につきまして提案理由内容概略を申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
  13. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 本日は提案理由聴取にとどめておきたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  速記をとめて。   〔速記中止
  15. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 速記を始めて。  国家公務員等旅費に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対して御質疑のある方は御質疑を一願います。
  16. 島村軍次

    島村軍次君 前回で大体私の承わりたいことは質疑を行なったのでありますが、特にこの際、簡単に伺いたいのは、この改正案鉄道運賃を六級と七級とに分けて、それで一は二等旅費支給し、一は三等に下げる、そういうことに対してはっきりした御答弁がなかったようでありますので、その点に対して政務次官かあるいは原主計次上長の御答弁をお願いいたします。
  17. 原純夫

    政府委員原純夫君) 技術的な点でございますので、私からお答え申し上げます。お話通り、七級以上を二等とし、六級以下を三等とするという案にいたしておるわけでありますが、どうしてそこで切るかということでございます。これは民間等の例その他を見まして、等級区分はある階級のところで切るという、その階級を妥当な点に常識的に判定するということなのであります。いろいろ民間等の例も見たわけでございます。ただいまお手元に差し上げました資料でごらんいただきましても、墨で消して、大へん格好悪うございますが、あまり会社の名前がはっきり出ますのも——会社からはっきり聞いております。間違いはございませんが、用心と申しますか、そういう点も考えましたわけで、それぞれ実例でございます。そういうものも調べ、そうしてただいま申しました常識的な線というものをねらいました結論が、まあ六級と七級の間に線を引こうということになったわけであります。なおそれはこの民間の表をごらんいただきましても、大体役、つき以上のところが二等になっておって、一般社員というようなところが三等というような例が多いというのが一つ、一方公務員の方で申しますと、一体役づきはどの程度であるか、これは中央官庁地方官庁によっても違って参りますが、大体七級以上が役づきだというふうに見てよろしいというふうなことがございます。それらを考えまして、この辺の間に線を引いていくのが妥当であろうというふうに考えました次第でございます。
  18. 島村軍次

    島村軍次君 この引き下げによってどのくらいの金額が節約といいますか、予算の上で影響を持つかということに対する御見解一つお願いいたします。
  19. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) 今度の改正案によりまして、予算の点、そのほかどういうことになるかということはこの法案を作るときにもいろいろ議論し、研究をしてやったわけでございますが、鉄道運賃においては約十一億ぐらいの減になるだろう。それから日当宿泊料等につきまして約一億ぐらいの増が出まして、差し引きほぼ大体とんとんにいって、予算そのほかにも影響なしにやり繰りしていけるであろう。こういう考えでこの法案を作った当時計算をいたしております。
  20. 島村軍次

    島村軍次君 なお、この前承わったときには、日額引き上げについて考慮しておるということでありますが、実際の出先官庁では旅費の執行に当って非常に窮屈でありまして、特に日額支給の場合におきましては、ほとんど旅費の制限を受けたために日額支給を受けてない。三日出ても一日分しか見てないという例がわれわれ常によく聞いておるのです。引き上げを行われるということは、たとえば日額支給を受けても、実際にバスとかあるいはその他の交通機関を利用して、あるいは弁当代というようなものの支給からいきまして、困難でないか。なおまた日額支給になりますと、出張日数をたとえば一家月間に何日出張すべしというような厳重な示達をやっておられるというような例がある。そこで私は特にこの際政務次官に承わりたいと思いますのは、率直に申し上げて、各省の本省で旅費総額予算範囲において相当とめ貫いて、そうして出先官庁へ対してはすこぶるみじめな配当をしておるというのが現状じゃないか。そこで特にわれわれが地方へ出て承わりまするのは、大蔵省出先官庁は非常に裕福だ、しかるにほかの官庁はそうでないということをよく承わるのですが、これはまあ希望でありますが、まず第一にそういう不公平の各省間の均衡をとることと、これは事業によってよほど違うと思いますけれども、それが一つと、いま一つは本庁でとめ置くということでなくして、実際は第一線の働く人に対して相当の旅費配賦の増額をすべきであるということに対してどういうふうにお考えになっておりますか。
  21. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) すでに前回関係者より御説明を申し上げたかと思いますが、この規定改正を行おうといたしまする趣旨は、従来旅費支給が必ずしも自然でなかった。宿泊料なぞが現実の宿泊賃よりも低いというふうな関係なぞがあって、わざわざ遠出をして、運賃なぞでそれを埋め合していくとか、いろいろな無理をいたしたりしました関係があって、かえって旅費総額を窮屈にしておるというふうな実情がございました。これは実際としては行政能率にも影響をいたしますし、そう用事がない人たちが遠くの方まで出ていくというふうなことは好ましくないことでございまするから、できるだけそういうケースをなくして、合理的に行くべきところまで行かすというふうな処置をとっていけるように仕向けていこう、こういうのがこの法案を御審議願っておる理由でございます。今お話の点、いろいろ問題はそういうふうなことからもからんで見ていかなきゃいかんと思いますが、日額旅費につきましては、その内容も非常に多岐でございますし、複雑雑多でございまして、私が一がいに申し上げるわけには参らない点も多かろうと思いますけれども、今後まだこの点についてはよく慎重に考慮いたしまして、もしもやむを得ない、実情にそぐわないという点があれば、よく検討をして善処をいたしたいと思います。また大蔵省がほかの省に比べまして特に旅費などを豊富に持っておる、そういうふうな点はないかというお尋ねでございますが、私も大蔵省に参りまして日は浅いのでございますけれども、もし他の省に比べて大蔵省が特に勝手にぜいたくなことをやっておって、非難を受けるというようなことじゃいけないから、そういうことのないようにということで、旅費のみならず、いろいろな点について特に留意をいたし、そういうことの起きないようにということを戒めておる実情でございますけれども、せっかくのお示しでございますから、その点等につきましてはさらによく注意をいたしたいと思います。
  22. 千葉信

    千葉信君 政務次官お尋ねいたします。これは前の委員会でも説明員に御答弁を願った問題ですが、今度のこの法律案政府の方で提案されるに至りましたその理由については、今、政務次官からも島村君に対して御答弁がありましたように、たとえばその宿泊日当等についてはどうも必ずしも実情にそぐわない点が見受けられる。実際上どういう旅館であっても、今のこの旅費規定による宿泊料なんかでは相当これはもう常識上からも無理がかかっておることは明らかですから、従ってそういう点を埋め合せるために、実際上行かなければならぬところよりももっと遠くへ発令が行われている。そうしてそれによって宿泊日当料等不足が救済されるという指示が講ぜられておる。この点については、それぞれ各省庁責任者がそういう考慮をして発令しているということであれば、これはあなたが今言われた通り実態があったろうと思うのです。しかしそうでなくて、やはりそういうその宿泊料等不足を何とかしてカバーしなければならぬというような理由出張先を延ばすという理由だけじゃなくて、場合によると実際上もらった運賃よりも低い等級の箱に乗って旅行をする、そういう点が非常に多い。この点は話し合いずくであらかじめそういう発令をして、その発令に当って行先を延長しているというような措置とは違って、これはどこからも認められていないことです。本人の裁量ということになりましょうか、あるいはまたそういう宿泊料なんかカバーするよりも、その運賃を安い箱に乗ってポケットにねじ込むというようなそういうことも考えられるのです。ところが大蔵省は、そういうふうな公務員諸君の、やり方としてはどうも了承できない、いわば少し品の悪いやり方を往々しているということを大蔵省では理由として、そうしてあなたの方では今度この法律案改正するという理由とされた。この提案理由によりましても、「国家公務員等旅費に関する法律規定に定められた等級より下位の等級によって鉄道旅行または水路旅行を行うことが多い反面、」、これが唯一理由、そうしてもう一つ理由というのは、宿泊料等についてはどうも足りないからこれは適正なものにしなければならない、あとの方はいいのです。あとの方はいいけれども、前の方の、公務員がどうもこういう品の悪いやり方をしている実情があるということを大蔵省法律改正理由にされているのですから、これはいわばあなたを初め公務員諸君に対する侮辱なんです、これは。出張先を延長したという各省庁の手心というか、また脱法行為ではあるけれども、ある程度了解ずくでやったそういう行為とは、もらった運賃をごまかして別な箱に乗っているということは、極端な言葉で言えば、結果としては詐欺じゃありませんか。公務員にとってはこういうことは侮辱ですよ。それをあなたの方ではこの法律を出される唯一理由にしておる。一体こういう理由をもって法律案改正するという態度に出られていいかどうか、これが第一。それからそういう理由をもって法律案改正される以上、一体その実態は果して大蔵省が言うような実態だったのかどうか。それを証明する事実があるのかどうか。大体でもそういう実情があるとすれば、やはりある程度どういう割合でそういうことが行われたというような、そういう根拠がなければならないのです。この点どうでしょうね。
  23. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) ただいまのお話でございますけれども、決して私ども公務員諸君侮辱するとか何とかいうことではなしに、まあ実際にはそういうことが相当行われていると見られますし、民間会社、そのほかいろいろな旅費等の規程などを徴しましても、実際には何と申しますか、この程度の、役づきそのほかについてはこの程度の処遇をしていけば大体無理はなかろうというふうなことも考えまして、それでは何割、どういう実例がどうであるかと、こういうお尋ねがありますと、大へん困るのでございますけれども、まあ現在公務員がやっていると思われるようないろいろなケースなどを考えまして、ほぼ無理のない線であろう。現在民間において行われている例等もいろいろ考え合してみて無理がない線であろう。こういうことでこの法案を出した次第でございます。
  24. 千葉信

    千葉信君 都合のいいときには民間実情はこうだとか、民間実態はこうだというので法律改正をされる。都合の悪い、このたとえば給与関係なんかは山手さんも御承知通り民間給与公務員給与よりずっといいんですよ。そういう場合にはネコババをきめこんでいる、そういう不親切なやり方はないじゃないですか。しかも今私に聞かれてあなたはあらためて今度は、民間旅費支給状態がこうだからその民間状態に近づけるとか、それと均衡のとれた措置をとるということを今言われた、それが提案理由のどこにありますか。あなたの方で提案理由とされたのは、私が今さっき読み上げた実際は旅費をごまかして出張している、だからこれを実態に合わしていく、これじゃありませんか。今の答弁だとすると、この提案理由説明と食い違いますよ、この点はどうですか。
  25. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) 書いてないものでございますから、そういうことも考えたということを今申し上げたわけでございますが、もちろん公務員出張等における実情等もいろいろ勘案をして、特にこうした方が実情に即しておって合理的であろうということで提案をいたした次第でございます。
  26. 千葉信

    千葉信君 さあその勘案が果して実情に合った勘案をしたのかどうだというのが問題になるわけです。あなたの方ではあくまでも勘案だと言う。資料があるかというと資料はないと言う。大体そういう状態であろうと言う。結果からいえば腰だめじゃありませんか。大体この程度だろう、大体六級職以下、民間でもたぶんこのぐらい、この程度根拠じゃありませんか。それじゃ私はやはり法律改正する場合の心がまえとして、態度としては私は少し穏やかでないと思うのです。
  27. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) 六級以下はこうこうだというお話でございましたが、御承知のようにまあ大学を出ましてから二年ぐらいした人が七級でございます。それから新卒といいますか、高等学校を新たに卒業した人なら八年ないし十年というような線でございまして、まあ大学を出て二年くらいした人が一応のめどになっていくことは、公務員あるいは民間会社といえどもみんな常識的にその辺で二等に乗るとか乗らんとかいう線が引かれて、常識的に間違いはほぼあるまいということでこの線を出したわけでございます。
  28. 千葉信

    千葉信君 じゃその民間の場合とこれで均衡がとれるかどうかというのが、これはこれから審議をしていけば出てくるのです。その大学出て何年で七級になるとか、新卒が何年たてば幾らになるということについては、私もこれは御答弁いただかなくてもわかっております。私のお尋ねしたいのは、そういう民間実情が、あなたの方の都合のいい調査の資料を今度は出してこられて、そしてこれによってあなたの方でこの法律案がほぼ妥当なものだという見解をとろうとした。私どもの方はこれに反駁する資料を持っておる、必ず反駁する。あなたたちの方では都合のいい資料を出している。これはあとでこの法律案審議をしていくわけですから、それはそれでいいとして、どうですか、ずっとやりますか。
  29. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止
  30. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) 速記を一始めて下さい。
  31. 千葉信

    千葉信君 次に、それじゃ責任者がいなくなったから事務的なことになるのでございますけれども、この間の、私がちょうど一日欠席しました委員会質疑応答、それから私が質疑をしました質疑答弁内容について問題が起ってきているのですが、それはどういうことかというと、今度の場合の、旅費に関する予算というのは、一般会計では百九億八千七百万円、それから特別会計では三十四億四千五百万円、こうなっていて、この際問題となる一般会計の方の普通旅費は六十億、それからその六十億の、そのうちに含まれる運賃、これは陸上、水上も含んでですが、二十五億と、それから宿泊日当その他の関係が三十五億、こうなっておりますね。その通りですか。
  32. 原純夫

    政府委員原純夫君) その通りであります。
  33. 千葉信

    千葉信君 そうしてこういう説明が行われておる。このうち鉄道賃引き下げで四割五分減、それから日当宿泊引き上げで三割増、差し引き一側五分節減となるが、ちょうど私はこの答弁が行われたときに、申しわけなかったけれども、所用があって他に旅行しておりました。その後委員会質疑応答がすらすら通っておるのです。私はこれはだれが考えても常識上こういう数字は出るはずがないと思うのです。どうしてかというと、片一方は四割五分減らしたのだ、片一方は三割ふやしたのだ、だから差し引き一割五分だけ節減になった。まあこの分については、その後旅費の方でどうする、こうするというまあ答弁で、これは誤りでしょう、どうですか。
  34. 原純夫

    政府委員原純夫君) その際私おりませんでしたので、つまびらかにいたしませんが、ただいまおっしゃったようなことでしたら、それは何か言い間違いではなかろうかと思います。鉄道賃の方で四割五分減らしたが、それは鉄道賃の四割五分でありますから、それの減と、それから日当宿泊料の方で三割ふやしたその増とは、元額がそれぞれお話のように違っておりますので、その違った元額にかける、つまり鉄道賃の方は、もう千葉先生御計算しておわかりでしょうが、鉄道賃の方は二十五億に四割五分かけると約十一億、口当宿泊の方は三五億の元額に三〇%かけると約十億見当というような計算になりますので、大体先ほど政務次官が申し上げました通り、とんとんというようなことに大体なってくると思います。
  35. 千葉信

    千葉信君 まあおっしゃる通り、前の答弁は誤りでですね。大体のめどとしてはあまり食い違っていないけれども答弁の筋としては、四割五分と三割だからこれは一割五分の余剰が出てくるのだという答弁なんかは、これは少し軽率だと思うのですが、まあしかしそれはそれとして、ここで問題になってきますことは、今回、たとえば一等を二等に引き下げる、それから二等を三等に引き下げたというこの影響はですね、どうせすこぶる近距離で、遠くになんかは行っていない職員、特に五級、六級もしくは四級、三級という、まあ三級は別ですが、四、五、六という下級の二等運賃を下げたことによって生ずる影響はですね、近距離の出張しかどうせやっていないんだから、そんなものを下げたって大きな不利益は出てこないのだ、こういう答弁だったんです。で、まあ私どもあなたの方から資料をもらってないから、そういえばそうかなということにそのときはなったわけですが、あとでこういうふうになって、数字がはっきり出てきてみて、近距離でやっているかどうかは知らんけれども、しかし予算額としては明らかに四割五分もこれでもって節減できた、減っている。こういうことになると、運賃を下げられたということによって生ずる不利益というものは非常に大きいと思う。この点は前の答弁と食い違っておりますが、あなたの方ではそういう大きな不利益を及ぼしておるということを認めますか。
  36. 原純夫

    政府委員原純夫君) この四割五分程度の減が鉄道質においてあるというこれは見込みでありますから、かなりに慎重にやらなければいかぬ問題、おっしゃる通りでございます。いろいろこの階級別の旅費の配分と申しますかを考え、推定してやったわけでありますが、結果において四割五分という数字が出て参ったわけであります。一方、この下級の職員が近距離の出張が多いということも、先ほど申し上げておる点とのかみ合いでございますが、下級の職員、回数の多い下級の職員が近距離に出張するということは、やはり趨勢として事実でございますが、一方でこの長距離になりますと、鉄道賃においては長距離になりますと、たとえば東京から関西、中国ということになりますと、近県に行くのに比べて非常に額が多くなります。そしてまあこれは終戦後、非常に率直に申し上げれば、この旅費給与的な機能を果されたという時期が相当ございます。今でもその影響は残っていないとは申せませんで、まあかなりにこの昔の構成、あるいはちょっと考えてあまりに遠くには行かんだろうという構成に比べると、やはり相当遠い出張があるというようなこともございます。それらがからみましてこういうような数字になってきております。で、ただいま申し上げていることは、下級者は近距離というような何と矛盾があるようでありますが、一方同時にそういうことがやはり事実あるんでございますね。これはこうも考えていただきますと、まあ申し上げていることがそうかというふうにお考えいただけるのではないかと思うのですが、大へん抽象的なことで恐縮でございますが、そういうようにお答え申し上げておきます。
  37. 島村軍次

    島村軍次君 関連して。ここに表が出ておりますが、これは次長でおわかりにならぬかもしれませんが、「六級職員の旅費額調」といって、東京から大阪まで出ているのですが、これがたとえば九州の鹿児島へ行くというような場合に対しての実際の例は、そこに計算されたものがあったらあとでけっこうですから……。
  38. 原純夫

    政府委員原純夫君) 東京から熊本までの例がございますから、申し上げますと……。
  39. 島村軍次

    島村軍次君 総額でよろしい。
  40. 原純夫

    政府委員原純夫君) 総額、これはAプラスBの欄でよろしゅうございますか。
  41. 島村軍次

    島村軍次君 現存がたとえば大阪の場合は一万二千八百二十円を改訂で一万四百四十円と、こうなっている。熊本の場合は総額何ぼになりますか。
  42. 原純夫

    政府委員原純夫君) 熊本の場合は現在が一万六千五十円、それから改訂一万二千五百円というふうになっております。
  43. 千葉信

    千葉信君 今の答弁でまた問題が出てきているんですが。次長、何しろ今までの例については、これは給与的な意味も含まれているというこういう御答弁ですが、これは一体どういう意味でしょうか。つまり一般会計の中に含まれている旅費というのは百九億八千万円です、本年度は。一般会計全部でたったこれだけ。一体百九億の旅費予算の中から、実際上公務員が出張発令されて、旅費としてそもそもが実費弁償程度ですから、これは何ぼ大蔵省考えているように、ある程度その運賃をごまかしたとか、安い木賃宿に泊るとか、食うものも食わないでその旅費を余す、そういうこともあるいはあるかもしらぬけれども、おそらくあなたの方ではそれをさして言われるだろうけれども、こんな百九億くらいの一般会計の中に含まれている旅費予算の中から、公務員給与に該当するような意味を含んだ旅費支給されているというような考え方は、ちょっとピントが狂ってやしませんか。給与としての意味を含めても、しかも四苦八苦してある程度余すものがあるかもしれぬ、あなたの方ではおそらくそれをさされているでしょう。
  44. 原純夫

    政府委員原純夫君) 給与的な意味を制度化しているというふうに申し上げたのではございませんで、決して旅費給与の意味を持ってはいけないと思います。旅費は実費を支弁するものだと思います。制度も表向きはそういう建前で作られているわけでございまして、ただ、今回の改正案でお願いいたしておりますように、日当宿泊料は、実情と比べるとどうも定額が安過ぎるが、鉄道賃の方は実情と申しますか、妥当な線というものをいろいろ考えてみますと、どうも逆な事情があるというような実情に即さぬ面があるわけでございます。その結果、まあ妥当なものと比べて割高な部面の消費が多くなると申しますか、そして割安に定額が定められてある部面の消費が少くなるというような傾向が出て、給与的なにおいがするということでありますので、制度として給与の一部をどうするというような気持は毛頭持っておりません次第でございます。
  45. 千葉信

    千葉信君 私の言っているのは、こういう程度総額関係からいっても、公務員給与が非常に安いことははっきりしていますが、何とかしなければならぬことははっきりしておりますが、しかしそれだからといって、大蔵省がこの程度総額にしておいて、そこでこの中から若干でも給与に該当するような意味合いの支給がこの中で行われておる、支給されたもの、実際上そういう格好で支給を受けているなんという、その考え方が私は大蔵省としてはとるべきじゃないと思うのですが、そういう点は。
  46. 原純夫

    政府委員原純夫君) 決してそういうのがあるから、それを切ろうというような気持で申しているのではございません。私どもとしましては、あらゆる経費につきまして、経費の効率を最高度に高めるようにすべきであろうという一心から申し上げているのでございまして、やはりこの旅費につきましても、いわば緊密に仕事をぴったりと合ったような使い方になるようにという気持で申し上げている次第でございますから、一つ御了承願いたいと思います。
  47. 千葉信

    千葉信君 私がこの点を執拗に追及しようとするのは、さっきもあなたがそこで政務次官と私との質疑応答を聞いておって、大蔵省の今回の提案理由理由だから私はこれは問題にしなければならぬ。この間あなたの方の給与課長は、この点は間違いでございましたというはっきりした釈明をそこで行なっているのですが、まだその問題については政務次官との間にはっきりしたところがないままあなたのところへ質疑応答が移ったわけですから、従ってあなたの方の、この大蔵省の今回の提案理由については、これは撤回することが至当だとお考えになられるかどうか。それがなければ、やはりわれわれとしては、こういう事実が大蔵省であったというような認識のもとにこの法律案も出されているのですから、そうすると、一体そのごまかした旅費はどこに使っているか。大蔵省の方はこれは給与的な意味を持っているという格好であるいは見のがしてきたということになるわけですから、問題になるわけですよ。どうですか、この提案について……。
  48. 原純夫

    政府委員原純夫君) 提案理由で、下位の等級によって旅行を行うことが多いという点についての御指摘なんだろうと思いますが、この点につきましては、まことに言葉が足りませんで申しわけないと思いますが、むしろ先ほどから政務次官から申されましたように、常識的な実態と申しますか、あるべき線を尋ねてこういう結論を得ましたというふうにお願いしておるわけなんでありまして、まあここに書いてありますのは、むしろ裏の方のことでございますので、大へん言葉が足らなかったという意味で、むしろこれをあるべき線を尋ねればこういうことになるというふうに御了解いただいたらけっこうだと思います。給与という面も、決してそういう削ろうとか何とかという気持じゃなくて、旅費旅費として最も効率を上げるようにしていただきたいというつもりで申しておりますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
  49. 千葉信

    千葉信君 言葉が足らなかったというのは、実に往生ぎわの悪い釈明です。これはあとでまた政務次官質疑をやりますが、その次に今度の法律案の実体の中へ入ってゆきたいと思うのですが、たとえば内閣総理大臣、あるいは十四級以上の職にある者が一等車または一等船室を利用する場合とか、こういう場合には支給するという今度の法律案改正ですが、一体なぜこういうところで、この場合には実態に応じてやるのだという規定をわざわざ設けたのか。私はこの点については、今度の改正法案の第四十六条の二項によって、この点についてもある程度救済ができるのじゃないかと思うのですが、大蔵省ではその点に対してどうお考えになったのですか。
  50. 原純夫

    政府委員原純夫君) 四十六条の第二項にお願いしておりますこの協議によります特別の定めで、まあ全然論理的にできないとも申せないわけでありますが、これはもっとやはり若干ケースの多い場合に考えて、しかも大体包括的に協議しておけばいけるというようなことで、ただいまお話の例外的に一等車を利用する場合に認めるということにつきましては、一々その場合に協議を受けるということになりますと、非常に煩瑣でもございますので、むしろ法律でお認めを願っておいて、このクラスの人は実際に使う場合にはそれによるというふうにいたしたいと考えた次第でございます。
  51. 千葉信

    千葉信君 この四十六条の二項というのは、これは一々その場合に大蔵大臣が協議をするという煩瑣なやり方をとるという御見解ですか、そうじゃないでしよう。
  52. 原純夫

    政府委員原純夫君) 第四十六条の二項は、要するに旅費につきまして特殊な、特別の事情があって、一般原則によりがたいということがある、その場合には大蔵大臣に協議をしていただいて、そうして特別な事情に合うようなことにしたいという、いわば何と申しますか、すべての場合に通ずる特例に備えるための規定でございます。長期滞在の場合に下げなければならぬ、割引しなければならぬというようなのが、その環境によって特別に下げないでいきたいというようなケースもありましょうし、まあただいま例の出ている等級との関係、一等の問題についていいましても、秘書官なり——例でありますが、何なり特別に随行の関係で一等に乗らなければならぬ、十四級以上ではないというような場合もあろうと思います。すべてそういう場合には協議をしていただく、それから第十六条に出ております方のは、かなりに型がきまり、一般規定として規定できますので、これはこういう条件でお認めを願っておいてよろしいのではないかというふうに考えたわけであります。
  53. 千葉信

    千葉信君 どうも今の説明だけでは特にこういう条文を設けなければならなかった理由としては少し根拠が薄弱だと思うのですが……。
  54. 島村軍次

    島村軍次君 関連して。今の十六条とそれから四十六条との関係は、従来の旧規定の第三項では「特別の事情のため困難である場合には、各庁の長が大蔵大臣に協議して定める」云々とありますね、それはこの旧規定の方が実情に合うということじゃないのですか。たとえば今度の改正案で六級と七級とで分けた、運賃の場合に分けたと、しかし特別の事情がある場合には別に大蔵大臣と協議して三等になっても——なるかならんは別として、三等の場合でも二等に乗れば二等でやってもいいと、こういうふうにこの旧規定の十六条は適用があるものだと、こう見られると思うのですが、今度の規定ではそれをとって、そういう融通性のあるものがなくなったということになりますかということを一つと、それから四十六条の「旅費の調整」という雑則の規正との関係はどうなりますかね。私も不勉強ですが、この関係一つはっきり教えていただきたい。
  55. 原純夫

    政府委員原純夫君) 旧規定の十六条の二項は、特別の事情のある場合に、運賃及び急行料金について特例を協議をするという規定でございます。それは今回はなくしまして、そうしてこの四十六条第二項の方に、運賃及び急行料金に限らずもっと広く特例を協議してきめ得るというふうにいたしておりますので、融通性は前よりも決して狭くはならないというふうにお考え願いたいと存ずるわけでございます。
  56. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますと、端的に実例でお聞きしたいと思いますが、今度の新規則の四十六条の第二項によって運賃及び急行料金についてと限定せずして、たとえば旅費宿泊料日当等においても実費がたくさん要るというような場合には大蔵大臣に協議して、この新規定の第二項を適用して幅を持たしたと、こういうふうに了解してよろしいですか。
  57. 原純夫

    政府委員原純夫君) その通りでございます。もちろん特別の事情が必要でありますから、そういう特別の事情が立証されることが必要でありますが、いろいろな環境において旅行が行われますので、そういう場合にはこの特別な事情に応ずるようにやれるようにいたしたいという考えでございます。従いまして、従来の十六条の第三項よりも広い範囲でこの特別の事情に応じ得る態勢をここに備えたいというのでお願いしておるわけであります。
  58. 島村軍次

    島村軍次君 そうしますと、一応のワクははめたと、しかし会社等におきましては、実費の意味で特に多額を要するような場合には、その事情をどういうところへ置くかということはなかなかむずかしい問題でありましょうが、実費の意味で、この四十六条の規定で従来の不合理なり実際に合わぬところを広く是正し得るという積極的なお考えをもって改正された、こういうふうに見てよろしいのでございますか。
  59. 原純夫

    政府委員原純夫君) 非常に目の前の例で、あまり適例かどうか存じませんが、たとえば今度ソ連に漁業交渉に行かれるといいます場合には、外国旅行日当宿泊料でございますね。一定額というものはきまっておるわけでございます。これをにわかに動かせないように現在はなっておるのでございますが、やはりソ連の為替相場というものが、非常に為替について、自由経済に立っております国と比べて実勢と非常に違うわけでございます。端的に申しますと、為替相場で向うのルーブルを買いましたその額では、なかなか所要の日当宿泊費では非常に不十分であるというような状態が起るわけでございます。そういうような場合にこういう規定がありますれば、これはやはり特例としてその際はしかるべく配慮するというふうにした方がよろしいと思うのでございますが、そういうことが今度はできるというようなことになりますわけでございます。類似のケースがいろいろあるわけでございますが、そういうようなわけで、今までは一般にそういう点に窮屈な点と申しますか、やはり実情に合うように何したいと思いますような点がございますので、お願いしておる次第でございます。
  60. 千葉信

    千葉信君 今の答弁によっても四十六条の二項は相当広範な場合を予想されていると思うのです。今のおっしゃった条件は外国旅行という特例ですが、外国旅行の場合にはやっぱりそういう特例がたくさんあると思うのです。特に今回この改正案によると、内閣総理大臣または十四級職以上の職務にある者が一等に乗った場合一等の運賃を支払い、あるいはまた座席をとったときにはその座席に対する運賃を払うんだ、こういう規定も別にある。しかし一方では全部もう一等をやめて二等なんだということをきめておるんです。それから二等はやめて今度は三等だというふうに一律にきめておるんですから、そういう条文のあるところへことさらにまた特例としての条文を設ける、しかもその特例も実際にそれを「利用した場合」なんという、そういうことを法律の条文に書き込む、こんなことをするよりも、四十六条の二項の解釈の仕方によって、そこでできるんじゃないか。そうすれば法律の体系としては、これは一等、これは二等、これは三等というふうにはっきりと区別してあるのだから、その条文をそのまま生かしておいて、そうして今度その特例としては、何も大臣が一等に乗った場合には一等をやるんだとか、座席にすわった場合には座席賃を払うんだということをまた一項設けなくても、私はこの四十六条の二項で今のような特例を含んでその点は処理できるんじゃないか。やっぱり問題は旅費関係でもそうだし、給与関係でもそうだが、できるだけ公平なやり方をするということがこれは望ましいのです。これは公平にやるということは、給与の係ばかりじゃなくて、旅費関係の場合にも、実費弁償とはいいながら、ある程度の差は設けておるのですから、その差はできるだけ極端な格好にならないような公平な原則はこの際もやっぱり考慮する必要がある。いわんや立法の場合にはなるべくそういう公平の原則を尊重するという建前において法律を扱わなければならない。だから特例の場合には、せっかく何等々々ときめておいたものを、この場合には内閣総理大臣だけはどうする、十四級以上の者はどうするというような一項をことさらに起して、法律の体系の中に不均衡な印象、不公平な結果を起すような格好をとらないように、今の解釈の、答弁からいきましても、四十六条の二項でこれも十分に処理できると私は思うのです。あなたの答弁を聞いていても、どうも四十六条の二項にこれは該当しないで、別にしたという答弁にはならないと思うのです。その点どうですかね。
  61. 原純夫

    政府委員原純夫君) 四十六条の第二項は、ここにありますように「特別の事情により」、云々という条文が付いておりまして、そこで十六粂の方にあります一等車を利用した場合の支給規定の方、もちろんこれも常にやるならば利用する場合と言わないで一もいいわけでありますが、四十六条に比べまして、こちらの方は非常に特別な事情というのでなくても、こういうクラスの人が実際に使う場合には支給してよかろう。もちろんそこは良識の問題でありますから、しいてそんなら一等に乗ろうかというような考えで運用されるものとは考えない前提でこの規定を置いておるわけでございますが、一々それを特別の事情であるということによって、四十六条の協議にかからしめるということでなく、むしろ一般的に条文の中に明記して御承認願っておいてよろしいことではないかというふうに思いましたので、こういうふうな原案でお願いしておるわけでございます。つまり、この辺のところは何と申しますか、すべて二等であるべきなんだというのでなくて、一等の走っておるところで一等に乗る要件が相当にあるというふうに考えておるわけでございます。ただ非常に、御承知のように一等の区間というものは少いわけでありますし、全体の旅費のバランスの上において、非常に何と申しますか、量的には少い。しかもまあそれも乗った場合、それはしかるべき事情があって乗るわけでありますが、そういう場合には一般的に御承認を願っておいてよかろうという趣旨でここに入れておるような次第でございます。
  62. 千葉信

    千葉信君 これが問題になるのは、私は法律の条文とか形式の関係だけじゃないと思うのです。もう一つ問題がある。それはどういう点かというと、六級職以下は今度三等にするのだ、こういう措置がある。明らかに六級職以下の職員に対しては不利益なんです。しかしこれを納得させるために七級以上の職員は全部、だれであろうと二等に乗るんだぞ、こういう案を出している。七級職以上が全部二等に乗るんだから、六級職以下が三等に乗って何もおかしくないじゃないか、こういう一つ考えが私はすこぶる好ましくない考え方だと思うのです。そういう考え方に立って今度の法律改正提案されている。いいですか。ですから六級職以下の職員の場合には、七級職以上の職員はだれであろうとみんな二等に乗るんだから、大体六級職以下の職員は一等に乗ってもそんなに不公平じゃない、一方乗った場合には支給することができる。利用した場合には座席券の料金は支払うという建前を、せっかくその二等と三等という格好に規制したところへぽかっと持ってきた。この点は、私はその点も法律の体系の関係からいうとまずいと思うのです。あなたの方ではそういう考えで特別に二等、三等というものを規制したところには触れないでおいて、そうして今度は三十四条の改正の中で今回総理大臣をどうするとか、座席券はどうするという格好で設けてきておる。これだとますます私はこの法律提案の趣旨は承服できない考え方が根本的に含まれているというふうに考えざるを得ないのですが、どうでしょうか。
  63. 原純夫

    政府委員原純夫君) 私どもの今回の御提案申し上げました気持は、大きな筋は、たびたび申し上げます通り鉄道運賃等級は、クラス別にどういうものであるべきかということを虚心たんかいに、いろいろな民間やり方その他を尋ね、虚心たんかいに考えまして、これが妥当であろうという線を考えたおけであります。もちろんこの下の方、六級以下を下げるのだから上の方もがまんするという気分ももちろんあるわけでありますが、この六級以下を三等にするのだから、上は全部二等だというまでの何と申しますか、考え方でなく、やはり実情に応じて、これは常識的に要るであろうという需要に対してはそれはみれるというふうに考えまして、そうしてこの級も十四級以上ということにしぼって、一等は、これで十四級以上が全部一等に乗るというふうには考えておりません。特別にその必要がある場合にやはり乗られるものと思います。が、それは一般的な規定として承認を願っておいてもいい事柄ではなかろうかと思っておりますので、要は、要するに常識的にこの線だろうという線を虚心たんかいに研究し、判定しまして、御提案申し上げておる次第でございます。
  64. 千葉信

    千葉信君 政府の方では第十三回国会のときに、旅費規程を改正して、その場合には、国内の経済事情が相当変化しておるのでという理由である程度旅費引き上げております。この理由に、それから同じような根拠となった経済事情等については、やはり第十三回国会におけると同じように、今回もまたこういう事情ではっきり旅費規程を改正しなければならないという段階にきておる。むしろおそきに失したということがいえると思います。ですからそういう第十二回国会で政府提案したというような理由、それから国内の経済事情、こういう点からゆけば、当然これはたとえば宿泊料にしても日当にしても食卓料にしても、実情に沿うように改正なり引き上げを行わなければならぬ、こういう段階がはっきりきておるわけです。それをあなたの方では改正の必要を感じて、その点をうたった。ところが今回の場合には、そういう点の改正を行うばかりではなく、片方では実際の運賃所要額四割五分にも該当するような膨大な運賃の額を削りとって、その削りとっておるしわ寄せが一体どこへくる。六級以下じゃないか、四級から三級のところへ大幅にしわ寄せしてくる。こういうやり方をしておるから、私の質問しておる理由は、そういう格好で不利益な扱いをされておる職員は、この改正案を見たら、これは黙っていただくことはできない。あなた方はそういうことは考えないで、計算ずくで、そういう無理な旅費の削減を行おうとしておるから、そういう無理が簡単には了承されにくいから、運賃は二等と三等だといって、一律にぶった切るというやり方をしておる。それも私はそのままゆくのならいい。そうして特別な事情、たとえば総理大臣が、一等の箱がついているのに、旅費規程が二等だからといって二等に乗るのはおかしいじゃないか、大体その点は私はみんな了承できると思う。それから総理大臣と同行してゆく十四級以上の職員、これだって一応了承できる。了承できるけれども法律の体系として、あなたの方では今回の旅費規程の改正によって非常に不利益な、四級ないし六級の職員に対しては不利益な扱いをされておる。それを了承させる手として、表面上はこれは二等と三等ばかりなんだ、こういって改正しておる。だからそんならば、何もその法律の条文の中で、特に乗った場合にはやるとかやらないとか、そんな規定をおかないで、解釈のしょうで、あなたは特別な事情とか何とかいっておるけれども、それだって特別な事情のうちに入る。総理大臣とかあるいは大臣とかあるいは次官、そういう諸君も特別な事情、こういう格好で解釈すればできるし、四十六条で解釈できる事由じゃないか。それをわざわざここへ入れなければならなかった理由が、今の説明ではどうもわれわれとしてはすっきりしない、こういうことになるのですがね。
  65. 原純夫

    政府委員原純夫君) 四十六条でたとえば御協議願うといいます場合に、実際問題としてここに、今回何がしが大阪へ行く、こういうわけだからこういうふうに御協議願うというのでは、ちょっと何と申しますか、事柄の実態考えて、手続があまりに煩瑣だという感じがいたします。ということは、それでは大蔵大臣は包括的にこの十四級以上は、乗った場合はやってよろしいという協議に応ずるかということになりますが、それは特別の事情という四十六条の規定がございますので、むしろ包括的に協議に応ずるというようなことならば、むしろやはりはっきりと条文に出して御審議願う、御承認願っておいた方がいいのじゃなかろうか、こういう考えで出しましたような次第でございます。
  66. 千葉信

    千葉信君 ちょっと内閣委員会関係のある問題で用事がありますから、休憩してもらいたいと思いますが……。
  67. 小柳牧衞

    委員長小柳牧衞君) それでは柳時休憩いたします。    午後零時八分休憩   〔休憩後開会に至らなかった。〕      —————・—————