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小笠原二三男君 そこに御配付してあります表をごらん願いたいのでありますが、このラジオ岩手は他の都市における
民間放送とは違いまして東北でも僻地の岩手の地に
設置するということは、娯楽機関の少いという点もあり、また
公共団体の広報活動にも資するという
関係もあって、実を言えば資本力としては岩手県としてはそういうものをやり得るような企業等が他府県に比べてないので、従って資本の形成等も県市町村団体、農業団体あるいは漁業団体等
公共団体なり半
公共的な諸団体の出資で県民のための機関として
設置せられておるのであります。こういう
意味で聴取者の立場から
考えますと、この図面に見られる
通り、昼間一キロ、夜間五百ワット、ということになると、膨大な岩手県の区域の中でも一小部分の聴取区域にしかならぬのであります。一方NHKの方は東北にもまれな強力な十キロ放送が盛岡市にございますが、それでさえも岩手県に、全
地域に行き渡らぬという結果が出て参りまして、北の方で申しますと、青森県の八戸市に分局があり、あるいは宮古市、釜石市、大船渡市、それから宮城県側に入りまして南部の方、気仙沼市にそれぞれ分局が五つもできて、放送網ができておるのであります。それに比べまして民放の方は
政府の御援助によって昨年県南の方に前沢放送局という分局を
設置させていただいて、一応県南の方の未聴取
地域も聴取できるという状況になったのであります。しかし外環の方に
おいては出資
関係町村には何ら受益するところがないという状況がありますので、釜石市に分局を
設置したいということで
政府当局に会社側から要請しておるようでありますが、これは気象
関係、漁業発展上の施策からも必要なものとして地元として強く
要望されておるのであります。ところがそれらのことはともかくといたしまして、根本的には夜間の五百が一キロワットに、強力にならぬということであると、NHKの十キロが盛岡市にあり、盛岡市におけるNHKのブランケット・エリアの
関係から言いますというと、非常にラジオ岩手の方は不
利益をこうむる。これは現地に行きまして両者の電波を聞いてみますならばそれは全然音量と申しますか、音質と申しますか、強度が格段の差で、この
事情は高知県でしたか、同周波の放送局があって、夜間一キロにするとある
地域で衝突する、それぞれ障害が起るというようなことで、五百になっておるような話も伺います。ところが一方隣県の秋田県に
おいては最近夜間も一キロになったやに聞いておりますが、これは外国放送の障害を排除するという特殊な理由で許可になったというふうにも聞いておりますけれ
ども、何せこういう広大な
地域で電波の公平かつ能率的な利用を確保するという
意味から言えば、一方NHKが十キロ放送を持つ同じ地元に、五百ワットの民放ということではこれは聴取者にとって非常に不
利益でありますし、県民のためにしようとしたこの放送としては採算上からも常非に問題が起ってくることがおそれられるのであります。と申しますのは、消費県ではございません、農業、漁業
関係の農民あるいは漁民という零細県民が非常に多いのでありまして、こういう
方面へのスポンサーがつくためには、広域に聴取区域が展開されておらなければスポンサーもつきずらいし、ついてもその価格が安いというような点もあって、非常な努力をしなければこの企業経営は成り立たぬという状況になることを心配しておるようであります。幸い今日に
おいては
経済利益を追求する性格を持つことを極力押えて、経理面、事業面で節約もして非常な企業努力によって赤字というものを生み出さぬようにやり、分局等の問題でも出資等もやって、県民の協力をいただいておるという
事情から、ぜひ夜間五百ワットを一キロに増力してもらいたいという
請願であります。私もこれは
委員という立場を離れましてでも、県民の立場からしましてでも公平にこの種のことが行われるためには、五百ワットではとうてい岩手県民の希望を満たすことができない。そういうことでたまたまチャンネル・プラン等の変更の時期等も参っておるこの機会に
おいて、実質的な
検討も加えられて願意が実現できるように
政府も考慮をしていただきたいということを重ねて希望して申し上げ、皆さんの御賛同を得たいと思います。