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1956-02-07 第24回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月七日(火曜日)    午後一時四十七分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松平 勇雄君    理事            島津 忠彦君            宮田 重文君            久保  等君    委員            石坂 豊一君            瀧井治三郎君            津島 壽一君            永岡 光治君            三木 治朗君            野田 俊作君            八木 秀次君   国務大臣    郵 政 大 臣 村上  勇君   政府委員    郵政政務次官  上林山榮吉君    郵政省監察局長 久保 威夫君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省貯金局長 成松  馨君    郵政省簡易保険    局長      小野 吉郎君    郵政省電波監理    局長      濱田 成徳君    郵政省経理局長 八藤 東禧君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政事務次官  宮本 武夫君    日本電信電話公    社経理局長   秋草 篤二君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業運営実情に関する調査の  件  (昭和三十一年度予算及び郵政事業  の運営に関する件) ○電気通信並びに電波に関する調査の  件  (昭和三十一年度予算及び電気通信  事業運営に関する件)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 逓信委員会を開会いたします。  議事に入るに先立ち、ちょっと御報告申し上げます。  前回委員会散会後に理事会を開きまして、本委員会運営について、種々御協議を願いました結果、その申し合せ事項につきましては、すでに文書をもって各委員に御通知を申し上げました次第でございますが、なお、委員会傍聴の件につきましては、委員室収容能力等関係から、傍聴一般に御遠慮願うことに申し合せられましたので、この際あわせて御了承のほどお願いいたします。  それではこれより本日の議事に入ります。理事会の申し合せにより、本日は前日行われました郵政大臣及び公社総裁の、昭和三十一年度予算その他所管事項に関する御説明に関する一般質疑をお願いいたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 永岡光治

    永岡光治君 これは重大の問題でありますので、一つ大臣にお聞きしたいわけですが、先週の金曜日の朝日新聞記事だと記憶しておりますが、砂田自民党組織委員長特定郵便局員特別職にする、こういう発表が政調会ですかどこか発表されて、大体その方針が承認をされたというように承わっているわけですが、これは非常に重要な問題でありますので、どういうようになっているか、その点の経過を御説明願いたいと思うのです。
  4. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 砂田自民党組織委員長が、特定郵便局長特別職にするというような新聞記事が出ておったということは私けさ聞きましたのですが、私としては、実はその新聞を見る機会もなかったような始末で、そういう点については何も聞いておりませんし、また、ただいまのところそういうような考えも持っていないのであります。
  5. 永岡光治

    永岡光治君 実はああいう記事があれば、事務当局からもおそらく大臣には御連絡があったと思うのですが、事は重大な問題でありますので、公務員法の改正その他に影響する問題でありますから、当然大臣承知しておるものと思いますが、しかし承知していないとすれば、次の機会にその経過を詳しく御説明いただきたいと思います。そこで今大臣はそういう考えを持っていないということでありましたが、それであれば、私はまあその記事のあるなしにかかわらず、この問題についてもう一度大臣の所見を明確にしておきたいと思います。そういうことはあの新聞記事が出ましてから、社会党におきましても非常に重要な問題になりまして、対策委員会として種々取り上げられたのであります。政調会等いろいろ話を、これは自民党政調会ですが、いろいろ探ってみましたところが、確かにそういう方向ではあるらしい。しかし、そいつはもう局員全部の問題ではないのだ、局長だけを、組織といいますか、自民党下部組織にしたいという意向があると、こういうように承わりました。もし反対で麦、れば、今のうちならばそれはそういうことにはならぬだろうという善意の勧告は、勧告といいますか、注意は受けましたが、この際私は大臣にただしておきたいと思うのですが、むしろ私たち郵政職員というものは全部特別職にすべきである、こういうのが私たちの基本的な考えです。特定局長であるとか、普通局長であるとか、あるいは職員であるとか、事務員であるとか、そういうことによって区別さるべきものでないと一応考えておりますが、そういうおそれがありまするので、大臣にただしたいのですが、特定局長普通局長とでは身分上の取扱いを区別する必要があると思っておいでになるのか、それは公務員として全然区別する必要はないとお考えになっているのか、どちらかですか。
  6. 村上勇

    国務大臣村上勇君) そのことにつきましては、ただいま申し上げましたように、私はけさ新聞を示されたような始末で、局長はどういうふうにするとか、あるいは他の従業員をどうしようとか、まだそういうことについて郵政省としての考えも聞いておりませんし、私自身もまだその点について党側から何らの話もないし、全く寝耳に水のような事柄でありますので、今ここでだれはどうして、だれはどうしなければならぬというようなことのまだ研究もいたしておりませんし、その点はただいまのお話のように、よく私も各方面にその真相を伺った上で御答弁させていただきたいと思います。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 それでは次の機会にそれを明確にしてもらいたいと思いますが、事務当局からはまだ伺っていないようでありますから、これは一つ次官の方に見解をただしたいと思うのですが、普通局長特定局長ということで区別をして、特別職にする必要があるとお考えになるのかどうか。その点見解一つ承わりたいと思います。
  8. 宮本武夫

    説明員宮本武夫君) この問題につきましては、実は今に始まったことでないのでありまして、だいぶん前たから特定局長特別職にして、政治的活動をある程度認めようというような意見と申しますか、考えがありまして、陳情等も何回か受けたように記憶しておるのであります。事務当局といたしまして、特定局の問題につきまして、非常に重要な問題でありますから、従来いろいろと研究と申しますか、検討は続けております。政治的活動をある程度認めるということにつきまして、特定局長普通局長の間に差異認むぶきか認むべからざるかというお尋ねのようでありますが、私ども事務当局といたしますと、御承知通り現在三公社職員につきましては、ある程度政治的活動ということを認められております。しかるに、三公社以外のいわゆる公労法に載っておりまするところの五現庁の職員につきましては、それが、国家公務員ということからと思うのでありますが、そういうことが認められていない。実質的に考えました場合に、公社職員に認められるものを、同様に郵政職員全般認むべきではないか、大体にそういうふうな考えでございます。従いまして、政治的活動につきましては、われわれとしては今後その方向検討していきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。そういうことでございます。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 ただいまの見解で大体次官としての見解はわかりましたが、職員全般として、局長とか職員とかに限らずに、全般として今日政治活動が制限されておるということは、他の企業等に比べて不均衡である、不合理であると思うから、これを是正する方向について検討を進めていきたいという御答弁がありましたが、私たちもその通り考えておるのですが、今後大臣が党と折衝される場合に、当然これがおそらく問題になると思うので、私は大臣決意を固めていただきたいと思うことは、これは普通局長とか特定局長とかについて区別する理由は何もありませんし、また職員といえども、これはなおさら区別する必要はございません。従って私は郵政職員全般の問題といたしまして、特別な管理職は別といたしまして、いうところの全般職員については、これは区別されるということのないように、ぜひこの点は一つ大臣決意を固めていただきたいと思うのですが、どうでございましょうか。
  10. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 御指摘の点は常識的には私はあなたのお考えと同じように思います。ただしかし、その全体の大筋の問題につきましては、まだ私の腹をきめるだけの研究ができておりませんので、いずれ一つ方面と相談しましてお答えをいたしたいと思います。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 それであれば、これは一つ大臣に特に十分検討していただかなければならぬと思うのですが、大臣普通局特定局区別しておるという今日お考えですね。特定局とはどういうものである、普通局とはどういうものである、だから局長はそういうふうに区別しておるのだという御認識は、これははなはだ失礼な申し分かもしれませんが、あまり研究になっていないのじゃないかと思うのですが、私はなぜ特定局長という官名局長を作るのか、その他逓信事務官というところの局長を作るのか、この区別は今日はないと思うのですが、これは事務当局でもけっこうですが、普通局特定局区別する根拠はどこにあるのですか。それは従ってどういうところに基準を置いておるのですか、その理由基準というものを一つ明確にしていただきたいと思います。非常に参考になると思います。
  12. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 特定局のできた問題については、いろいろ所管が分れておりますが、私は郵便局長という立場からお答えいたします。普通局特定局というふうに現在分れておりますが、それぞれ長い沿革的な発達の過程があるのでございますので、今日になりまして振りかえって現状において二つの制度がどこか根本的に違っているかと申し上げますと、ただ一点任用がいわゆる一般的な任用ではなくて、もう少し自由に任用ができるという局長だけの問題でございます。特定郵便局長というものは、ただそれだけの差であって、それ以下の従業員身分、給与その他については、現在ではほとんど本質的な差は認められないという現状になっております。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 そこでなぜ特定局長という官名局長を存置しなければならないかという理由についてお尋ねしたわけですが、沿革ということでありますが、これはただいまの郵務局長答弁にもありましたように、事務その他については全然区別がない。たまたま従来の沿革からして、特定局長、こういう特別自由任用局長を置くだけの差異だということでありますから、これは管理者としての責任なり、義務において区別があるのかないのか、この点を明確にしておいていただきたいと思います。
  14. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 局長としてすべき仕事は本質的には差異はございません。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 それでは重ねてお尋ねいたしますが、特定局普通局と分けておる基準は、どういうところに置いておるか、今度新しく局をどこかに設けようとするときに、それは普通局にするか、特定局にするのかというときには、一応基準がなければならないと思いますが、その基準はいかなるところに置いてあるか。
  16. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) 従来私は先ほど申し上げました沿革的と申しまするのは、つまり当初大きな郵便局を直轄いたしまして、それ以外のまあ地方の郵便局というものは昔の請負形態の三等郵便局という形で作って参ったわけでありますが、従ってわれわれとしてはその後特定郵便局普通郵便局に改訂したということはもちろんあります。普通郵便局から特定郵便局に変えたという例はあまりありません。最近新しく作っている郵便局も、御承知のようにほとんど窓口機関、小さな窓口機関というものでありまして、たとえば先日作りました羽田の郵便局といったようなものは、もちろんこれはそういう範囲内で当然にこれは普通郵便局としてスタートしなければならん、ただ、まあ小さな窓口機関ということになりますると、それを引き受けていただく局長身分その他については、これは部内者で適当な人があればもちろんその人にやってもらってもいいんです。しかし必ずしも部内者で適当な人が得られないといった場合には、部外の適当な人を選ぶということも考えまして、そういうものに限って特定局という形で運用しておるのであります。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、たとえば同規模の局ですね、同じ事務量の局で片方特定局であり、片方普通局であるという局がたくさんありますが、それを普通局にした方がいいのかどうなのかという際の基準はないのですか。
  18. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) その特定局から普通局へ昇格するという場合には、従来は大体大きな局から順にやっておったわけであります。戦争後いろいろな条件がそこに介在いたしまして、必ずしもそういう方針ばかりでもいけないというので、一時相当小さな局も普通局にしたような例があります。従って現在ある局で一覧してみますと、特定局普通局よりも大きい局もある。また普通局特定局よりも小さな局もあるといったように、その辺の限界は若干乱れているということは、これは率直に申し上げて事実であります。従ってその辺の線をどこに引いて両者をはっきりさすかという問題は、今後われわれとして検討していかなければならん問題の一点でございます。ただ、そういうことをみましても、現在先ほど申し上げましたように、どちらをとるかということについては、ただ単に局長任用身分というものが違っているだけの差である。そこでいうことを手をつける前に、まず両者の間に、いやしくも従業員皆様方特定局なるがゆえに非常に不利益をこうむっている、普通局なるがゆえに非常に得をしているというような不均衡があってはいけない、まずこれを直さなければいけないというので、最近鋭意あらゆる角度からこれを検討いたしまして、大体現在のところ、ある局が特定局であっても、普通局であっても、業務の運営面あるいは従業員の待遇においても、何らそこに不合理な点もないというふうにまで持ってきたのでありますが、さらに御指摘のように、一歩進んで、その辺をはっきりと線を引くということも、今後に残された一つの問題であろうと思います。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 いずれはその基準はこの前の松田大臣の際に、十分検討したいという回答がありましたので、私はこの通常国会中には少くとも何らかの答えが出るものと期待しているわけですから、それと関連いたしまして、それまでにおける過渡的な措置ということになると思うのですが、特定局普通局ではかなり、事務量は同じであっても、特定局なるがゆえに、たとえば需品費であるとか、あるいは課長定員算出の問題であるとか、いろいろ区別があるわけで、それは必ずなくしますということは大臣は——前大臣でありますが、私に約束せられているわけですが、この三十一年の予算案が通過いたしますれば、定員ないしはそういう経費については、一切区別しないように改善されるものと、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
  20. 松井一郎

    政府委員松井一郎君) さようにいたすつもりでございます。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 それで大体わかりましたが、そこで先ほどの特定局長身分の問題について関連して参るわけですが、ただいまの大臣あるいは事務次官答弁をもってすれば、特定局長だけに、特別職という特別なワクで政治活動の自由を与えるということは、まずないものと認められるわけですが、それにかわって特定局長だけの官の制度において、官制ですね、官制の何かの組織を、この際許可したらどうだろうかという動きがあるやに私は承わっているのでありますが、そういうことがあるものですか。それともそういうことをやろうという計画をお持ちになっておりましょうか。大臣から御答弁いただきたいと思います。
  22. 村上勇

    国務大臣村上勇君) そういうことにつきましては、まだ全然私どもの耳に入っておりませんし、そういう動きのあることも承知しておりません。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 情勢は、大臣のお耳に入っていないというのですか。それをやる意思はないと、こういうような大臣見解ですね、意思は、そういう官制局長グループ組織は認めてほしいと、こういう申し出があった際に、許可するのですか、しないのですか。
  24. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 特定局長みずから自主的にどういうグループを設けようが、それは私どもの関知しないところでありますが、特に郵政当局からこういうような組織を作れとか、また作ることに許可を与えるとかいうようなことは、私はただいまのところでは考えておらないのです。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 これは政務次官がおると非常にいいと思うのですけれども、どうもこの前の一月のあれは三十一日でしたか、二月一日でしたかに、大臣の主管されておる職員組合全逓組合中央委員会を開催されておりました。私たちその傍聴に実は参ったわけですが、その際に政務次官がゆゆしき行動をしておるという発言がありました。政務次官がだいぶ組合と対立して戦えという宣伝をしておるらしいのですね。ちょっと聞いただけでも請負化方向をもう一回取らすのだと、今からずっと昔の、これは昭和十一年か二年に、ですから今から約二十年ばかり前なんですが、二十年ばかり前にすでに請負化制度が廃止されまして直轄化方向に切りかえられたのですが、その二十年前の昔の姿におれは返すように努力するのだと、大いにやれと、それから局長が悪いことをして昔追放というような問題が起った際にも、そんなこと心配いらぬ、おれにまかせておけ、絶対そんなばかなことをさせないからと、それからまあ組合、この全逓のわけですが、組合と対決して戦えと、しかもそれには家族を引き連れて戦えと、激励をある料亭に自分の出身の郡の局長を集め、さらに九州管内の幹部の特定局長の方々を集めて鼓舞激励しているという事実があったわけです。私はこれはまあゆゆしき問題だと思って、会議が終ったあとその人にいろいろ聞いてみたところが、何でもそのあとにそういう局長会官制の問題については何とか努力しようと、必ずやってやるからいうようなことまで言っておると、まあ聞いたわけですが、これは事実でないことを私は願うのでありますが、もしそういうことであれば、これは明らかに事業の中にそういう政治的なトラブルを持ち込んできて、神聖といいますか、中立であらねばならぬ事業政争の具に供せられるということにもなりかねまじき私は空気を察知したのでありますが、こういうことについて大臣はどのようなお考えを持っておいでになりましょうか。
  26. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 財務次官旅行先でどういうことを申しましたか、これ私は知らない、皆目わからないことですが、少くとも特定局長が自主的に組合なり何なりを組織して、そしてそのいろんな要求、あるいは生活の改善とか、あるいは今後のその特定局長立場、いろんな面においていわゆるわれわれと交渉するということについては、これは私は制限を加える必要がないと思います。しかし特に特定局長だけを別に何か特別機関のようなことにして、それに対して政府としてこれを、今あなたの御指摘のようなことをするということについては、私はこれは非常に問題があるのじゃないかと思います。
  27. 永岡光治

    永岡光治君 これはまあ本人がいないのでありますから、私はこれ以上の発言を差し控えて、いずれ本人おいでになりましたならば、この問題をただして参りたいと思いますが、ただそういう情勢がこの際にやはり最高責任者である大臣でありますので、国民のための事業の中にそういう政争の渦中にまき込まれるようなことは私はこれは避けるべきだと、こういう実は考えを持っておりますので、良識ある大臣監督権によってそういう動きのないように格段の御配慮をいただきたいと思うわけであります。そういうことにしてそれで私は……。
  28. 久保等

    久保等君 先ほどちょっと次官の方から御答弁のあった中で、永岡委員の質問しました自由任用制の問題について、最近何か問題が出ておるのじゃないかという質問に対しまして、特別最近になってということではなくて、従来からある程度いろいろ意見が出ておったという御答弁であったと思うのですが、自由任用制の問題にしろ、あるいは政治活動の自由の問題にしろ、事務当局そのものが最近特別に再検討を始めるといったような事態が出ておるのか、別にそういったことを、郵政当局としてそういったことに対して最近部外から連絡を受けたこともないし、聞かれたこともないし、また事新しく検討を進めておるといったようなこともないと言われるのか。その間の経緯をもう少しはっきり御答弁をお願いしたいのですが、郵政大臣お話しだと別にそういった事情は事あらためて話を聞いてもおらないしということだったと思うのですが、ただ事務当局の、次官お話しでは、そういう問題について従来から間々問題になって論議をせられておったという御答弁で、多少従来の経過についての御答弁があったのですが、その間もう少しはっきり御説明願えれば願いたいと思います。
  29. 宮本武夫

    説明員宮本武夫君) 私の申し上げましたのは、自由任用について別に従来陳情その他のことについては聞いておりません。あるいは政治的活動を認めろ、こういうことで何か陳情等がありました。外部からの働きかけというのはその程度でございます。要するに事務当局としまして、特定局の問題というのは郵政事業にとりましても非常に大きな問題でありますし、重要でもあります。従来ともこの問題につきましてはできるだけのいろいろ検討と申しますか研究はやってきております。別に事あらためて、事新しく検討を始めたということではございません。
  30. 久保等

    久保等君 今の次官の御答弁だと、そうするとまあ特定局問題云々という形ではなくて、全従業員という問題として政治活動の自由といったようなことに関連する点を検討というか、陳情等があって考えておるというか、そういうものに対して関心を持っておるという程度のことなんでしょうか。それとも特殊な特定局関係の問題という形の考え方なんでしょうか、その点ちょっとお聞きしたいと思うのですがね。範囲の問題……。
  31. 宮本武夫

    説明員宮本武夫君) 私の申し上げましたのは、特定局長についてある程度政治活動を認めてくれ、こういう意見に対しまして、私ども事務局長としましては特定局長だけをそうするというのは、その理由があまりはっきりしない。やはりこれはもしやるのでしたら三公社なみ職員全部について考えるべきじゃないか、こういうふうな方向でこの問題を検討していきたい、こういうふうに考えております。
  32. 久保等

    久保等君 次官のお考えははっきりしたのですが、ただ大臣は先ほど来の御答弁を伺っておりますと、何か非常に確信のないといいますか、ちょっと自信のほどがゆらいでおられるように承わったのですが、しかも特に大臣今までのことについてはもちろん何も聞いておられないが、たまたまけさほどお聞きになって、しかもそのことを何か気にしておられるような御答弁をされたのですが、私はやはり特定局長の問題であれ、あるいはそうでない全般的な従業員の問題であれ、これは郵政大臣の下における従業員の問題であり、また郵政事業の問題であるだけに、これは当然郵政大臣としての確信、御方針なり、お考え方がもちろんあるはずだと思うのです。それがたまたまちょっと新聞報道か、あるいは他のどこか外部考えておられるというニュースなり情報なりによって、もうそこに何かしら一種の含みを持ったような御答弁をされる必要はもうさらさらないのじゃないかと思います。従って少くとも特定局長の問題なり、あるいはまた、そうでない全従業員の問題にしろ、政治活動の問題については、これは従来から非常に問題のあるところでありますし、わけても、公共企業体労働関係法という、いわゆる公企労法の適用を受けるという事態ができて以来、特に法均衡法律均衡という問題からいっても、身分国家公務員法の適用を受け、片方は公企業体労働関係法の適用を受けるということで、これは法制的に見ても、また制度的に見ても、非常に大きな問題となっていると思うのですが、私はこれこそは単に思いつきの、部外のだれかれが言い出したという問題、あるいは陳情云々という問題とは違って、政府当局が早急に考え結論を出さなければならない重大な問題だと考えるのです。今のところ全然政治活動の自由が許されておらないという郵政の、特に現業職員の場合においては、どこに、国家公務員という立場政治活動は一切まかりならぬという根拠があるのかという質問に対して、はっきり答弁される方はおそらくおられないと私は思うのですが、そういう実情にありますだけに、従来から非常に問題になっていることでもありますし、この問題こそ今日真剣に御検討願って、ぜひ政治活動の自由を付与してしかるべきだと思うのです。公共企業体労働関係法の適用を受けている従業員に対しては、少くとも政治活動の自由は付与すべきだと思うのです。ところが、その問題が片手落ちになっているということは、これは非常に大きな問題だと私は思うわけです。従って、これから大臣にそういった方面の御見解なりを一つ十分に御準備を願ってお伺いしたいと思うのですが、そのやさき、たまたま新聞等の情報ということで、大臣けさそれをお聞きになった、その御心境を承わったわけですが、何かこうちょっとあいまいのような印象を受けるのですけれども、少くとも特定局長の問題については、ことさらにこれをピクアップして特別考慮せなければならないという理由は、先ほど来の各局長の御答弁を伺っておる範囲内においても、何ら見出し得ないと思うのです。従って少くとも、現行の状態について、郵政大臣としては当然そういう方針でいるが、ただ、私の今申し上げましたような公共企業体労働関係法、あるいは国家共務員法というような問題との関連性において、これは検討すべき問題については当然検討せられるということでなければならぬと思うのですが、その点何かちょっと含みのあるような御答弁、しかも、けさほどお聞きになったということで、多少、こうお考えがまとまっておられないのではないかという印象を受けたのですが、その点一つ大臣の方から明確に従来の態度、今日のお考えというものを、そういう情報等によって左右せられない確たる御見解として承わりたいと思うのです。
  33. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 私としては、常識的には、ただいまのあなたのお考えと全く一致しております。ただしかし、今日のその政治的な制約を受けておるということ、特定郵便局長も含んでのすべての逓信従業員がこういうような立場にあるという、この陳情のよってもってきたこの理由等を深く詮議いたしまして、そうしてここで責任のある御回答を申し上げるのでなければ、ただ思いつきで、常識的にはごもっともだと思いますけれども、今直ちにここで私はこういうふうにいたします、ということはちょっと申し上げかねますので、もう少し研究の時間を与えていただきたいと思うのです。
  34. 永岡光治

    永岡光治君 大臣研究されるそうで非常にけっこうですが、せっかくそういう動きも出ておるのですから、私たち社会党としては、全く何といいますか、非常にけっこうなことだから、ぜひつまり郵務局長さんの御説明を聞いても、区別する理由管理職として何もないし、それから次官のお話を聞きましても、三公社五現業と比較して全く同一に取り扱かってよろしいという気持ちをお持ちになっておられるし、大臣も、ただいまあるものだけをピクアップしてどうこうというお考えもないのですから、この通常国会にはぜひ一つ他の公共企業体の従業員並みに取り扱っていただくよう自民党の政策に反映してもらうようにお願いをいたします。よろしゅうございますか。政務次官、ちょうどあなたいいところへ来られましたので、欠席されてあれしちゃ悪いと思ったのですが、十二月一日に全逓中央委員会がありまして、ここに久保委員おいでになりますが、参りまして傍聴しておりましたところが、特定局問題について、政務次官が、私はそういうことはないと思うのですが、ゆゆしき行動をしておるという発言があったわけです。そういうことはないと思うが、ということでだんだん聞いておったのですが、大体こういう趣旨のことを言っておりました。それは、鹿児島県の指宿というところで、その鹿児島県内ですか何ですか、局長さんを集めになって、九州管内の有力な幹部を集めて一場の訓辞を与えた。その中には、今家族によって運営されておる特定局、これは非常にいいんだ、従って今から二十年前に特定局の請負制度というのが廃止されて、今日のような直轄になったんですが、その二十年前の請負化方向に努力しておる、政務次官として努力しておる。さらに局長がいろいろ事故とかを起して、全逓あたりでずいぶん問題になっているが、心配するな、絶対にそういうことはさせないから安心しろ、それから組合と対決して戦え、家族の従業員を引き連れて大いに戦え、と鼓舞激励しておる、そういう実は発言があったので、これは、私は国民のサービス機関である郵政事業が何か政争の混乱に巻き込まれることは好ましくないというように私は感じましたので、少くともやっぱり政務次官となれば、郵政省におきましても、重要なポスト、大臣に次ぐ重責でありますので、もしそうだとすればこれはしかるべき機会において明確にしなければならぬと思いますが、そういうことは私はないと信ずるのですが、政務次官、あなたこういう鼓舞激励のような気持ちを今日でも持っておいでになるのか、またそういうことがあったのかどうなのか、それを一つ知らしていただきたいと思います。
  35. 上林山榮吉

    政府委員(上林山榮吉君) 今永岡委員の言われたようなことはございません。しかし、特定局運営についていろいろと陳情を受けたことはございます。なお、これに対してどういう考えを持っておるかということになりますと、研究を要する点が多いので、ここで確言する時間的余裕も持っておりませんが、よく研究した上でお答えいたしたいと思いますが、組合側からもいろいろ陳情をやっぱり特定局について承わって参りました。また特定局長の方からも承わって参りましたので、双方の陳情を受けて参っております。鼓舞激励というようなことはございません。
  36. 永岡光治

    永岡光治君 多分政務次官の人柄を知る私どもとしてはそういうことはなかろうと思うのでありますが、お答えで安心をいたしましたが、そういう政争の混乱の中にこの事業が巻き込まれるということのないように、くれぐれも御配慮いただきたいと思います。  それからさらにこの際質問を続けますが、先般来新聞紙上でも御承知でありましょうが、今次春季闘争について、自民党とか、あるいは総評、あるいは社会党、あるいは経営者連盟、こういうことで、その賃上げ要求が妥当であるとか不当であるとかということが論議されておることは御承知通りであります。このうちの一還として、一還といいますか、郵政職員全逓組合も賃金の引き上げについて要求をして、大臣のこの前の委員会における報告がありましたように中央調停委員会に付されております。こういうことでありまして、これについてただそういう経過報告だけにとどまっておりますが、私は明確にしておきたいことは、調停委員会において結論が出る、たとえば若干の引き上げをすべきである、こういう結論が、調停が下された際、郵政当局郵政大臣はこれを受諾する腹なのかどうなのか、その点を明確にしておきたいと思います。
  37. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これはそういう場合にどういう回答をするかという点については、政府全般の問題でありますので、その事態がはっきりした上でなければ確かなお返事はできないと思います。
  38. 永岡光治

    永岡光治君 大臣はきわめてうまい答弁をされるわけですが、それは政府全般で最終的には検討されると思うのです。ところで郵政事業をお預りになっておる郵政大臣として、あなたの部下である職員の待遇について調停委員会から何がしかの引き上げをすべしと結論が出た際に、これを閣内にあなたは持ち込んでやってくれということにするのか、あるいはそれともまあまあ全般の様子を見た上でじっくり考えようというのか、その辺の意気込み、決意といいますか、それを私はお聞きしたいわけです。
  39. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これは国全体の財政また特に私といたしましては、郵政省の与えられた予算の許す限りは、自分の大事な従業員でありますから、それは大いに努力いたしますが、しかし非常にめんどうなまたむずかしい問題で、今ここで私がどういうふうになったからどうということはちょっとお返事いたしかねるわけです。
  40. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  41. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記を始めて。
  42. 津島壽一

    ○津島壽一君 郵政大臣にちょっと簡単な質問ですが、二、三ありますがきょうは時間がありませんから来週またあらためて追加いたします。  前回のこの委員会で国際電電会社の株の処分についての御報告があったのですが、それで大臣所管事項の御説明の中にも、売却代金を公社の建設事業に充当する、こういうので今予算措置についてせっかく交渉中だ、こういう御報告がありました。それでまだ交渉中だと思いまするが、大体の御方針はこの売上代金というものをどういった費途に充当するかという方針ですね、それを承わっておきたい。というのは、すでに所管事項の御説明の中に、公社の総裁もいろいろ来年度の事業計画についての御説明の中に、たとえば町村合併に伴う電話局の何というか増設というか、また改造というか、そういったことが十分でないような印象を受けたんですね。それで御質問申し上げる点は意見にも触れますが、あの約九億円、八億九千何百万円かは来年度の建設資金に追加すべき方針のもとに予算措置の交渉中であるというのか、または既定の予算の中で社債の発行等が多いから、これはなかなかむつかしいかもわからんから、こういった資金を振りかえて全体の事業計画は、既定予算というか、今日提出されておる予算とは変らないという意味の、ただその収支の関係をちゃんと法律上に合うような予算措置という意味であるか、これは非常に重大な関係があると思う。それで売上代金というものは三十年度で措置されて、これは三十年度の収入ということにしていって、これで三十年度の決算をするのか。または何らかの方法でこれを三十一年度の収入財源にして三十一年度の公社予算に補正をするのか、その補正というのはいわゆる建設計画を追加するという意味ですが、そういった意味においてこの予算措置について目下関係当局、大蔵省と思いますが、交渉中である、こういうのでありますから、まだ結論にはなっていないと思いますけれども、全体の事業計画を審議する上で、ここに九億円という新しい財源というものがたしかあるんだから、これらを一つ補強、強化したらどうかというような考え方を……、これからも意見を述べる機会もあると思いますが、要約すれば電電会社株の処分による、一時的でありましょうが、公社の増収は三十一年度の既定予算に何ら影響なく端的にこれを追加するという方針のもとに、関係当局と予算措置について御交渉になっておるのか。それはまだ交渉中のことですが、しかし方針としてはどうだというくらいのことは一つここで何か申していただけば、このあと事業計画を判断する上に非常に大きな参考になると思います。ちょっとこの点を伺っておきます。
  43. 村上勇

    国務大臣村上勇君) この点は私も非常に関心を持っておることでありまして、今目下当局と交渉中でありますので、総理局長が交渉の任に当っておりますから答弁いたさせます。
  44. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 御答弁申し上げます。約九億に近いお金が、近く公社に大蔵省から株券の代金として入る予定になっております。一般会計といたしましては、これは予算措置を必要といたしますので、当然予算の補正をしなければならぬように承わっております。私どもの方の予算関係におきましては、公共企業体におきましての弾力条項というものが予算総則にございまして、この予算総則の適用によって本年度、三十年度の予算の弾力条項によりまして九億弱の金を、大蔵省では建設勘定の支出権限の拡張をしてくれる予定になっております。従いましてその使途につきましてはただお金が入るというだけではなくて、当然支出権限でございますから、その支出の対象となりまするところの新たなる建設工程を追加いたしまして、それをもって政府当局の認可を得てこれは予算がふえるわけであります。しかしながらこの補正予算一般会計ででき上り、それから私どもの弾力条項による認可が政府からおりるということは、おそらく三月にならなければできないことであります。従いまして、そのときになってその工事を本年度に完了するということはできませんので、必然的にその支出権限は本年度に繰り越されることになります。従いまして実質上は来年度の五百五十五億の予算のほかにそれだけの繰り越しが、本年度の工事にも多少の繰り越しはございましょうが、そのほかに九億弱の繰り越しが増加されることになると思います。工程といたしますと、私どもは御案内のように五百九十二億の予算政府当局に要請いたしたんでございますが、遺憾ながら五百五十五億で査定を受けて参っておりますので、予定すべき工程がまだたくさんございますので、これを早く入れて来年度の工事の拡張に当りたい、こういう段取りでございます。
  45. 津島壽一

    ○津島壽一君 それでは重ねて、非常に専門的になりましたが、もっと納得のいくようにお伺いいたしたいと思います。三十年度の歳入として九億が入る。それは弾力条項によって本年度内に建設計画に使ってもいい。使えなければそれを三十一年度に繰り越してやろうという予定だと……。そこで伺っておきたいのですが、三十年度のこの建設に要する社債の発行のことですね。このいただいた資料を見ると、昨年中、十二月末まではすでに債社、一般募債の方ですが、四十二億五千万円発行している。一月から三月までの発行予定が三十二億五千万円も残っているわけですね、全体七十五億で……。それで一月の発行状況は承知しておりませんが、二月、三月で三十二億も発行しようという予定で、これによって財源として建設計画をやろうというのですが、万一この電信電話債券の発行が、市場の状況その他によって社債発行による収入が減る。そうすると一方こういうものがあって、これはこれで別に繰り越すんだというような措置ができる見通しが確立しないと、今おっしゃったように、弾力条項で取ってきた金は債券の発行額が少いから、それで決算を通じて埋めてしまいたいということであれば、それはどうなるかということで、そこのところがちょっと懸念されますので、債券発行がどうなっているか。それから既定の財源で、既定のいわゆる拡張計画というものがまかない得るようなことであるから、本年度は予算の措置を講じないで、電電公社側としては一般会計じゃなくて……、であるからこれは来年度の繰越資金として、さらに事業計画も追加できる、こういうのであるか、そこのところを一ぺん納得のいくように一つ説明をわずらわしたいのですが。
  46. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) ただいま津島先生からの御質問のようなことでございます。今年度の七十五億の公募債のワクは、現在のところ一月も経過いたしましたので、一月に十二億五千万円発行済みでございます。これは即日売り切れになりました。残すところは二十億という額が残っておりますが、これは二月が国鉄の番に回っておりますので、私どもは三月にこれを起債することになっております。で、見通しは現在の金融状況からしますならば、先生御案内のようにおそらく満額完全消化という見通しは確実でございます。従いまして本年度の建設勘定の資金の裏づけというものはきわめて安心でございまして、先ほどの御質問のような九億弱の金が入りまして、それは本年度の資金不足のために本年の金の穴埋めに使うということはなくて済むだろうと思います。
  47. 津島壽一

    ○津島壽一君 よく了解しました。それでけっこうだと思います。それで三十一年度の事業計画がここに九億何がしの余裕ができたと、こう見ていいというようなお話しだったと思います。そこでそういったものの予定外のここに相当額の収入を得て、繰越事業の形態であっても、いずれにしても三十一年度の事業計画が拡張し得るという見通しがあるとすれば、政府というか、公社側というか、これはこういうことに充てていこうという予算ですから……、しかしこれは予算だけれども、繰り越しがもうわかってしまっているような予算ですね。でありますからどうかその点について、まあいつかの機会に、これはこういうふうに一つ拡張をさらにここを重点的にやろうというような御計画も御説明願うということを希望いたしまして、私は非常に満足だと思いますから、私の質問は終ります。まだ二、三ありますが、次回に……。
  48. 永岡光治

    永岡光治君 それでは質問を続けますが、大臣そう警戒されて答弁されなくてもけっこうです。私はここでこういう答弁をしたからこうだというような何も子供らしい考えを持っておりませんが、調停が出まして、大臣お話しによれば、できるだけ予算が許せば入れたいとこういうお話なんですが、予算案を見ますと、余裕のある予算を組んでいるのかどうかということについて私は疑問を持つわけです。たとえばかりに千円のベース・アップが、調停案として出た場合に、のめるのかのめないのか、その辺のところをやはり一応聞いておかないと困ると思うのです。どうなんでしょうか。若干ならばのめるという余裕を持っておいでになるのか。
  49. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 一般昇給規程による昇給は、大体ちょっとこれも非常にめんどうなところがありますけれども、これは何とか方法をして私はどこまでもやっていきたい。しかし御指摘の、今こういう調停が出たから、その調停が非常に妥当なものだというお考えでありましても、私どもの方の予算面から申しますと、これは必ずしも妥当でないのでありまして、これはちょっと三十一年度予算でその調停案をのんでいくということは不可能じゃないか、かように私は考えております。
  50. 永岡光治

    永岡光治君 それは調停案が出れば、今ここですぐどうこうということはおそらく私も無理な答弁だと思いますが、しかしお願いしておきたいことは、政府もきわめて強い態度、あるいは与党である自民党の機関におきましても相当強硬の態度で臨んでおるようですが、まあ賃上げの理由はないということをしきりに言っておりますが、私たちは必ずしもそういう見解はとっておりませんが、公正である調停委員会がベースの引き上げが妥当だということになれば、過去二年間にわたっての賃金引き上げというものはストップされておる今日ですから、私は当然それを入れてもらわなければなりませんし、その際における予算の措置というものは、これは面子にこだわることなく、やはりこの国会において善処するように、大臣の方から特段の御配慮をいただきたいと思いますが、今大臣発言の中ではしなくも御発言になりましたが、定期昇給の問題について、これは完全に確保しているのでしょうか。というのは、この前労働大臣にお会いして尋ねた際の労働大臣の御答弁は、定期昇給だけは完全に確保しておるからということをしきりに回答もし、世間にもふれ回っておるのですが、この点は郵政当局の場合には、明らかに定期昇給というものについては完全に確保してある、こういうように解釈していいわけですか。
  51. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 必ずしも完全にとは申されませんが、大体にまあ私はその御期待に沿えると思っております。
  52. 永岡光治

    永岡光治君 完全にということは言えないというと、そうすると、定期昇給できない人があるのでしょうか。大臣があれでしたら事務当局からでもけっこうです。
  53. 八藤東禧

    政府委員(八藤東禧君) お答え申し上げます。定期昇給の三十一年度の国会に提出しました予算では、大体四%の原資を積算してございます。
  54. 永岡光治

    永岡光治君 四%の原資ということになると、これは完全に定期昇給できましょうか。
  55. 八藤東禧

    政府委員(八藤東禧君) 御存じのように昇給のやり方は予算の上に積算しておりまする定期昇給原資と、その年度内における新陳代謝等その他のことをあわせてまかなって参りますので、三十一年度にどの程度まで職員の新陳代謝があるか、それから一体どの程度まで昇給原資に回し得るような金が出てくるか不確定でございます。従って私が今日申し上げますことは、決して全部確立した見通しとして申し上げるわけじゃございませんが、それを御承知おきでお聞き取り願いたいのですが、非常にむずかしい問題でございます。そこが大臣のおっしゃいました完全にということではないということであります。むずかしいという理由の中にはいろいろございます。まず第一に、端的に申し上げれば、前年度よりは昇給原資の見込みが落ちておる。この点においては本年度はどういうふうにまかない得るかという見通しを立てることは非常にむずかしいのであります。第二点は、定期昇給にもいろいろございまして、昇給資格の者について取捨選択が行われる建前になっております。その扱い方いかんということも、そういう情勢に応じてどう立てるかということにおいて、ただいまのところ不確定でございます。以上をあわせまして、完全に、いわゆる機械的に前年通りいき得るかどうかということはむずかしい。これが大臣の必ずしもとおっしゃったところでございます。
  56. 永岡光治

    永岡光治君 私たちがいうところの定期昇給という概念は、定期昇給の資格を持っている人の中から何%かとるのではなくて、資格がきたならば全部という、そういうことを前提にしてお聞きしておるわけですが、四%という定期昇給の原資しか確保されていないということは、これだけでは、今のお話しによれば必ずしも十分でないので、他のいろいろな考慮を払って、できるだけ期限の来たものについては、機械的に定期昇給ができるように努力したい。しかしそれは果してそこまでいけるかどうか、今のところわかりません、要約すればこういうような答弁だと思います。それでは困るんですよ。定期昇給の原資というものは、やはり期限が来れば昇給できる。これでなければ意味をなさないので、そういう原資を確保してないということであれば、私はこれはぜひそこまで取ってもらわなければ困ると思うんですが、なぜ郵政大臣は、大蔵当局との交渉に当って、完全に定期昇給ができるように努力されなかったのでしょうか。非常に私は郵政職員にとっては不親切なあり方と思うんですが、どうでしょうか。倉石労働大臣は、定期昇給だけは各官庁やらせるというのですが。
  57. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 極力努力いたしましたが、政府全体の問題でございまして、郵政省だけが原資四%というのではないと思います。しかし郵政省としては、少くとも御指摘のような昇給ができるように、あらゆる面で努力をしようと思っております。
  58. 永岡光治

    永岡光治君 まあ努力されるのは当然であると思うのですが、見通しとして、やはり実績でおおよその見当はつくと思うんですが、定期昇給はこの原資でできるというお見込みを持っておいでになるのでしょうか。
  59. 八藤東禧

    政府委員(八藤東禧君) 先ほども申し上げましたように、非常にむずかしい問題でございまして、ただいまのところ、できますとも申し上げられませんし、できませんとも申し上げられないのでございまして、そこがまあ私たちの方はいわゆる企業官庁といたしまして、一般官庁と違った経理方法をやっておるわけでございまして、その点は永岡先生よく御承知通りでございますので、御了承願います。
  60. 永岡光治

    永岡光治君 私はあえてこれ以上は追及しませんが、倉石労働大臣は、一般官庁では定期昇給は完全にさせる、こういうことを言っておりますし、当然これは他の三公社、五現業についても、たとえば郵政のごときについては、企業体でない職員もかかえておりますし、農林省についても同じことが言えるわけです。大蔵省しかりです。そういう関係から、当然私はこれは完全昇給の原資を確保しておるものと思っておりますが、定期昇給だけは完全にぜひ一つ実施してほしいということを重ねて要望しておきますが、先ほど申し上げました調停案が出た際には、これは予算がないとかあるとかいうことで、再び仲裁委員会にかけることなく、私は何がしかのものが出るであろうと期待をいたしておりますが、政府の態度としては、それを尊重する御意思でなくては、公務員だけはどうも違法な行動をしたならば断固取締るぞ、政府は法律は守らなくてもよろしいんだ、こういう片手落ちになりますから、この辺のところは十分一つ大臣も腹をきめていただきたいと思うんですが、この点一つもう一回大臣から決意のほどを私は承わりたいと思うんです。
  61. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 御意見は私よく拝聴し、またほんとうに何とか財政のやり繰りがつけば、私どももどうにかしていきたいということは考えますが、何さま全官公庁諸君のことでもありますし、また国家財政のこの状態から、果してどういうふうになるかということについては、郵政省だけでこうとかどうとかいうことは、ちょっと私はこの機会に確答は困難と思います。
  62. 永岡光治

    永岡光治君 非常に慎重な御答弁ですが、それはいずれ調停が出ましたら委員会も開かれることでしょうから、その際にただすことにいたしまして、もう一つ郵政当局に、これは最近起きた事件でお尋ねするわけですが、米子の自衛隊で、この前小包の中に信書が入っておった、それを検査したその局員に対して思想調査を行なったということで、それはけしからぬじゃないかということで当委員会で究明いたしましたところが、そういうことは絶対にいたしませんという答弁をいただき、その後郵政当局も万全の措置を講ぜられたことと思うのでありますが、そのやさき、この委員会で問題にしてから後に、また同様事件が同じ広島管内で起きたと承わっておりますが、これは監察関係で実情を把握されているんでしょうか、私の質問が初耳でございましょうか、どちらでございましょうか。もしおわかりでしたら、その経過を御説明いただき、どのような措置をとっているのか、重ねてこういう事件に起きるということは私はおもしろくないと思うんです。
  63. 久保威夫

    政府委員久保威夫君) ただいまお尋ねの自衛隊関係の郵便法違反のその後の郵便法違反につきまして、米子の事件の以後に起ったものがあるのではないか、こういうお尋ねでございますが、これが一見いたしまして、それは土浦の航空自衛隊から差し出されました小包が、鳥取県の境の航空自衛隊の美保派遣隊と申しますか、そこにあてました小包が境局に誤送されまして、ところが多少破損しておりましたので、それを修補いたしますときに、信書が合送されておると疑われましたので、これを差し出しの土浦局の管轄いたします土浦航空自衛隊の方へ差し戻すことにいたしたわけでございます。これは水戸の監察官事務所におきまして調査いたしましたところが、これは何かその送り状の内容が、これについての意見を聞かしてほしい、こういういわゆる信書の扱いになるべき文言がありましたために、これは信書であり、こういうものを合送してはいけないのだというので注意をいたしたわけでありますが、たまたま米子の問題もありました際でありますので、こういう点については、つとにもう自衛隊の方からそういう指令があるはずではないかという点を確かめたのでありますが、たまたまその調査をいたしておるじぶんに、そういう通牒が土浦の航空隊の方にあったということでございまして、特に今回に限り所定の処置をとりまして始末書を取り、そして還付をいたしたわけであります。なおちょうどこれもございまして、たまたまこれはまあ郵務局長の方からお話しいただいてもいいのでありますが、郵政省として次官名をもってこれらの点についての厳重な注意をしていただくように、防衛庁の方に通告をいたしたわけでございます。
  64. 永岡光治

    永岡光治君 私は重ねてこういう事件が起ることはおもしろくないと思いますので、次官名でやられた、文書をもって申し入れをされたのでありますが、今後何かもう少しはっきりした確証といいますか、これらに対する保証を当局でも取られるように特に要望いたしまして、一応私の質問はこれで終りまして、あと時間内に、もしほかの方がなければさらに質問を続けたいと思っております。
  65. 久保等

    久保等君 この間の郵政大臣一般的な御説明の中で触れておられなかったのですが、非常に大きな問題だと思うのですが、三公社に対する固定資産税の創設問題について、私は全く新しい一つのこういう問題を迎えて、いろいろとまあ政府においても考えるところがあったのだろうと思うのですが、一応この固定資産税をなぜ特に三公社から取るようにしたのか。今度の昭和三十一年度の予算では、金額にして約七億円ということをこの間総裁の御説明であったのですが、しかしこれも三十一年度の予算についての話であって、自後やはり逐年増加していく傾向があるし、最終段階においては相当な金額になることも考えられるのですが、まあそういうことについての問題を一応経過大臣の方からちょっと御説明を願いたいと思います。
  66. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ごもっともな御意見でございますが、私どもとしては大体この三公社から固定資産税を、どういう名目でも税金を取り上げるべきものではないと思っておったのでありますが、たまたま地方財政、特に市町村の非常に赤字が大きくて、これを何とかしてカバーしなければならないというふうな立場から、どうしても三公社からも幾らかずつの金を出してこれを、赤字を埋めてほしいというようなことから、大体その額は固定資産税に相当する額を要求しておったのであります。いろいろと公社の方とも相談し、かつ省内におきましても相談した結果、とにかく固定資産という名目ではいかないけれども、交付金の形で七億七千万程度のものを出すことは、これは地方の市町村の非常に窮乏を救うためにやむを得ないのではないかというような、理論的な根拠は私どもまだ研究は足りていませんが、そういうような意味で一応了承した次第であります。しかるところ、その後自治庁の方ではこれを固定資産税として取り上げるということになりましたので、私は極力これに反対して、固定資産という名目は一般私企業と同一にみなされることをおそれると同時に、固定資産ということになれば、実際赤字を持って悩んでおる貧弱市町村を救助するということが、かえって逆に富裕な市町村に金が入るというようなことになるおそれがあるので、この点はどうしてもこの金を出す意味からいっても、どうしてもこれは交付金の形にして、まあ財政上困難な市町村に極力入れるような措置を講じてもらいたいというので、まだ本日の閣議では、本日も閣議がありましたが、まだその最後の決定はされておりません。しかし次の閣議には交付金の形でということになりますので、そういうことになれば、私どもとしてもこれに対してやむを得ず了承したいと、こう思っておる次第でございます。
  67. 久保等

    久保等君 その三十一年度の繰入金といいますか、金額は七億七千万円だというのですが、今大臣の言われる一応了承ということは、これは私、これからいろいろ大臣のお考えを十分に一つお尋ねしてみたいと思うのですが、非常にまあ大臣は結論的に了承したと言われるのですが、これは非常に大きな問題だと思うのです。ただ七億七千万円という金額は、明後年度もその次も同じような金額を自治庁に繰り入れるのですか。そういうようなことなんですか。今後の見通しですね。どういう扱い方をしていくのか、金額の面ではですね。
  68. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 大体三十一年度に限りましては四分の一という計算でその額をきめたいと思っております。
  69. 久保等

    久保等君 三十二年度、三年度も同じことだということですか。その方針ですね。
  70. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 三十二年度からはその倍になると思います。
  71. 久保等

    久保等君 その倍だということになると、結局そうすると十五億四千万円ですか。それで最終的にずっとそのまま持っていくということですか、その後の年度は。
  72. 村上勇

    国務大臣村上勇君) もちろん資産がふえれば……。その取り上げる額は固定資産を標準にすることになっておりますから、資産がふえればふえてくると思いますが、しかしこれは私としては三公社からこういう税を取るということは、たとえ交付金の形であっても、これは感心いたしませんので、この点については、これはでき得る限り少くするというような考え方で参りたいと思っております。
  73. 久保等

    久保等君 方法の問題がたまたま交付金といったような形になるというか、なったというか、大臣の現在の交渉過程はどういう状態なのか。よくこまかいことはわかりませんが、しかし本質的にはやはり固定資産税という考え方からスタートしていると思うのです。従って私はこの三公社の固定資産税を新しく設ける。また方法として交付税といったようなことが、実際面の事務上の問題その他をろいろ考慮した結果、形は変ったにしても、もともとのスタートの考え方というものは、やはり固定資産税というようなところからスタートしていると思う。そうだとすると、地方税法の問題も、これは根本的に私は検討せられたと思う。まあ大臣承知だと思いますが、例の三百四十八条の非課税の範囲ですね、今日まで地方税法で課税の対象から、固定資産税の課税の対象からはずしておりまする問題については、十数項目あげて規定があるわけです。地方税法の三百四十八条ですね。その中には電電公社、あるいは国鉄、専売といったようなものもあるし、それからまた、その他いろいろたくさんあるわけです。そういったものを私は一切がっさい一応検討せられたと思うのです、これは当然。そうすると私は、少くとも一体、今日の電気通信事業というものの現状考えます場合に、固定資産税を地方税として取り上げるという問題、なぜこういう形の結論に落ちついたのか、非常に実は疑念を持つわけなんです。その間の経緯について大臣から一つ事情がありますれば、伺いたいと思います。
  74. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これはもう久保委員の御意見と私も同感だったのです。しかし結局、三公社からそういうような形、どういう形でも税を取り上げれば、それは結局その経営がうまくいかなくなる。うまくいかなくなれば、その点は通信料金なり、あるいは鉄道でいえば運賃に影響してくる。むろん値上げをしなければならないようなことになるおそれが生じて参りますので、できる限りこういうものからは、こういう三公社を課税の対象にしないようにということを私ども希望しておるところであります。しかし国全体の財政から見まして、地方財政、特に市町村の赤字は見るに忍びないし、これに見合うべき財源もない。しかも一面には、国有林、国の財産ですら地方市町村に対しては交付金の形で金を出しておる、援助しているというような点からいろいろとくどかれまして、結局この程度なら何とかやりくりできるのじゃないかというので、やむなく承知しかかっているところでございます。
  75. 久保等

    久保等君 これは私、今たまたま三公社という言葉を使って御質問しておりますが、三公社の中でもいろいろこれはまた事情が違うと思うのですよ。特に専売等の場合は、これはまたおのずから考え方が違うのです。本質的に事業の性格その他の面から違うと思います。それをやはり同じような形で扱われたということについて、私はやはり郵政大臣として電通事業に対する理解の仕方が、一体どういう考え方でおられるか、ここに非常に問題があると思うのですよ。よく大臣御存じだと思いますが、かつて昭和九年に特別会計制度が実施せられて、そのときに大蔵省は、今日の大蔵省以上に非常に羽ぶりのいい大蔵省でもあるしするので、交換条件という形でやはり一般会計に対する納付金という制度を作って、当時は七千八百万円程度の納付金を実は取り上げておったという歴史があるのですが、それがその後ずっと年々歳々増額されていって、昭和十九年ごろの最終段階においては、二億二、三千万程度の金額が、年々電通事業から実は取り上げられておったという経過があるのですが、その当時のわずか十年か十一年くらいで、総額にしても実に十三億に近い金額が一般会計並びに当時の軍事費予算の中に取り上げられておったという歴史があるのですよ。それで十二、三億といっても、今日の貨幣価値に見積れば五、六千億の金になると思う。今日の電気通信事業がどういう状態に置かれておるかというと、その当時の一つの大きなしわ寄せが、ある程度今日の非常に立ちおくれた結果を招来した原因にもなっておると思います。これはこの間の、この間というか、昭和九年から昭和十九年ごろまで実は続けられておった制度であります。そのことが、あるいは通信復興のおくれた原因にもなるし、それからまた、今日の立ちおくれた原因にもなっておるといわれておる。しかも、その経過をたどってみると、当初の繰り入れ七千八百万円というものがだんだんふくれていって、最後には二億二、三千万一般会計に繰り入れておる。それにプラス軍事予算ということになったから、非常に金額がふえたという結果になって、やはり今日、年々五、六千億に上る莫大な金額が当然一般会計、軍事予算に吸い上げられたということは、通信事業にとって非常に取り返しのつかない今日の実態を招いておると思うのです。今度たまたままた、こういう制度を復活というか、こういう歴史から考えると、復活にもひとしいのですが、やはり地方自治体の財政の窮迫をしておるしわ寄せを、こういった電気通信事業に求めるということは言語道断だと思う。地方税法三百四十八条の中には、当然これから取ってもいいと思われるところがある。商工会議所の関係については、これは非課税の対象になっておる。その他いろいろ帝都高速度交通営団とか、ああいう方面も当然含まれておると思います。それに似通ったようなものがたくさんあるわけであります。従って私は、そういう税制の均衡というか、体系という問題から検討しても、相当本質的に問題があるのじゃないか。そこに加えて、電気通信事業現状というものを十分郵政大臣として特に御理解と御認識をいただかなければならぬと思うのであります。昨年というか本年度の、昭和三十年度の予算の成立した経過を調べてみても、昨年の今ごろだったと思いますが、当時の前郵政大臣あたりの見解では、今日非常に大きな問題になっておる例の町村合併の問題についても、全然それに対する建設資金というものが閣議で削除せられた、ゼロになっておるということをこの委員会で報告せられて、それはとんでもないことだ、これだけ大きな社会問題化し、政治問題化しておる町村合併に伴う通信の整備というものは非常に大きな問題だと思う。それについて資金がないからというので一銭も回さないということでは、とんでもないことだ。初年度からそういうことだと、永久に見通しが立たないから、あらん限りの尽力を願いたいということをお願い申し上げ、激励もし、結論的に五億円というものが、難産に難産を重ねて、五億円程度の電信電話債券の発行を認めようということで大蔵省が譲歩せられたという報告があったのですが、あれは五億円をめぐっての問題だと思う。そういう経過をよく見てみますと、七億七千万円という金額は、今日の電気通信事業からいって、出し得る金額だということはさらさら言えない。御存じのように、すでに電信電話拡充五カ年計画というものは、昭和三十一年度で第四年度目に入るわけです。さらに次の七カ年計画なりを策定しなければならぬという実情にある。私は、そういう建設途上非常に重要な時期において、この委員会なり前の電通委員会で、衆参両院ともに累次、建設資金の確保について政府は格段の努力をしろということは、口がすっぱくなるほど、決議を何回やったか知れない。そういう実情の中で新しく、地方自治体の財政が窮迫しておるからという理由で、電電公社に対しても地方税という形で、形はどういう形であろうと課税をして、そこから吸い上げていくということは、私は郵政大臣として結論的に了承したからということは、いかなる経過があったにしても、絶対に承服し得ない問題だと思う。そういう過去の経過等もあり、今日伝えられるそういう七億七千万円の問題は、非常に資金難にあえいでおる実態からいって、大蔵省当局に対して、なぜ一般資金の財政支出なり、あるいは財政投融資をやらぬかということを常にやかましく言われておる問題であります。なお電信電話の債券の公募とか、利益者負担という問題も、この問題もいつまでもそういう形に頼ってはいけないと思う。そういう問題をかかえ込んでおりながら、今度は無条件で、のしをつけて税金を納めますということは、今の電気通信事業の実態からいって、いかなる形をもってしても成り立ち得ないと思う。理論的な根拠についても明確でないという御説明が先ほどあったのですが、理論的な根拠こそ十二分に明確であっても、今日の実態はそういうものに応じ切れない実情にある。ましてや、理論的な問題をうやむやにされながら、金が足りないからよこせということで了承したというのでは問題じゃない。今年度限りということなら、また考えられないこともないが、しかし、制度化されるという問題については、絶対承服できない今日の実態ではないかと思う。御承知のように電話の普及状態などを例にとっても相変らず世界で二十二番目だとか二十三番目の状態にある。こういう状態にあるから、建設資金というものは決してぜいたくだから建設するという段階ではない。建設しなければ電気通信事業というものの運営が円滑に運営できないという実情だと思うのです。なまじっか建設資金だから、一般公社なり他の事業なんかで考えると、余裕があれば建設していくのだというような印象を、しろうと考えには持たれる危険性があると思うのであります。建設資金といえどもこれは最大限に確保して、これは建設計画そのものがある程度ここのところでもう十年したら一応建設計画が終るのだ、十五年したら終るのだという見通しが少くとも立ち得る段階まで早く持っていくべきだと思う、政府としては。ところが、年々歳々五里霧中で、今いくら建設しても泥沼みたいなものだというような状態にしか今ない。そういう状態における建設資金の確保ということは、これは非常に重大な問題だと思う。従来何らの財政支出なり財政投融資がなされていない、その上に持っていって今度は現ナマというか、それこそ貴重な建設資金を向うに持っていくというようなことは、かりにどういう立場から考えても承服しがたいと思う。郵政大臣いかがですか。
  76. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 考え方につきましては、久保委員と全く私は同じであります。あなたと同じような、もっと激しい言葉で私も闘争とでも申しますか、いろいろと協議を続けたのでありますが、しかし、国全体の財政から考えてみ、また特に非常に市町村財政の窮乏しておるというような点から、どうしても私一人がこれに異議を唱えましても、結局これはやはり一面国務大臣としてどうすることもできなかったというのがまあ実情であります。しかし、少くともたとえ閣議がどうきまりましょうとも、国会において公正な御審議を願ってその上で最終決定をすることがあります。私もあなたと同じように、これが一つの時限措置であるということを念願いたしておりますが、そういうような点につきましてもなお今後相当考慮する必要があろうかと思っております。ただしかし、この際郵政事業についてもそのような議論は成り立ちますが、よそのことを申し上げて失礼ですが、鉄道にしても今赤字を続けておる際に、この地方財政の赤字については特段の措置を考えてやらなければいかぬというようなことになりますれば、電電公社のみがこれからのがれることはなかなか困難じゃないか。こう思いましていろいろな制約をそれに付して、しかも、固定資産税という名前になりますと私企業同様の取扱いを受けて一般の工場、会社等と同じように将来扱われることをおそれまして、これを交付金の形にしようということでありますので、自余の点につきましては私も十分考えて各方面と打ち合せをいたしまして、なるたけこの措置が永続性のないようにいたしたいとは思っております。
  77. 久保等

    久保等君 これが時限措置であることにしたいという大臣の御答弁ですが、私はかりにそういうことが了承されたとしても、当然これは昭和三十一年度ならば三十一年度のやはり状況によって、私はその年度、年度で話し合いになり、それから、いわゆる考えられていくべき問題だと思うのです。少くともこういったものを制度として作り上げるということは、非常に私は悪制度だと思うのです。それで法的な措置も必ずしも今のところ明確でないようですが、どういう方法で、どういう点を、どういう形の法律改正という形でやられるのかはっきりしておらないのでしょうか。法律的な問題の措置は措置で明確になってきておるのでしょうか。関係法律の改廃問題もちょっと。
  78. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 国有資産等所在市町村交付金法というような案ができております。この中に入っております。
  79. 久保等

    久保等君 その法律は全然新しく法律を作られるのでしょうが、従来の現行法をいろいろ改正するといったような関係法令の問題は出てくるのでしょうか出てこないのでしょうな。これは事務的な小さい問題ですが。
  80. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 地方財政委員会の方へ出てくると思います。
  81. 久保等

    久保等君 まあ私郵政大臣がこの問題について大体の了承を与えられたという、そのことについて、要するに国家財政を総体的にながめた場合に足りないところにどうしても回さなきゃならぬからという御答弁なんですが、従来財政投融資なりそういったものがなされなかったということは常にそういったことが言われてきておるのです。従って建設資金の確保をはかっていきたいのだが、国家財政上そういったことができないからということは、これは紋切り型のいつもの答弁であったのです。今度はそれから一歩さらにマイナスの形になって、これらをこちから逆に財政的に援助をしてやろうという形になってくる問題だと思う。従って、これは金額の多寡は私はむしろ問題外にして、一億、二億が多いとか少いとかいう問題は別にして、大体本質的なものの考え方そのものが私は非常に残念だと思うのです。それで大蔵当局がそういうしわ寄せを電気通信事業の上に持ってくるということについては、絶対私どもは納得できないと思うのですが、これはおそらく私一人じゃなくて、まあ郵政大臣にしても、政務次官にしても同じでしょうし、従来、国会における衆参両院の委員会の今までの経過、これをよくお調べ願えれば、これは単に私一人がとやかく青筋を立てて申し上げる問題じゃなくて、これは事業の実情からいって許し得ない問題だと私は思うのですよ。しかしまあ一人の大臣の反対では、結局大勢のおもむくところ、いかんともしがたいというお話ですけれども、私はこの問題については少くとも郵政大臣がそれこそ重大な決意を持ってでも、私は最後までがんばられるべき性格のものじゃないかと思うのです。ただ単に一般の問題が多数意見で、その多数意見が結局閣議の決定というふうになったという程度では済まされない私は問題じゃないかと思うのですが、大臣のその点に対する御認識のほどはどういうことなんですか。
  82. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これはもう私の立場の問題になりますけれども、しかし私としてはあなたの今御指摘になった以上の理論をもってあくまでも主張を続けてきたのであります。しかし先ほども申し上げたような地方財政、特に市町村の赤字についてはどうしてもこれを救済する資金が、こういう行き方でなければないのだということを非常に強く主張されまして、これも決して市町村が困るから、直ちにああそうですかというような私は措置をとったつもりはありません。あらゆる角度から、あらゆる観点から、これに反対をし、またその意見を開陳して参ったのでありますが、どうしてもこの場合国家財政全体から見てこうするよりやむを得ぬ、しようがないじゃないか。こういうように考えてついに承服せざるを得ないような立場に置かれております。
  83. 久保等

    久保等君 まあ、私が今御質問申し上げたので、固定資産税に対する経過の御報告があったのですが、少くとも大臣がそういう非常に苦心されて、結果的に了承したのだというのですが、少くとも私は委員会等で、こういった問題についての経過等の御説明があってしかるべきではなかったかと思うのですがね、少くともどの程度いろいろ尽力されたか。おそらく最大限の御尽力をされたと私承知いたしますが、こういう問題については、従来委員会経過というものを、少くともある程度把握しておられたら、当然委員会等において重大な対策とか経過を少くとも御報告せられて、それこそ委員会におけるある程度意見等も十分に勘案されてしかるべきではなかったかと思うのですがね。私は固定資産税の問題については、先般の一般方針の御説明の中にも実は載っておらない。たまたま私がピクアップしてここで御質問申し上げたら、すでに万事休すなんだというような答弁では、これは私は実際ちょっと納得しかねるし、また大臣がほんとうに文字通り、からだをはっても、この問題については大臣としては戦うべきだったと思うのです。少くとも職務の面から考えられた場合に、各三公社とも取るのだから、ある程度やむを得ぬじゃないかということも、大臣のお考えの中にあるかもしれませんけれども、国鉄の場合、これまた若干複雑な事情が私はあると思う。すでに内閣としては運賃の値上げの問題を了承したとか何とかいうことも伝えられておりますが、いわばここ数年、非常にいろいろな錯綜した事情があるだけに、これまた政治的な立場から言ってそうあまりすっきりと強硬に主張し得ない弱味もあった。これまた少し詮索し過ぐるかもしれませんが、また電気通信事業については、従来からの経過考えてみた場合に、これは文句なしにもう少し強く大臣としては主張され、しかもまたその経過についても、当委員会等に経過の御報告等を願えれば、私はまだ打つ手があったのではないかという気がするのです。ところがいろいろお尋ねした結果は、すでにそういう点については結論が出てしまったのだというような御説明をここでお聞きしなければならないということは、私は非常に残念に思うわけです。それを今そこでお読みになりましたその法律案ですか、その法律案を、私はせめて時限立法という形に持っていけないものか、どうなのか。少くとも地方財政が窮迫しているからということで、じゃ、その一部の金を補てんしてやろうという考え方からいくならば、やはり今後の財政再建の問題については、あらゆる大蔵当局、自治庁、特に政府当局においても、今日重大な状態に置かれていると思うから、年々歳々異常な努力を注がれる。そうすると、事情がやはりだんだん変ってくるのではないか。その場合に、ぽんと単行法でもって法律を作ってやられるということは、これまた非常に政治的な手としてはまずいのではないか。それならまたそのときになってそういう事情があるならば、それを延期するということは当然できるでしょうし、一年きざみとか、二年きざみにするくらいの努力は、せめて最後の大臣のやる手として残っているという気がするのですが、それを何か無条件に七億七千万円、あるいは十五億余りといった金額をこれから単行法の実施とともにずっと永久的にやっていくのだということは、これは非常に私は危険きわまりないやり方だと思うのですが、その点いかがお考えですか。
  84. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいま御指摘の、なぜこの委員会に相談しなかったか。また先日の所管事項説明について、そのことを書いておかなかったかという御質問でございますが、これは私はまだ閣議決定してはいないのであります。また当時その交渉の途上にありましたので、かえって委員会のあれに、力によっていろいろな誤解をされるようなことがあってもならぬと思いまして、実は遠慮しておったのであります。私としてはあらゆる角度からいろいろなせめ手を使って、これに対抗しておったのでありまして、決してどうでもいいというようなことではなかったことは御了承願いたいと思います。  それから時限立法にというようなことにつきましては、私はこれは閣議であるいは採択されるか、あるいは否決されるかわかりませんけれども、小くともこれがいよいよ近日の閣議に上程されて決定する際には、私の意見として強くこれは要望して、要求しておきたいと思っております。  その他の点につきましては、公正なる国会の審議に待つ以外にないのでありまして、国会の御審議によりましてそれがいかようになりましょうとも、これは私の希望する方向になりますれば、私はむしろそれに賛成して参りたいと思っております。
  85. 久保等

    久保等君 国会の公正な審議とかなんとかいう問題は、これは私は非常に観念的な御答弁だと思うのですよ。大臣がどう考え、どういう方針でおられるかということさえ明確になってくれれば、国会で審議を公正云々という問題は、これは大臣所管外の問題たから、大臣説明を求める限りでない。私の大臣にお尋ねしているのは、大臣の権限と責任における大臣の御見解をお聞きしているのですから、だからその問題あまり飛躍した御答弁をされても、ちょっといささかと惑うのですが、少くとも建設計画を五カ年計画なり、あるいはまた次期の五カ年計画を策定しなければならぬという実情に置かれている過程における問題であるだけに問題だと思うのです。一応軌道に乗っても、とにかくまださしたる建設計画がないのだということなら、これは私は問題は大臣の言われるようなことで了承せられてもやむを得ないと思うのです。しかし、とにかく大きな仕事をかかえ込んで、どんどん処理をしていかなければならない。早い話がとにかく山積して、加入者なら加入者が申し込んでいる、非常に山積した積滞数があるわけです。山のようにかかえ込んでいる。これに対してそれこそ日夜を問わず陳情されて、政府として何とかして早く片づけなければならぬ。今のところ一体建設計画について何年たったら一応の見通しがつくかということについて私が御質問申し上げたら、大臣は今のところは全然そういうことについては見通しはつきませんという御答弁しかできないと思うのです。そういう状態に置かれている中の建設資金を、向うから持ってきて貸してやると、できればできるだけ借りることに努力しなければならぬ立場に置かれていると思うのに、逆に今度は持ち出して、持っていかれるのについて、やむを得ません、了承いたしました、了承せざるを得ませんということは、私は大臣これはほんとうに責任を賭してもやるに値する問題ではないかと思うのですね。大臣いかがでしょうか、その点。大勢順応で済まされない問題だと思う。
  86. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 私が責任をとってこれが地方財政の赤字が補てんされ、他に財源が見つけ得られるものなら、私は責任をとっても何ら差しつかえございません。
  87. 久保等

    久保等君 いやいや、そういう答弁をされると、郵政大臣なのか、自治庁長官なのか、ちょっと御答弁の内容について疑念を持つのです。私はだから郵政大臣という立場でどうお考えになっているか。郵政大臣がそういう財政的な資金のやり繰りをしなければならぬという私はそういう問題ではないと思う。もちろん当然それに対して協力をし、努力をしなければならぬと思うのですが、しかしそれぞれの実情があるわけなんですからね。それ以外に今どこかほかから持ってきて地方財政の赤字が埋められれば、私は責任をとってもいいと、その責任は私は自治庁長官の言う話であって、郵政大臣としては私はいかにその事業を健全に伸ばしていくかということに御尽力願わないと、今の御答弁だと、自治庁長官が六分か七分の責任を持って、郵政大臣と自治庁長官を兼務せられて、この際現地の方から頭をたたいて自治庁の方に回したらいいじゃないかという二足わらじをはいておられるような御答弁のようにも受けとられるのですが、そういう御認識だとすれば、先ほど来私がお尋ねしていることに対しての大臣の御答弁は、ますますどうも怪しくなってくるのではないかと思うのですがね。いかがですか。
  88. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 郵政大臣としての立場からはあなたと同じような私は意見で、あなたと同じ角度からあらゆる反対を続けました。また私は今日でも郵政大臣という立場から言えば、私は反対であります。しかしながら先ほど来申し上げておりますような、どうもこれはいかんともこうしなければ国全体の立場からこうせざるを得ないのではないかというので、まだ閣議決定はいたしておりませんけれども、やむを得ないものではないかと思っております。しかし御指摘のように、これは時限立法にする、あるいは本年限りとか、あるいは一年二年のうちはどうとかというように、でき得る限りこれを期限を付するというような点につきましては、私はあらゆる角度から努力を続けたいと思っております。
  89. 久保等

    久保等君 だから話が多少私は前後をしていると思うんですが、その交渉経過をお聞きして、そういうような問題ともあれこれにらみ合せながら、私はやはり譲らざるを得ないというなら譲らざるを得ないということも出てくると思いますが、とにかくもう金額もはっきりし、それからほとんどまあ時限立法といっても、これはそういう法律案まで用意されているぐらいの状態でしたら、これまた私は今からというか、今まで大臣もそういうことは主張されていたと思うんですが、少くとも最終的に決定する場合は、時限立法がどうかということ、それから金額の問題についてもそういうものはきめ得ない問題が出てくるかと思います。これは金額も一つ一つきめられていってだんだん追い込められていったような形で話し合いがまとまったやに御説明で聞き取れるのですが、少なくとも財政七億七千万円の金額はみよう、かりにみるとしても、そのままの二年なら二年というそういうことで譲歩されなければ全然問題にならんとか、何とか総体的に話し合いを進められる必要があるのじゃないかと思います。それが何かだんだん一つ一つ口説き落されていったというような印象を持つのですけれども、これは非常に私はまずいと思いますが、時限立法の問題については、私は大臣としてはっきり確信がおありですかどうでしょうか。一年か二年にするということで……。
  90. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これはなかなか今すぐ時限立法確信ありというようなお答えを申し上げかねますが、私は閣議ではどこまでもこれを主張して参りたいと思っております。それから一城一廓ずつ後退したのじゃないかという御指摘でありますが、私はどこまでもこれを主張して参って、いわゆる刀折れ、力尽きたというような状態でありまして、この点も一つ御了承願いたいと思います。それから固定資産税にほとんどまあ党の方でも意見がきまっておりましたのを交付金に改めてもらったということにつきましても、私としては今の時限的なねらいをもって交付金に改めてもらったのでありまして、この点を強くまあこれから主張していきたいと思っております。
  91. 久保等

    久保等君 まあ持っているところからこちらがもらってくるという問題は、これはなかなかむずかしい問題でございます。いかに筋道が立っておってもなかなかむずかしいことは、よく予算等の問題で大蔵当局と折衝する場合に常に経験せられていることだと私は思います。ところが今のお話は逆の話なんで、持っている方が非常に何か追い込められて、とうとう出さざるを得なくなったということで、話が全く逆だと思うんですが、しかもそれが単に予算が多ければ多いほどいいとかいうような考え方じゃなくて、必要やむを得ないという実情が非常にまあ緊急度の高い今日の現状からするならば、やはり私は常に言われるその持てる者の強みというか、そういうものにかりに数が多い少ないことは別の問題として、郵政大臣としては非常に私は御努力をいただく余地があるのじゃないかと思います。要するに財政的な問題とは全然関係のない一般的な問題についての話であるなら、これは多数意見にある程度従わざるを得ないということもあると思いますが、事財政の問題について、ことに持ち出されるという問題については少数であっても問題だ。所管大臣が強力に反対しているにかかわらず、そこから資金を巻き上げるということは、実際問題として私はなかなかむずかしい問題じゃないかと思います。そういうことを考え合せると、私は大臣として最終的にいろいろな形の結論が出ておらないようなお話しですが、そうだとすると私は先ほど来申し上げた趣旨で、しかも大臣はこのことについて御異議があるとはおっしゃっておらないことですし、私は一つ郵政大臣の信念として、これはぜひ一つ郵政大臣事業の実態というものを十分に把握せられた責任感からくる信念に基いて、私は徹底的にこの問題については先ほど申し上げたような時限立法にするという程度の結論は、ぜひ一つお出し願うように御尽力を実は願いたいと思います。先ほど来お聞きしたのは、私どもにしてみれば寝耳に水みたいな話で、新聞でちらほら報道せられている程度で、こういう問題は私は全国の電気通信事業の末端に至るまでの施設について、それぞれの地方自治団体がそこから固定資産税が取れる、また取るような制度を設けたんだという問題は非常に大きな問題じゃないかと私は思う。先ほど来私が申し上げたような歴史的な体験を持っておりまするだけに、私はやはりああいうことを再び繰り返してもらいたくないと思います。現実にそのしわ寄せが、十数年以前の問題が今日おおいかぶさってきている上に、新しいものをこれから作り上げていこうということについては、これは郵政大臣としてどれほど努力しても、どれほどがんばられても、がんばり過ぎたという非難を受ける点はどこからもないと思う。大臣の少くとも所管の内部から資金を持ち出す、建設資金を持ち出すというようなことについては絶対これは一つ大臣として、今後その問題についてはもちろん党でのいろいろお話し合いがあるでしょうし、また大蔵省、自治庁あたりとも折衝の問題が残されておると思うが、結論として一つ最大の努力をさらに私は続けてもらいたいと思うが、しかし今までの経過を承わったのでは、大臣のそういう御意思と御努力にかかわらず、私としては非常に何かこうちょっと迫力のない、しかも実情から言っても、どうも大臣がやはり長いものには巻かれろ式の、巻かれちゃって口説き落されちゃったという印象しかない。これは一大臣の了解するとかしないとかいう問題でなくて、実態というものがそれに了承を与えないという実態にあるのですから、今までできるだけ資金の面で融通もつけられておって、財政投融資も行うし、また建設資金の財政支出もやったというような意味での協力は今日まで得られて、そしてここで建設計画が進んできたという実情にあるならば、またここのところはある程度建設計画をとめても、また多少融通をつけておかなければならぬということは考えられるのですが、そういうことがないで、従来から委員会において決議等を行なって、建設資金の確保の問題について政府は格段の努力をしろと口をすっぱくして言っているにもかかわらず、具体的に何らそういう問題を取り上げられないで、常に予算の問題を審議される場合に、そういう強い政府に対する批判といいますか、政府に対する非常に大きな私は不平が述べられておったと思うのですが、そういう状態の中で今度新しくこういうものを設けるというようなことは、これはどうしても納得できないと思うのです。ぜひ残されております余地の範囲内において、私は大臣のさらに御尽力を願って、また逐次委員会等においても経過説明なりお話を一つ得たいと思うのです。一つこのことを強くお願い申し上げておきたいと思うのです。
  92. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 他に御発言ございませんか。……それでは本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十八分散会