○木下
源吾君 これらの一連の事実を御
質問を申し上げるゆえんのものは、先ほど御
答弁にありました日中両国の友好
関係の増進、そうして国交の正常化のためには欠くべからざる問題である、かように
考えるためであります。そうして
総理大臣は先般、事情が許せば周恩来
総理とも会う、こういう積極的な御意見でありますので、私は事情が許せばというその事情というのは、私は非常に機会が切迫しておると、こう
考えるのであります。と申しますのは、日中貿易促進に関する
協定、これは御
承知の
通り往復六千万ポンドの
協定が、未だに半分、半ばくらいよりも達成せられておりませんし、そうして通商代表部の設置についても何ら具体的に進展しておりませんし、支払
協定におきましては、特にあの遠いロンドンで決済をするという不自由、そうして不利益、そういう状況を改善するために、お互いに
協定されたものが一歩も進んで参っておりませんし、見本市は、民間の人々の熱意と陰ながらの
政府の御努力によって、なるほど
日本においてだけは先般開かれました。しかし今日まだ中国において開くということに対してはいろいろの問題がありまして、前進しておりません。こういう事情のもとにあるのが日中貿易の
協定の結果であります。また議員団の共同コミュニケ、
約束の調印は、ココムの制限を撤廃するということ、それから通商代表部を設けるに困難な事情であるならば、常設見本市を両国首都において持って、これらの係員をして通商代表部のような仕事を代行させる意味において、常設見本市というものを置こうということを
協定してきておる。さらに戦犯の問題については、これらの訪中議員団が直接撫順の戦犯収容所に参りまして、実情をよく見て参りました。毛沢東、周恩来等々に、これが本国に帰還するために切実な訴えを出しまして、昨年中には何らかの事情のものは何らかの処置をとるであろうという言明を得てきておる。これも、これが実現のために必要な共同コミュニケとなって現われておるのです。双方遺骨の送還の問題、居留民往来の問題等についても、共同コミュニケによって
約束せられてきておるのであります。こういう問題が今日切実にその解決が
国民の間において要求せられておるのありまして、このために
政府間において正式な話し合いを進めるという努力が、中国の側からは再三、昨年の八月十七日以来、ジュネーヴにおける沈総領事と、わが国の田付総領事との間における往復文書においても明らかなごとく、進められておるのでありますが、中国のこれらの要求に対して、
日本は何らの回答もしておらないばかりではなく、かえって中国を誹謗するような、四万人の未帰還者の送還というような問題を投げかけておるのでありまして、今やこの問題について
総理大臣はどうお
考えになっておりますか。私は
アメリカとの話し合いによる結果として、兵力を増強せにゃならないであろう
立場も私は了承しておりますが、なおしかしながら、平和の状況を一つ一つ築き上げるための問題に対して、
政府は非常に冷淡ではないか、こういう声が
国民の中にほうはいとして起っておる事情を御
承知であるのかどうか。それを御
承知のゆえに、
総理大臣はこれにこたえるために、周恩来
総理に事情が許せばお会いになるという御決意は、今こそその絶好の機会ではないか。これら等々の問題の解決のために……。これら等々の問題の解決は、一に国交の回復、国交の正常化にあろうと私は思うのでありまして、この問題に対する具体的な努力をどういうようにせられたか、また今後どういうようにするお
考えであろうかというような点についてお伺いしたいと思うのであります。