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政府委員(奧野
誠亮君) お手元にお配りいたしております
地方税法改正事項細目というプリントに従って御
説明いたします。
第一は総則でありますが、「道府県が個人の道府県民税とあわせて徴収した個人の
市町村民税または
市町村が個人の
市町村民税とあわせて徴収した個人の道府県民税で、納税者または特別徴収義務者の過納または誤納にかかるものがある場合には、道府県または
市町村は、その過納または誤納にかかる
市町村民税または道府県民税を当該納税者または特別徴収義務者の未納の道府県または
市町村の
地方団体の徴収金に充当することができることとする」ものであります。本来道府県の税金を
市町村の未納の税金に充当することができないわけでありますけれ
ども、両者は一体として徴収しておりますので、相互の便宜をおもんばかりまして、徴収した団体の未納の税金に充当することができる道を開いておこうと考えているわけであります。
次に、「道府県内に寮、宿泊所等のみを有する法人等に対しても均等割を課するものとすること。」、温泉地区等には会社が寮や宿泊所等を設けている場合が多いわけであります。しかしこれらは事務所や事業所でございませんので、道府県民税は課せられません。法人税割の分割の基礎にもならないわけでありますが、均等割程度のものは課税した方が、当該
市町村等の結びつきから考えまして適当であろうかと考えたわけであります。
事業税でありますが、「法人でない社団または財団で、代表者または管理人の定めのあるものの行う事業に対しては、法人として課税することをとりやめ、個人の事業税として課税すること。」、こういうものにつきましては、所得税法はあくまでも個人として所得税の
対象にして参るわけであります。事業税の課税標準であります所得は、法人税や所得税の課税標準になります所得の計算の上にのっかることにしておりますので、所得税の場合に準じまして、やはり法人でありません以上は、こういうものを個人として扱って行きたい、かように考えるわけであります。
自動車損害賠償責任保険に対する収入金額は正味収入保険料の百分の十とすること、自動車損害賠償責任保険法が昨年十一月から実施されたわけであります。その保険が強制加入を建前といたしておりますし、また保険の料率をできる限り下げることを建前にして料率をきめている等の
関係もございますので、この保険に対しまする事業税課税に当りましては、収入金額が課税標準でありますけれ
ども、正味収入保険料の百分の三十五となるところを百分の十とすることにいたしたいわけであります。これによりまして、七百万円程度の軽減になるわけでございます。
四、不動産取得税、住宅の定義を、人の居住の用に供する家屋または家屋のうち人の居住の用に供する
部分とすることでありまして、現行法では
市町村居住の主として人の居住の用に供する家屋となっております。主として人の居住の用に供する家屋でありますと、不動産取得税の課税に当りまして、百万円基礎控除されるわけでありまして、しかしそれが該当するかどうかということにつきましては、人の居住の用に供されているか、あるいは営業等の用に供されているかということで、どちらに多く使用されているか、そういうことで判定するわけであります。従いまして、そこにはどちらに多く使用されているかということについて争いが絶えないわけであります。そのような事情にかんがみまして、居住の用に供してさえいれば、その
部分については必ず百万円基礎控除をするということにいたしまして比率を明確にしたい、かように考えているわけであります。
五は、娯楽施設利用税、(一)が学生、生徒、児童または幼児のスケート場の利用に対しては、娯楽施設利用税を課することができないものとすることとしようとしているわけでありまして、スポーツという見地から、こういうものに課税いたさない。約四千万円程度の軽減になるわけであります。(二)は、娯楽施設利用税の徴収の
方法について、パチンコ場等で利用物件等を課税標準とする場合には、普通徴収の
方法にもよることができるものとすること、現在は申告納付の
方法によっていますために、どの税率が
適用されるものであるかということも自分で判断をする。その結果は府県との間にいろいろ争いが起っているわけでございますので、こういうような台数等で課税して行きます
部分については、府県側で徴税令書を作成して納税義務者に
交付する、そういう形で徴収できるようにいたしたいと考えるのであります。
六、遊興飲食税、(一)特別徴収義務者が申告納入の期限までに遊興、飲食及び宿泊並びにその他の利用行為にかかる料金及び遊興飲食税の全部または一部を受け取ることができなかったことにより、その納入すべき遊興飲食税にかかる
地方団体の徴収金の全部または一部を納入することができないと認める場合は、特別徴収義務者の申請により、その納入することができないと認められる金額を限度として、三月以内の期間を限って徴収猶予をすることができるものとすること。この場合には延滞金及び延滞加算金を免除するものとすること。」、公給領収証制度がとられました結果、売り掛けになっている
部分も明確になっているわけでありますので、そういう場合には三月以内の期間を限って徴収猶予する、延滞金もとらない。その
かわりまた売り掛けになっているものも明確に公給領収証となるべきものに記載してもらう、こういう
考え方であります。「(二)、特別徴収義務者が遊興、飲食及び宿泊並びにその他の利用行為にかかる料金及び遊興飲食税の全部または一部を受け取ることができなかったことについて、正当な
理由があると認める場合または徴収した遊興飲食税額を失ったことについて、天災その他避けることができない
理由があると認める場合においては、特別徴収義務者の申請により、その遊興飲食税額がすでに納入されているときは、これに相当する額を還付し、遊興飲食税がまだ納入されていないときはその納入の義務を免除するものとすること。この場合における道府県知事の
措置に不服がある者は、
異議の申し立て及び出訴をすることができるものとすること。」、遊興飲食税が売り掛けになっておったところが、相手方が倒産してしまった、そういう場合には料金ももらえませんし、従って遊興飲食税だけを立てかえて払えということは酷にすぎるわけでございますので、そういう場合には納入の義務も免除しようということであります。こういたしまして、遊興飲食税の特別徴収が発生主義にのっとっておるわけでありますが、多くの
部分について現金主義的な取扱いをして行きたいと、こう考えておるわけであります。
七、自動車税、「(一)、自動車について所有権留保付売買があった場合においては、自動車税の賦課徴収については、売主及び買主を共有者とみなすこととすること。」、自動車の月賦販売におきまして、月賦額が完済されるまでは所有権は買主に移らない。しかもまた租税は一切買主において負担すると、こういうような契約のもとに売買される例が非常に多くなっているわけであります。従いまして、こういう場合には買主も共有者と見なしまして、これに自動車税を課して行けるようにいたしたい、かように考えるのであります。「(二)、軽油引取税の創設に伴い、「揮発油を燃料とする自動車」以外の自動車に対する自動車税の標準税率を「揮発油を燃料とする自動車」に対する自動車税の標準税率まで引き下げるものとすること。」、現行は、五割増しになっておるわけであります。「(三)、自動車税の賦課後に自動車の承継があった場合には、それぞれ月割をもって自動車税を課するものとすること。現行は、前の納税者が後の納税義務者の納付すべき自動車税の全部又は一部を納付しているときは、その納付にかかる
部分については、前の納税者の納税をもって後の納税義務者の納税とみなして、月割課税を行わない。」、前の納税者が一部を納入しているかどうかということによって、あとの納税義務者の負担する
部分が変って参りますので、いろいろといざこざが起っておるわけでありますので、完全な月割課税にいたしたいと考えるわけであります。「(四)、自動車税の賦課期日後に自動車の用途等の変更により
適用税率に
異動があった場合においては、それぞれ月割をもって算定した額の合計額により自動車税を課するものとすること。現行は賦課期日現在における自動車税の税率により課する。」、たとえば自家用車が営業用車になりますと、料率が下ってくるわけであります。従って、そういう場合には自家用車であった期間が何カ月であり、営業用車であったのが何カ月であったかということによって税額をきめたいということに考えたわけであります。「(五)、同一の自動車についての道府県において納税義務が消滅し、他の道府県において納税義務が発生した場合においては、それぞれの道府県が月割によって自動車税を課することとすること。この場合においては現行法は納税義務が発生した道府県は、納税義務が消滅した道府県において賦課した
部分については、自動車税を課することができない」、ということにいたしているわけでありまして、賦課したか、賦課しなかったかということによって税額が変ってくることは穏当でございませんので、その場合にも完全な月割にいたしたいというふうに割り切ったわけでございます。
八、
市町村民税、「(一)、
市町村内に寮、宿泊所等のみを有する法人等に対しても均等割を課するものとすること。」、これは府県民税の場合と同じであります。「(二)、
市町村は、給与所得者のうち支給期間が月をこえる期間により定められている給与のみの
支払を受けていること、その他これに類する
理由により特別徴収をすることが著しく困難であると認められる事情があるものに対しては、当該給与所得者にかかる
市町村民税を普通徴収の
方法によって徴収するものとすること。」、たとえば恩給等のみを受けている人でありますと、年二回なり四回なりに分けて
支払いを受ける、そういうものにつきましても、源泉で徴収をさしておくらせるということは非常に繁雑でありますので、そういう場合には、
市町村がその人に徴税令書を渡して徴税して行く
方法によりたい、かように考えておるわけであります。
九、
固定資産税、「(一)、国が農地法の
規定により、買収した未墾地等についても、農地の場合と同様に当該未墾地等を他人に売りわたすまでの間は、当該未墾地等の使用者(無償で使用する者を除く。)に対して課税することができるものとすること。」、使用者課税の
範囲が若干広がるわけであります。この場合でも、未墾地等の使用者がカッコ書きで書きましたように、無償で使用する者につきましては使用者課税をいたさない、こういう場合には負担させないようにいたしたいと考えているわけであります。「(二)、日本放送協会及び日本中央競馬会にかかる固定資産は非課税の
範囲から除くものとすること。」、三公社課税と同じように、非課税の
範囲からこういうものについても除くわけであります。「(三)、日本放送協会が所有する固定資産で直接その本来の事業の用に供するものに対して課する
固定資産税の課税標準については、当該固定資産に係る
固定資産税の課税標準となるべき
価格の二分の一(
昭和三十一年度分の
固定資産税に限り四分の一)の額とするものとすること。」、三公社の場合と全く同じ建前にいたそうといたしているわけであります。その次は、納期限の
特例でありますので省略いたします。
十、電気ガス税、「(一)、日本国有鉄道が直接
一般交通のための旅客または貨物の運送の用に使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないものとすること。」、
一般の私鉄につきましては、すでに電気ガス税を課さないようにいたしているわけでありまして、今般日本国有鉄道に対しましても、
固定資産税相当額の納付を求めることにいたしましたので、電気ガス税は
一般私鉄なみに課さないようにいたしたいと考えております。「(二)、電気またはガスを使用する者が電気ガス税の課税
部分と非課税
部分とをあわせて使用する場合において、その
部分の区分ができないときは、製品または鉱物の数量等を
基準として政令で定めるところにより、電気ガス税を課することができる
部分の電気またはガスの料金を算出するものとすること。」、鉱物の掘採のうちで、課税されるものと課税されないものと一緒に行なっている場合がございます。そういう場合には、課税される
部分の鉱物の掘採に使っている電気がどのくらいあるかというふうなことを、政令で、たとえば産出された鉱物の
価格で按分する等の
方法により算出することができるようにいたしたいと考えているわけであります。
十一、目的税、「(一)、軽油引取税、1、課税の目的、道府県は、
道路に関する費用に充てるため、及び
道路法第七条第三項に
規定する指定市」これは五大市であります。「に対し
道路に関する費用に充てる財源を
交付するため、軽油引取税を課するものとすること、」
2、用語の意義、「(1)、「軽油」とは、摂氏十五度において〇・八〇一七をこえ、〇・八七六二に達するまでの比重を有する炭化水素油をいい、政令で定める炭化水素油を含まないものとすること。」、こういう比重だけで
規定いたしますと、灯油の一
部分がこの中に入ってきたりいたしますので、そういうものを除外するために、さらに政令で蒸留度その他から除外できるような
規定を置こうとするものであります。「なお、軽油引取税がまだ課されていない軽油に炭化水素油以外のものを混和するときは、その混和により生じたものを軽油とみなすものとすること。」、(2)、(3)、(4)は「元売業者」、「特約業者」、「営業所」のこれは定義であります。
一般に元売とか、特約とかいっているわけでありますので、省略いたします。
3、課税団体、「特別徴収の
方法による場合にあっては、当該軽油にかかる引渡の業務を営む軽油引取税の特別徴収義務者の営業所所在地の道府県、申告納付の
方法による場合にあっては、」、元売業者や特約業者が自家消費に充てるものについては申告納付するわけであります。そういう場合には、「当該軽油の消費について直接
関係を有する事務所または事業所所在地の道府県、」、それから次に、免税軽油を購入したものが他の者に譲り渡した場合には、やはりその
部分だけは申告納付するわけになるのでありますが、「当該軽油にかかる免税証を
交付した道府県」、さらに免税軽油を他の用途に充てた場合にも申告納付になるわけでありますが、そういう場合には、「当該軽油の消費または譲渡について直接
関係を有する事務所または事業所所在の道府県」ということにいたしているわけであります。原則的には特約店から買う場合に、特約店が買った人間から料金と一緒に軽油引取税も徴収しているのでありまして、特約店の営業所所在地の道府県に申告納入することになって参ります。
4、課税客体、「(1)、特約業者または元売業者からの軽油の引取とし、特約業者の元売業者からの軽油の引取及び元売業者の他の元売業者または特約業者からの軽油の引取を除くものとすること。」、
一般に製造段階の元売から特約業者が買いまして、これを特約業者が消費者に売るか、あるいはさらに不特約店あるいは小売店に卸して行くわけであります。この特約店の段階で課税をして行きたい、これが全国で二千くらいあるわけであります。元売業者として
規定しようとしておりますのは約三十と考えております。三十の段階から大よそ二千の特約業者が引き取ってくるわけであります。この特約店から小売業者なり、消費者なりが引き取る場合には課税をしようとしているわけでございます。二番目は、「次の各号に掲げる場合の行為は軽油の引取とみなすものとすること。(イ)、特約業者が元売業者からの引取にかかる軽油をみずから消費する場合における当該軽油の消費、」、自家消費であります。「(ロ)、元売業者が軽油をみずから消費する場合における当該軽油の消費、(ハ)、免税軽油の引取を行なった者が他の者に当該引取にかかる軽油を譲渡する場合における当該軽油の譲渡、」、免税軽油を引き取りながら他に譲り渡す場合であります。「(ニ)、免税軽油の引取を行なった者が免税用途以外の用途に供するため引取にかかる軽油をみずから消費する場合における当該軽油の消費、(ホ)、特約業者及び元売業者以外の者が軽油を輸入して、当該輸入にかかる軽油をみずから消費し、または他の者に譲渡する場合における当該軽油の消費または譲渡」、これだけの場合が課税の
対象になるわけであります。(3)は、「特約業者または元売業者が軽油を使用して、軽油以外の炭化水素油を製造する場合における軽油の使用は、(2)(イ)または(ロ)の軽油の消費には含まれないものとすること。」、この中の課税
対象には含まれないということであります。たとえば軽油を四割くらい、B重油を六割くらいまぜましてA重油にいたしまして消費する場合がございます。そういう場合には課税の
対象にはいたさないということであります。主として自動車用の軽油を課税
対象にする
関係もございまして除外することにいたしております。
5、納税義務者は
一般的には軽油の引取を行うものでありますが、自家消費いたしましたりする場合には、特約業者や元売業者自体が納税義務者となって参るわけであります。
6は、「課税免除、(1)、次の各号に掲げるものについては、道府県知事の承認を得た場合に限り、課税しないものとすること。(イ)、軽油の引取で本邦からの輸出として行われたもの」には課税をしないわけであります。「(ロ)、特約業者からの引取で当該特約業者が他の特約業者から引取を行なった軽油にかかるもの」、すでに前段階で課税されているわけでありますから、二重課税を避けるという
意味で承認を受けた場合には課税しないことといたしております。「(ハ)、すでに引取について軽油引取税を課された軽油にかかる引取」、
一般的にはさらにこういう
規定を設けまして二重課税を避けることができるようにいたしております。「(2)、次の各号に掲げるものについては、免税証の
交付があった場合及び13(1)の道府県知事の承認があった場合に限り、課税しないものとすること、(イ)、船舶の使用者が当該船舶の主たる推進
機関の動力源に供する軽油の引取、(ロ)、海上
保安庁が航路標識法第二条の
規定により設置し及び管理する航路標識の光源用に供する軽油の引取、(ハ)、日本国有鉄道、
地方鉄道事業または軌道事業を営む者その他政令で定める者が鉄道用車両、軌道用車両またはこれらの車両に類するもので政令で定めるものの主たる推進
機関の動力源に供する軽油の引取、(ニ)、農業または林業を営む者が動力耕うん機その他の政令で定める機械の動力原に供する経由の引取、(ホ)、陶磁器製造業その他の政令で定める事業を営む者が陶磁器の製造工程における焼成の用途その他政令で定める用途に供する軽油の引取、」
7、課税標準、「引取にかかる軽油の容量」が課税標準となります。「ただし、特別徴収の場合における課税標準量は、引取にかかる軽油の数量から当該引取の際減少すべき軽油の数量として政令で定める数量を控除した数量とするものとすること。」、たとえば、特約業者から他の販売業者が引き取って行く、それから消費者に渡る場合にはかなり蒸留度の強いものでありますから、欠減してくることが考えられるわけであります。そういう
意味で特約業者が税金を申告納入します場合の課税標準につきましては、一%程度の欠減を見る予定をいたしておるわけでございます。
8、税率、「軽油一キロリットルにつき六千円とするものとすること。」、揮発油税が
地方道路税と合わせまして一万三千円でありますので、その二分の一弱にしたいという
考え方であります。
9、徴収の
方法は原則的には特別徴収でありますが、例外的には申告納付の
方法によっているわけであります。
10、徴収の手続、「(1)、特別徴収の
方法による場合においては、次の各号に掲げるところによるものとすること。(イ)、道府県は、当該道府県の条例の定めるところにより、当該道府県内に営業所を有する特約業者または元売業者その他徴収の便宜を有する者を特別徴収義務者として指定し、これに軽油引取税を徴収させるものとすること。(ロ)、軽油引取税の特別徴収義務者は、毎月十五日までに、前月の初日から末日までの間において徴収すべき軽油引取税にかかる課税標準量、税額及び免税にかかる数量その他必要な事項を記載した納入申告書に免税証その他免税数量を証するに足りる書面を添付して、当該特別徴収義務者の営業所所在の道府県の知事に
提出し、及びその納入金を当該道府県に納入するものとすること。(ハ)、前各号に掲げるもののほか特別徴収の手続等については、他の特別徴収にかかる道府県税の例によるものとすること。(2)、申告納付の
方法による場合においては、次の各号に掲げるところによるものとすること。(イ)、4(1)(イ)(ロ)及び(ホ)に掲げる場合にあっては、納税者は、毎月十五日までに、前月の初日から末日までの間において消費にかかる軽油引取税の課税標準量税額その他当該道府県の条例で定める事項を記載した申告雷を当該納税者の当該消費または譲渡について直接
関係を有する事務所または事業所所在地の道府県の知事に
提出し、及び申告した税額を当該道府県に納付するものとすること。(ロ)、4(1)(ハ)及び(ニ)に掲げる場合にあっては、納税者は、当該事由の発生した日から十五日以内に、当該譲渡または消費にかかる軽油引取税の課税標準量、税額その他当該道府県の条例で定める事項を記載した申告書を当該軽油にかかる免税証の
交付をした道府県知事に
提出し、及びその申告した税額を当該道府県に納付するものとすること。」特約業者や元売業者の自家消費の場合には、(イ)で毎月十五日までに前月分を申告納付いたします。それから(ロ)で免税軽油を他に譲り渡したという場合には、当該事由の発生した日から十五日以内に申告納付するということにしたわけでございます。
11、免税の手続、「(1)、6(2)各号に掲げる用途に供するため、免税軽油の引取を行おうとする者は、政令で定めるところにより、免税軽油の数量、免税軽油の引取を行おうとする販売業者の事務所または事業所所地及び氏名は名称その他必要な事項を記載した申請書を当該免税軽油使用者の主たる事務所または事業所所在地の道府県知事に
提出して免税証の
交付を受け、その免税証を軽油引取税の特別徴収義務者に
提出するものとすること。ただし、免税軽油使用者は、特別の事情によりこれによりがたい場合にあっては、政令で定めるところにより、主たる事務所または事務所以外の裏業所所在地の道府県知事に免税証の
交付を申請することができるものとすること。」原則として免税軽油の引取を行おうとする営業所所在地の道府県知事に免税証の
交付を申請するわけですが、しかし二府県以上に事務所、事業所を持っておりまして、一府県で免税証を全部受けてしまいたい場合には、そういうこともできる道を開いておこうというわけであります。「(2)、道府県知事は、申請があった場合においては、免税軽油使用者が引取を行おうとする軽油の数量がその用途及び使用期間に照らし、適出なものであると認めるときは、免許証を
交付するものとすること。免税証には、免税軽油の数壁、有効期間並びに免税軽油使用者が申請書に記載した販売業者の事務所または事業所所在地及び氏名または名称を記載するものとし、その様式は、総理府令で定めるものとすること。」、必要なだけの免税証は
交付しなければならないという義務を課しているわけでございます。「(3)、免税軽油の引取は、免税証に記載された販売業者から行うものとすること。ただし、船舶の使用者等が当該販売業者の事務所または事業所所在地以外の地において軽油の引取を行う必要が生じたこと、その他やむを得ない
理由がある場合においては、免税軽油使用者は、引取を行う販売業者の事務所または事業所所在地の道府県の条例の定めるところにより、他の販売業者から引取を行うことができるものとすること。」、免税軽油を引き取るということを申請する場合にはっきりさせておくことにいたしております。それをそのまま免税証に記載をいたしまして、記載された販売業者の所から免税軽油を買わなければならない。こういうことにいたしまして、免税証の横流しを防止したい、同時にまた免税証がなくても免税軽油をすっかり使い果しました場合には、便宜譲り渡しを受けられるルートもつけてお幸たいというふうに考えたのであります。「(4)、免税軽油使用者が免税証を軽油引取税の特別徴収義務者である者以外の軽油の販売業者に
提出して、免税軽油の引取を求めた場合においては、当該販売業者は、当該免税軽油使用者にかわって、当該免税証を軽油引取税の特別徴収義務者である販売業者に
提出して免税軽油の引取を行うものとすること。」、特約業者が特別徴収義務者にたるわけでございまして、その他の小売業者は特別徴収義務者にはなりません。しかし小売業者の段階におきましても免税軽油は引き取れる、小売業者は消費者にかわって特約業者から免税軽油の引き渡しを受けるのだという
趣旨をうたってあるわけであります。「(5)、免税軽油使用者が当該道府県以外の道府県に事務所または事業所が所在する販売業者から当該免税軽油の引取を行うため免税証の
交付を申請したときは、当該道府県知事は、遅滞なく、政令で定めるところにより、当該免税証に記載された数量その他必要な事項を当該道府県知事以外の道府県知事に通知するものとすること。」、たとえば静岡で買う免税軽油について東京都で免税証の
交付を受けますときに、東京都知事は静岡県知事に対しまして、そういう免税証を
交付したということを通知しなければならないということにいたしてあるわけでございます。
12、徴収猶予、「道府県知事は、軽油引取税の特別徴収義務者が軽油の代金、軽油引取税の全部または一部を10(1)(ロ)の納期限までに受け取ることができなかったことにより、その納入すべき軽油引取税にかかる
地方団体の徴収金の全部または一部を納入することができないと認める場合において、当該特別徴収義務者が政令で定めるところにより担保を提供したときは、当該特別徴収義務者の申請により、その納入することができないと認められる金額を限度として、二月以内の期間を限ってその徴収を猶予するものとすること。」、手形による売買等が通常でありますので、二月以内の期間を限りまして担保の提供があった場合には、売りかけになっておる
部分については全部徴収猶予するということにいたしておるわけであります。
13、「納税義務者がその引取にかかる軽油を返還した場合及び免税軽油使用者が引取後において免税用途に免税軽油以外の軽油を供した場合における
措置、(1)、軽油引取税の特別徴収義務者から軽油の引取が行われた後販売契約の解除により、その引取にかかる軽油の全部または一部を当該特別徴収義務者に返還した場合において、その引取にかかる軽油の軽油引取税額がまだ納入されていないときは、当該軽油の引取は行われなかったものとみなし、すでに軽油引取税額の全部または一部が納入されているときは、道府県知事は、当該納入にかかる軽油引取税額のうち、当該返還された軽油に対応する
部分の金額を、当該特別徴収義務者の申請により、還付するものとすること。(2)、免税軽油使用者が免税証の
交付を受けた後当該免税証に記載された数量をこえる数量の軽油を免税用途に供した場合において、その事実及び数量を免税証の
交付を受けた道府県知事に証明してその承認を得たときは、道府県知事は、軽油引取税の特別徴収義務者の申請により、当該軽油にかかる軽油引取税額がまだ納入されていない場合にあってはその納入を免除し、すでに軽油引取税の全部または一部が納入されている場合にあってば当該納入にかかる軽油引取税額のうち、当該使用にかかる軽油に対応する
部分の金額を当該特別徴収義務者に還付するものとするものとすること。」、前者については税金を還付いたしますし、後者につきましては免税証を追加して
交付するということにいたしておるわけであります。
14、「特別徴収義務者の記帳義務、軽油引取税の特別徴収義務者は、営業所ごとに、軽油の貯蔵数量、引渡を受けた軽油の数量、引渡を行なった軽油の数量その他必要な事項を帳簿に記載しなければならないものとすること。」、揮発油税の場合に準じた記帳義務を課しておるわけであります。
15は、徴税吏員の
質問検査権等、16は、
自治庁職員の
質問検査権、17は罰則であります。18は犯則取締、19は使途等、(1)は指定市に対する
交付、「(イ)、指定市を包括する道府県(以下「指定府県」という)は、総理府令で定めるところにより、当該指定府県の軽油引取税額に相当する額に政令で定める率を乗じて得た額に当該指定市の区域内に存する
道路(一級国道及び二級国道並びに都道府県道をいう。)の面積を当該指定府県の区域内に存する
道路の面積で除して得た数を乗じて得た額を当該指定市に対して
交付するものとすること。」、要するに、五大府県が徴収いたしました軽油引取税から、徴収に要した経費を差し引きました額を五大府県内の通路の中で、五大市の中にある
道路の面積の割合がどれくらいであるか、この五大市の中にありまする
道路の面積の占めております割合、これを乗じた額を五大府県から五大市に
交付するわけであります。「(ロ)、
前項の
道路の面積は、総理府令で定めるところにより、補正することができるものとすること、(2)、使途、道府県は当該道府県の軽油引取税額に相当する額(指定府県にあっては、当該指定府県の軽油引取税額に相当する額から、(1)(イ)により指定市に
交付した額を控除した額)から軽油引取税の徴収に要する費用として総理府令で定める額を控除した額を、指定市は(1)(イ)により
交付を受けた金額をそれぞれ
道路に関する費用に充てなければならないものとすること。」
20、施行期日、「軽油引取税に関する
部分は、
昭和三十一年六月一日までの期間内で政令で定める日から施行するものとすること。」
21、その他、「(1)、元売業者の指定、特別徴収義務者の指定、登録及び証票の
交付、並びに免税証の
交付等は、軽油引取税に関する
部分の施行の日前においても行うことができるものとすること。(2)、軽油引取税に関する
部分の施行の際、軽油引取税の特別徴収義務者でない販売業者が一キロリットル以上の軽油を所持している場合においては、当該販売業者が当該
部分の施行の口に、特約業者から引取を行なったものとみなして、軽油引取税を課するものとすること。」、買いだめを防止するという
趣旨におきまして、小売業者等がたくさんな軽油を持っています場合には、子の
部分については課税できるようにいたしておきたいのであります。
(二)、都市
計画税、1、課税の目的、「
市町村は都市
計画法に基いて行う都市
計画事業または
土地区画整理法に基いて行う
土地区画整
理事業に要する費用に充てるため、都市
計画税を課することができるものとすること。」
2、課税客体、「都市
計画法第二条の
規定により都市
計画区域として
決定された区域のうち当該
市町村の条例で定める全部または一部の区域内に所在する
土地及び家屋とすること。」、
市町村内の家屋でありましても、都市
計画事業と全く何らの
関係もないと思われるような山林等につきましては、課税をはずそうと思えば、条例できめればはずせるようにいたしておきたいと考えているわけであります。
3、納税義務者、「
前項によって都市
計画税の課税客体となるべき
土地及び家屋の所有者とすること。」
4、非課税の
範囲、「(1)、国並びに都道府県、特別市、
市町村、特別区、これらの組合及び財産区に対しては課することができないものとすること。(2)、
固定資産税を課することができない
土地または家屋(免税点をこえないため課することができないものを含む。)に対しては課することができないものとすること。」、
固定資産税と一体として運用して行きたいと考えておるわけでありますから、非課税の
範囲も合わせておるわけであります。
5、課税標準、「課税客体である
土地及び家屋にかかる
固定資産税の課税標準となるべき
価格(課税標準の
特例の
規定の
適用を受ける
土地または家屋にあっては、その
価格にそれぞれの率を乗じて得た額)とすること。」、たとえば発電所でありますと、最初の五年間は三分の一、次の五年間は二分の一というふうに軽減
措置を講じておるわけでありまして、課税標準はやはりその
特例を
適用した後の額を課税標準とすることにいたしたいと思うのであります。
6、税率、「百分の〇・二をこえることができないものとすること。」
7、徴収の
方法等、「(1)賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とすること。(2)、納期は、原則として、四月、十一月、十二月及び二月中において、当該
市町村の条例で定めるものとすること。(3)、賦課徴収は、
固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、特別の事情がある場合を除くほか、
固定資産税の賦課徴収とあわせて行うものとすること。」、一枚の徴収紙で
固定資産税と都市
計画税を合わせて両方を徴収しようと考えております。(4)、賦課徴収に関する
異議の申立及び出訴は、
固定資産税の賦課徴収に関する
異議の申立及び出訴の例によるものとすること。(5)、都市
計画税にかかる
地方団体の徴収金の納付は、
固定資産税にかかる
地方団体の徴収金の納付の例によるものとし、特別の事情がある場合を除くほか、
固定資産税とあわせて納付しなければならないものとすること。(6)、都市
計画税を
固定資産税とあわせて賦課徴収する場合においては、左によるものとすること。(イ)、納期前納付に対する報奨金、延滞金または延滞加算金の計算については、両税の合算額によって行うものとすること。(ロ)、都市
計画税及び
固定資産税にかかる
地方団体の徴収金の納付があったときは、その納付額から督促手数料及び滞納
処分費を控除した額々両税の額に按分した額の納付があったものとすること。(ハ)、両税をあわせて収納する場合における国庫出納金等端数計算法の
適用については、両税を一の
地方税とみなすものとすること。(ニ)、都市
計画税の徴税令書、納期限変更告知書、督促状その他の文書は、
固定資産税のこれらの文書とあわせて作成するものとすること。(ホ)、
固定資産税の納期限を延長したときは、都市
計画税の納期限も同一期間延長されたものとすること。(ヘ)、
固定資産税またはその延滞金額を減免したときは、都市
計画税又はその延滞金額も、
固定資産税またはその遅延金額に対する減免額の割合と同じ割合によって減免されたものとすること。(7)、都市
計画税の脱税に関する罪、滞納
処分に関する罪及び滞納
処分に関する検査拒否の罪に対する罰則の
適用については、
固定資産税の場合における罰則と同一とすること。」
(三)、水利地益税、「
市町村は、都市
計画税を課する場合においては、都市
計画法に基いて行う事業の実施に要する費用に充てるための水利地益税を課することができないものとすること。」、現行の水路地益税では都市
計画事業のためにこれを起すことができるようになっております。しかし同じ目的のために
二つの事業を興すことは不適当でありますから、都市
計画税を起すためには、そういう
意味の地益税は起すことができないことにいたすわけであります。
(四)、国民健康保険税、「課税額の限度額を五万円(現行三万円)に引き上げること。」、三万円ときめましてから後に、国民健康保険税が全体として四割五分くらい増額になって参ってきております。同時にまた給付額も八割くらいふえて参ってきておるようでありますので、最高額をこの程度引き上げたいと思うわけであります。
十二、その他、「(一)、
昭和二十九年における事業税の改正に際し新たに所得を課税標準とすることとなった外航船舶を運航する法人の行う事業の所得の計算については、
昭和二十九年四月一日の属する事業年度分から、従前より法人税の例による所得の計算が行われていたものとして同年度分以前の繰越欠損金及び減価償却不足額について、法人税で認められる繰越の
措置を事業税においても認めることとして算定するものとすること。」二十九年から所得の課税標準が変ったわけであります。ところが、これらの事業は莫大な償却不足額をかかえております。これをいつから損金に落すかということにつきまして、法人税の計算に所得計算を合わせるわけでありますから、この償却不足額の損金算入のやり方も、全く法人税に合わした方が税務計算上簡素になるのじゃなかろうかというふうな
考え方から、従前から法人税の例による所得の計算が行われていたものとして、将来にわたって所得計算をしていく、その結果は、償却不足額は二十九年以後、直ちに全部損金に算入しようとすれば算入できるということになるわけでございます。そういうこととの関連から、繰越し欠損金につきましても同じような
措置を認めたい、海運事業の中には減価償却額は完全に損金として落していく、その結果相当大きな赤字を計上しておった企業がございます。赤字を計上しないために減価償却額を損金に立てない、そうした場合に、その減価償却額は将来損金に見られた、ところが赤字にしたばかりに、将来損金に扱われないということは不公平でありますので、繰越し欠損金も同じ扱いにしたい、かように考えているわけであります。「(二)、
昭和三十一年度分の
市町村民税及び
固定資産税に限り、個人の均等割の税率及び大規模の償却資産に対する
市町村の課税限度額の
決定の
基準となる人口は、
昭和三十一年三月三十一日までの間に
昭和三十年国勢調査の結果が官報に公示された場合は、当該公示に係る人口によるものとすること。」、新国勢調査の人口によることにいたしたいわけであります。これらはいずれも一月一日現在できめることになっているわけでありますが、国勢調査の人口の公示がおくれているわけでありますので、このような
規定を設けたいわけであります。「(三)、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う
地方税法の臨時
特例に関する
法律の一部を改正して、軽油引取税にあっては合衆国軍隊及び国際連合の軍隊等が当該軍隊等の用に供する軽油の引取、都市
計画税にあっては当該軍隊等が所有する
土地及び家屋に対しては課税しないものとすること。(四)、日本中央競馬会に対する
固定資産税の課税に伴い、国庫納付金率を百分の十(現行 百分の十一)に引き下げるよう日本中央競馬会法の一部を改正すること。(五)、その他
規定の
整備を図ること。」
以上であります。