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1956-04-12 第24回国会 参議院 地方行政委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十二日(木曜日)    午前十時五十六分開会   —————————————  委員異動 本日委員若木勝藏君及び小笠原二三男 君辞任につき、その補欠として中田吉 雄君及び永岡光治君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     松岡 平市君    理事            石村 幸作君            伊能 芳雄君            森下 政一君            小林 武治君    委員            佐野  廣君            田中 啓一君            堀  末治君            安井  謙君           小笠原二三男君            加瀬  完君            中田 吉雄君   国務大臣    国 務 大 臣 大麻 唯男君   政府委員    国家消防本部長 鈴木 琢二君    警察庁長官官房    長       坂井 時忠君    警察庁警務部長 荻野 隆司君    自治庁税務部長 奧野 誠亮君    運輸省自動車局    長       山内 公猷君   事務局側    常任委員会専門    員       福永與一郎君   説明員    国家消防本部総    務課長     横山 和夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国有資産等所在市町村交付金及び納  付金に関する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○地方税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○消防団員等公務災害補償責任共済基  金法案内閣提出衆議院送付) ○地方行政の改革に関する調査の件  (地方警察職員たる警察官の都道府  県警察ごとの定員の基準暫定措置  に関する政令に関する件)   —————————————
  2. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員会を開きます。  委員異動がありましたから、御報告申し上げます。  本日付で、委員若木勝藏君が辞任せられました。新たに中田吉雄君が委員に任命せられました。   —————————————
  3. 松岡平市

    委員長松岡平市君) まず、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案地方税法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題に供します。なお、両案は、去る十日衆議院において原案通り可決の上送付されております。これより二案について質疑を行います。質疑のおありの方は順次御発言願います。
  4. 森下政一

    森下政一君 質疑をします前に、いよいよこれから本審査に両案とも入って参りまして、今日がその審議の第一日なわけですが、この両案を審議しますについては、ぜひ大臣出席してもらう必要があると思うのです。そこで、委員長大臣と折衝されて、大臣選挙法の問題その他で、非常に衆議院の方がお忙しいのだと思うのですが、だからというて、この両案を審議するのに、ちょっと一ぺん二へん形式的に顔を出されただけでは、参議院審議支障を来たすと思うのです。あらかじめ一ぺん大臣と折衝されて、こちらの審議日程等もお考えになって、大臣の都合を一つ差し繰りをしてもらうことができるような工合に計らってもらいたいと、こう思うのです。  それともう一つ、前々から大臣が来られたら伺いたいと思っていることの一つは、もう四月も三分の一ぐらい過ぎたわけですが、そうなると、参議院通常選挙というものは大体いつのつもりでおいでになるのか、大臣から、もうそろそろはっきりしたことを政府としてもきめられなければならんころだと思うので、日取り予定なんかを聞かしておいてもらわんことには、この委員会で持っておりますいろいろな法案審議日程を組む上にも支障があるので、それらも聞きたいと思うのですが、大臣が来られんことには仕方がないので、その機会を待っているわけなんです。かたがたそういう点もお含み下されて、一つしかるべくお取り計らい方をお願いしておきたいと、こう思うのです。
  5. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 森下君のただいまの私に対する御注意について、お答えを申し上げます。森下君がおっしゃるまでもなく、法案審議大臣が努めて委員会にお出になることは当然でございます。ただ、御承知のように、衆議院のいろいろな委員会とかち合うというようなことで、今までは、特に今議題に供しております両法案については、予備審査段階でもありましたし、非常に大臣要求を強くは要請しておりません。本審査なりましたし、ことにこの両法案は、地方財政関係上、すみやかにいずれとも結論をつけなければならぬと思いますので、なるべく早い機会に、大臣委員会に出られて、相当の時間にわたって委員との質疑応答に当られるように、委員長責任をもって手配いたします。  なおまた、後段述べられた参議院通常選挙日取り等について、担当大臣としていかに考えておられるかというようなことは、これはまた、当委員会審議のみならず、参議院の非常に注目している事態でもありまするし、当委員会において大臣に所見を聞くことは、これはまた、今日必要なことだと思います。それらの点につきましても、ただいま森下委員の御発言の趣旨等もあらかじめ大臣に伝えまして、できるだけすみやかに、大臣が当委員会においてはっきりしたお答えをするように、委員長としてはできるだけの努力をいたします。さよう御了承願います。
  6. 安井謙

    安井謙君 今のに関連しまして、これは法案が来るのが非常におくれたのだから、委員会として政府希望通りに沿えるかどうか、これは問題があろうと思いますが、しかし、何せ年度に入って、実施が迫られておる内容でもあるし、政府の仕上げの期日に対する希望なり、あるいは委員の大体の意向なり段取りがもしお話し合いがつくようなら、予定というか、日程表のようなものを、大体のスケジュールをきめていただければ好都合じゃないかという気もするのですが、あわせて、これはどういうふうになるかわからぬが、お諮り願いたいと思います。
  7. 松岡平市

    委員長松岡平市君) その点につきましては、一つぜひ委員各位の間でお話し合いを願いたいと思います。できれば本日でも、まず各会派の理事の間でお話し合いをつけていただきまして、あと来る法案、今ペンディングになっておる法案はわかっておるのですから、これをどういうふうにしていくかということは、ぜひこの委員会運営のためにも、各位の御協力をお願いします。  いかがでしょう。理事の方ですみやかに、今ここで議題になっておりますものについて、どういうふうにして審議を結了するかということを本日中にもお話し合いを願いましょうか。
  8. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう話し合いをすることは、それは当然のことでありましょうが、何せ大臣出席してもらって、総括的に、地方税の問題についてのみならず、地方財政計画等について、基本的な問題について所信を聞いた上でないと、その後の扱いを簡単に済ませるか、慎重にやるかわからぬ。従ってまず、大臣出席を求めて質疑をし、大臣政府側としての意向はどうなのか、それをはっきりさせた上で、それを受けて、日程等についても御返答いたしたいと思います。いつ大臣が出て来られるか、そのスケジュール委員長が聞いてというふうなことでなくして、国会として、本審査になって重要な総括質疑をしなければならぬ段階なのですから、大臣出席をまず求めてもらいたい。
  9. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと速記をとめて。    午前十一時七分速記中止    ————————    午前十一時二十八分速記開始
  10. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記を始めて下さい。
  11. 小林武治

    小林武治君 税務部長に、今度の電電公社納付金のことを少し尋ねたいのです。電電公社から納付金をする、この納付金地方団体に対する配分方法は、どういうふうにきめておられるのか、まずお伺いしたい。
  12. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 土地家屋償却資産、三者を自治庁の方で評価をいたしまして、これを所在市町村評価額配分するわけであります。その場合に、原則として、土地家屋は、必ずしも一体として評価しなければ評価できないものじゃございませんので、所在市町村納付金対象価格となるというふうに考えております。償却資産につきましては、一体として評価しなければ評価できないものでありますので、加入者数でありますとか、あるいは電線の基柱でありますとか、そういうもので分割したらいかがなものだろうかというふうに存じております。なお、この点につきましては、郵政省話し合いをいたしておるわけでございまして、昨日、郵政省の方からは、全部を電話加入者のようなもので分割できないものだろうかという話がございました。そこでいろいろ話し合いをいたしてみますと、郵政省としても、たとえば無線関係中継所のようなものは、土地家屋償却資産と、それぞれの所在市町村対象としてよろしいのだというような話もございまして、それじゃお互いに、もう少し適当な方法を打ち合してみたい、こういうことで、なお検討している最中でございます。
  13. 小林武治

    小林武治君 この納付金は、公社にとっても相当負担でありますが、納付金をするために、公社従業員を増加するというようなことは、極力これは避けなければならぬと思いまするが、この配分方法あるいは評価方法いかんによっては、相当の人を増さなければならぬ必要も起きてくると、こういうふうに思いますが、われわれの希望としては、人員の増加をせないでこれの実施のできるように、特に一つ郵政省と話し合って、自治庁総理府令なりその他をきめてもらいたいと、こういうふうに思いますが、どうですか。
  14. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 御趣旨全く同感でありまして、できる限り簡素な方法で、なお法の趣旨を満たし得ることができないものかということで検討していきたいと思っております。
  15. 小林武治

    小林武治君 まあ鉄道電電公社も、初年度は四分の一、翌年度は二分の一と、こういうふうになっておりますが、これは何のためにこういうことをやったのか、場合によったら四分の一でずっといったらいいんじゃないかと思いますが、どうですか。
  16. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 国鉄にいたしましても、電電にいたしましてもそうでありますが、採算のとれないようなところでありましても、積極的に鉄道を敷設したり、あるいは電信設備を設けたりいたしているわけでございますので、そういう意味において、普通の固定資産税よりも軽減した額の納付金にしたい。そういうことで、一般の例に準じまして、二分の一と考えたわけであります。しかしさらに、三十一年度初年度でありますし、税金を緩和するという意味で、その半分の四分の一ということにいたしているわけでございます。
  17. 小林武治

    小林武治君 今の発電施設などの税については、新設のものは特にこれを五カ年間なり軽減すると、こういうことになっておりますが、鉄道でも、あるいは電電公社でも同様な事態が起きるが、こういうものの軽減措置をぜひ講ずる必要があると思うのですが、これはいかがですか。
  18. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) お話のように、発電施設につきましては、最初の五年と五年、十年だけについて軽減措置をとっております。国鉄電電公社施設につきましては、恒久的に軽減措置をとりまして、二分の一ということにいたしているわけであります。全体についてそういう特殊な考慮を払っているわけでありますので、部分的には、特に今お話のような方法はとらないでよろしいのじゃないかというふうに存じているわけでございます。
  19. 小林武治

    小林武治君 今のお話が私は理屈が合わぬと思う。公共施設であるから、初めから二分の一にしてあるのです。だからして、新設のものも、発電関係に準じて、これをさらに軽減するというような措置をされるのは当りまえじゃないか、こういうふうに思うが、これを変える気はありませんか。
  20. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 発電施設につきましては、国鉄の持っておりますものに対しましても、現に固定資産税が課せられているわけであります。この現に固定資産税が課せられるものにつきましては、一般原則に従っているわけでありまして、最初の五カ年は三分の二を軽減し、次の五年間は三分の一を軽減する。十一年目からは普通の姿になるわけであります。従いまして、発電施設等現在地方税法軽減措置を設けておりますもの、そういうものについて、国鉄電電公社に適用にならないものというのはないのじゃないだろうかというふうに思っております。ただ地方税法にないものについて、何か範囲を新しく設けていくということになりましたら、御説のような問題が起ってくるんじゃないかというふうに思っております。
  21. 小林武治

    小林武治君 二分の一にされたことは別に、これ全体として施設特殊性から二分の一にされたので、新設のものについてある程度の緩和据置を講ずるということは、私は他のものと同じ扱いをしていいと思う。こういうふうに二分の一であるからして、新設のものはその上の、緩和をする必要はない、こういうふうなことが理屈に合わぬと思いますが、どうですか。
  22. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 軽減措置という意味で特にお話になっていると思うのでございまして、全体の電電公社なりあるいは国鉄なり負担ということを中心に考えていきますならば、ことさらに部分的に取り上げまして、煩瑣な計算をいたしますよりは、評価も全資産について一括して行うわけでございますしいたしますので、やはり二分の一なり四分の一なり方式の方がいいのじゃないか、もとより二分の一がいいかどうか、これは大いに議論のあるところと思いますが、できるだけ簡素なやり方をいたしていきたい。もし特殊な計算方法を用いますと、その部分だけまたいろいろと資料を集めなければならないというような問題にもなって参りますので、二分の一がいいか悪いかいろいろ議論がございましょうが、やはりこのような方式をとりたいというふうに存じたわけでございます。
  23. 小林武治

    小林武治君 ことに今の問題は、国鉄などの新線というものは、全く相当期間採算が合わない。初めから赤字経営のもの、ことし地方の必要のために開くので、その地方地方税的なものを払うことは、それだけ矛盾しているのじゃないかと思いますが、どうですか。
  24. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 国鉄は、まあ全体について評価をいたしまして、軌道の伸長などで按分していきたいと思います。私鉄の場合には、区間が限られているものでございますから、原則として評価額が全部所在市町村収入になるわけでございます。そうしますと、所在市町村としては、建設当初莫大な固定資産税が入ってきて、それがどんどん減っていく、こういうことは所在市町村財政激変という点から考えてもおもしろくないから、かなり長期間にわたってある程度安定した収入をもたらすようなやり方をしていきたい、こういう考え方も、最初の五年間は三分の二を軽減し、次の五年間は三分の一を軽減するというような方式をとっているわけであります。しかし、国鉄のような施設になって参りますと、全国的にまたがっているものでありますから、新線といえども全体の評価の中に含ましていきたい。それを何によって分割をして、所在市町村財源にどれだけをするかということは、別な角度から考えていってもいいのじゃないか、こういうふうに考えております。
  25. 小林武治

    小林武治君 今の新設施設というものは、これは毎年増加するものなんで、はっきり区別できるんで、これを課税価格をあとで審査することは一向めんどうでないと思うので、私はそれが理屈に合ってるんじゃないかと思うのです。過失の、現在財産というものは、それは全体として二分の一、新設財産はなおはっきり区別できる。そういうことが国鉄なり電電公社希望するならば、これを入れてやらないという私は理屈はないと思うのです。
  26. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 現在とっております軽減措置は、もとより税を納めます場合の負担緩和の問題でございます。それと同時に、所在市町村の、今申し上げましたような財政激変緩和の問題もあるわけで、後者の方は、別に国鉄のような全国的なものにつきましては考える必要はないのじゃないか、こう思っているわけであります。前者の方の、納める側の負担緩和ということになりますと、やはり全体の負担が適当であるかどうか、そういうような新線をどんどん開いていかなければならない、採算が合わない、こういうことを考慮しながら、全体として負担緩和をはかっていく、こういうことが問題になろうかと思いますので、たびたび申し上げますような二分の一方式の方が妥当でなかろうかというふうに思ったわけでございます。
  27. 小林武治

    小林武治君 今の電話にしても、鉄道にしても、町村の方が多少自分負担してもつけてもらいたい、こういう希望が非常に強いが、納付金辞退ということはできますか。
  28. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 納額告知書交付することは、市町村の権利の遂行ということになりましょう。従いまして。それは当然市町村としては、納額告知書交付というものをやっていくべきだと思います。従いまして、どうしても別途に何かしたいということになりますと、それは補助金ということになるのでありましょうけれども、国鉄に必要な施設を積極的に市町村負担でやっていくという問題になるのじゃなかろうかというふうに存じます。
  29. 小林武治

    小林武治君 今の問題、たとえば地方でもって工場を誘致します。その場合に、何カ年間固定資産税を免除する、こういうふうな約束をしている所がよくありまするが、電信電話あるいは鉄道についても、納付金を全然とらない、こういうことは、私はやったらできると思うのだが、それをさせないと、こういうことですか。
  30. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 税の問題につきましては、市町村条例でその団体税制を定めていくわけであります。どのような税法を用いるか、どの範囲に課するか、これはすべて条例の定める範囲できまってくるのであります。しかしながら、納付金の問題は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律、これに基いて当然定まってくるわけでありまして、別途に市町村条例を設ける必要はないのでございます。従いまして、法律上当然に入ってくる財源でありまして、それを放棄するということは、法の趣旨に反してくるのじゃないかと思います。しかし実質的に、今申し上げましたように、それにかわる、別途に負担をしていくということはあり得るというふうに思います。
  31. 小林武治

    小林武治君 そうすると、今の納付金辞退法律上すべきでない、こういうことですか。
  32. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) そのように考えております。
  33. 小林武治

    小林武治君 それからして、もう一つの問題は、公益法人等は、研究所とか、そういうようなものは固定資産税をとらない、こういうふうになっておるように思うのですが、鉄道とかあるいは電電公社等技術研究所、こういうふうなものはこの納付金対象から除外してしかるべきと思いますが、どうですか。
  34. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) この法案を作りますときにも、そういうことで郵政省運輸省といろいろ話し合いをいたしたわけであります。そのときに、電電事業なりあるいは鉄道事業なりに特に必要な研究所、そういうものは、やはり事業全体の運営の中に含まれているのじゃなかろうか、大規模事業会社になって参りますと、それぞれ相当大きな規模研究所等も持っているわけでございますので、こういうものとの関連から、やはり納付金対象からはずすことは適当ではなかろうというふうな見解に達したわけでございます。
  35. 小林武治

    小林武治君 今は、そういうことを言うと、病院診療所は皆対象外にしておるのですが、これはどういうわけですか。
  36. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 病院につきましては、共済組合の持っておりまする病院でありますとか、あるいは健康保険組合の持っておりまする病院とかいうふうなものは、地方税法上非課税にしているわけでございます。国鉄とか、あるいは電電の持っておりまする病院も、これらそれぞれ共済組合等が設けておりますので、その共済組合病院に準じておるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
  37. 小林武治

    小林武治君 今の点も納得しがたいことでありますが、次の問題の評価ですね。対象になる財産評価というものは、国鉄にしても電電公社にしても、財産目録等国会の承認を経ておる。これをそのまま使うということになりますか。
  38. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 法律上は、御承知のように、固定資産税については固定資産評価基準、これに準じて評価するということになっております。電電公社につきましては、すでに再評価が行われておりますし、あるいは再評価の仕方というものは、固定資産評価基準と大同小異じゃなかろうかというふうに思っております。従って、再評価が行われたものにつきましては、原則としてそれに乗れるのじゃなかろうかというふうに思っております。国鉄の場合には、まだ再評価が完成していないようでございますので、どうやるか、なお、固定資産評価基準に準じながら、その範囲について検討していきたいというふうに思っております。
  39. 小林武治

    小林武治君 今の点ははっきりしてもらいたいのですが、電電公社等も、とにかく一応の十分な再評価をして簿価をきめておる。従って私どもは、これをそのまま使用すべきである、またこれを直すには相当の年数を食う、こういうことでありますから、今のお話は、再評価のできた電電公社財産価額が大体そのまま使用できる、こういうことですか。
  40. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 原則的にはそれがそのまま乗っかれるのじゃないだろうかというふうに考えております。
  41. 小林武治

    小林武治君 それから、最初の問題ですが、この二分の一、こういう問題は、何か特別なあれがあってきめたのですか。
  42. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) いろいろ負担緩和をいたします場合に、二分の一というふうなのが普通じゃないだろうかというふうなことから、大きく負担を二分の一にするというふうな考え方に達したわけでございます。
  43. 小林武治

    小林武治君 従ってこれは、場合によったら、一つ見当だから、何分の一になってもいいのだ、こういうふうに言うても差しつかえないですか。
  44. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 臨時税制調査会でいろいろ検討しておりましたときにも、三公社固定資産税を課すればどれくらいになるか。当時まだ再評価は行われておりませんし、見当もついていなかったわけでございまして、百億内外じゃないだろうか、こういうふうな推察をしておったことがございます。従いまして、固定資産税を課するとした場合には、こういう金額を目途にして、もし再評価の結果もっと収入がふえるようであれば、税率で加減したらいかがなものであろうか、こういうようなお話があったわけでございます。そういうような線で考えて参りましても、大体二分の一、こういうふうなことになったのでございますから、今申し上げましたような趣旨ともからみ合わせまして、終局的に二分の一というふうに決定したのでございます。
  45. 小林武治

    小林武治君 今公社関係は、この結果約七億数千万円、こういうことになるのでありますが、この間連合審査の場合にも、逓信委員の人からお話しがあったように、とにかく町村合併の結果として、電話統合ということが地方の非常な切実な要求となっている。従ってこれは、政府として何としても遂行させなければならぬ。また地方行政委員会としても一つ責任である。現にようやくこの三十一年度たった十億計上した。十億計上したのに、しかもこのために七億取られてしまう、こういうことになると、非常に一つの矛盾を来たす。電話施設統合ということは、これは町村自体の要望であって、電電公社としては、自分がやればむしろ非常に経費がかかって、そうして採算が合わない。どうしても地方が、町村合併一つの条件としてこれをやりたいということになるので、今後これを遂行していく場合には、むしろさっきの話のように、納付金なんかどうでもいいから、とにかくやってくれ、こういうことが必ず起きてくると思うのであります。今の問題について、自治庁方面でこれを勧奨して、そうしてこれを辞退とか、事実上やめた場合には、財政計画上それをしんしゃくをするというようなことはないかどうかということを心配しているんですがね。
  46. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 国有資産等所在市町村交付金及び納付金も、地方交付税を計算します場合には基準財政収入額に算定して参ります。従いまして、この納付金相当額を実質的に市町村収入として参りませんと、結果的には交付される地方交付税のほうがそれだけ減って参りますので、実際問題として非常に困難じゃないだろうかというふうに思っております。電話設備の増設等を市町村が非常に希望しておりますし、またそういう意味において電話債券の引き受け等に対しまして非常に協力をしている。こういう事例はしばしば聞いているわけでございまして、今後もそういう面におきまする協力は、一そう強くなって参るものだというふうに期待をいたしております。しかしながら、交付金そのものを辞退をする余裕がそこまであるかということについては、かなり疑問だろうと思っております。
  47. 小林武治

    小林武治君 今の問題で、私は最後の注文として、冒頭に申し上げましたように、これの評価配分等については、新規の人を要せないように、自治庁も十分に協力することが必要だと思いまするが、その点は、郵政省自治庁との交渉に当っては、それを一つの根底の考え方としてやっていただきたいということを強く要望しておきます。
  48. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 前にも聞いたときに、奧野さんね、公党住宅の第二種ですね。それについては、衆議院で一応長官も特殊な発言をしておられるような答弁だったが、その中で、あなたの答弁ですと、一般財源措置するように考える場合には、特別交付金等の操作でこれを見る必要があるというような御発言があったように記憶しておるのです。その点確めておきたい。
  49. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 第二種公営住宅について、府県の持っておるものにありましては、市町村交付金を交付いたします。この額相当分は特別交付税として当該府県に交付いたします、こういう考えを持っておるわけであります。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、これは、既設のものも、将来できるかどうか知らんですが、やはりその種の低額所得者を収容するような公営住宅については、特段にやはり検討を加える必要があるというお考えはお持ちになっているわけですね。
  51. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今申し上げましたのは、三十一年度についてそういう措置をとりたいというふうに考えておるわけであります。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それから、北海道などでは、寒地住宅といいますか、特別な立法で耐寒建築ですな、コンクリートその他でやっておるのが多いのですね。それで補助もあるけれども、いずれ自己負担も大きいのですが、そうすると、やはり評価が四割、二割と落ちるにしても、金額そのものは相当になるのですね。内地よりは、家賃に転嫁するとすれば、転嫁される部分が大きいのじゃないかと思うのですが、どういうふうにそれは見当をつけておるのですか。
  53. 奧野誠亮

    ○政勝委員奧野誠亮君) 内地の公営住宅でありましても、木造であるか、あるいは鉄筋であるかによって、家賃の限度額が変って参ります。要するに実負担額を基礎にして家賃の限度額を法律では定めておるわけでございますので、もし建設のために特に多額の金を必要とするようなやり方をいたしておりますような場合には、おのずから家賃も高くなっていくだろうと思います。従いましてまた、評価の方も若干高くなるだろうと思います。ただ耐寒建築であるからということじゃなしに、鉄筋であるか木造であるかということによって違ってくるのじゃないだろうか、もちろん限度額を計算します場合に、耐用年数等によっても食い違ってくるわけであります。従いまして評価の問題は、今申し上げましたような建設費、これが基礎にならざるを得ないのじゃないだろうかというふうに思っております。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一般的には、私はそうだと思うのですね。しかし北海道の場合は、全部耐寒建築でなくちゃならぬように規定されているのです。従って内地となれば、木造の低家賃の住宅に入るような低額所得者も、耐寒建築に入らなければならないのですね。それで、個人の収入と家賃とのバランスというものの上からいえば、転嫁されるときにおいては、北海道における低額所得者というものは、内地以上に強くかかっていくのじゃないかということを聞いているわけなんです。
  55. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 第二種公営住宅を鉄筋でしているのも最近出て参ってきておるわけでございます。ただその場合には、国で二分の一じゃなしに、三分の二を補助するわけでありますから、家賃の限度額が自然三分の一の自己負担を基礎にして計算される。その結果、相対的には安くなってくる。こういうことになるわけであります、同時にまた、交付金の額も、第一種公営住宅でありますと四割でありますが、第二種公営住宅でありますと二割になるわけでありますから、そういう点においても相対的に安くなってくるのじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。
  56. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは、まあ一般的に立法過程からお尋ねしたいのですが、事務当局としては、本心はこれは一般交付金等で見ようという方が本心だったのですか。個人に転嫁させていくのだということが本心だったのですか。
  57. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 公営住宅については、住宅政策の問題があるだろうと思います。国の住宅政策に関する部分につきましては、それを排除するようなやり方地方においても避けたい、こういう考え方を持っております。事業の部分につきましては、家賃も徴収することでありますので、また、家賃の中にはいろいろな経費が入っておるわけでございますので、その場合には、固定資産税相当額がその部分において入ってきましてもやむを得ないじゃなかろうかというふうに思っておったわけであります。公営住宅のみならず、国家公務員の入っている住宅もあるわけでありまして、同じように使われておるにもかかわらず、単に国有であるから、あるいは県有であるからというだけで、固定資産税を課さないということは適当ではない、こういう考え方を持っておるわけであります。さらに、それを住宅政策の面から、どこまで積極的に家賃の額を下げていくか、これは別の政策の問題ではなかろうかというふうに考えております。
  58. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 非常にこまかい話ですけれども、警察官舎等は除外されるのですね。たとえば警察署長の住んでいる官舎等は、これでは除外される方向に行くのですね。その点もお尋ねしたいのですが、ところが、一般の警察官で公営住宅に入っておる者は、家賃に転嫁されるとなれば、一般警察官の方が払いが大きい。警察署長の方は堂々たる官舎に住まっておって、そういう負担はない、こういうこともあるのですね。まあそれは、前提が狂えばそういうこともないのですけれども……。
  59. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 警察署長住宅だから、交付金の対象にならないとは考えていないわけであります。要するに公邸と言われるような、どちらかといえば会議であるとか、あるいは人の接待であるとか、そういうことにもっぱら利用されているようなものにつきましては、これは交付金の対象から放して、公用的のものだというふうに考えております。私たち、一般の署長住宅というものは、そういうような公用施設に準ずるものだというふうには考えておらないわけでありまして、原則的にはやはり交付金の対象になるものだと存じております。
  60. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どなたかそれは聞いているかと思うのですが、第二条第三項の第七号ですね、この内容や、八号の内容をお示し願えませんか。
  61. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 国家公務員のための国設宿舎に関する法律第十二条を引いておりますので、それを読み上げてみます。「無料宿舎は、左に掲げる国家公務員のうち政令で定める者のために予算の範囲内で設置し、無料で貸与する。」一号「本来の職務に伴って、通常の勤務時間外において、生命若しくは財産を保護するための非常勤務、通信施設に関連する非常勤務又はこれらと類似の性質を有する勤務に従事しなければならない者」二号が「研究又は実験施設に勤務する者であって継続的に行うことを必要とする研究又は実験に直接従事するもの」三号が、「へき地にある官署又は特に隔離された官署に勤務する者」、四号が「官署の管理責任者であって、その職務を遂行するために官署の構内に居住しなければならないもの」というふうになっておるわけであります。  八号の政令の内容でありますが、今考えておりますのは、一つは、国有財産特別措置法第七条第一項の規定で、「水害、風害その他の災害の防除若しくは復旧又は土地の開拓、水面の埋立若しくは干拓その他の天然資源の開発事業」を行う者に貸し付けている固定資産で、当該事業者が同法同条第二項の規定により無償で使用し、又は収益することができるもの、  二号は、北海道国有未開地処分法の第三条の規定によって無償で貸し付けている特定地及び同法第四条の規定によって無償で貸し付けている公用または公共の利益となるべき事業に供する土地等であります。  三号は、財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律第一条の規定によって、財団法人日本遺族会に無償で貸し付けている固定資産、  四号は、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法第十条の規定によって、農業振興計画による事業を行う地方公共団体その他のものに無償で貸しつけている固定資産、  五号が、国家公務員共済組合法第七条の規定によって、無償で組合の事業に供している固定資産、こういうようなものであります。  なお四、五項目ございますが、あとで必要に応じて御連結いたします。
  62. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あとで、具体的にこういうものだと列挙をしたようなものがありましたら御披露願いたいと思います。そうでないと、どうもこの条文だけを見ただけでは、どういうものが該当するのか、今聞いたばかりでは、警察官舎などについても相当疑問があるように思うのです。これは個人住宅というようなものでなくて、そこに居住をすることを強制され、そして昼夜突発事故に対して公務に従事する態勢を常にとっておるわけですからね。どういう解釈になりますか、そういう点もはっきりしたいと思います。将来委員会なり国会なりで、これはひどいじゃないかという意向が強く出るというような場合には、相当やはり一般財源で見られるように、財政計画上も適当な考慮を払うというような余地があるのですか、ないのですか。
  63. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 今の署長住宅に関連する問題でありますが、要するに公用的なものについては交付金の対象としない。公用的のものでありますと、一般的に使用料を徴収しないでやっておるようでございます。従って、使用料を徴収しておるか、徴収していないかということが一つの判断の基準になるのではないだろうかというふうに存じておるわけでございます。具体的の問題につきましては、多少判断のむずかしいものも出て来るかと思いますけれども、それらの点につきまして、できるだけ酷にわたらないような考え方で指導して参りたいというふうに存じております。なお、やはり国有、府県有でありましても、使用状況が一般の場合と同じでありまする場合には、交付金の対象とすることが筋合いではなかろうか、それを国なり府県なりが自己負担にするか、あるいは使用者に転嫁するかということは、現に使用料をどういう考え方で徴収しておるかということにも関連して来るのではないかと存じております。
  64. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  65. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記をつけて。  暫次休憩いたします。    午後零時十八分休憩    ————————    午後一時五十七分開会
  66. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 委員会を再開いたします。  委員異動を報告いたします。委員小笠原二三男君が辞任せられました。新たに永岡光治君が委員に任命をせられました。
  67. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 消防団員等公務災害補償責任共済基金法案議題にいたします。本案につきましては、去る五日、政府より提案理由の説明及び内容説明を聴取いたしております。本日は、大麻国務大臣出席されておりますが、最初に本案に関し発言を求められておりますので、この際発言を許します。
  68. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) ちょっとごあいさつを申し上げたいと存じます。今回提案いたしました消防団員等公務災害補償責任共済基金法案の提案理由につきましては、先に国家消防本部長から御説明を申し上げました通りでございます。  消防団員等の公務災害補償につきまして、徹底した制度を確立し、その完全な実施をはかりますことは、全消防関係者の多年の要望でありまして、今回これが実現を御審議によりまして得ることができましたならば、消防団員等の士気を高揚させることはもちろん、ひいては消防力の強化に資するところきわめて大きいものがあると確信いたします。このような意味におきまして、政府といたしましては、基金に対する国庫補助として四千万円程度の予算措置をいたし、本制度の運営を円滑ならしめたいと考えております次第でございます。  かようなわけでございまするから、何とぞ皆様におかれましては、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切にお願い申し上げる次第でございます。一言申し上げましてごあいさつといたす次第でございます。
  69. 松岡平市

    委員長松岡平市君) これより、本案に対する質疑に入ります。なお一、二の委員から、大麻国務大臣の本委員会出席を機に、本案に直接関係ないが、地方行政委員会として質疑したい二、三の案件があるから、質疑をしたいとの申し出があります。委員会運営支障がないと考えますので、そういうこともあわせて、短時間で済むと思いますから、大臣質疑お答えを願いたいと思います。
  70. 小林武治

    小林武治君 今、大臣は四千万円程度の補助をいたしたいと、こういうことでありますが、いつから補助をされますか。
  71. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 本年度からいたすつもりでございます。
  72. 小林武治

    小林武治君 予算がありますか。
  73. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 予算にまだ計上はいたしておりませんけれども、何かの措置をとりまして、言明を申し上げましたところは間違いなくいたすつもりでございます。
  74. 小林武治

    小林武治君 何かの措置と申せば、その措置についての具体的なものがおありかと思いますが、いかがですか。
  75. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) たとえば補正予算を組みまする等、さようなことを申し上げておるつもりでございます。この儀につきましては、もうすでに御承知でございましょうけれども、大蔵当局からも、衆議院委員会においては言明させておる次第でございますから、お含みおきを願いたいと思います。
  76. 小林武治

    小林武治君 前に予備金支出等の手段によるというお話を聞いておりますが、私どもは、かような恒久的なものを予備金支出でやることは不適当であると、こう思うので、当然予算措置を必要とすると思うのでありますが、政府は補正予算を組まないと、こういうようなことを言っておるように聞いておりますが、補正予算で措置をされるということを、ここではっきりわれわれ了承してよろしゅうございますか。
  77. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 今年だけの応急の措置として補正予算を組む、万やむを得なければ、予備金から支出することがあるかもしれませんが、そういうようなことは、今後の推移に待って、適当にいたすつもりでございます。
  78. 小林武治

    小林武治君 これは、事務当局に伺っておきますが、この金はいつから要りますか。
  79. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) この制度が実施されますのは、この法律案にもありますように、大体準備期間が六カ月ありますので、その後開始されるわけでございますが、実際に災害が起った場合にも、なるべく早く審査をいたしますが、その審査の期間等を考えまするというと、相当金の必要な時期はおそくなって参ると考えております。またそれまでに掛金を集めまして、出発当初から資金がなくて困るというようなことのないようにいたしたいと、さように考えております。
  80. 小林武治

    小林武治君 だから私の伺いたいのは、政府補助金はいつ支出すればいいのか、また政府の支出がおくれた場合に、この基金は、それをもととして借り入れ等ができるかどうか、こういうことをお伺いしたいと思います。
  81. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 大体今年度中に予算措置をすれば、間に合うのじゃないかと考えております。それまでにもし基金が要るような事態がありましたならば、借入金等で一時まかなっていくということを考えております。
  82. 小林武治

    小林武治君 そういう借入金をできるような規定がありますか。
  83. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) これは定款できめる予定でおります。
  84. 小林武治

    小林武治君 なお、この問題と別個でありまするが、消防施設に対する国庫補助金、国家補助金というものがあるのでありますが、これがその後一こう増額されておらぬというふうに聞いておるのでありますが、消防庁当局あるいは公安委員長として、これについて何らか、この増額ということにどういうふうな手を打たれておったかどうか、それを伺っておきます。
  85. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 施設費補助は、三十年度は二億五千万あまりでございましたが、過般御議決をいただきました予算におきまして、三十一年度は、大体五割増しの三億八千万あまりになっております。だんだんと増額にはなっております。
  86. 小林武治

    小林武治君 今の金額は、地方の要望からみれば、ほとんどまあいわば九牛の一毛と、こういうように思われますが、それでもういいと思っておられますか。
  87. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) いいと思っておるわけじゃございません。けれど、第一、御承知通りに、今年度の予算の模様から見まして、補助金で五割増額になったということは、ちょっとほかに例を見ないくらいに重く取り扱っております。そこでそのことは、消防に関係のある人たちは、とにかくそれでもってまずよかったといって喜んでくれているような状態でございます。けれど、それで決して満足いたしておりません。引き続いてもっと増額しなければいけないと、かように考えておる次第でございます。
  88. 小林武治

    小林武治君 ふえたことはけっこうでありますが、とにかく元がばかに小さい、こういうことですから、ただ率があれでもってよくなったということであるべきでないと思うのでありまして、とにかくこれの施設が非常に必要であって、そうしてきわめてこれが不備であるということは、よく御承知通りでありますから、これの増額というものについては、格段の一つ努力をしていただきたいと思いますが、どうですか。
  89. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) ごもっともで、私も全く同感でございます。同感でありますのみならず、そういう御質問が有力なる議員の方からこの委員会において御発言いただくということは、消防関係者のみならず、当局一同が非常に鼓舞せられるゆえんでございまして、これによって勢いを得て、消防の強化、完璧を期するために、一段の努力をいたしたいことを申し上げておきます。
  90. 森下政一

    森下政一君 先刻、小林委員の御質問に対して、大麻国務大臣が、予備金の問題については、衆議院委員会で、大蔵当局に補正予算を必ず組むという言明をさしておると、言明をしたというふうなお話でしたが、言明しなかったのじゃないですか。しなかったから、私は、付帯決議として「共済基金に対する国の補助金については、基金の運用を十分ならしめるよう、すみやかに予算措置を講ずること。」という付帯条件をつけたのじゃないかと、こういうふうに思いますが、一体だれが言明しましたか、大蔵省の。
  91. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 大蔵省の主計局長が言明いたしましたわけでございます。
  92. 森下政一

    森下政一君 それは大臣、何かお間違いじゃないですか。一主計局長が補正予算を組むとか組まんなんという……。
  93. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) いや、そうじゃございません。
  94. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと委員の発言中です。
  95. 森下政一

    森下政一君 一主計局長が補正予算を組むとか組まんとかいうふうなことを私は委員会で言明したとは思えない。のみならず、一萬田蔵相がかりに委員会へ御出席になっても必ず補正予算を組みますということは、閣議を経ることなしに、これは大蔵大臣だけが予算を組むのじゃないのですから、そういうおそらく言明をするなんということはあり得まいと思うのですが、主計局長が言明したというような事実はありますか。なかったから、こういう付帯決議を衆議院はした、そう解釈すべきじゃないですか。
  96. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 組んだときは四千万円の措置をいたしますということは私が言明いたしました、私が……。けれども、委員会においては、それでもまだ物足りないということから、事務当局でもいいから、それは何か大麻の言う通りであるかどうか、大蔵省はどう考えておるかということをただそうじゃないかということで、委員会の御希望によって出まして、そうして本法施行に伴う四千万円の経費につきましては、政府において処置をいたしますという言明をいたしたわけでございます。それで御納得下さいましたけれども、念のために、もしものことがあってはいかんから、付帯決議をつけておこうという御趣旨ででき上ったものでございますから、さよう御承知おきを願います。
  97. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記をとめて。   〔速記中止
  98. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記をつけて。
  99. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 先ほどの私の発言中に、明瞭を欠いておったというようなうらみがございますから、念のためにもう一ぺん、一つ申し上げさしていただきたいと思います。  それは、この四千万程度の措置と申しますのは、補正予算等を組む等、何かの方法をもって、適当な方法をもって、四千万程度のものは政府は支出すると、かように御訂正を願いたいと思います。
  100. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 この第九条の、「締結するものとする。」という書き方は、これは、各市町村は必ずこの基金とこの契約を結ばなくちゃならぬと、一つの義務制にしてあると、こういうふうに考えていいですか。
  101. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) これは、全市町村が契約を結ぶということを一応建前にしておるという考え方でございます。
  102. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと私から今の点について……、建前にしておるということはどういうことか、あいまいで、今伊能委員が聞かれたことは、これは義務制であるか、義務制でないかということを聞かれておるので、建前にしておるということは、これは重要な事柄であります、法案の上でですね。もっとはっきり、政府は、あいまいでない答弁をしていただきたい。
  103. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 制度としましては、全市町村がこの契約を締結する、義務的に締結するという建前をとっておるわけでございます。
  104. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 つまり、市町村は契約をしなければならない義務がこれによって義務づけられると、こう考えていいのですね。
  105. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) その通りでございます。
  106. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そうすると、全国の消防団員を対象とする契約ができると、こう考えなければならないので、従って十一条によるこの政令によって、団員一人当り幾らとか、あるいは人口一人当り幾らというような基礎が出れば、全部でどのくらいの掛金が年間集まるということがもうはっきり数字で出てくるわけですね。そう考えていいですか。
  107. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) その通りでございます。
  108. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そこで、さっきの四千万円というのが突然ぽつっと、今大臣の御発言の中に出てきたのですが、この大臣の御発言の四千万円というのは、どういうところから四千万円という数字を出したのか、これを一つ、本部長でも、あるいは総務課長でもいいから、こまかい数字はいいから、ごく概略、団員について一人当りやったらこのくらいになり市町村の基礎的なものがこれだけになる。これは総計して幾らの掛金になって、どれだけ支払いがあると認めて、四千万円補助すればこうなると、こういう経過的な数字がなければならぬと思うのです。その数字はいろいろな、この資料の中には、現在のやっている状況が書いてあるけれども、今度やろうとするものに対して、唐突に四千万円が出てきたので、私どもは、四千万円がどういうところから出てきたかということも理解できない。この点を御説明願いたい。
  109. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 基金の業務に要する経費の総額は、概算いたしまして、大体一億六百余万円程度と現在推定いたしております。それで市町村からの掛金として見積っておりますのは、大よそ六千六百万円ばかりでございます。それに国庫から四千万円を加えまして、一億六百余万円、こういう推算をいたしております。
  110. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 今の全国の市町村からの掛金で六千六百万円、それにこの四千万円を足して一億六百万円、それで四千万円を国から出してもらいたいと、こういうことなんですね。そうすると全体の大体四割ぐらいを国がみてやる、こういうことになるわけですか、四千万円という数字は。
  111. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 大体四割弱になります。
  112. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そこで、一億六百万円という数字で、まあことし、普通の年の例として、従来消防団員が公務災害でなかなか十分補償してもらえなかったということで、この基金ができたのですが、これによって今まではこのくらいしかもらえなかったが、今度は四千万円補助して、この基金ができることによって、これだけ消防団員の補償がよくなったという説明が欲しいと思います。よくなるはずであるという数字ですね。平均でいいです。
  113. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 今日までの消防団員等の災害補償を、これを死亡した場合の例をとってみますると、平均しまして、大体死んだ場合に三十万程度の補償金を支給されております。この制度によりますると、地方公務員に準じた支給をすることになりますので、最低四十五万余り、最高七十七万七千余りとなりまして、平均いたしますと五十三万二千余りになります。ですから大体現在の実情に比較いたしますと一・八倍程度になる見込みでございます。
  114. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 資料としてもらっておる中に、この十一条による政令によって定めようとする考え方の団長副団長その他役員並びに一般団員についての擬制の給与と言いますか、号俸が出ていますが、大体これは今のところこういうような支給の仕方をしたい、政令によってこれをきめたい、こういうふうに考えているわけですね。
  115. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) さようでございます。
  116. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 そこで私はこの表のうちで、大体役員の段階を二段階、それに一般団員と三段階に分けておる表があるのですが、これによると、団長、副団長というのが一つの段級、その次が分団長、部長、班長という階級、それから一般団員という三つに分けておる。そこでこの団長と副団長というのは責任が非常に違うと思うのです。団長と副団長を同じにするということはどうも適切でないように思う。この点についてどうお考えですか。
  117. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 説明員にこの機会に発言を許します。
  118. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) ただいま伊能委員から御指摘になりました、やがて政令できめるべき支給額の決定における擬制俸給の問題でございますが、これはただいま御指摘になりましたのは、団長、副団長の間にさらに横割りを入れるべきじゃないかという御趣旨だったかと思うのでございますが、確かに団長と副団長とは責任の度合いが違っております。従いまして、その責任に応じて分けるという建前から、さらにこれに横割りを入れるということも一つの筋だと思うのでございます。なお、とりあえず資料として御提出申し上げましたこの消防団員の死亡に伴う補償費の一覧表と申しますのは、一つの素案でございまして、単に団長、副団長の間の問題のみならず、最低の支給金額と最高支給金額とのこの差額をさらに縮めたらいいのではないかというような意見とか、あるいはその他縦割りの問題につきましても相当技術的に問題があると思うのでございます。従いまして、目下政令の内容においてさらに検討いたしておりますが、その機会に今御指摘のような御趣旨を体しまして、最も実情に即して、しかも合理的なる線をはじき出すように努めたいと、このように考えておるわけであります。
  119. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 第十二条によりますと、「基金に対して、その業務に要する経費の一部を補助する」ということなんですが、この「業務に要する経費の一部」ということは、事務的な費用ばかりでなく、支払いの費用までを含んだ意味の業務に要する経費というふうに考えておると思いますが、そう考えていいですか。
  120. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) その通りでございます。
  121. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと私関連して質問します。  第九条の、今、伊能委員が指摘した「契約を締結するものとする。」ということは、これは義務的規定である、しなければならないということだと、こういうふうに言っておられる。そうして十条のただし書き、「ただし、次条の規定による掛金を支払わない市町村に対しては、この限りでない。」、この十条では、掛金を契約しながら掛金を支払わない公共団体市町村予定しておられる。片方はこれは義務で締結しなければならぬという、そしてそのすぐ次の条には掛金を支払わない町村があることを予定しておられる。どうも私はその鈴木君のさっきの御答弁は前後矛盾すると思う。もし九条が今言うように市町村に義務を課する規定であるならば、これは当然十条で掛金を支払わない町村予定するというようなことは、法文の体裁上おかしいと思うのだが、どういうお気持ですか。
  122. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 第九条の「契約を締結するものとする。」と申します意味は、先ほど本部長から御説明申しましたように、この基金制度における建前として、当然にこれが強制契約が基金と市町村との間に締結されることを予想し、期待しておる規定であります。ただ、従いましてその契約の締結に基きまして、基金と市町村間の関係が発生をいたすわけでありますが、実際にはそのような関係が発生いたしましても、それに伴うところの履行として基金に対する市町村の支払いを行うということは、必ずしもそういう建前であっても起らない場合があるいはあるかもしれない。そういうときには、それに対する基金として支払いをいたすことはできないわけでありまして、一応契約によって権利義務の発生ということは行われているけれども、それの履行段階においては、基金としても支払わない場合に払うということは不適当であるという考え方から、ただし書きによって掛金を支払わない市町村に対しては基金としては支払いはいたさないと、こういうただし書きを次の条文でつけ加えたわけでございます。
  123. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと。あなたは建前という言葉を入れておられる、先ほどから建前としては、建前としてはと言われるが、そういう言葉でごまかしてはいけないと思う。義務があるかどうかという、第九条によって市町村は基金と契約を結ばなければならぬ義務があるかどうか、この法文によると一つの義務があるというふうには表現しておらない。ところが、今、政府委員の説明によると義務がある、こういう建前としている、義務があることを建前としている、そういうあいまいもこたる言葉では私たちは了承できない。むしろ義務があるならあるように、この法文をわれわれは直さなければならない。義務があれば、すぐ次の条文で、今度は義務によって当然支払わなければならぬ掛金をそういうふうに予定する必要はない。少くとも相手は公共団体、それにこの法律を立法してこの契約を結ばなければならぬ義務を市町村に負わせたということなら、市町村は当然掛金を支払わなければならぬ義務が生じてくる。どうもここで、とっさにあなた方は第九条において義務づけられていると確言しておられるけれども、義務があるなら支払わなければならないのだから、支払えないものがあるということがあれば、これはほかの制裁を幾らでも加える。これはどうもあなた方は第九条を必ずしも義務づけているとは思わぬ。一般の保険契約みたいなふうに考えておられると私は今まで推測しておったのだが、ほんとうのことを言うとどっちですか。
  124. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) これは義務と言います場合の表現の仕方にいろいろ段階があると思うのであります。何々しなければならないという形における義務の規定の仕方と、さらには先ほど来繰り返して申しましたように、建前としてそうなる、いわゆる「ものとする」というやり方と種々あると思うのでありますが、この場合には、「ねばならない」という表現でなくして「ものとする」としまして、ただしかし、しからばそういう場合に当該市町村が契約を結ばないという状況に、制度はそういうことを予想していないのでありますが、現実にそういう問題が起った場合にはどうするか。これはこの法律上、その場合には同様に罰則を加えるというような規定はないという、そのような意味におけるやはり一応の締結に関する義務的な規定である。このように考えております。
  125. 松岡平市

    委員長松岡平市君) そうすると、あなたの考えておられるのは、契約だけ締結することは締結しなさい。掛金を払う、払わぬは自由だと、こういうことですか。
  126. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 掛金を払う、払わないは自由だという考え方ではありません。やはり締結を行うというのを建前とし、従ってその建前に基いて掛金は当然に払うことを予想し、その建前をとっておるわけであります。ただし実際の問題として、もしも掛金を支払わないという市町村があります場合には、基金としてもそれに対する、まあ民法上で申しますれば、同時履行の抗弁権とでも申しましょうか、そういう意味合いにおきましてただし書きの規定を入れた次第でございます。
  127. 松岡平市

    委員長松岡平市君) あとでまた、大臣もお忙がしいだろうから、詳しくその点については委員会外でもよろしい、説明を聞きますが、それでこの基金が成り立つと考えていらっしゃるのですか。私から言わせれば、どうもそこのところに私は非常な疑いを持つ。九条であなたは義務についてはいろいろ段階があると言うのですけれども、せぬでもいいものは義務じゃないのですよ。こんなことを政府委員が、説明員にしてもおっしゃってはいけない。先ほど伊能君が聞かれたことは、この九条というものは市町村はしなければならぬかどうかと聞いたら、しなければならぬものだとおっしゃった。それはそれでいいです。しなければならぬものならば、それは義務というのですよ。せぬでもいいものは義務じゃないのです。期待しておる、建前としておるということは、あなた方の、これは立案した人の心持だけであって、法文の上で何も期待も心持もありはしませんよ。そうして今おっしゃるがごとく、これはまあ一応皆締結する、こう九条に書いてある。期待通りする。十条では掛金を支払わないものがあることを初めから予定しているわけです、ただし書きで……。こういうもので、締結についてはしっ放しにした。掛金を払わないような町村は全国にたくさん出てこないとあなたは思っていらっしゃる。私は非常にたくさん出るだろうと思う。これでは事故が起るか、起らぬかわからないのですからね、その先になって見たければ……。これはあとからほかの条文で関連して私は指摘しますけれども、事故が起ったときに払っていいかもわからない。これは一つも規定をしていない。事故が起ってから掛金だけ払えば保険金はくれると、こういうことになりそうな気がするのです、この法律から見るというと……。あとでその点は細かにやりますけれども、もう少しあなた方は、とっさのことでなしに、この法文を整理して御答弁願いたいと思う。
  128. 横山和夫

    説明員(横山和夫君) 今御指摘のように、あとで関連した問題がありますので、私たちの方もその問題を御質問に応じましてお答え申し上げて、御審議をいただきたいと考えます。
  129. 加瀬完

    ○加瀬完君 今、委員長の指摘した点に私も関連の質問でありますけれども、今、説明員の方の御説明によりましては、第九条が義務であるという点は何ら説明されておらないと思う。むしろ御説明から受ける印象と、私どもの理解をもってしては、伊能委員や、委員長の指摘しておられるような義務というものではないような解釈すら持たざるを得ないと思う。そこで逆に伺いたいのでありますが、これは義務なんだと、市町村に対する義務なんだということであるならば、提案理由の説明の中に、義務であるという点をもっと明瞭に打ち出すべきじゃなかったのか。その提案理由の第三には、「基金は、契約を結んで掛金を支払った市町村に対して、」という言葉で出ておりまして、それでは説明員のただいまの御説明と合わせて考えると、どうも委員長の指摘しているような義務という観念を初めから政府は持っておらなかったのじゃないか、こういうふうに考えられるのですが、その点はどうなんですか。
  130. 松岡平市

    委員長松岡平市君) これは政府委員からお答え願いたい。
  131. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) この契約は公法上の特殊な契約と私は考えております。それで一応全市町村が義務的に加入するということにはなっておりますが、それに伴う罰則、入らなかったときにはどうなるかというような罰則規定は全然ございませんので、加入契約を締結しない町村に対して、政府として、あるいは基金としてこれを処置する方法は何らとられておらないわけであります。そういう点で、同じ義務と申しましても、公法上の特殊な形態でありますので、一般的に強い意味での義務とはいささか性格が違っている面があると考えております。そういう点で、加入しなくても、あるいは契約しなくても、罰則その他の方法がないということになっておりますので、掛金を出さない場合には、これに対して補償金の支払いはしない、こういう救済的な意味での規定を設けている次第であります。
  132. 加瀬完

    ○加瀬完君 それは前の、委員の方が指摘しておりますような、法律的な観念における義務というものは全然ないということにはなりませんか。ただ立法観念といたしまして、義務的に加入をさせたいということなんで、これは公法上の特殊な契約という御説明でありましたが、特殊な契約ではあるけれども、それは義務というものを確実に伴っているものではないということになるんじゃありませんか。
  133. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 先ほど申し上げましたように、まあ公法上の特殊な義務ということになるわけですが、これは経過を申し上げますと、法制局等ともいろいろこの立案につきましては打ち合せいたしたのでございますが、先ほど総務課長からも御説明申し上げましたように、この契約は公法上の特殊な契約であり、また義務というものの解釈につきましても、先ほど私が説明申し上げましたような特殊な形の義務と、こういうふうに解釈いたしております。
  134. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ちょっと。なお加瀬委員はこれについて御質疑があるとわかっております。私も質疑をしたいと思いまするが、先ほど申し上げましたように、国務大臣出席機会に、国務大臣質疑をしたいという問題が一、二おありのことを委員から申し出がございますので……
  135. 加瀬完

    ○加瀬完君 私も国務大臣にちょっとその点をお聞きしたいんです。
  136. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 国務大臣は他の所用のために当委員会にそう長くおいで願えないという事情もありますので、もっぱら国務大臣への質疑をこの機会にやっていただきたいと思いますから、どうぞ……。
  137. 加瀬完

    ○加瀬完君 今の政府委員の御説明のようでありますると、未加入の市町村というのもできるかもしれないわけです。そういたしますと、その市町村によりましては、もうこの基金制度ができましても、恩沢に浴せないということになり得るわけなんです。そういうふうに、結局この基金によるところの恩恵と言いますか、恩沢と言いますかこれを全体の消防関係者に及ばさないような、あるいは欠点も生ずるのではないかという立場でこの法案をお立てになったのですか、それとも提案説明の趣旨からいえば、全体の消防関係を救って行くというのなら、なぜこれを名実ともに伴ったところの市町村を加入しなければならないところの義務というものを、はっきり裏づけられるような法案にしなかったか、この点大臣のお考えを承わりたい。
  138. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) ただいま御指摘いただきましたような、そんな事態が起らないように全市町村にこれを及ぼし、それから消防関係者に、もしそういう事例がありましたものについては、すべて同じに恩典、利益といいますか、そういうことが潤いますようにしたいと考えております。従いまして、市長会とか、あるいは町村長会とかの御協力を得まして、そういう漏れがないようにぜひいたしたい、かような考え方で立案した次第でございます。
  139. 加瀬完

    ○加瀬完君 しかし、ただいままでの御説明によりますと、未契約町村ができるかもしれないし、救済の及ばない対象が当然生まれることにもなるわけです。そういうことのないような方策を立てるとおっしゃるならば、なぜはっきりと委員長あるいは伊能委員の御指摘のように義務というものを明瞭に内容とするような法案として御提出にならなかったのか、この点なんです。
  140. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) これでわれわれは所期の目的を達し得ると考えまして提案した次第でございます。皆さんの御協力を特にお願いしたいと考えます。ひとり、一カ町村でも漏れるといけない、かように考えております。
  141. 小林武治

    小林武治君 今の法律に直接関係ありませんが、大臣が御出席機会一つ伺っておきたいのですが、先般警察法が改正された、あの警察法の改正というものは、国会審議においても非常に困難なことがあったのでありますが、私どもは警察人員が約三万人減るということは、警察の能率化あるいは経費節減、こういう問題も大きく一つのあの警察法を通す要素として扱ったのでありますが、ことし何か警察庁において人員の節減を取りやめる、あるいはこれを緩和する、こういうふうな措置を講じられたそうでありますが、かようなことは私は当然われわれ委員会にも事前また事後において御報告があってしかるべきだと思いますが、今までそういうふうな措置を警察当局はとっておらない、われわれとしては非常にこれを不本意に思うのでありますが、なぜわれわれにそういうことを御報告なさらなかったかということ、お知らせにならなかったかということをまず伺っておきたい、また、これはそういう報告をする必要がなかったというふうに大臣はお考えになっておるかどうか。
  142. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) そんな考えは毛頭持ちませんけれども、計画通りの方針で定員の縮減と申しますか、減すべきところを減さなければならなかったわけですが、一面また犯罪が近ごろ非常に御承知のように増しましたから、あるいは交通が非常に頻繁になって、そっちの方の手がどうしても回りかねるというようなこと等もございますので、増員しなければならぬ場合もございますからして、差し引き本年は整理を見合せて、ちょうどいいというようなことに予算のときに決定した次第でございます。それでそのことはさっそく皆様にお知らせすべきでございますけれども、予算でもってこれは御説明申し上げなきゃならぬと考えておりましたけれども、今、小林さんの御指摘のように、早くお知らせすれば……、それが当然でございましたけれども、あるいは手落ちになったかもしれませんが、手落ちになったのはどうぞお許しを願いたいと思います。けれども決して他意があるわけじゃございませんから、どうぞ御了承を願いたいと思います。
  143. 小林武治

    小林武治君 警察の当局は、私は警察法改正案が通過したそのいきさつからいうても、当然私どもにもこのことの事情はお許しあってしかるべきであると思うのでありまするが、そういうことは全然なかったということは、なぜそういう措置に出なかったかということについて私は警察庁当局の考えを伺いたい。
  144. 坂井時忠

    政府委員(坂井時忠君) 大臣からただいま答弁がありましたように、政令を改正いたしまして、三十一年度の整理計画を一時中止したのでありますが、それぞれ政党関係の方にはお話し申し上げたのでありますが、正式には予算の問題と関連しまして、予算分科会等でお話しを申し上げたい、こういうふうに考えておったわけであります。いろいろ手違いがありましたことは、まことに申しわけありませんが、その点はあしからず御了承願いたいと思います。
  145. 小林武治

    小林武治君 これは予算と申しましても、地方財政計画によって当然この内容は出てくる。しかしこれについても何にも御説明がなかった。こういうふうに思っておりまするが、一体この政令が出たということは聞いておりますが、この年度計画というものがどういうふうに一体なっておるかということを一つ簡単に御説明していただきたい。
  146. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 年度計画のお話しでございますが、これは御承知のように、警察法の施行令に昭和三十二年四月一日の全国警察の各府県の定員が書いてございます。各府県の一つ一つの定員は別といたしまして、昭和三十二年四月一日において十一万三千五百という数字に至るまで整理をする、こういうことになっております。そうしてその整理のやり方は、同じように警察法の施行令で書いてございますが、二十九年度が第一年度、三十年が第二年度、三十一年が第三年度に当るわけでありますが、その整理は第一年度四、第二年度三、第三年度三、こういうふうな整理計画になっておるわけでございます。それで先ほど大臣からもお話しのございましたように、一年間整理を取りやめるというのは、三年目の、四、三、三のうちの三に当る部分の整理をやめる、こういうふうになっているのでございます。
  147. 小林武治

    小林武治君 具体的に全国の人員はどういうふうになりますか、そのため……。
  148. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 整理の出発を始めました当時の警察官の定員は十三万一千九百人、こういう数字になっております。それを先ほど申し上げましたような年次計画によって整理を逐次やって参ったわけでございますが、今度第三年度目の整理を取りやめるということになりました結果は、具体的には四千百八十五という数字の整理を取りやめると、こういうことになるわけでございます。従って今度一年間、第三年度目の整理を取りやめました結果の総計は十一方七千六百九十と、こういう数字になるのであります。
  149. 小林武治

    小林武治君 そうすると、いわゆる昭和三十一年度には人の整理は一切取りやめだと、こういうことですか。
  150. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 警察官についてはそういうことになるわけであります。
  151. 小林武治

    小林武治君 そうすると、もう警察の人員の関係はそれで最終決定になったと、こういうことですか。
  152. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 最終的と申しますか、第三年度目の三十一年に割り当てられた分を整理を取りやめる、こういうことになるわけでございまして、それから先がどういうことになりますかということは、一年間の取りやめ、こういうことでございますから、最終的ということにはならないと、こういうふうに考えております。
  153. 小林武治

    小林武治君 これは三カ年計画で一応まあ当時の概算で三万人整理する、こういうことになったのでありまするが、そうすると、第三年目は全然整理しない、第一年度、第二年度の整理はこれは完全にできたのですか。
  154. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 整理は非常に困難は感じておりましたが、大体の府県におきましてはこの四・三・三の整理計画に基きまして整理をやって参ったのであります。
  155. 小林武治

    小林武治君 だからして私が聞いておるのは、これで整理が完了したのか、いわゆる新警察法のできたときの予定というものはこれでもう完了したと、こういうふうに了解すべきかということです。
  156. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 一応計画に基いた整理はほぼ所期の目的を達したと、こういうふうに考えております。
  157. 小林武治

    小林武治君 所期の目的じゃない。三年度はやめてしまったのだから所期の目的じゃない。それから何か数字が、当時私どもが聞いたときには全部入れて十五万人、大体これを約三万人整理すると、こういうことになっておったのでありまするが、そうすると、一体第一年、第二年はどれだけの実績があったか、こういうことはどうですか。
  158. 荻野隆司

    政府委員(荻野隆司君) 二十九年度、第一年目は大体一万人、それから第二年目までに終りましたのが四千余人、こういう数字になっております。
  159. 小林武治

    小林武治君 今の数字は予定計画とあまり合っておらぬように思いますが、まあいずれにしましても、私どもとしては警察の定員というものが、これはいろいろの関係で重大な問題であります。で、今申すように、警察法の通過についてもその問題が非常に大きな刺激になってわれわれこれに賛成した。こういう事情もあるので、もう通ってしまったからあとはかまわぬと、こういうふうな態度はよろしくない。こういうふうなことを、予定計画をかように大きく変える場合には、当然われわれにもお話あってしかるべきだと、こういうふうに思うのでありますが、この点、今後のこともありますので、そういう態度はよろしくないというふうに思いまするが、特に注意申し上げておきます。
  160. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 大臣から御答弁願います。
  161. 大麻唯男

    ○国務大臣(大麻唯男君) 小林さんの御意見つつしんで承わります。
  162. 加瀬完

    ○加瀬完君 十一条の市町村の掛金についての内訳の御説明があったわけでございますが、いろいろいただきました資料を拝見いたしますと、補償対象者といいますか、こういうものの数字はいろいろ変動があるようでございますが、一応大体対象者を予定いたしまして、それで新しい先ほど御説明のような単位で支給をいたすといたしますと、一億六百万円という金額でどうやら所期の目的が達せられる、計数的な点でそういった、何と申しますか、バランスがとれて参るという御計算でございますか。
  163. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) この計算は、大体平年度を基礎にいたしまして計算いたしておりますので、大体これでバランスがとれてゆくと考えております。
  164. 加瀬完

    ○加瀬完君 この掛金は、全市町村が入るという御前提だろうと思いますが、先ほど問題になりましたように、幾分か結局この法によりますところの条件に不適格だという町村が出て参りました場合、そこで救済しなければならないような問題が起りました対象に対しましては、どういうふうに救済をするというお考えですか。
  165. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、市長会あるいは町村長会等の協力を得まして、これに契約を結ばない町村一つもないように努力をいたしたいと考えておりますが、実際今日行われている各市町村の災害補償の現状と、この制度に基く状況とを比較すれば、おそらく理解が十分いけば加入しない町村はないのじゃないかというふうに確信いたしております。と申しますのは、現在でも各府県には県単位の一部事務組合、あるいは任意組合でやっている所もありますが、おおむね一部事務組合によって共済的な制度を持っております。しかしやはり一府県だけでは危険分散が地域的に狭いものですから、どうしても掛金が多い割に支給される補償金額は非常に少いという実情になっております。現在そういった掛金をやって共済をするという制度が全然ないわけではないのでございまして、ほとんど全府県にそういう府県単位の一部事務組合等がある点からみましても、こういうものよりもはるかにすぐれたこの制度ができまして、全国的に危険分散をすることによって、ごく安い掛金で相当額の、公務員並みの補償金を支給できるということになれば、おそらくその実情がわかれば市町村は喜んで加入いたしまして、決して加入しない町村はないだろうという確信をもっております。
  166. 加瀬完

    ○加瀬完君 非常に有利な条件であるからおそらく、現在でも県単位の一部事務組合等が行われているわけであるしするので、もちろん新しい法案が通過した場合は、これによる加入というものは、これは全部漏れなく希望がもてる、こういうことでございますならば、また全部の市町村を入れることの方が非常にいいということでありますならば、なぜ一体、またもとの議論に返るようでございますが、公法上の特殊な契約でありますとか、あるいは事務的加入だというふうなことではなくして、義務加入という線をはっきりと打ち出し得なかったのでありますか、また打ち出した方がいいように私どもは考えられるのでございますが、そういう線を特にとらなかったのはなぜでございますか。
  167. 森下政一

    森下政一君 今の加瀬君の質問に関連してお伺いしますが、第九条の末尾の「契約を締結するものとする。」という文句を、契約を締結しなければならないというふうに、明確に市町村に義務づけるような表現の仕方をすることによって何か支障のあることがあるのですか。それは困るということが何かあるのか。逆にそういう観点からも一つ答えてもらいたいと思うのです。
  168. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) ただいまお話のように、その義務を徹底的に義務づけをするということになりますれば、その契約を締結しない場合の処置もまた考えておかなければ徹底しないわけでございます。そこにあるいは罰則を設けるとか、あるいは財政上の特殊な政府として処置をするというようなことが一応考えられると思いますが、そうなりますと非常に市町村の自主性を侵すような結果になりますので、この考え方は、市町村の自主性をあくまでも尊重した考え方に立って制度を設けるという基本的な考え方に立っております。
  169. 森下政一

    森下政一君 それならば当局としてはこういう法律を作っても、基金の契約を締結しない市町村もあり得ることを予想しておられるわけですね、そう解釈してよろしいな。
  170. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) あるいはそういう町村もあることは予想されるわけでございます。
  171. 松岡平市

    委員長松岡平市君) そうするとあなたは先ほど、これは市町村の義務づけ規定だということとまるで話がばらばらじゃないか。先ほどから私が注意したのはそういうことなんですよ。建前としてという言葉でごまかしちゃいけないというのです。
  172. 鈴木琢二

    政府委員(鈴木琢二君) 先ほどの私の説明は間違っておりました。取り消しいたしたいと存じます。全市町村必ず契約を締結するという考え方でございます。ただ私ちょっと取り違えましたのは、契約は締結しても掛金を払わない市町村があり得るということとちょっと勘違いいたしましたから。
  173. 松岡平市

    委員長松岡平市君) ますますおかしくなってきたぞ。
  174. 伊能芳雄

    ○伊能芳雄君 これはもっと整理して考えると、こういうことなんです、第九条というのは。今森下委員の言ったように、ほんとうの義務づけ、法律上の義務ではないですから、義務ということは常識的な義務を言っているのです。法律の義務ではないのです。この言葉は一つの訓示であり宣言なんです。市町村に対してこういうふうなのが適当だというふうに、政府の宣言的なものなんです。従ってこういうことをした以上はこういう優遇をするけれども、入らんものは入らんでもいいのだ、だから入らんものができることも予想はしなければならん。大臣も全部の人に地霑したいけれどもと言った、この建前から言えば、入らんものができてもよろしい。こういうことに理解しなければいけないので、やはり法律的には義務はない、一つの宣言であり訓示である、勧奨的な訓示である。こういうふうに理解しなければいかん。従って契約をすることも随意であり、契約しなければ払わないのは当然である、契約をしても払わない場合がある、こういうことがあると言えると思うのです。そういうふうに考えないと、この条文は全然違ってきますよ、そういうふうにはっきりしておかなければいかんです。
  175. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 総務課長でなしに、そこのところをはっきり政府委員から、ちゃんと先ほどから申し上げているように、少し答弁が混乱しておるようだから整理しなさいと申し上げているのです。説明員の説明は説明の補助として聞きますけれども、政府委員政府責任において答弁しなければ困る、委員会では。
  176. 小林武治

    小林武治君 契約を結ぶのだと言うて聞かせるのだ。
  177. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記をとめて。    午後三時五分速記中止    ————————    午後三時三十八分速記開始
  178. 松岡平市

    委員長松岡平市君) 速記をつけて。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十九分散会