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政府委員(
早川崇君) 先ほど
松澤委員の申されましたこと、今、
森下委員の申されましたことで、私の非常に同意をいたしたい点は、
財政計画自身が
地方財政を窮乏せしめたということよりも、むしろ
交付税方式、
平衡交付金方式というものが、
自治体の安易な
国家依存の風潮を高めまして、
最後は国がしりぬぐいをしてくれる、こういう意識が終戦後の
自治体の長になかったと私は言えないと思う。それがひいては
地方財政を放漫に陥れ、また
財政を窮乏せしめた、こういう
意味におきましては、私は全く一面の真理を認めるのでございます。従って、
森下先生の言われましたように、大きい政策といたしましては、私のみならず、大臣もむろんそうでございまするが、ややもすれば従来の官僚諸君が、できるだけ
自治体というものを統制したいという風潮が私は従来なかったとは言えないのであって、そういう
意味の、何と申しまするか、
国家統制あるいは
財政上の統制ということは、厳にわれわれとしては警戒をしなければならない。それなれば、むしろ仰せのように、各
市町村に千六百億円に及ぶ、おそらく二千億になんなんとする
国家からの資金を各町村に平等に
配分できるような税源が見つかるならば、むしろそれに大部分を移した方がいいのではないか、これがまた自治の本旨になるのではないかと、かように傾向的には私は言えるのではないか、かように思っておるわけでございまして、
交付税も、すでに
所得税、法人税、酒税の二割五分という、非常な大きなところまできておりまして、一部の人が言われるように、さらにこれを二八%にしょう、さらにこれを引き上げろということ自体によっては、私は健全な自治というものができ上らない。大臣も、従ってただ
交付税をふやして、
自治体の
財政危機を乗り切るという方針は、われわれとしてはもうとらない。それだけふやすならば、
自主財源を探していこう、まあこういう基本方針を確立しておるわけでございます。ただこれを全廃ということになりますと、これまた非常に極端な問題でございまして、なるほど大阪とか東京とかという、力のある
自治体はそれでいいのでありますけれども、現在むしろ
交付税方式によって救
われている十万以下の小さい
市町村というものをどうするか、この問題は非常にむずかしい根本問題に触れまするので、
森下委員の御
趣旨の、言われました点を十分そんたくをいたしまして、できれば従来の税制
調査会というお
考えのもっと飛躍した立場でいい方法が見つかりますれば、根本的に再
検討もあえて辞さない、こう思っておるわけでございまして、今ここで、しからばどういう具体的な
計画があるかと言われましても、直ちにお答えする対策は持ちませんけれども、大きい方向としては、われわれはそのように
考えておるということを御了解願いたいと思うのでございます。また、ほんのそういった方向に関する一部分の試みでありますけれども、三公社の金にいたしましても、また軽油課税を
地方財源にいたしました
趣旨にいたしましても、その他いろいろなこのたびの税制改革は、そういった方向への
一つの、ささやかではございまするが、試みとして見ていただきたいと、かように
考えておる次第であります。