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政府委員(大石孝章君)
吉田委員の御
質問の
築城飛行場関連の御
質問は、まず
防風林の伐採によりますところの農作物の被害に対する
補償の点にお答えいたします。これは松原、稲童両部落の海岸線に沿いまして幅七十メートルから八十メートル、長さ二千五百メートルの
防風林が伐採された。そのために
関係の農地に被害が起きたという事案でございます。その原因は半分は旧
日本軍に責任があるのでございますが、占領期間中に
米軍の行為によりまして残りの半分を賠償したというふうになっております。この問題は占領期間中のことといたしましては
昭和二十九年四月に五十八万四千円の見舞金を支払いました。講和発効以降の分につきましては
吉田先生御承知の特損法の
対象の事案になるのじゃないか、こういうことでいろいろ
研究を遂げたわけでございます。申し上げましたようにその原因が占領期間中の事案でございますので、特損法を直ちに適用するというわけに参りませんので、特損法の
基準を準用いたしまして、その計算方式のもとに計算いたしました結果、財政当局とも協議がととのいまして近く被害者に対しましてお支払いをいたすことになっております。それから
道路の点でございますが、
道路はこの
飛行場関係につきまして二点あるわけでございます。
一つは行橋市の松原部落の
関係でございまして、これは部落民が
築城の地域に到達いたしますのに利用しておったのでございますが、この
飛行場の拡張のためにその
道路がつぶれましたのでこれにかわる
道路を新設してほしいという要望でございます。この点につきましては
施策がおくれておったことは私ども
関係機関の者といたしまして遺憾の点があるわけでございますが、なぜおくれておったかという点につきましては、大体この拡張計画そのものが非常に途中におきまして変更がありましたためにその
道路にかかるかかからないかといったような事案の吟味があったわけでございます。ところがその区域の
決定もありましたので、その後地元からの要望にこたえまして
関係省すなわち公共
道路でございますから実施の所管は建設省の
道路局になるわけでございますが、
施設区域の
関係でございまして、そういう
関係から
調達庁にも
関係するというようなことでいろいろ協議があったわけでございます。また建設省におきましてはこれを
実現いたすべく
予算折衝もいたしましたが、
予算上の
理由から
実現を見ることができなかったような経緯もございました。しかし
関係各省におきましていろいろ協議の結果三十一年度
予算でこれを実施するというふうに
決定いたしたことを御
報告いたしておきます。
それから
道路の問題でもう
一つあるのでございますが、これは稲童地区の農地の中で
射撃場に通じますところの
道路が米駐留軍に使用されておる、従って実施の米駐留軍の不法使用ではないかという事案でございます。この点につきましてはこの農地は旧軍時代に
飛行場の誘導路として使われておった場所でございまして、終戦とともに
関係地元の方に払い下げが行われまして農地として使用されておったが、前にそういったような
関係もありましたので大体地元の方は
道路として通行することはまあいたし方ない、ただしかしそのまま使ってもらっては困るのであって、これを国においてむしろ
道路としてはっきり処理してほしいというような御要望でございます。この点はまことに御要望の通りだと判断いたしましたので、私どもの方でも近くこれを
施設区域として成規の手続をとって米駐留軍の方に
提供するか、あるいは
行政協定第三条の路線権としてはっきりした形にしたいと存じております。今までのこの被害を受けた点につきましては、これは内部の議論でございますが、
行政協定の十八条の
関係事案としてその
損害賠償を支払うべきであるかどうかといったような議論もございますが、いずれにしましても、少くとも
関係用地につきまして借料相当額の
補償額は当然出すべきものというふうに判断いたしております。
それから溜池につきましては、これは
先ほど申し上げました松原部落地区の
飛行場拡張の際に、国有地にありました溜池が壊滅せられたというために灌漑用水が不足しているので、この溜池を新設されたいという地元からの御要望でございます。その件につきましては、私どもの方ですでに
昭和二十六年に、溜池から
関係の農地に通じます水路三本に対しますところの
補償金といたしまして九十万円支払い済みでございますが、しかしながらこの溜池がなければ今までの受益者であった
関係農民が耕作上困るという事案でございますので、この農業経営に与えますいろいろ被害の
程度、それからこの溜池に
関係農民が慣行上水利権を持っておったものかどうかといったような点、それから技術的にいかなる場所にどんなものを
設置したらよろしいかといったような、いろいろな要素がありますので、その点で私どもの方から農林省農地局の方に
調査と立案を依頼いたしました。その結果、農林省の方から担当主任官が現地に出向きましていろいろ
調査いたしました結果、
関係の農地に対しまして、やはりそういう代替
施設が必要であるというおおむねの結論が出たようでございます。近く農林省の方でも具体的に技術的ないろいろな
施策を立案いたしまして、私どもの方に相談するようになっておりますので御了承をいただきたいと思います。
小倉の林田さんの問題は非常に錯綜した問題でございまして、これは結論はこういうことでございます。現在の代理人との間に国は契約いたしておりまして、大体講和発効後今日まで約三十九万円ほどの
賃借料をお支払いしているのでございますが、林田さんは地主の岡田さんという方との間に、国から支払います
賃借料の取り分に関して若干の争いがあるように承知いたしておりますが、円満に解決できるのではないかというふうに判断いたしております。ただこの総額をもっと増額するかどうかという点につきましては、この耕作というのは、これはまあ花を作っておられるのだそうでございますが、耕作権の
関係上農地の所得で計算いたしておりますので、当該年度々々の
基準でやっております
関係上増額はできないものと判断いたしております。以上でございます。