○
森下政一君
お話を聞いておると、だんだんいろいろな疑問が発展して、いろいろなことを申し上げたくなったのですが、たとえば
都市計画税ですね。あなた先刻にも
御存じのことですが、あるところの
道路を新たに構築しようというようなときに、
過剰地帯収用ということをやったことがあるのです。盛んに
都市がやった。つまり幅員十メートルなら十メートルの
道路を新たに構築しようというときに、その十メートルの路線の両側の沿線の
土地を余分に買いとる。そうして
道路が完成した暁には、その余分の
土地は必ず
地価が上る、その
資産価値が上ったものを
公共団体が
希望者に売り渡す、処分する。そうしてそれによって得ました
利益によって、
道路構築の費用をまかなう。こんなのは、私は確かに必要を
感じて、高いのを承知の上で買うという人があって、その人に売るのだから、一向差しつかえないことだと思うのです。そういうやり方なら私は納得がいくのであります。だけれども、先刻も申しましたように、確かに
地価は上ったかもわからぬけれども、別にそれで
所得がふえたわけでもない。結局
負担しなければならぬものは、その
土地を処分する以外に
負担の方法がないということに追い詰められたものは、これまで大
都市などが
都市計画事業を断行する、その
受益者負担に困った者が枚挙に例がないぐらいそういうことがあった。これはもうあなた
御存じだろうと思います。だから、私はどうも、さっそくに妥当な
財源であるというふうな
工合に
賛意を表しかねる、
賛意を表することにちゅうちょせざるを得ない点がある、こう私は思うのです。
それから、先刻も、二十五年以後三十一年に至るまでの国が徴収しておるものを、
地方と国とどっちがどういう割合で使っておるかという
パーセンテージをお示しになって、
地方の方がどんどんふえておる、三十一年度では六三%にも及んでおるということをおっしゃった。なるほどそうだと私も思うのです。ところが、これは、後ほど
交付税法の
改正という
法律案がこの
委員会の審議にかかるから、そのときに私はお尋ねしたいと思うておることなんですが今の
交付税制度それ
自体に私は
一つの疑義を持っておる。ということは、これは
平衡交付金という
制度がとられて、しばらく実施してみたけれども、これではどうも際限なく
負担をしていかなければならない心配があるというので、
交付税制度というものに改められたと思うのですが、この
制度が実施されて、結局これは、私は
自主財源ということができないと思うのです。
地方が使ってはいる、
地方のために投じておるには違いないけれども、憲法が
地方自治という一章をわざわざ設けて、
自治の進展ということをうたっておる国柄としては、私は、
依存財源である、この
制度あるがために
中央集権で、
中央から左右されるということが非常に多いと思うのです。
地方はこれにたよらざるを得ない。たよる
財源で、
依存財源である。決して
自主財源ではない。つまり
地方が思うように取って、そうして
法律で、たとえば
固定資産税のような
工合に、あるいは
住民税のような
工合に、
法律できめられるところによって十分に取って、そこで、これをみずからの裁量によって自由に使える。何に使うかということを、それぞれの
地方に最も妥当だと思う使途を研究して、これに振り分けていくというような
財源がだんだんふえることでなければいかぬ、今の私は
交付税の
財源になっておるものを……。だから、どういう形でどうするかという
具体的な案を今持っておりませんけれども、結局これだけのものを
地方が自由に取れるようにする。しかも、それが自由に使えるということになるなら、
自治は私は非常に進展して行くだろうと思う。現在はそうではない。
交付税制度はあるけれども、これは国が握っておる。だから、これをどうかして少しでもよけいにもらうようにしなければならぬというので、なるべく
地方は
中央に向って
陳情しなければならない。
陳情行政の私は大きな禍根がここにあると思います。だから私は、これを直ちに
自主財源だということば承服しがたい。どんなに国が取っておるものを
地方がかえってよけいに使うといっても、自由に使えるわけでも何でもない。これは
中央が握っておって、
地方を左右しておる。私はよくない
傾向だと思うのです。のみならず、ここの
委員会で先般来、たとえば
早川政務次官に、
国有資産等所在市町村交付金及び
納付金に関する
法律案について
質疑を重ねていくうちに、たとえば
地方公共団体の
経営しておる
公営住宅のようなものの所在しておる
市町村に対し
負担するものは、さなきだに
赤字で困っている
地方団体がその
交付金というものを生み出すということはできないから、結局これは入っておるものに転嫁をすることによって収得する以外に道はなかろう。そうすると、結局家賃も高くなるのではなかろうかということを申し上げたときに、少くとも第二種
住宅については、もし
地方団体が
どうしたものだろうと
相談にくるようなことがあったら、転嫁しないように指導したいと思うというようなことを言われる。私は、この言葉は非常にいやなんです。
自治庁が
地方団体を指導する、
中央がああせい、こうせいということを指図する、これは要らぬことだ。どこに
一体自治の伸長があるのか。そんなことを言っていたり、そうかと思うと、一面において、転嫁するも、あるいはせずに、
一般財源からまかなっていくも、そこに自由の道を開いておるところに
自治の妙味があるなんということを言うておられる。もしどうしたものだろうというような
相談を受けたら、指導して、転嫁しないようにしたいと思うというようなことを言われますけれども、そういう
根性が私は、もうすでに
自治というものを曲げておる、こういうふうに思うのです。だから、先刻、せっかく、国が取っておるものを
地方が使う分の方が多いのだという、
パーセンテージをあげての
説明がありましたけれども、私は、それだから非常に
自治団体が
強化されているというふうには
考えない。これがいかぬのだ。今の
制度の一番の大きな欠点だ。これを何とか打ち破って、この
制度を根本的に
改革をするということが、私は
ほんとうの抜本塞源的な
地方財政の
赤字をなくする道ではないかということを痛切に
感じておる。
平衡交付金制度というようなものが創設されて、それまでそんなことがなかったから、そんなものをいまだに
交付税という形で残しておる。
中央が
地方を支配するという
根性を、この建前というものを破壊していかなければならないということを痛切に感ずる。あなたは、同じ
考えをお持ち下さるわけにいかぬでしょうかということが
一つ。
それからもう
一つは、例の
軽油引取税、これは結局
道路を
維持管理していくのに必要な
財源に充当するという
目的税だという
説明を聞いておるわけですが、現在
揮発油税に税金をかけて、
道路譲与税というものが設けられている。それで大体
道路の
維持管理についてはまかなっておるのじゃないかと思うのです。ことに
業者あたりがいろいろな
陳情をしてきているところを見ると、それにゆとりがあって、多額に
剰余金が出ておるということを言うておるが、足らないために、この
目的税を新たに創設して、
道路の
維持管理に、あるいは
建設等の
財源に充当しようとするのか、その
一体経理関係はどういう状態になっておるのかということを一点、詳細に聞かしてもらいたいと思います。